10/12/17 17:36:51 Zc90iotg0
「こんな気持ち悪い服…服なんかじゃない、よ…」
この場にはいない犯人に悪態をつきながら、
お腹や太股に突っ張るゴムを直しつつ、鞄を拾って肩にかける。
普通の服とは違って、何か行動するたびにキュチキュチ、キシキシと耳障りな音を響かせ、
拘束感を与えてくるゴムのスーツが、本当に嫌で嫌ですぐにも脱ぎたかった。
こんな服を着ている位なら裸の方がマシのように思える。
踏ん張りのきかない足で支えながら、重たい鉄扉を開けてみる。
扉に鍵は…かかっていなかった。
外は暗闇と生い茂る木々で視界を埋め尽くしていた。
どことも知れない倉庫から鍵のかかった変態的なコスチュームのまま家に帰れ…、
そういうゲームのつもりなのだろうか、犯人は。
わかった、乗ってやる。そして、絶対に逃げ切ってみせるんだから!
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…月の光に照らされて、黒く妖しい光沢を放つ華奢な身体が林の中へと消えていった。
その彼女が消えた倉庫の天井。
そこには無邪気な野良猫が捕えた獲物で遊んでいた。
必死にもがけど逃げられない獲物の姿が、その猫の瞳には最高の玩具として映っていた…。
続く?続かない?