完全拘束・超拘束に萌える 4at FETI
完全拘束・超拘束に萌える 4 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
10/05/06 12:56:13 8WL1GMn20
待ってました~④

301:名無しさん@ピンキー
10/05/06 15:00:34 uU37jIwZ0
もしや・・・GG63様・・・!?

302:名無しさん@ピンキー
10/05/06 16:08:38 G7d+/O2q0
>301
詮索はしないのが礼儀。
てか、今の連載とあの名作を比べたらGG63氏に失礼だろ。

303:名無しさん@ピンキー
10/05/06 16:40:49 uU37jIwZ0
ああ、申し訳ない・・・。

304:GG63
10/05/06 22:26:42 eOexI7nJ0
僕じゃないですよ。
とてもこんな情感たっぷりの表現できません。
いつも楽しみの読ませて頂いてます。

305:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/06 23:16:52 iG1O/Cgn0

 細かい穴状の狭い視界に、暗い校庭が広がる。
 首を少し動かして穴から見える位置を変え、夜間照明の明かりを頼りに寮まで歩いてゆく鷹美。
 全身をギチギチに締め上げられているので、ただ歩くよりも何倍もの力が必要だ。

 そして次第に身体が慣れてくると、鷹美の頭の中心を、膣に差し込まれたバイブのことが占め始めた。
 様子からしてストラップは施錠されていないようなので、うまく外せば今ここで脱げるかもしれない。
 では、暗いとはいえこんな校庭のど真ん中で、ストラップを外してバイブを抜き去って、それをどうするのか。
 バイブだけ外してストラップを戻す?
 ストラップを手に持って、股間のチャックを閉める?
 それとも……
 どれも現実的でなかった。
 今の刺激が、腕に刺さった短剣のように、すぐに抜き去らなければ激痛で耐えられないといったものではない。
 恥ずかしくて惨めなのに、気持ちいいから、不自由な全身で強引に離脱行為に及ぶ必要性とを天秤に掛ければ、
現状維持が妥当という結論になってしまう。

 自分を辱める巧妙な仕掛けに鷹美は……    ゾクゾクと感じていた。


306:名無しさん@ピンキー
10/05/06 23:21:12 5BDPL+Vg0
礼儀云々を言うなら
>今の連載とあの名作を比べたらGG63氏に失礼だろ
これは不要。
礼儀ある人はこんな事書かないよ。

307:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/06 23:22:23 iG1O/Cgn0

 寮の入り口で寛貴が待っていた。
「お疲れさん。その様子だと思ったよりだいぶ動けるみたいだな。うわ、目立つなそのバイブ」
「(い、いきなり掛ける言葉がそれ? もっと優しく……)」
 そこまで籠った声で言って、急に涙が出て言葉が途切れた。
「えーと、先輩から鍵を預かってるんだけど、これってその口の鍵?」
 確信は無かったがストラップには鍵は無いはずなのでとりあえず頷く。
 寛貴が鷹美の全頭マスクの口を覆う革パーツの金具に鍵を差し込むと上口唇から頤までやや広めの部分を覆うカバーが外れた。
「結構広めだね。食事できるように、かな?」
「そ、そんなに、開く、かな。えい、えい」
「そんだけ開けば食べられるだろ」
「うん」
「改めてお疲れ」
 寛貴は昆虫の複眼のような顔の鷹美をバフッと抱いた。
「うん……」
「大昔の仮面ナントカにそんなの居た気がする。口だけ人間なやつ居たぜ」
「ちょ、バカぁ! ひどい!」
「あはは、寮監が雑巾貸してくれたから、これで靴底拭いて入れよ」
「うん」
「手伝おうか?」
「いい。自分で出来ないとだめだから。でもちょっと支えててね」
 鷹美は緩慢な動作で雑巾を受け取り、本当に改造されてしまったように見えるヒールと一体化した自分の足をまじまじと
見ながら靴底を拭いた。


308:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/06 23:23:01 iG1O/Cgn0

「メシは?」
「いらない」
「部屋におにぎりを置いておいたから、気が向いたら食えよ」
「ありがとう」
「あと、生活に必要な事項を伝言された。1つは、そのストラップ、下は外せれば自分でも他人でも勝手に開けていいんだと。
でも上まで脱いだらだめだって」
「よかったぁ、おしっこどうしようかと思ってた」
「でもバイブはそのたびに戻すんだぜ?」
「い、いやぁ…… 我慢して回数減らそう……」
「口も外したままでいいんだって」
「ふーん。まあ、助かるけど」
「あと、服もいいそうだぜ。ワンサイズ大きめの制服ももらった。お古みたいだけど」
「うそ! マジ? 着ていいの? 良かったぁ、あたしこのバイブ見せて歩くんだと思った」
「ああ、まるわかりだもんな。でも皆知ってるぜ?」
「ひいっ! ど、どういうこと?」
「ああ、鷹美が芸術的な実験のためにこれこれこういう姿でしばらく暮らしますからよろしくって、プリントまで配られた。
好きなやつは何か取りつけたくてウズウズしてるみたいだぜ?」
「ちょ! 『何か』って何よ!」
「滝沢はガスマスク着けてぇ!って言ってたな」
「ひいい! あたし弄(いぢ)られ役?」
「吉村は椅子にして座りてぇ!って言ってたな」
「同級生に弄られるのヤダよぅ……」
「仕方ないだろ? 俺たちそういう役目で入ったんだから」
「あう……」


309:名無しさん@ピンキー
10/05/06 23:24:11 HMe0dmoY0
つ④

310:名無しさん@ピンキー
10/05/07 00:07:36 RCHwMsu80
やっぱり授業受けるんだ

311:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/07 06:31:37 8HKHtMsB0

「俺と居るうちにトイレ行っておけよ」
「うん」
 二人でトイレの前まで来た。
 普通に夕食後の時間帯なので、多くの寮生は部屋に居るが廊下も人気が無いわけではない。
 ぽつりぽつりと通る人はみんな鷹美の姿をジロジロ見て、中には憧れの眼差しで見るものもいる。
 トイレ前で周囲に人の居ない瞬間を狙って両サイドとお尻の留め金を外してバイブを抜く。
「はあっ!!」
「バカ、声がでかい」
「だってぇ」
 ブラブラと前に垂れたバイブを握ったまま鷹美は個室に入った。

 おしっこは普通に出来た。
 アナル栓の蓋も感覚の無い指先でなんとか外し、普通どおりに排泄できた。
 お尻洗浄ボタンを押して栓の周囲を洗浄し、良く拭いてから栓を戻し、片手で握ったままだったバイブをゆっくりと
股間に沈めた。
「(んくうぅぅッ!)」
 こんな惨めな黒革人形が、こんなオモチャで突き上げられて喜んでるなんて……と鷹美は自嘲した。

「出来た?」
「うん。考えてみれば、トイレに入る前に抜かないでも、サイドと後ろの金具だけ外してもらえばいいから、部屋では
あびる先輩にもお願いできそう」
「そうだな」
「金具留めて?」
「うん」
 バイブを釣り上げている金具を3か所留めてもらい、口の革パーツを手渡され、鷹美は部屋に向かった。


312:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/07 06:32:05 8HKHtMsB0

「あら、あら、妃埼さん、素敵ねぇ」
「不気味じゃないですか」
 全頭マスクの黒革人形が口だけ露出させた状態で喋る。
「不気味よぅ」
「ひい! ひどい!」
「あらあら、褒め言葉よぅ」
「ど、どうも」
「手伝うことがあったら言って」
「はい…… 佐納先輩お気遣いありがとうごさいます。でも今日はもう寝ます」

 鷹美は明日の授業の支度をし、ベッドに置いてあったワンサイズ上の制服の古着をハンガーに掛け直して、緩慢な動作で
ベッドに横になった。
 しかしブーツのまま布団に潜り込むわけにもいかず、大判のタオルを出して、上掛けの上に寝てタオルを掛けた。
 寝冷えなど無縁と思われたが、そのまま何も上に掛けずに眠るのは、物体か犬のようでなんだか惨めに思えたのだ。

 まどろみ始めたら何やらチャリチャリと音がする。
「え?」
 ギョッとして細かい穴の視界から良く見ると、佐納あびるが鷹美の首輪に鎖を繋ぎ、その端をたっぷり腕に絡ませて
添い寝していた。


313:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/07 06:37:18 8HKHtMsB0

 部屋の電気が点けっぱなしだった。
 鷹美はあびるの腕から鎖を解くと、ジャラリと鎖を鳴らして立ち上がった。
(うわ、重ッ!)
 ベッドで眠ることへの味付けなら実用性を無視していいとあびるが思ったのか、工事現場で使われるような極太のチェーンだった。

 鎖を手で抱えて移動し、電気を消す。
 たったこれだけの動作がなんて億劫なんだろう。
 鷹美は手で鎖の首輪側の付け根を探ると、南京錠らしき大きな塊を感じた。
 触感は無いが握ると大きさがわかる。

(やれやれ)
 鷹美は自分が黒革人形のくせにあびるのフェチぶりにため息をつき、またベッドに入るとあびるの腕に鎖をたっぷり絡ませた。
(ほんとうは自分がされたいんだろうな、あびる先輩。先輩の場合はストラップでなくて黒革の上から鎖かな)
 股間のバイブをむにゅむにゅと膣の筋肉で締めている自分に気付く。
 気持ちいいけどずっと生殺しだ。

 ぼんやり考えているうちに眠った。




【規制はキツイですね。無理矢理終わらせてろだにでもうpってしまおうかと思いました。GG63様はじめ住民の皆様④感謝です】

314:名無しさん@ピンキー
10/05/07 08:32:32 XSYd33y80
つらいプロバイダなんですね。つ④

315:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/08 00:07:52 cHDNLon70

 翌日、予想はしていたが教室はすごい騒ぎだった。
「ねえっ、ねえっ、妃埼さん! 1時限目は手錠して!手錠! 鎖長いやつだから、ノートも取れるよ?」
 手錠マニアの小杉さんが潤んだ目でホンモノの手錠を持ってきた。
 鷹美は唇の表情を読まれるのと、万一声が漏れるのが嫌で口の革パーツを戻していた。
 黒革の頭でコクリと頷く。
「あ、ありがとう!」
 小杉は教室の入り口でカチカチと鷹美に手錠を嵌め、ロックピンを押し込んでダブルロックを掛けた。

 手錠を掛けられた制服姿の異様な黒革人形が自分の席に着く。
 バイブの底がゴツリと椅子に当たる。
 座面には、折り畳んだ防災頭巾を内蔵した学校指定の座布団が敷かれてはいるが、それでもかなり突き上げが来る。
 突き上げを確認するようにクチュクチュとバイブを体内に押し込む動作をして、鷹美はハッと気付き、マスクの中で
真っ赤になった。
 このままだと授業中にバイブでオナニーしてしまう。
 だがもう鷹美のぐちゃぐちゃに歪んだ今の状況に歯止めを掛けるものは何も無かった。
 理性が途絶えた瞬間にこの教室の中で、授業中にでも、あられもない嬌声を発して良がり狂いそうだった。

 教師は鷹美の立場に理解のある人ばかりだが、それはどうやら校長や教頭からの根回しが効いている様子だった。
 制服を着た異様な黒革人形が手錠を掛けられた手で、おぼつかない握力で鉛筆を握り、もたもたとノートを取る。
 鷹美は異様な状況下で、今までの経験の全スキルを使い努めて平静を装っていた。
 しかし一度着席すると立ち上がるのが億劫なほどの強圧で全身を締め上げられ、ただそれだけで全頭マスクの中で
茹ダコのように上気していた。
 荒い吐息を隠せるので、口を塞ぐパーツを装着しておいてよかったと鷹美は思った。


316:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/08 00:08:23 cHDNLon70

 歴史の授業の単調な板書をしてると、昨夜からの慌ただしい拘束儀式の記憶が整理され、自分の今居る状況が
はっきり認識されてきた。

 今、教室で、普通に生活している自分が居る。
 お情けで授業を受けさせてもらっているが、クラスメイトには弄られ役として認識されてしまっている。
 みんなの望むことは?
 私をいじり回して一体何がしたいの?
 みんなの気持ちを満たす、私にしか出来ないこと。
 ……長期拘束とその中での各人こだわりの道具との関わり。
 ……もし私だったらそんな子が居たらどうしたい?
 もし私に手錠した小杉さんが、こんな拘束に詰め込まれて手錠されてたら?
 小杉さんきっとイキたいはず。
 好きな拘束の中でめちゃくちゃになる小杉さんを見てみたい。
 でも、それが小杉さんには出来ない拘束なら?
 代わりの誰かに試してもらって、その子が滅茶苦茶になるのを見てみたい。

 ……それが……私……


317:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/08 00:08:43 cHDNLon70

 ― ガガガガ ―

 突然すごい音がして鷹美の身体が跳ねた。
 チャリーンと手錠の鎖が鳴る。
 鷹美は股間に一瞬痛みを感じたが、直後にそれは全身を貫く快感に変わった。
「(んんーーーーーッ!!!)」
 喉を突いて出る絶叫を、抑えるなんて無理だった。
 鷹美が手を無意識に引いたため、シャーペンはどっかに飛んでゆき、全頭マスクの目の網目の奥で鷹美の目玉がグリンと裏返る。

 ―ブブブブブ―

 鷹美の反応に驚いたように、急にバイブの振動が緩くなり、鷹美は浮かせた腰を元に戻した。
 だが振動は止まらない。
 一度コツを掴んだかのように、微妙に調節され始めた。

 鷹美の細かい穴から見える視界には、黙々と板書を続ける先生と、こちらを振り向いている小杉さんが映った。
 そうか……コレのリモコンって……
 鷹美は自分の体内に差し込まれている凶悪な玩具のコントロールが、クラスメイトたちに握られていることを知った。


318:名無しさん@ピンキー
10/05/08 00:23:03 4nT/e8bX0
つ④

319:名無しさん@ピンキー
10/05/08 22:45:12 DsSQ02xr0
つ④

320:名無しさん@ピンキー
10/05/10 02:47:33 ngMSqWXJ0
つ④

321:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/10 07:17:38 T/114OL+0

 もう鷹美は授業どころではなかった。
 激しくうねるバイブにこねまわされる膣は、それまでの生殺しで充分に解れていたために、簡単に臨界を超えそうだった。
「大丈夫か妃埼? でもまだ小杉だから素直で楽かもな」
 一つ後ろの席の東条がシャープペンを拾って鷹美の宙をもがく手に持たせた。
「(ハァッ…… ハァッ…… あり、ありが、東条く…… ンあッ!!)」

 鷹美は無謀にも授業に集中しようとしたが、とてもノートに向かうことなどできなかった。
全身締め上げられているだけでも被虐の快感に焙られ続けているのに、加えて手錠で自分が弄られ役だと宣言され、
クラスメイトのしかも女子の手の中にあるバイブのリモコンで快感を操られて、自分ではままならない膣内の刺激に、
教室の真ん中で絶頂を晒す処刑台への階段を登らされている。
 イク姿は転入の歓迎会の時に寮生全員に見られてはいるが、あれはお祭りのような中での別世界。
 こんな授業中では生々しさが違い過ぎる。
(やだ、イッちゃう! 皆の中で、授業中にイク!)
 鷹美は完全に居たたまれなくなり、トイレへ逃げ込むことを思いついた。

「(せ、先生! す、すみません、トイレ……)」
 ガタン、と席を立ち、小走りに教室を出た……つもりだったのは鷹美だけで、クラスメイトには、のろりと立ち上がり、
そのままつんのめるように教室の床に倒れ込んだ鷹美の姿が映った。
 ― ジャリーン! ―
 手錠の鎖が激しく床にたたきつけられた。
「(んあああああーーーーーッッ!!)」
 倒れた衝撃と、『動けるのに拘束されている』自分の身体をがんじがらめに支配している処刑の仕掛けを実感させられ、
鷹美はその被虐快感に全身を貫かれた。
 制服のスカートが捲れた黒革が光る尻や、見られたくなかったバイブを晒し、四つん這いの姿で鷹美は激しくイッた。

 ちょうど1限目が終わり、鷹美をその姿に残したまま礼をして休み時間になった。


322:名無しさん@ピンキー
10/05/10 10:32:41 AqJkc+Jc0
つ④

323:名無しさん@ピンキー
10/05/10 22:06:23 4wcLlWT6O


324:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/11 01:13:43 ORhwAnCl0

「鷹美ちゃん、逃げたらだめだよう」
「妃埼、ペナルティーじゃね?」
 数人の男子と女子に助け起こされ、立ったまま囲まれた鷹美。
「(ペラルティーとか、らんでそんなこと勝手に決めんのよぅ!!)」
「だってみんなで弄っていいって言われたんだぜ? 妃埼も好きなんだろ?こういうの。 なあ、曾根芝ぁ?」
 男子の一人が席で本を読んでいる寛貴に問いかけた。
「あー、まあな。やっと自分が着せられた革の機能に気づいたみたいだから、みんなで押さえつけて、ちょっといじると
またイクぜきっと」
「(ちょ!バカ!寛貴ぃ! うらりりものォ!!)」
「よう、滝沢、ガスマスク持ってっか? こいつうるさいからガスマスクしようぜ」
「(やらってば、いやぁ!)」
「そんなにのろい手で払ったって当たるかよ」

 鷹美はその場のノリで熱くなった数人の男子に押さえつけられた。
 簡単に身動きできなくさせられてしまった鷹美は、寛貴が言った通り、膣を貫かれながらギチギチに締め上げられて
自由のきかない自分に感じてしまい、また昇りはじめた。
「(あうっ! はひっ! ひい! はらしてぇ! イクとこみらいでぇ!)」
「ほ、ほんとにイクの?鷹美ちゃん」
 耳まで真っ赤になった女子が、まるで自分に置き換えたように上気し、潤んだ目で、誰に問うでもなく質問する。


325:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/11 01:14:42 ORhwAnCl0

「(う! んんううううう! んんんんうううううううううううッッ!!!)」
 突然歯噛みしたような唸り声に切り替わり、鷹美がガクーーンとのけぞった。
 本人はあからさまなアクメ声を聞かれまいとがんばったつもりだが、パタタッとスカートの下に潮の滴(したた)れを噴いて、
御せない身体を何度も跳ねさせれば、誰の目にもイッたのは明らかだ。
「すごい…… ただ身動きを封じられただけでイクんだ……」

 二度も皆の前でイッて頭の中が蕩けて弾けそうな鷹美に、追い打ちをかけるように滝沢がガスマスクを着けようとする。
「俺、ひとにマスク着けるだけでこんなに興奮したの初めてだ。妃埼さんエロすぎるよ」
 快感の霞がかかったままの鷹美の視界が、丸い二つのガラス窓で覆われる。
 鼻と口が圧迫され、さらに顔の縦一周が圧迫され、息が苦しくなった。
「(シュコーーーッ シュコーーーォォーーッ)」
 またこれか、と鷹美は思ったが、後頭部に回されたベルトが締め込まれると、イッて少し下がっていた快感ゲージが簡単に
閾値を超え、絞るような声を出しながらまたイッた。
「(シュシュゥゥーーーーーーッ!!)」

「曾根芝ぁ、コイツどうすんよ? グダグダだぜ?」
「自分の席に後ろ手に縛っとけば?」
「お、俺、縄掛けてもいいかな」
 縄好きの男子がすでにロープを握りしめている。
「いんじゃね?」
 その男子は周囲の男子に手伝ってもらい、鷹美の硬い腕を後ろ手に持ってゆくと、鷹美を黒革を包む制服の上から高小手に縛り上げた。
「(シュコオオーーーッ)」

 鷹美がガスマスクの奥で何か叫んだが、全く聞き取れなかった。


326:名無しさん@ピンキー
10/05/11 01:17:42 XzO8KN8e0
支援

327:名無しさん@ピンキー
10/05/11 08:53:46 o85uhn3J0
規制の度に不安になる


328:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/12 01:24:19 gR6gfOJ90

 荒縄ででなく綿ロープではあるが、制服姿のまま罪人のように縛り上げられ、ガスマスクまで被せられた姿は特進課の
中でも異様さが際立っていた。
 男子数人の手で抱えられ、自席に座らされた鷹美は、革の硬さとストラップのテンションと高小手の縄の張力で辛うじて
倒れずにいた。
 椅子の背もたれと一括りになるように腹に縄が何周か巻かれると、やっと安定した姿勢になった。
 椅子の脚に左右の足それぞれが結ばれてしまい、鷹美はもうノートを取るどころか席を立つことも出来ない状態になってしまった。
 二限目の授業からは鷹美に手を出したクラスメイトたちが手分けして鷹美の分のノートを取った。

「(シュコーーッ! シュコッ! シュウウゥゥゥ……)」
 リモコンは今、縄掛けした男子が持っている。
「(インウウゥッッ!!)」
 激しく身を捻り、椅子から腰だけ浮かせてガクガク痙攣する鷹美。
 上半身を括り付けられているので椅子から立ち上がることはできない。
 腹を突き出すように何度も身体を震わせ、やがてパタッと脱力して元の姿勢に戻った。


329:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/12 01:24:48 gR6gfOJ90

 当の鷹美は完全に天国に居た。
 全ての事の始まりは寛貴の差し金による強引な拉致からだったが、自分の中に眠るマゾを完全に引き出されて、とうとう
皆に押さえられただけでもイク身体にされてしまった。
 止む事の無い革の圧力は自分の肉体が作り変えられてしまったことを思わせ、何をされてもまともに抵抗できない分厚い革の仕掛けは、
日常の中で完全に自由を失ったことを思い知らせていた。
 そして何より、単に自分だけが自由を失う快感ということより、自分が拘束されることで心から喜ぶ人たちが居ることが鷹美に
奉仕の満足を与えていた。
 まるでウレタンの時に寛貴のモノに奉仕するだけのフェラマシーンにされた時のような嬉しさだった。
 ウレタンの時、自分の存在が消滅するほどの超拘束の中にあっても、自分の口で寛貴が射精すると、それだけでイキそうなほど嬉しかった。
 今、形は違っても自分の存在が誰かを気持ち良くしていることを鷹美はひしひしと感じていた。

 寛貴に対する愛情とはまた別腹の愛しさで鷹美の膣はキュンキュンと締まる。
 性器周りが締まると、おもちゃに貫かれている自分を意識し、それがまた被虐の快感となって下腹部に蓄積する。
 鷹美は今、そうやってため込んだ快感燃料に一気に点火されてしまったのだ。
 消火活動など意味を成さないほどの業火に焼かれ続ける鷹美は、それでも一片の理性で今が授業中だと認識していた。
 そしてそれがまた鷹美の性感を高めてしまう。


330:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/12 01:25:34 gR6gfOJ90

 自分の身体が支配され、犯される時にのみ緩む筋肉が、無機質な器具によってこじ開けられている。
 そして隷属を受け入れるほど脱力せねば緩まないアナルの筋肉は、とうの昔に金属筒をねじ込まれ、緩みきったまま固定され、
排泄のコントロールを取り上げられてしまっている。

 膣を意識する。
 気が遠くなるほどイッてもまだヒダで無機質の表面を味わい、体腔が無残に広げられている被虐をまた味わう。
 従属・隷属・蹂躙・辱めの証。
 それが震え、うねり、枯れ果てた快感を強引に掘り起こす。
 そしてまた昇る。
 こうなるともう止められない。
 またイクとこ見られてしまう。
 噛み殺す。
 無理。
 イク。
 毎度目の裏が真っ白に光って、声を出してるかどうかとか、体の姿勢すらもわからなくなる。
 大丈夫だよ、声、漏れてないよ、身体、跳ねてないよ、きっとみんな、気づいてないよ。
 授業中だし、これだけギチギチに縛られてるし、もう教室の中の置き物みたいなもんだから、あたし。
 遠のく意識の中で、ガスマスクのフィルターの先端に向けて、ありったけの声を流し込んだ。


331:名無しさん@ピンキー
10/05/12 01:26:13 lqWeEV4d0
つ④

332:名無しさん@ピンキー
10/05/12 05:39:47 NktHz3xN0
保険の先生がこんなんだったらイヤすぎる(スレチっぽいけど、ここのような気もしたので)
The Human Centipede
URLリンク(trailers.apple.com)
URLリンク(www.youtube.com)
グロ映画というか人体改造モノ?です。一応ご注意を。

333:名無しさん@ピンキー
10/05/12 15:55:56 wwQX3xXYO
333!

334:名無しさん@ピンキー
10/05/13 05:04:42 zLdBNer90
>>332

ルール
・人体改造やグロネタは控えましょう。

335:名無しさん@ピンキー
10/05/14 09:22:09 xrQRn6zYO
>>332
よく見つけてくるね、そんな映画
拘束じゃなくて改造だからスレ違うけど

つか予告で人間ムカデ完成してるの見せて良いのかね?

336:名無しさん@ピンキー
10/05/14 11:32:53 9fq9ZgHA0
人間ムカデというアイデア自体は否定しないがね

レザーかラバーで複数の人間を連結する拘束スーツか何かであれば、
けっこう面白いとは思うよ


337:名無しさん@ピンキー
10/05/14 11:49:49 IJupmXsL0
株式会社ムカデの吉岡君を思い出したじゃないかw

338:名無しさん@ピンキー
10/05/14 18:55:17 V8VGsIik0
>>336

なんてこと言い出すんだ
読みたくなってきたじゃないか

339:名無しさん@ピンキー
10/05/14 21:22:19 9fq9ZgHA0
>>338

スマン!
実は昔みた月刊SM小説誌の巻頭特集頁で、いろいろな空想的責め具を
毎月3、4点、説明書きの添えられたイラストで掲載していた中に、
前の人物の腰と大腿部に装着した革製のハーネスを、後ろの人物の
首と頭部に装着したハーネスで連結させるってのがあってね。
それは人間ムカデみたいに直列ではなく、先頭と最後尾を連結させる
ことによって環状に繋いでしまうので、最低人数が3人でそれ以上なら
いくらでも連結させられるって設定だった。
もちろん、好きなところで切り離すことが出来るわけだ。
>>332でその事をすぐに思い出したのだが、たしかまだそのSM小説誌、
部屋のどこかにあると思うのだが・・・見つかったらスキャンして
公開するよ。


340:名無しさん@ピンキー
10/05/15 18:36:49 F2667WVU0
保護区 またか

341:名無しさん@ピンキー
10/05/18 07:58:43 AeMGIwb00
妄想設定思いついたんですが、鷹実が完結するまで待った方が良いですか?

342:名無しさん@ピンキー
10/05/18 08:01:39 +1+g1vNa0
いつ終わるのか分からないのに、待てないでしょ

343:名無しさん@ピンキー
10/05/18 08:45:42 AeMGIwb00
それでは投下します。

対象は二人の女性AとB(仮)
Aの装備
・細部まで採寸して首から足の爪先、お尻と秘所のクレバスまで完全に密着する
透明のラバースーツ 。
・乳首とクリトリスを常に立たせる擬似ピアス。
・その上に黒いラバースーツ(乳首と股は開いてる)と紫色のラバーロンググローブと
ラバーストッキング。
・胸には乳首や胸を振動したりして激しく責め立てる多機能金属製ビスチェ
・尿道には導尿カテーテル付きバイブ・膣内には多機能のバイブ・肛門に浣腸機能付き
アナルプラグバイブ。
・カテーテルの先は太股に付けるタンクの中に。性器をカバーする愛液ポンプを付け、
ポンプとアナルバイブを繋げて浣腸。
・クリトリス全体を覆うローターを付け、金属の貞操帯で封印。
・口に媚薬入り擬似精液を約数十人分圧縮保存した特殊バイブ付き口枷・その上に鼻の上
から下全体を覆うラバーマスクを装着。
・黒い頑丈な首輪と紫色のブーツ。


344:名無しさん@ピンキー
10/05/18 08:47:05 AeMGIwb00
Bの装備
・細部まで採寸して首から足の爪先、お尻と秘所のクレバスまで完全に密着する
透明のラバースーツ 。
・乳首とクリトリスを常に立たせる擬似ピアス。
・その上に黒いラバースーツ(乳首と股は開いてる)と青色のラバーロンググローブと
ラバーストッキング。
・胸を絞り出し腰を厳しく括れさせるコルセットと腕枷が一体となる革ベルトの集合体
で構成された拘束衣。
・尿道には導尿カテーテル付きバイブ・膣内には多機能のバイブ・肛門に浣腸機能付き
アナルプラグバイブ。拘束衣に繋がるベルトが股に固定する。
・乳首とクリトリスにローター。三箇所の擬似ピアスを細い鎖で逆三角形に繋ぐ。
・乳首とクリトリスにミニ電気パッドを装着。(電流責め)
・カテーテルの先をアナルバイブに付けて浣腸。性器をカバーする愛液ポンプ(透明)
を装着。Aと違いバイブらを咥え込む様子が丸見え。
・口に開口マスクを付け、その上から愛液ポンプを繋げたガスマスク(表情がはっきり
とわかるタイプ)を装着して自分の愛液を強制的に飲ませる。
・両腕を手首から肘までを覆う手枷で後ろ手をコの字に拘束。
・ガスマスクに催淫ガスの入ったカートリッジを接続。
・黒い頑丈な首輪と青色のブーツ。

この二人の首輪を鎖で繋いで深夜の町に露出プレイさせる、というシチュエーションです。


345:名無しさん@ピンキー
10/05/18 08:48:46 AeMGIwb00
どうでしょうか?

346:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/18 09:27:06 +ezyI7CZ0
>345
規制でなかなか投稿できないので是非お願いします

347:名無しさん@ピンキー
10/05/18 12:26:39 ibHPmqlg0
是非! 支援

348:名無しさん@ピンキー
10/05/18 20:55:19 RhdKmbnD0


349:名無しさん@ピンキー
10/05/19 12:45:08 ioGm744Z0
>>343
ブーツの形状についてもっと詳しく聞きたいです。
編み上げタイプなのか筒丈はどれくらいかヒールはどれくらいか
バレットブーツなのかポニーブーツなのかなどなど


350:名無しさん@ピンキー
10/05/19 16:28:58 BmAiucBm0


351:名無しさん@ピンキー
10/05/19 18:49:52 dqt5DAgQ0
>>349
そこはご想像にお任せします。

352:名無しさん@ピンキー
10/05/20 00:08:11 WqN081HbO
支援。
でもその二人が好きでやってるのか、それとも誰かに強制されてるのかが気になる。

353:名無しさん@ピンキー
10/05/20 10:34:09 3vNasD8f0
藤林丈司

354:名無しさん@ピンキー
10/05/20 18:24:03 fRUn1oV20
きっと双子の姉妹で片方は好きでしていて、もう片方は秘密知って無理やりに違いない。


355:名無しさん@ピンキー
10/05/20 19:32:57 mesynXdz0
ネタ投下

・首から下の体全体に完全密着する透明のラバースーツ(乳首と股間は露出)
・乳首とクリにバイブ機能付きピアスとバイブ機能付きキャップ
・導尿カテーテル付きバイブ、子宮ローター、
・子宮頚まで完全密着するバイブ(肉襞をかき分けて根元まで刺激可能。疑似精液型の媚薬を射精可能)
・浣腸機能付きアナルバイブ(自動排便も可能)
・股間部分に密着するローター、愛液吸引装置
・これらの上に黒いラバースーツ(内側にはマッサージ機能付きの襞付き)
・馬蹄付きの革製サイハイブーツ
・革製のロンググローブ
・金属または革製のマッサージ機能付きコルセット
・30cmの金属製男性器付き貞操帯(興奮と羞恥の度合いによって愛液を射精)
・金属フレームのみのセーラー服(両肩に膀胱と直腸用の浣腸液タンクをつるす)
・両手にミトンをはめて手の先に尿と排便用のタンクを吊るす
・精液味の媚薬を射精できるバイブ付きのガスマスク

356:名無しさん@ピンキー
10/05/21 00:38:35 WT5q/Av60
絵師さんがいればのう・・・最高なんだが

357:名無しさん@ピンキー
10/05/22 08:35:49 J6bMAd3d0
愛液ポンプってかなり昔の振袖で拘束するやつにあったよな

358:名無しさん@ピンキー
10/05/22 12:42:52 BUhmMHaN0
一件普通の服装だけど中はガチガチの拘束がというところがいいね

359:名無しさん@ピンキー
10/05/22 12:44:29 xmqDIIxN0
みんなも理想の拘束法を書いていこうぜ


360:名無しさん@ピンキー
10/05/22 14:04:11 BNO4VYzq0
ずいぶん昔の話で恐縮だが・・・ポニーガールの人カモーン

361:名無しさん@ピンキー
10/05/22 15:57:25 u2tsQz2CO
完全拘束 超拘束 を施してみたい女性は
皆様にとって どのような女性なのでしょうか?

本命彼女 奥様 セフレ…
奴隷とは、皆様にとってどのような立場の女性が相応しいと思われますか?
教えて下さい

362:名無しさん@ピンキー
10/05/22 17:46:00 q8j+gbHO0
>>360
レスをコピペしてほしい

363:名無しさん@ピンキー
10/05/23 01:17:23 t4G841Lr0
女性もいいが、男もこんな風に完全拘束されたい奴っているのだろうか・・・。

俺もその中の一人だが・・・。

364:名無しさん@ピンキー
10/05/23 05:53:05 fl7gX1E10
>363
私も…

365:名無しさん@ピンキー
10/05/23 06:09:58 xDWM71IB0
>363
攻めも受けも性別は問わないな・・・自身を含め

366:名無しさん@ピンキー
10/05/23 14:48:47 d7LgscjNP
>>363
拘束されたいされたいされたいされたい

女しかダメってんなら性転換考えるレベル

367:名無しさん@ピンキー
10/05/23 14:51:36 xiJmOKHf0
個人的な嗜好では受けはないなー
男性より女性
ただ痛いのとグロは完全アウト
だからこその拘束


それより鷹美さんと343と360期待きたい

368:名無しさん@ピンキー
10/05/23 15:55:22 b35rvPgP0
昔からふと頭に浮かぶのだが・・・拘束されている女性の話を読んでいる時、
果たして読んでいる自分は誰に感情移入しているのだろうと。
拘束している側なのか、それとも拘束されている側なのか
今でも答えが出せずにいるが、俺は絶対にこっちだと明言出来る人はいる?



369:名無しさん@ピンキー
10/05/23 17:40:02 A5Eh61YD0
またスレ違いの馬鹿が出たか
荒らそうとして必死だね

370:名無しさん@ピンキー
10/05/23 17:42:51 GeBkjHEf0
芸術って名目で粘着テープで頭の天辺から爪先まで容赦なくぐるぐる巻きにされたり、石膏?で固められたことならある

371:名無しさん@ピンキー
10/05/23 21:16:09 GoOCA9M1P
だれか画像化しろよ。
ネタ。

372:名無しさん@ピンキー
10/05/23 22:01:31 7l2UI8sf0
絵師カモ~ン

373:名無しさん@ピンキー
10/05/23 22:09:28 YOEr/j1X0
絵心があれば自分のネタをイラスト化できるのにな・・・・・・。

374:名無しさん@ピンキー
10/05/24 04:31:08 LXEaT3zK0
一日1時間絵の練習すれば、一年後くらいには見れるレベルにはなるぜ

375:名無しさん@ピンキー
10/05/24 04:44:45 LXEaT3zK0
ところでこのスレ、前に存在していた全身拘束スレとはどんな関係だったん?
単に関連スレってだけなのかな?

376:名無しさん@ピンキー
10/05/24 08:16:52 olpkHl+OO
>375
地雷ネタサンクス

377:名無しさん@ピンキー
10/05/24 10:19:30 Hlplnuey0
>>376
あー…デリケートな話題だったのか
スマン

378:名無しさん@ピンキー
10/05/24 10:25:36 zvBlR33l0
先週、店で全身拘束体験してきた

379:名無しさん@ピンキー
10/05/24 18:16:44 e6KAaUTX0
>>374
それは手書き?それともパソコンで?

380:名無しさん@ピンキー
10/05/24 19:53:23 bwQYsNfpO
>>378
くわしく

381:名無しさん@ピンキー
10/05/24 22:47:55 45FZq4NR0
>>363
たしか、そんな小説書いてる人いたでしょ。
ドイツ製のラバースーツに潜り込んで女装してたら、
強盗に進入されて・・・。

あとは、人体改造が入るバージョンだったかな。
作者も作品名もサイト名も忘れた。

このスレで呼びかければ、誰かがリンク貼ってくれると思われ。

382:名無しさん@ピンキー
10/05/24 23:11:31 XaEp8cwz0
完全拘束の女性を酸素供給しながらスーツケースに詰めて街中をごろごろ
そんなSSないかのう

383:名無しさん@ピンキー
10/05/25 00:27:07 2QY+VGBA0
双頭バイブつけて勃起状態にして露出プレイってどうよ

384:名無しさん@ピンキー
10/05/25 00:31:56 AEaqtp7S0
>382
SSは無いが海外ロダに近い画像が結構あるよ。
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)
URLリンク(fetish.iiichan.net)


385:名無しさん@ピンキー
10/05/25 02:42:18 L8sdocb60
>>381
玲さんだな
あの人の作品また読みたいな・・・。

386:名無しさん@ピンキー
10/05/25 09:05:04 q3aOqYoE0
>>381
URLリンク(seitennoyakata.x.fc2.com)

387:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/25 13:54:13 AEaqtp7S0
【規制の隙を縫ってうp。規制だらけでとても連載維持できないので、鷹美固めエンドで一旦終わらせます。】


 声はガスマスクに届く前に口を覆う分厚い革マスクをピリピリと振動させ、その殆どが吸収されて消えた。
 足りない酸素を吸うために、ありったけの鼻呼吸をすると、小さな金属の輪を通過する空気がひゅうひゅうと鳴る。
 過呼吸が過呼吸を呼び、頭がクラクラして思考が鈍る。
 その中を突き抜けてまた快感が駆け上がる。
 またイク。
 機械的に全身が痙攣する。
 イク周期が短くなっている。
 もう力が入らず、グダグダに溶けてしまいそう。
 まぶたの裏がピカピカと明滅を繰り返し、次第に鷹美は意識を失っていった。

 しばらくして鷹美が意識を取り戻すと、網目状の視界の目の前に寛貴が居て、ほか教室には誰も居なかった。
「鷹美、鷹美ってば、聞こえるか?」
「……あ、ひろきぃ…… って、あれ?ガスマスクは?」
「昼休み前に取ったよ」
 ガバッと身を起こそうとして、ロープの拘束にガクンと引き戻された。
「い! いったい、今何時?!」
「もう放課後だよバーカ」
「う、うそお! え? 何が起きたの?」


388:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/25 13:55:07 AEaqtp7S0

「おまえ、呼吸制限で連続でイッたあと、真剣に失神したんだよ。呼吸が浅くなったんで危険だからガスマスク外したら、
そのままのカッコでグーグー言って寝ちまって」
「ひいい~ 恥ずかしい~」
 鷹美は教室の椅子にロープで縛られた姿のままだった。

「よっぽど疲れてたんだな。そのあと何しても起きなかったぜ」
「何してもって、何したのよっ?」
「バイブいきなりMAXとか。眠っててもイクのな」
「ぎゃーー! なんてことすんのよっ!」
「だって、その革じゃ、叩いて起こそうにもコッチが痛いぜ」
「ひっどーい!」
「まあまあ、今ロープ外すから…… 立てるか?」
「うん…… や! はあんっ!」
 鷹美は刺さったままのバイブがどろんと位置を変えたので、妙な声がでて真っ赤になった。
「バ、バカ、何て声出してんだよ」
「だってぇ……」


389:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/25 13:55:48 AEaqtp7S0

「ほら、寮に戻るぞ。トイレの準備してあるから」
「うん」
 鷹美はゆっくりと異様な制服姿のまま歩き出した。

「はふっ…… はあっ……」
 鷹美のノロノロした歩みに合わせて歩く寛貴が覗き込んだ。
「大丈夫か? きついのか? って、それは当たり前か」

「寛貴っ、あたし、やっぱ、もうだめ……」
「急にどうしたんだよ」
「あたし…… 気持ち良くて狂いそうなのぉ…… みんなの役に立ちながら一人動けない姿にされて…… アソコにおもちゃ
入れられてるのも、いじめれてる感じがたまんないのぉ」
「そ、そりゃ良かったな」
「ねえっ、ねえっ、もっと皆に見られながら、皆に役立つコトってないかなぁ。イスとか?」
 寛貴はしばらく口篭っていたが、ちょっと困った顔をして口を開いた。

「そりゃ、便器だろ」

 鷹美はマスクの奥で息を呑んだ。



390:名無しさん@ピンキー
10/05/25 14:10:47 3n5hi0h70
紫煙

391:名無しさん@ピンキー
10/05/25 17:50:38 ggne+laa0
これだけのものを中途半端に終わらせるのはもったいない。ブログでも借りてそこで続けるのはどうでしょう。
ぜひ最後まで読みたいですし。

392:名無しさん@ピンキー
10/05/25 21:28:17 6pyZIkY40
中の人の思うままになさって下さい つ④

393:名無しさん@ピンキー
10/05/25 23:12:56 cK5+G0qs0
つ④
まあ、これだけは作者さんの考えるようにですね。

>>382さんのネタのSSを、鷹美の方の戻るまでのお茶濁しと思って書いてたけど
戻って来られたので、鷹美の終了後にぽちぽちと投下しようかと思います。
書き上げてからの方が確実ですし。
なんて言ってたら今度は俺が規制で死んだりして。plalaだから不安だ

394:名無しさん@ピンキー
10/05/25 23:51:27 5zvJOz5P0
>>391
書き上がったテキストファイルを、適当なロダにあげてもらった方が、お互い楽だと思う。

395:名無しさん@ピンキー
10/05/26 07:40:43 w5gfZPq/0
>>394
楽ではあるが、作者さんは反応が分からないよ。


396:名無しさん@ピンキー
10/05/26 20:56:53 14OG9ehP0
ブログ連載にすれば随所にコメントとか出来るから感想をかけたり出来るしいいと思うけどな・・・。

とりあえず、たかみ作者さん、今まで乙でしちゃ。

397:名無しさん@ピンキー
10/05/26 23:55:06 It5vyY5r0
ブログなんて小説の連載には全く向かないし、感想だってここより少なくなるよ。
だからブログだけはやめてほしい。

398:名無しさん@ピンキー
10/05/27 08:43:57 UHejlELR0
>>397
なら代案を出したまえ。

399:名無しさん@ピンキー
10/05/27 09:39:37 ZciCvPA/0
勝手に俺らが提案したり代案したりするようなものじゃないと思うなー

400:名無しさん@ピンキー
10/05/27 11:34:02 859395sXP
会社員みたいだな会社では糞提案でも代案がないと通ってしまうものなんですか

401:鷹美 ◆iIo5f1RC12
10/05/27 13:24:20 tdMDBwGw0
【お騒がせして本当に済みません。
住人の皆様のお気づかいに感謝します。
しかし、スレのまったりとした維持のために始めたことですので、
他所で継続するのは申し訳ありませんがあまり意味のないことになってしまいます。
正直ここまで引っ張ると思わなかったので鷹美自身のキャラも破綻しはじめていますから、
そろそろ潮時かと思います。
便器編もまったりと投稿させていただきますので、
他の方が先に何かお書きになっても何ら問題ありません】

402:名無しさん@ピンキー
10/05/27 14:01:06 AT2xg2ol0
作者氏の意図を尊重。最終章楽しみにしてます つ④

403:名無しさん@ピンキー
10/05/27 20:37:10 BI+Tz6Wz0
④ 

404:名無しさん@ピンキー
10/05/27 21:23:29 xagQl+JR0
便器編って、スカトロですか・・・

405:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:00:36 81OX7Z7/0
ゴム編はないのか…  orz

406:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:17:31 HE9IXQn70
スカトロはまずい・・・。

407:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:26:51 859395sXP
グロに近い

408:名無しさん@ピンキー
10/05/27 23:39:40 +z6+ZM/G0
便器扱いって萌えるシチュだから期待してたけどやっぱり受け入れられない人多いよね… つ④

409:名無しさん@ピンキー
10/05/28 00:09:10 TmJVaBVw0
つーか、自分の彼女で便器プレイやろうと思いつくのは変だろ。

410:名無しさん@ピンキー
10/05/28 01:12:40 QIIDLPNh0
つーか今更変もクソも無いだろ

411:393
10/05/28 01:47:00 wADYpwB10
では、こちらもまったりと載させていただきますねー。>>382が元ネタで、スーツケース(トランク)詰めの話
―*―
「まだかなあ……」
独り言。
だって、実際、遅いんだから仕方ない。約束の時間は30分前なのに。
あの人はよく遅れてくる。
わたしの居るのはベッド以外の家具も何も置いていない、マンションの一室。
彼がよく【遊び】の待ち合わせに使う部屋の一つ。
「…忘れてんじゃない、よね」
ケータイを取り出して、彼に電話をかける。
コール音5回で繋がった。
『ああ、悪い。渋滞』
「……そうですかー」
『あと10分ぐらいだから、下で待っててくれよ』
「りょうかーい」
渋滞ねえ。
本当か嘘かは知らないけど、遅れる時点で電話ぐらいほしいものだ。

いくら、わたしが彼の玩具だからって。

―【遊び】の時以外に全然気を使ってる様子が見えないのは如何なものかと
わたしは思うのよね、センセイ。
「……」
誰に言ってるんだか。

412:393
10/05/28 01:50:23 wADYpwB10
携帯を弄って少し時間を潰した後、部屋を出てマンションの入り口に向かう。
ちょうど、彼がマンションの入り口に車をつけたところだった。
「どうだこれ」
「でか!」
彼が乗ってきた、ワンボックスのレンタカー。
そのバックドアを開けると、かなり大きな旅行用のスーツケースが鎮座していた。
「まず、これ降ろさないとなっと…重!ちょ、手伝ってくれ」
「あ、はいはい」
「割とデリケートなんだこれ。積む時もレンタカー屋の人に手伝ってもらってさ」
彼に言われて、スーツケースを一緒に持とうとすると、
「重!」
わたしも同じ台詞を言ってしまった。何入ってんのこれ!
二人でやっと、アスファルトの上に降ろす。
「よーし。んじゃ、俺は車置いてくるからそれ、部屋まで運んどいてくれよ」
「重いじゃないですかー!」
「頑張れ」
あーもう。
仕方なく持ち手を引っ張り出して、マンションのロビーに入って、
エレベータを呼んで待つ。それにしても、引っ張るだけでも重いなあ。
こんなの、女の子に運ばせるんじゃないわよー。

413:393
10/05/28 01:52:40 wADYpwB10
このスーツケース…っていうより、トランクって感じなぐらい大きいの、
もしかして、この中に【遊び】用の道具満載してるんじゃないわよね。
「……あー」
有りそう。でもこれだけ沢山あるんなら、一体何日かかる……。

ぞくっと来た。

待て待て、わたしはちゃんと、今回の【遊び】は長くて二日って伝えてたはず。
その辺りはメリハリつけないと、色んな方面で支障が出るっていうのは、
今回、初めて長時間の【遊び】をしてもらう上で話し合った時、
彼が言っていた事。
それこそ、彼が完全にわたしを彼の所有物にするとかそんな事を
決めたりでもしない限りは、やらないはず……。
わたしがずっとモノ扱い。年中、今までの生活ぜんぶかなぐり捨てて。

あー。考えてるだけで……。
我ながら難儀な性癖!

《チーン》
……あ、エレベータ来た。
このエレベータ、なんか床と段差あるなあ。
ケーブルとか危ない事になってるんじゃないのかな。
そんな事を思いながら、トランクを力いっぱい引っ張って段差を越えさせると。
『ンフンッ!』

414:名無しさん@ピンキー
10/05/28 01:56:24 mBEKy05t0
つ④

415:393
10/05/28 02:00:23 wADYpwB10
女の人の、くぐもった声がした。
「……って」
それだけ聞けば十分、わたしには察しがつくわけで。
人、女の人、トランクに入れられてる。
「わ…わ…」

【遊び】の最中だ……この人!

「って事は……」
多分、この中に閉じ込められて、色々仕込まれてるんだろうなあ……凄い。
でも、わたしの【遊び】なのに、この人連れて来てどうするつもりなんだろう。
言っては悪いけれど、わたしはSっ気みたいなのは全然無いから、
間違っても彼の調教助手みたいなコトは出来ない。
だって人が気持ち良さそうな事してると、まずわたしにやらせろって思っちゃうから。
要するに。
今のこの人みたいなコトだって、してくれるなら、真っ先に手を挙げたいぐらいで。
してほしい、なあ。

「あ」
エレベータ、動かすのすっかり忘れてた。

416:393
10/05/28 02:27:09 wADYpwB10
―*―
「お。気付いたなその顔」
トランクさん(仮称)と一緒に部屋で待っていると、間もなく彼がやってきた。
「……うん。これ、凄い、ですね」
「イイでしょうー。ちなみに結構大声で話してるけど、中の子には全然聞こえてないから」
「うえー……」
勿論、外なんか見えないだろうし、聞こえもしないって。ただの荷物扱い……。
「で、率直な感想を聞かせてほしいね」
「……わかってる癖に。わたしもされたいですよぅ……」
「だろうなあ。だけど、さすがにこんなケースをもう1個用意して運ぶのはきついよな」
「難しいですよねー…」
彼は一人なんだし。
「どうやっても二人も入れないからな。いや、もう二……三回り大きいのがありゃ……ふむ?」
うわ、何かすっごく良からぬ事を思いついた顔だ。
「ん、まあ、今は予算無いからな。ともかく。交代してもらいなさい、入りたかったら。
 その子は朝からだから……ま、四半日ってところか?
 どっちにしろ実験で入ってもらってたから、用意がちょっと悪くてね。一度出ないと、ヤバい」
「そんな、危険なプレイなんですか…」
「んー、まあ色々な。でも反省点はしっかり洗ってあるから、少しは安心していい。
 これからやるなら―そうだな。12時間から1日」
「いち……にち」
つまり、【遊び】の間、フルでこれの中に入っていられるって事。
わたしの顔を見て、にやにやしながらトランクの鍵を開ける彼。
蓋を開けると、中には灰色の保護材らしいものが、一面みっちりと詰まっていた。
息を呑む。

417:393
10/05/28 02:31:43 wADYpwB10
どうしてって、確かにトランク詰めになっているのはわかってたけど……、
ここまで大袈裟なものだなんて、思ってなかったから。
だってこんなの……動く隙なんて全く無いのが、ガワを見てるだけでわかる。
みちみちで、ぎゅうぎゅうで―人が入ってるのさえ、信じられないくらいで。
これ、『トランク詰め』なんかじゃない。
トランクと一つの、塊だよ。

「はふ…」

思わず、溜め息が漏れていた。
彼はそんなわたしの様子を見て笑うと、保護材のへこんだ部分を掴んで持ち上げた。
トランクの、ちょうど半分ぐらいの厚みの保護材が飛び出す。
むわっと、汗と、愛液と、その他色々―とにかく身体からこぼれおちるものの匂いが広がった。
その匂いの元は、もちろん―。
『ふっ……ふっ……』
【荷物】になりきっている、彼女。
座椅子の上で、腕を前に伸ばしながら体育座りをするような姿勢で彼女は納まっていた。
半身はまだ、保護材に埋もれたまま。
解放されつつあるのがわかったのか、『んむう?』なんて言って、自由になった手をぱたぱたさせる。
体つきと声で『彼女』っていうのはわかるけれど、それ以上はわからない。
なにせ、首から頭の部分はぎっちりと保護材を詰められていて、
そこだけ保護材が半球状に盛り上がっている。
そこの部分だけは別のパーツになっているみたい。

まるで、彼女が彼女である事の個性を消し去るため、みたいに。(今日はここまで)

418:名無しさん@ピンキー
10/05/28 03:54:13 TmJVaBVw0
お疲れ様。

419:名無しさん@ピンキー
10/05/28 08:02:56 Tih8b4ZY0
>>418
sageよろ
>>417
つ④ 新作ktkr

420:名無しさん@ピンキー
10/05/28 09:01:25 Kwzepewn0
神北!


421:名無しさん@ピンキー
10/05/28 14:42:22 7aFvVxNY0
>>410
>つーか今更変もクソも無いだろ

スカだけにな!!

422:名無しさん@ピンキー
10/05/28 15:28:05 fCz3nL0g0
さっさと書けやチンスコー

423:名無しさん@ピンキー
10/05/28 19:44:06 URmd0tyn0
>>417


424:名無しさん@ピンキー
10/05/28 22:28:37 wA7OC9hZ0
鷹美の作者さんお疲れ様でした。大変楽しかったです。
続き、楽しみにしてますので。

そして新作支援

425:393
10/05/29 00:21:53 v+o2iKji0
のっぺらぼうの半球の、鼻口にあたる部分からチューブが何本か延びていて、先はいくつかに分かれていた。
一番目立っているのは……体育座りの、膝の間の空間にある、埋まっているボックスに延びているそれ。
チューブの中を通る液体が、黄色いせいだ。
実はビタミンウォーターとか、そんなタチの悪いギャグじゃなければ―彼女が出した、おしっこ。
自分で出したものを自分で飲まされるだけ、とはいえ。
いっそう、モノめいて見える仕掛けだった。

「ほれ、そんな嬉しそうな顔してないで手伝ってくれ」
彼は、彼女の頭に繋がるチューブを外しながら言った。
「うれっ……ち、違いますー!それはっ、怖くてっ」
「止めるの?」
「やめま、せんけど……」
普段、軽い【遊び】の時ならもっとふざけた口も、きけるんだけど。
さっきからゾクゾクし過ぎて、言葉が上手くまとまってくれない。
遊び程度の言葉の範疇じゃ、収まらないよ、これ……。
「ここまでやるのは初めてだからな。仕方ないか」
「……そ、そうですよお」
「怖がらないでいいよ」
彼はわたしの頭を軽く撫でる。
「よし、そこの箱だけ持っててくれ」
彼は彼女の身体をお姫様だっこにすると、持ち上げる。彼が指したのはさっき目立っていたチューブの行き先。
つまり、おしっこを貯めているだろうボックス。

426:393
10/05/29 00:24:00 v+o2iKji0
……そこからは更に、彼女が唯一履いているラバー製の下着の大事なところへ、短いチューブが延びていた。
間違っても引っ張り過ぎないように、彼の動くスピードに合わせて持っていく。
「……よ、しっと」
彼女はベッドに寝かされると、思い切り伸びをした。
あまり長くない時間でも、身体は凝り固まるみたい。
『ん~、んふあ~!』
伸びをしながらの唸り声。
―顔だけがまん丸の玉になった、奇妙なひとがたが吼える。
ああ、人間じゃない。ヒトじゃない。
「さて」
彼はわたしに向き直った。
「ま、顔を合わす必要も無いと思うから―このまま交渉してくれるか?」
「えっと……何も聞こえないんじゃ……」
「大声でも聞こえるだろうけど、まあ指文字でなんとかなるだろ」
「……あ、そっか」
わたしはおそるおそると彼女に近づいて、そのお腹に指を立てた。
ぴくり、と彼女の身体が震える。
ゆっくりと、一文字ずつ、彼女の汗でべとべとの肌に字を描く。

427:393
10/05/29 00:25:50 v+o2iKji0
『こ・ん・に・ち・わ』
『……こんいひあ』
わかったらしく、彼女がもごもごと返してくれる。
次は―。
『こ・う・た・い  し・て・く・れ・ま・せ・ん・か・?』
『おーあい?』
『は・い  か・わ・つ・て・く・だ・さ・い』
『……んー』
彼女は少し考え込むそぶりをする。
『ん。あんあっへね』
頑張ってね。
そう、言ってくれた。
「……OK、決まったみたいだな」
彼は言って、わたしの肩をぽんと叩く。
「それじゃ、彼女の方を綺麗にしなきゃいけないんだけど、まあ子一時間かかると思うから」
彼女の抜け殻になっていたトランクに近寄って、残っていた半分の保護材も抜き出してしまった。
これで、トランクは空になる。
「そこで、予行演習。―この中でちょっと待っててくれるか?」
「……!」

428:名無しさん@ピンキー
10/05/29 00:29:42 7IMfFUCW0
つ④

429:393
10/05/29 00:31:53 v+o2iKji0
「なにもしないからさ。いや、本当」
彼の言う『なにもしない』っていうのは全く逆の意味にしかならない。
わたしが、気持ちよくなりたい…そんな時に限って、大事なところには何も仕込んでくれない。
それが彼の『なにもしない』だ。焦らすのが大好きで……困る。
「―わかりました、よう」
わたしは頷いて、身体をトランクの中に収めた。
「十分入れるだろ?」
「うん。大っきいですね」
しっかりと身体を伸ばすには全然足りないけど、彼女と同じ体育座りの姿勢なら、
首も脚もそれほど苦しくない。
横幅はそこまで大きくないから、蓋を閉められてしまうと腕は窮屈かも。
「それからこれ」
彼は、ポケットからカナル式イヤホンのついた、ipodを出す。
「ま、別に外の会話が聞こえていてもいいけれどな。御自由に、ってところ」
「……うん」
大人しくイヤホンをつけると、大半の音がシャットダウンされてしまった。
彼はにこやかに手を振ると―トランクの蓋を、閉めた。
「……ぁ」

トランクにしみついている、雌の匂い。彼女の匂い。

頭がとろける……。

430:393
10/05/29 00:34:33 v+o2iKji0
でも、それを塗りこめてしまうほどの暗闇。
「うあっ」
トランクに力がかかったかと思うと、寝かされていた体が、縦になる。
彼が持ち上げたのだろう。
ごろごろごろ、と地面からの振動が伝わって……
ガタン!と大きな段差を乗り越える。
振動が大きくなる……。
あれ?
もしかして、外―。
「ええ!?」
わたしは声を上げた。
保護材もなにも無いので、自由の利く手で方耳のイヤホンを外す。
トランクに遮られて判り辛いけれど、確かに外だった。
『馬鹿。人がいたらどうするんだ』
彼の声がした。
「だ、だって」
『俺はよく落とし物するからな。
 ま、玄関だからすぐ気づくと思うが―拾いに来るまでしばらく待っててくれ』
「…ひどい」
その呟きに彼はこたえず、遠ざかる足音がした。
「ひどいですよー……もー」
仕方なく、わたしはipodに入っている曲を適当に選び始めた。
洋楽とクラシックと、ゲームミュージック……全然わたしの趣味じゃないなー。
時間つぶしぐらいにはなるかな。(ここまで)

431:名無しさん@ピンキー
10/05/29 01:21:37 BHnAYZNR0
目の前にこれから自分がされてしまう姿があるのってハァハァしますね。



432:393
10/05/29 23:55:18 v+o2iKji0
―*―
40分経った。「もう」じゃなくて、「やっと」。体感時間は1時間半か、2時間ぐらい。
―せまい。くらい。
少しは体が動かせるだけに、余裕が無かった。
中途半端な自由なんて、完全な不自由に比べられるものじゃない。
―こわい。
40分の間、何度かトランクの傍を人が通る気配がした。
幸い誰もわたしの前で脚を止める事は無かったけれど……。
さっきまで、彼女の姿を見てかなり昂ぶっていたのが嘘みたいに、身体が怖がっていた。
だって、いつ誰がこのトランクを見つけて、持ち去るかもしれないんだから。
彼の目がある状況ならともかく、それがさっぱりわからないから―。
ワガママなもので、一人でリスクの高い事に手を出して、そのスリルでたっぷり感じる勇気なんて、
わたしには無かったりする。
……こういう性格だからこそ、彼の庇護のもと、過激な【遊び】に手を出しちゃっているんだけど。
でももし、このトランクを誰かが目につけたらどうしよう。中で騒げば逃げてくれるかな。
トランクの中に入ってる女なんて、いかにもロクでもないもんねー。
だから、手なんて出すのは怖いよね……?
無理かなあ。
もしかしてこの恐怖に先に慣らしておくために、彼はこんな予行演習をしてるんだろうか。
だとしたら、本格的にトランク詰めされた後で―。
あー、いけない。怖い方にもっていくよりも、何か良い事、良い事。
……慰めようかな。
そんな事を思って、狭い中で無理矢理手を動かす。
足の間をなんとかすり抜けて、大事なところに辿り着こうとしたとき。

ドン、とトランクの横が叩かれた。

「ひっ!」
『もしもーし。俺だよ俺俺』
……振込め詐欺だった。

433:393
10/05/29 23:59:21 v+o2iKji0
慌ててイヤホンを外す。
「意地悪。―おわったんですか?」
『ああ、彼女は帰った。次だな』
トランクが再び動き始めて、最初と逆順を辿った。
大きな段差。がたがた。……寝かされて、蓋を開けられる。
「久しぶり」
「……うん」
起きて、彼の前に立つ。
部屋の様子は大きくは変わっていなかった。
ただ、ベッドの上には例の保護材パーツと、色々な部品か固まっている。
「えっと、準備は―どうするんですか?」
あれだけ大がかりな仕掛けだし、きっと準備も結構な手間がかかるんだろう。
「その前に、確認しておかないとな。お腹は?」
「空っぽです」
彼に事前に言われていたこと。
……家で、一人でお腹の中キレイにしたりするのは、正直言ってちょっとむなしい。
お風呂場に行ってシャワーでぬるま湯を入れて、トイレに行って出す往復。
だからって彼に任せたりすると【遊び】に絡ませて、とんでもなく恥ずかしいシチュで
排泄させられる羽目になりそう―というか、なる。
そういう羞恥プレイな事は、彼の庇護下ならどんとこいって言っても良いんだけど。
でも、だからって他の目的があるのに、そう色々やってると……どうにかなっちゃいそうで。
自己弁護。
「それじゃ、下準備といこうか。最初は、彼女のあの状態にするんだが」
「あの、頭が玉になってた?」
「他、見てなかったか?下にも色々仕込んでたよ」
「……あー」
あのボックスと、ラバー下着……か。

434:393
10/05/30 00:02:34 kStW5fAY0
「どちらから先にやろうか?実際、どっちでもいいんだ。頭と身体」
「どっちって、どこか違いがあるんですか?」
「俺のおすすめは頭から。服を着たままああいう風にするのは映えるからな。
 じぃ~つに、フェティッシュだ」
そう言って彼は、愛用の一眼デジタルカメラを取り出す。
……そんな風にした上で、思いっきり撮影会するつもりだ。
撮った写真や動画の一部は許可の上でネットで公開なんてしていて、
彼はもっとその手の趣味の理解者を広めたい様子。
わたしも何度か撮られた事はあるし、他の子の動画ですごく良さげなプレイがあったので、
わたしにもやって欲しいってお願いした事もあった。
「―それは、また別の機会でお願いします」
撮影が入ったとしても、別にいいんだけど。
浣腸の件と同じで『ついで』でそんな事をやっている様じゃ、いつか自分を制御出来なくなりそうで怖い。
「そか。……ま、それじゃあそのうち」
「えっと、じゃ、下ですか」
「ああ。下からって事で、脱いでくれ」
わたしは頷いて、裸になる。―【遊び】のためにあそこの毛は剃っていて、だいたい滑らか。
……堂々と立っているのも恥ずかしいので、ぺたんと座る。
その間に彼はバッグから道具一式と、医療用のゴム手を取り出していた。
横には、彼女に使われていたのと同じ、ボックス。
「さて、色々つけるものはあるんだが……半日から一日なら、後ろはプラグだけでいい」
「……うん」
アナルプラグを3つほど並べる彼。わたしの調子によって、太さを変えるつもり。
「まあ、尿道には簡易カテーテル……前と、クリ○リスは何か希望ある?」
「希望ですか」
「特に希望が無けりゃ、『なにもしない』」
わたしは唸った。

435:名無しさん@ピンキー
10/05/30 00:25:49 kwgSuhKB0
つ④

436:393
10/05/30 00:34:18 kStW5fAY0
④どもー。3レスで収まる量だとキリが悪くて困る
―――――――――――
性悪男。
「ぬうー……それじゃ、ローターがいいです」
彼は頷いて、ローターを二つ、大小で取り出した。どっちもコントローラがついてなくて、無線式なのがわかる。
「そして、これを履く」
最後に出したのが、例の黒いラバー下着。普通のパンティなんかよりもかなり上まであって、おむつみたい。
腰の部分は同色の革ベルト付。穴は1個しかない。多分―わたしのウエストにジャストになっている。
そのせいで下がらないよう、腰骨の上で固定出来るようになっていた。
部分部分に穴が開いているのは、アタッチメントでも使えるのかな。
「サイズから穴の位置から特注だ。他のコには使えない。君のもの」
「おー……ほ、本格的ですね」
「別の事にも使えるから、粗末には扱わないように。終わった後、クリーニングして渡すよ」
「りょうかーい」
「よし、それじゃつけるから、四つん這いになってくれるか?」
「……うん」
そこから彼はまるで機械みたいに、冷たく鋭く真剣な目になって、わたしに器具を取り付けていった。
この目は好きだ。
わたしをヒトとしては見ていないけれど、モノとしては大切に大切に取り扱ってくれているのがわかる。
職人の眼力、みたいな。わたしは―作品。
アナルプラグが指でほぐされてワセリンを塗りこまれたお尻に捻り入れられて、
特に潤滑剤なんて要らない位には濡れてしまってるあそこに、大きい方のローターを滑り込まされ。
残りのローターを固定したラバー下着を履かせられた後、
前に空いている穴から、彼は慎重に慎重に、カテーテルを挿入してくる。
お尻だってそうだけど、異常な使い方をされるおしっこ穴―尿道だっけ。
そこが痛みじゃなく不快感を伝えてきた。

437:393
10/05/30 00:38:20 kStW5fAY0
すぐに、管が通って止められなくなったおしっこが流れ出して―、
チューブを通って例のボックスに流れ込んだ。お腹が少し軽くなる感じ。
結構溜まってたんだ。来る前に、お尻と一緒にしてきたんだけど。
股間からチューブが飛び出してボックスに繋がっている、変な格好にさせられてしまった。
立ち上がったりするにはボックスを外すか持つかしないといけない。
ぴっちりとしたラバー下着は、ラバーの割に柔軟性が無くて、アナルプラグを出そうといきんでも、
下着に抑えられてちっとも動かなかった。
「……よし」
一仕事終えた風で、息を吐く彼。
「……お尻、辛いんですけど」
彼が気を緩めたところで、わたしは言った。
お腹は空っぽだったはずなのに、トイレに行きたくてたまらない。
プラグは抑えられて動かないのは判っているのに、お尻が勝手に出そうとする動きをしてしまって。
「慣れてないだけだと思うけどな。もっと太いのだって入る筈だし」
「そりゃー、そうですけど。でも四六時中つけてるわけじゃないんですから!」
「じゃあ、終わる頃には慣れるだろ?」
「う」
そうだった……。これつけたまま、1日かあ。あの、トランクの中で。
「……ううう」
わたしの頭をぽんぽんと叩いて、彼は笑って言う。

「さ、次は頭だ。しばらくこの顔ともさよならだからな。いいか?」

「……いい、です、よ」
わたしは壊れかけのおもちゃみたいに、かくかくと頷いた。(ここまで)

438:名無しさん@ピンキー
10/05/30 00:58:24 m2pRqC0W0
超④

439:名無しさん@ピンキー
10/05/30 10:45:31 gqgbfp2m0


440:名無しさん@ピンキー
10/05/30 19:16:41 SIUHMOrK0



441:393
10/05/31 00:01:30 kStW5fAY0
「よし。それじゃまずは、耳からだな」
そう言って彼が取り出したのはさっきわたしが使っていたipod。
それに刺さる、カナル式のイヤホンをわたしの耳に入れて……。
何か粘土みたいなものをその上から詰めた。
更に、耳全体を覆うカバーみたいなものを被せられる。
音が消えた。
「……。……!……?」
わたしに向かって喋っている彼の声も、喋っているのがわかるぐらいで、ほとんど聞こえない。
「わかんないです。なに言ってるのー?」
彼は満足した様子で頷いてipodを何か操作した後、わたしに持たせる。
そして自分はヘッドセットを取り出して着けて―。
『や』
彼の声が、イヤホンから流れた。
『さっきの彼女の時は、ちょっと失敗でさ。俺の指示とかを聞かせる方法が無くて、色々困ったんだ』
「だから、これ」
『そ。電池はまだかなりあるから、心配しなくてもいいからな。
 このイヤホンつけてて大丈夫だったか?結構、カナル式って耳の形と相性あるような事聞くけど』
なるほど、だからさっきわたしがトランクに閉じ込められていたあいだ、これを使わせていたんだ。
わたしは頷く。
『OK、じゃあ続けよう。今度はこれ』
次に出したのは、ラバーの全頭マスク。何度か経験した事があるので、割と慣れている。
―と思ったら、鼻のところから、表裏に短いゴムチューブが伸びているアタッチメントがついていた。これは初めて。
鼻の中を軽く掃除した後、ゴムチューブを挿入しながらマスクをつけて……ゴムくさーい。
目・口以外のわたしの顔のパーツが、あっというまにラバーの奥に消え去ってしまう。

442:393
10/05/31 00:03:38 rrqizF7q0
次に彼は、オーラルマスクを取り出した。
『口を塞ごうか』
穴の部分は他の種類の開口ギャグみたいに、男の人のアレが入れられる大きさにはとてもなっていないけど、
歯を当てる部分がゴムみたいな素材で、かなり広く、複雑な形状に作ってあって、
歯全体を使って咥えられるようになっている。マウスピースみたいなものかな。
「……ん、あむ」
ゴム部を咥え込むと、顎の後ろでバンドが止められて、固定されちゃって―。
今度は、口を封じられた。
「はえれあいー」
『喋れないなあ。じゃ、お口は別の事に使うか』
彼はそう言って、片端が太くなっているチューブを出した。
『これを穴に入れる。深さは適当な量で自分で調節してくれ』
「あい」
渡されたチューブをマスクの口穴に入れようとすると、なかなか滑り込んでくれなかった。
大きさがちょうど良すぎて、上手くいかないんだ。
その様子を見ていた彼が口を出す。
『……そうだな、濡らせば入れやすくなるかもしれないなー』
「みうえ?ろーひょん?」
『そんなのより、自分の唾液でやるのがいいんじゃないかなー』
「うー!」
屈辱的な事を平気で言うんだからー!

443:393
10/05/31 00:08:12 rrqizF7q0
口穴から、つばをたっぷり絡めた舌を晒して、チューブをぺろぺろと舐めた。
「ん……ほん……んぁ」
彼がすっごいにやにやしてる。変態ー。ド変態め。
―人のことなんか全く言えなくて、すごく、あそこが熱くなっているんだけど、ね。
なんとなく、やる必要の無いチューブの中まで舌を差し込んでいるのを彼に見せつけて、
最後にしっかり濡れたチューブを口穴の中になんとかねじ込む。
「れきあした」
『はい、よく出来ました』
言う前に、次の―最後のパーツが既に用意されていた。
大きな、灰色の、保護材で出来た玉。それが前後で半分になって、置いてある。
わたしの頭を全て覆って別の何かにしてしまう、残酷なもの。
「おぁ……」
思わず、声が漏れる。
『まずは前から。位置を合わせなきゃならんからな』
「……うー」
こくりと、頷く。
彼はローションみたいなものをたっぷりと玉の裏面に塗りつけた。
よくみれば、玉の裏はそう精密な作りはしていない。顔の形がだいたいとってあるだけ。
多分…あの粘液で、わたしの実際の顔形との差を埋めるんだろう。
『さ、目にもお別れだ』
彼はそういって、目の上から、ゴムシートを貼る。
眼を保護するためか、ちょっと目に当たる部分がぬめぬめとしていた。
最後に見えたのは、彼の楽しそうな顔。
目も、消えた。
のっぺらぼう。
ここからは、わたしの感触と、だいたいの想像と、後からの補完。(ここまで)
――――――
次回は明後日の予定ー

444:名無しさん@ピンキー
10/05/31 00:11:34 TAHNBpPh0
つ④

445:名無しさん@ピンキー
10/05/31 02:30:25 o/CI5nrM0
顔面拘束萌え。


446:名無しさん@ピンキー
10/05/31 04:09:59 v9Tqgpbt0
つ④


447:名無しさん@ピンキー
10/05/31 04:46:25 I70ti1QF0
つ④

448:名無しさん@ピンキー
10/05/31 08:49:34 kcrIdrFS0
pinkオリキャラにスカのスレがあるようなんですがそのへんとかどうかな…
なんか続きが読めなくなりそうな空気で悲しい(TT)

449:393
10/06/02 00:26:03 IaPfUtoJ0
―*―
彼は、わたしに目隠しを終えた後、半球をわたしの頭に押し付けた。
わたしの顔から生える鼻と口のチューブを、半球に空いている穴に合わせて通す。
ぬちゃあ、とでも言うような感触を、顔全体にマスクごしで感じた。
「ん~~!」
気持ち悪いのか、良いのか。なんとも言えない感じに襲われる。
そして、片手で玉の前部を支えたまま後部を持った彼は、一気に仕上げにかかる。
それぞれのパーツにある凹凸を合わせて……何か弄った。
『今、何してるかわからないだろ?』
「……?」
『接着剤で、合わせ目を溶かしてくっつけてる』
わたしは竦む。
「あ、な、なんえ」
そこまでする必要なんて……。
『どっちにしろ再利用なんて効かないんだよ、この頭のパーツ。
 トランクに入ってる本体はなんとかなるんだけどな。
 ともかく、"これで取れない"』
「……!」

きゅっと。
お腹が、熱くなった。頭の芯も。

『こら。頭あんまり振るなよ、位置がズレるだろ。ピッタリ合わなくなると苦しいのは自分だぞ』
「……ほ、ほえあい?ほんろ?」
だって、あの女の人は。わたしの前の人は、取れたんでしょう。帰ったんだから。

450:393
10/06/02 00:28:42 IaPfUtoJ0
『いいや、取れるよ。でも―自分じゃ無理だろうなあ』
彼は嘲笑うように言って、わたしの手を取った。
『ここが合わせ目"だった"ところ。―わかる?』
彼に導かれた手の先が、保護材に当たる。もともとの自分の頭より、一回り大きなところ。
これが今のわたしの、頭。
指で探ると……接着剤のせいか、少し他よりつるっとしているだけで、分かれ目なんて全く無かった。
彼の手が離れると同時に、わたしは他のところも探る。
何も出っ張ったりしたところ無い、ただの玉。ざらざらした保護材の、頭。
もう、取れない。自分じゃ。
「や、おああ……」
涙が沸いて出た。
やだよう。そんなのやだ。
こんなに泣き喚いているのに、ひくひくとあそこが痙攣し始めている。
そんな自分自身も、いやなのに。
『喜んでるようで、嬉しいよ』
「……うっ、うっ」
彼はすすり泣くわたしをベッドに座らせて、落ち着くのを待ちながら準備をしていた。
そう、これでもまだ、終わりじゃない。始まってさえいない。

トランクと一つにならなきゃいけない。

『さて。それじゃ、立って』
「……う、ん」
手を引かれて、立ち上がる。股にぶら下がっているボックスは、彼がしっかりと持ってくれていて
重さは感じない。

451:393
10/06/02 00:30:02 IaPfUtoJ0
ゆっくりと一歩ずつ歩くと、つま先がトランクに当たった。淵をまたいで入ろうとすると、
最初とは違って、保護材の感触に足が包まれた。
『ゆっくりでいい』
わたしは頷いて、彼に導かれながら、身体を人の形にくり貫いた、保護材の中へ沈める。
あの女の人と同じ、体育座り。
頭の部分と同じ、ぬめぬめとした粘液の感触が、右半身に広がる。
保護材の中に納まってしまった部分は、まったく遊びが無かった。
肩も、胸も、お腹も。
腿から―膝裏、つま先まで。どこも、保護材に触っていないところは無いみたい。
彼はわたしの頭の位置を調節して、玉の半分を、ちょうど同じ大きさの窪みに沈める。
そして―。
わたしの頭に空いている穴三つを、それぞれのチューブに繋ぐ。
中からは何をしているのかはさっぱりわからなかったけれど、
わたしは口からしていた息が急に詰まるのを感じていた。
でも、知っていたはずの理由は、混乱していてすっかり忘れている。
「うう……?ふ、うあっへあう、お……」
『詰まってないよ。吸ってみな』
言われて、ちゅうっと吸い続けていると……液体が出た。
そこでわたしはやっと思い出していた。
これ、わたしの、おしっこ!

452:名無しさん@ピンキー
10/06/02 00:32:14 KQPyhsER0


453:393
10/06/02 00:40:56 IaPfUtoJ0
「お!ああああ!や!あ!」
『……鼻から息は出来るからな。吐くのは口から』
彼の、笑いを押し殺す声。
「うう……」
いわれて、鼻からしゅうしゅうと息を吸いだした。
―それでも、結構息苦しい、かな?
その後、左右の手足の間に、これもまたぴったりとした、小さな保護材が被せられた。
『さて、これで後は、保護材の半分を被せるだけ……なんだが。持たせておきたいものがある』
「……?」
『さすがに、色々と危ないところがあると思うだろ?こんなプレイ』
「うー」
彼はわたしに、コードのついたリモコンを握らせた。
それが離れないようにか―テープでぐるぐると巻いて、手の平に固定する。
「?」
『今ちょうど、人差し指のところにあるボタンを押す』
「……ん」

ぶぶぶぶぶぶ。

「……!!!!」
『押すと、ローターが動く』
「んー!んー!んー!」
ジャストフィット。
ラバー下着のローターの固定ポケットは、特注だけあって完璧で、わたしのクリ○リスを強烈に刺激した。
もうひとつ、中に挿入してある大きい方も、入り口の辺りでぶるぶると暴れる。
「んおああ!や、やえええ!」

454:393
10/06/02 00:45:02 IaPfUtoJ0
あんまりにもふいうちすぎて、声を我慢するのさえ出来ない。
半分叫びながら、パニックになりながら、おもいきり感じていた。
『もう一度押す』
「ん!ん!……んんんあ~~!!!」
更に、振動が強烈になった。
やだ、いく、いく。
真っ白!頭がぁ!
空気もたりな…あっ、口の中に、おしっこ出ちゃっ…!
わたしは完全に、パニくっていた。
『―と、最大振動になるわけ。切るのはもう1回押す』
「……ふっ、あっ……あっ……はっ、はっ、はひっ」
こんな、典型的な、罠に……。
もう怒った。
怒ったからって、もう何が出来るって訳じゃないけど。
『じゃあ次。2番目のボタン。そう、中指のだ』
「……」
もう、騙されないんですからねー!絶対ボタンなんて押してやらない!
『おーい。他、何にも仕込んでないぞ』
「……ほんろぉ?」
『本当。だって他にローターとかバイブとか、仕込めないだろ。頭?頭震わすのか』
「……むー」
仕方なく、押す。
すると、微かな振動が身体に伝わってきて……口に、水っぽいものが流れ込んでくる。
一瞬、またおしっこかと思って身構えたけれど、そうじゃない。普通においしい。スポーツドリンク?

455:393
10/06/02 00:51:01 IaPfUtoJ0
『喉が渇いたらこれを押す』
「あい」
ずいぶん優しい措置なことで。
わたしはてっきり、喉がいくら渇いても、おしっこしか飲むもの無いと思ってたのに。
『それから3番目。押してみてくれ』
押すと、詰まっていた口が急に楽になった。
「ほあー」
新鮮な空気だぁ。沸騰しそうになっていた頭がすっとする。
『3番目は、携帯のボンベに繋がってる。苦しかったりしたら使ってくれ』
「……いあも、いきぐるひいえふえお」
『ああ、今苦しかったら遠慮なく吸ってくれていいぞ。こまめにボンベは取り替えられるようにしてある。
 量販品じゃ、さすがに中身が少なくてな。予備は沢山あるから心配しないでいい。もし苦しいのに空気が出なかったら、4番目だ』
「おんあんえあ?」
『4番目はアラーム。色々危ないと思ったら押す。俺が気付く。試験だ、押して』
4番目を押す。―すぐに彼の返事。
『問題なしと。4番目のボタンは……まあ、緊急用だ。暇だからって、遊びで使わないようにな』
「あーい」
『絶対だぞ?』
「うー」
そんな、どこかのコントみたいな言い方しなくても。
そして彼はわたしの手の位置を直して、保護材のスペースに収めると。
残りの半身に向かって―用意していた、残り半分の保護材の塊を被せた。(ここまで)

456:名無しさん@ピンキー
10/06/02 00:58:08 EI8GlCi20



457:名無しさん@ピンキー
10/06/02 11:37:30 nR2VlDgk0


458:名無しさん@ピンキー
10/06/02 14:12:12 TS9YS1y6P
支援について
同一IPから3回連続でレスをすると投稿制限が掛かってしまいます。
3レス分投下された後にレスを書くと制限が解除されるので、
作者さんを助ける事になります。しかしやり過ぎは禁物    ←
※④→支援と言う意味、荒らしてる訳じゃありません

無駄に消費するのは控えましょう

459:名無しさん@ピンキー
10/06/02 15:11:48 WQhHElv70
>458
いやしかし④の数が多いほどその回のエピソードに萌えた証拠であるのも事実。
ただ
( ´_ゝ`)<フーン
と思えばそれ以上④など書き込まずに次の投稿まで放置すれば良いわけで、
思わず④してしまうのは、作者の励みになってそれはそれで良いのでは?

ちなみに3回投稿規制は④で解除される時もあれば時間を待たないと無理な時もあるよ。


てなわけでボール頭部モエス。
URLリンク(www.houseofgord.com)
URLリンク(www.houseofgord.com)
本編とマテリアルは違うけど、イメージの元にドゾー。

460:名無しさん@ピンキー
10/06/03 00:39:18 WMCuNsS50
今日は無いのかな
wktk

461:393
10/06/03 00:46:16 GCLL8UfW0
>>460あるよー。夜に投下するけど時間帯指定は出来ないのであしからず
――――――――――――――――
「……!んん……」
一瞬、大きな布団が落ちてくる錯覚をしてしまうぐらいの、ろくに声も出せない圧迫……感。
リモコンを触るために、握るだけのスペースがある、右手以外、一切動かなくなった。
動こうとすれば、保護材のしっかりした弾力が押し返してきて。
ううん。
押し返すだけじゃない。身体に、全体的に圧力がかかる。
ああ。
わたし、ただのトランクの一部に、なっちゃった。
モノだ。ヒトじゃないよお。
「ああ……はあぁ」
溜め息とも喘ぎともついかない吐息。
動かせない体が痙攣して、軽くイく。
上の方から、さらに圧力がかかった。
『今、蓋を閉めた』
「んん……ぁんん……」
言葉にもなっていない声が、喉からもれる。彼にはたぶん、聞こえてない。
……聞こえてないよね?
『立てるぞ』
「ん……ん~~~?」
重力の方向が変わって……トランクが、直立した。
「……あえはぁ…」
座り心地は、一切動けないことを除けば自然で無理の無い形なんだけれど。
重力のかかったアナルプラグが、お尻を突き上げる。
今や、わたしは。
リモコンを握ったり離したりするだけの右手と、アナルプラグに貫かれるお尻と、蕩けかける脳。
それだけで存在する、へんな生き物になっていた。

462:名無しさん@ピンキー
10/06/03 00:47:33 aDPpksje0
>>461
ノ④

463:393
10/06/03 00:48:42 GCLL8UfW0
―わたし……トランクが、動き出す。
ごとごと。
ごとごと。
ごと……ガタン!
「あおっ!」
衝撃。
アナルプラグが、自己を主張する。
玄関に下りたのかな。
もう一度、今度は小さなものを跨ぐような感じで振動が襲った。
お尻、つらいよう。トイレいきたい。出したい。
あ、トランクが、そんな事しないよね……。
外に出たらしく、「ごとごと」が「がらがら」になる。
「んおん……おん……」
彼がわざとやっているのだろう。スピードが速くなったり遅くなったりする。
それに合わせて、お尻の刺激が変わって……。
自慢にもならないけど、いままでの【遊び】で、お尻で感じたことって無かった。
もちろん、弄られたり、ちょっと拡げられたりするのには慣れっこではあったんだけど。
そのお尻が、むずがゆさを武器に、わたしの性感帯に成りあがろうとしていた。
だって、しょうがないじゃない。今わたしの身体、感じるトコそこしか無いんだもん。
そのうち、エレベーターらしい段差に乗りかかる。
最初、トランクだったあの人みたいに、わたしも「おあんっ!」っていう大きな声を上げてしまった。
あの時の彼女の声は、わたしにも聞こえたんだから―多分、彼にも聞こえている。
まだ今はいいかもしれないけれど、人のいる場所でこんな声あげないように気をつけなきゃ。

464:393
10/06/03 00:50:30 GCLL8UfW0
少し重力が変になった後、また段差を乗り越えて、「がらがら」が始まった。
……ちょっと慣れて来た。
身体が動かなくても―中の、筋肉は少し動く。
ほんの少しだけ、トランクの中に浮かぶ、わたしの輪郭がはっきりとした。
「……ん……ん」
でも、それを使って何が出来るかといえば。
「がらがら」と、彼の速度の変化に合わせて力を入り抜きして、お尻への刺激を大きくするだけ。
きゅっとお腹に力をいれると、プラグがほんのちょっとだけ外に出てラバー下着に引っかかる。
脚を突っ張ってお尻を保護材に押し付けるようにすると、出た分が押し戻されてしまう。
ミリ単位の、プラグの上下動が、せつない。
がらがら。「ん……」
がらがら。「んー…」
ガガッ!
「んホっ!」
急に、振動が無茶苦茶になった。
ガタン、ゴッ、ガガッ、ガン!
「あヒ、んグっ、んん、え゛ッ!」
ひどいよ。どこ通ってるの……。ただの荷物でも、もっと大事にしてよう。
そんな事を思うけど、何もできない。
後の話では、マンションの入り口前の綺麗に舗装されたところに車が止まっていて、
脇の砂利道の上を動かすしか無かったそうだ。―迷惑な事で。
そのうちその酷い道を超えて、「がらがら」がまた始まった。
ただ、今度はちょっと荒くて、ところどころでイレギュラーに跳ねる。
一般道と、歩道のアスファルト。
小石で跳ねるたびに、声を上げてしまった。

465:393
10/06/03 00:52:54 GCLL8UfW0
『さて。どこに行くか』
彼が、ぽつりと喋った。
『ま、とりあえず買い物か』
……わたしの返事なんか、全然期待してない喋り方。
わざと聞かせているんだろうけど、寂しい。相談してよう。頑張って答えるから。
わたしの思いなんて露知らずで、彼はまたトランクを引き始めた。
どこへ買い物に行くのかな。まさかスーパーとかコンビニでも無いだろうし。
買い物とか遊びなら―地下鉄に乗ってしばらく行ったところにある市の中心部とか、
わたしはよく行くけれど。
でも、そこは間違いなく、人のいっぱいいるところ。
みんなの目に、このトランクは―わたしは、どう映るのかな……。
ガタンッ
「あふぉっ……んあぁん!」
考えかけていたものが、お尻への衝撃で吹き飛ばされた。
『……くっ』
彼が笑いをこらえてる。
こんなんじゃ、街中で大声あげちゃうよ……。(ここまで)
―――――――――――――
準備編終了ー。次からお出かけ編です。

466:名無しさん@ピンキー
10/06/03 01:12:29 tZXBMwqp0
キタキタ!
 (*゚∀゚)=3ムッハー! ④



467:名無しさん@ピンキー
10/06/03 01:41:35 nc2LZ0Y50
つ④

468:393
10/06/03 23:50:43 GCLL8UfW0
―*―
しばらくして―。
予想した通り、地下鉄の構内に下りるらしいエレベータの重力が、身体にかかった。
アスファルトから、駅の床のタイルへ。
「がらがら」が「ごろごろ」になる。
「はふ…」
ちょっと楽。
そこから、またエレベータで下りて少し動いた後。
『―よっせ、と』
トランクが止まって、彼の声がした。
『ちょうど行ったところだな。しばらく待たないと。
 ―今は誰も居ないから、返事してもいいぞ』
「んー」
あ、ずっと無視で荷物扱いって訳でもないんだ。
優しい。
『もうちょっと大きくてもいいかな、声』
「うー!」
『そうそう、それぐらいなら聞こえる』
なるほど、これだと外に聞こえちゃうわけだ。逆に、気をつけないと。
『ちょっと時間があるな……』
その声に楽しそうな響きがある事に気付いて、聞こうとする前に―。
ぶぶ……と、ローターが緩く震え始めた。リモコンは触ってないのに。
「ひおっ!」

469:393
10/06/03 23:52:35 GCLL8UfW0
『ま―こっちでも楽しめる様にはしてあるんだ』
「んっ……んんっ……んっ!ぁんっ!」
『聞ーこーえーたーぞー。地下鉄の間はずっと動かしておく。
 予想はつくと思うが、そっちのリモコンじゃ切れないからなー』
「あー!いおいおー!」
優しいのとか、撤回。やっぱりこういう酷い人だ。いちいちからかって……。
うう。
きもちいいよお。
『ほら、人が来た。そろそろ地下鉄も来る』
「……!」
慌てて、声をかみ殺した。
間もなく、大きなものがやってくる圧力と、地面の振動を感じた。
一瞬、身体が浮いて、彼の『んがっ』っていう掛け声が同時に聞こえる。
『結構混んでんなー』
彼の呟き。
そんなに人がいるんだ……。
人の気配みたいなものは、この保護材とトランクに阻まれてしまって、感じないけれど。
緊張して身体が硬くなったからか、クリ○リスのローターが、いっそうダイレクトに
当たるようになった気がする。
「……んっ」
声が、漏れてしまう。止めなきゃ……。

470:393
10/06/03 23:53:42 GCLL8UfW0
地下鉄が動き始めた。
彼はわたしを車両に対して横に持っているらしくて、縦に引かれていた時とは全く別の
感触が身体を襲った。
電車のスピードが変わったときにかかる圧力が、横から来る。
そのバランスを取ろうとして身体に力が入るせいで、プラグがぐりぐりと、
捻るようにほんの少しずつ動いていた。
お腹を、腸の中を、かき回されていた。まるで、何時間も煮込まなきゃいけない料理みたいに。
「んあ……ん……んんっ」
止めらんない…よう。
「……んぃっ!ぁん!くふ……」
その上、ふいにお尻の捻れとローターとの波長が合う時があって、気持ち悪くて。
ちょっと大きな声を出してしまう。
地下鉄なら……あんなうるさい中で、わたしのくぐもった声なんか、聞こえるハズ無い。
そう自分に言い聞かせていたけれど。
実際、隣の人あたりなんか―聞こえていたのかもしれなかった。

471:sage
10/06/04 00:06:07 TJexX30c0


472:393
10/06/04 00:14:56 K2KjifKE0
わたしの住んでいるところとはまた別の路線だから、はっきりとは知らないけれど、
乗ったところから市の中心部までは、だいたい2~30分もかければ到着する。
そんな短時間なんて、メールでも書いてるか、本でも読んでるか―。
それであっという間に過ぎるはずの時間。
なのに、今のわたしには果てしなく、その数十分が長かった。
ローターでゆるゆると気持ちよさを責め立てられて、お尻のプラグの太さが
じわりと脂汗を浮かばせる。
それなのに、地下鉄と来たら―。
いちいち止まって発車して、お尻をかきまぜようとしてくる。
停車。発車。
停車。発車。
停車。発車。
むしろ走っている時の振動の方が、よっぽどお尻にはマシだった。
「ほまんらいえおぉ……うぇぇ」
5、6駅を越えた辺りから頭がもうろうとして、わたしはぐずっていた。
鼻水が鼻の中に溜まり始めて、苦しくて、やってられなくもなって。
『っと、下りるか』
ふいに、彼の呟きが耳に入る。
すぐ後に地下鉄が減速して、トランクが彼の手で動かされる感じが戻る。
乗ったときの様に、彼のふんばり声と一瞬浮く感覚がして、「ごろごろ」が始まった。
やっと、終わった……。
「ふっ、ふう……ずずっ」
鼻水をすする。
ごちゃごちゃになった感覚が、全然戻ってくれない。動き続けてる筈のローターも全然わからなくて。
酷かったよぉ、と彼に訴えたかった。(ここまで)

473:名無しさん@ピンキー
10/06/04 00:53:11 kOAX7B010
最初プラグ入れてただ放置かと思ったけど、プラグちゃんと主役級で、断続的な切なさが出ててイイスね。
アナルスキーなんでこれはたならんです④

474:393
10/06/05 00:57:12 M0Eopfix0
しばらく引かれた後、ふいに動きが止まった。
彼が声をかけてくる。心配そうに。
『……だいぶ泣いてたな。大丈夫か?』
「ひゃあぁ!」
声聞こえてるじゃないですかー!
しかも泣き声ってなんかホラーじゃないですかー!
やだー!
『隅の方だから、今は誰も居ないないよ』
「あんあり、らいよううや、らいれふ……ぐすっ」
『……そうか。地下鉄は合わなかったみたいだな。帰りは別の方法考えよう。
 休憩していくか?』
「うー……おえあいー」
『じゃあ、喉乾いたら2番目な』
「あーい」
言われて思い出した、リモコンの存在。
確か、スポーツドリンクが出てきてくれるんだった。
中指の辺りの、2番目のボタンを押す。すぐにちょろちょろと口に液体が流れ込んできた。
ぬるいけど、適当に甘くておいしい。
「……♪」
あー、癒されるぅ。
ついでに、合間合間に3番目のボタンで、酸素も補給する。
さっきもこれの事忘れずに、こまめにやってたら少しはましだったかな。
そんな事を思いながらコクコクと喉を鳴らしていると、ドリンクが止まってしまった。
ボタンを押しても出てこない。故障……?
「……?あおー。あおー!」
『ん、どうした?』

475:393
10/06/05 01:00:13 M0Eopfix0
「みう、ろまいまひは……」
『水が止まった?……あー』
彼が溜め息をつく。
『あのな、飲みすぎ。ペットボトル1本分も一気に飲むなよ。後に予定してたのに……』
「?」
『もうちょっと楽しい状況で説明してやりたかったって事。
 まあ、仕方が無い。ドリンクは品切れ』
「……えー!?」
ちょっと、そんな。これだけじゃ足りるわけがないよ。
ただでさえ、保護材に包まれて熱くて汗だらだらで、その上から脂汗やら涙やら流してるのに。
『足りないって思っただろ?いつでも外側から補充は出来るようにしてあるから、
 そこの自販機で何か買って、中にあるボトルに注ぎ込めばいいんだ』
「かっへよぉ!」
まさか、悔しければトランクなわたしに買えとでも言うんじゃないよね。
『自分で出したもの、全部飲み干したら買ってやるよ』
出したもの。出したものって言うと……。
「―お、おひっこ!?」
『そ、自分の小便。吸えば飲めるだろ?
 今ボックスに有る分が無くなったら入れてやる。資源は大切にしないとな』
「……ひろい!」
酷すぎるってば!
『飲めないようなら干からびるなあ。それに早く飲み干さないと、
 今たっぷり飲んだ分も溜まるなあ?ペットボトル1本分。余計辛くなるよなー』
「ううー……わかり、あひた」

476:393
10/06/05 01:03:05 M0Eopfix0
彼に畳み掛けられてしまった。
まあ、おいしいのをいいことに一気に飲んでしまったわたしが悪いんだけど。
責任を感じたからって、生理的嫌悪感が拭えるかって言うと、そうでもなくて……。
積極的に飲める人なんて居るのかなあ。
仕方なく観念して、わたしは口から繋がるチューブを吸い始める。
……さっきの甘いドリンクと違う、しょっぱい飲み物。わたしのおしっこ。
天国と地獄。
「……んっ、くっ」
『さて、そろそろ行くか。ボックスが空になったらこっちでもわかるから、
 ドリンクはその時な』
「ん、うん……んっ」
トランクがまた動き始める。地下鉄のタイルを動く「ごろごろ」。
ごろごろ。「んっ……んく」
ごろごろ。「はふ……」
ごろごろ。「ぷは。……んっ」
―なんとなく。なんとなく、なんだけれど。
規則正しく敷き詰められているタイルの振動と、ローターの機械的な緩い動きに合わせて、
ポンプみたいにボックスからおしっこを飲む。
まるで自分がその行動をするためだけの、機械みたいに思えてくる。
トランクの中に収められた機械。それか……トランクそのものの機構。
そう考えてしまうと―なんだか、おしっこの味も気にならなくなって来て。
さっきの地下鉄に比べたら、かなり気持ち良いような。
また酷い環境に置かれる位なら、このまま「ごろごろ」がいいな。
ずっとこれがいい。
なんて……思い始めていた。(ここまで)

477:名無しさん@ピンキー
10/06/05 01:08:15 f/JaYFdx0
しえーん④

478:名無しさん@ピンキー
10/06/05 11:08:34 xeaPLpFY0


479:名無しさん@ピンキー
10/06/05 23:56:47 2FmpbuzX0
つ④

480:393
10/06/06 01:19:54 fp40eLPe0
―*―
エレベータで上がる感触がして―いよいよ外かと思って、
アスファルトの「がらがら」に身構えていると、まだ「ごろごろ」が続いた。
ああ、そういえば中心街は、駅からだと繋がってる地下街を通ったほうがいいんだった。
ごろごろ。
ごろごろ。
ごろごろ。
「んー……ぁんー……」
お尻も、あそこも、身体全部。
「ごろごろ」が気持ちよすぎて、じわじわと昂ぶってしまって、もどかしくてたまらない。
このままイくことは出来るかもしれないけど、いつになるかを考えたら我慢できそうになくて。
お尻のプラグを動かしたい、力の限りで。
彼に「ローターもっと動かしてくださいぃ!」って訴えたい、大声で。
当然、どっちも出来ない。
もどかしいよー。
イきたいよー。
イかせてよー。
生殺しだよー……。
かちかちと、1番目のボタンでローターが強くなってくれないかと空押ししてみる。
やっぱり駄目。
機械的におしっこを飲む。それしか出来ない。

481:393
10/06/06 01:24:06 fp40eLPe0
「……んく……ん?」
出なくなった。やっと終わったぁ。
さっきのドリンクと合わせて、ちょっとお腹がたぷたぷ。
もうちょっとゆっくり飲んでも良かったかな。
それと同時に、彼が言う。
『飲み終わったか?ちょっと待ってくれ……っと、すみません』
ボン!横から衝撃が来る。人の足が当たったらしい。
やっぱり、人が沢山いるんだ。
当然だけど。
斜めに動いたかと思うと、トランクが止まる。頭の前の方から、軽い揺れを何度か感じた。
『よし、終わった。今度は考えて飲めよー』
「んー」
またトランクが転がり始めて―。
ごろごろ。「…んっ」
ごろごろ。「んふ、んふ」
ごろごろ。「ん、ん、ん、ん、ん、ん」
動けないながらに、身体を揺すってしまう。
イきたいー。
でも出来ないー!足りないー!
脳が煮詰まるー!
『……。止めとくか』
ふいの彼の言葉と同時に、ローターが、そのゆるゆるとした振動も止めてしまった。
「あっ!ひょっろ!……ぁ……」
『やっぱりな。聞こえたぞ、物欲しそうな今の声。そんなんじゃないかと思った』
全部読まれてるう。

482:393
10/06/06 01:27:50 fp40eLPe0
間もなく、身体が横になって、機械的な加速を感じた。上りエスカレーター。
「ごろごろ」の感触がちょっと変わる。地下街から、また違う建物に入ったみたい。
上りエレベーター。
ぐうっと上から重力がかかる。
上った先で、トランクが止まった。
……動かない。
彼の声も無い。
ううー。
「ごろごろ」だけじゃ、お尻だけじゃ足りないよー!
おまけに止まってたら生殺しどころか、トーンダウンしちゃう!
さっきのが良かったのにー!
って、大声で叫びたい衝動を抑えていると、彼が何か喋り始めた。
『……あ、これいいね。値段……うお、結構よろしいもので』
独り言……?
『うん。そうそう、あのブランド。だけどさ、あんまりこの時計だと―』
誰かと話してる。
あ、そうか。何かの店にいるんだ。相手は店員さんかな。
『……ん?ああ、デカいトランクでしょ?いいや、旅行じゃない。そうだな、仕事での機材とかね』
わたしの事に話が……。
『んー、確かにね。人入れそうだよねー。入ってみる?小柄だし多分余裕じゃないかな、君』
「ちょ……」
思わず、声を漏らした。しかも相手は女の子?ナンパ!?

483:名無しさん@ピンキー
10/06/06 01:38:40 ivplHxbR0
つ④

484:393
10/06/06 01:45:28 fp40eLPe0
『ははは、そりゃそうだ、趣味悪いよな。―あ、それじゃこれ貰えるかな?』
そして、会計が終わったのか、またトランクが動き出す。
少し間があいて、
『フラれた』
という彼の声がした。
「……むー!」
わざと聞かせてたのはわかりきってるけど、腹が立つ。
もちろんわたしが彼を独占できる関係じゃないのはわかってるけど、今ぐらいは。
『大丈夫、トランク入りたいなんて変な子は、ほとんどいない。
 特にこんな荷物扱いされて喜んでる様な子は』
「……うー」
そうはっきり言われちゃうとなんとも。変な子……。
『ところで。さっきローター止めたのは、声がちょっと漏れすぎてたから切ったんだ』
顔が熱くなる。
そんなに……聞こえてた?
『泣くのはまあ、仕方ない。だけど感じてる声を抑えられないなら、
 俺も色々と考えなきゃいけないが―』
「ら、らありあふよう!」
『我慢出来る?』
「うー!」
『よし、良い子。それじゃ、自分のリモコンで遊んでいてもいい。
 ただし―いくら良くても、大声出したりしたら……』
「……」
『そうだなあ……お仕置きで、「ちょっと苦しい事」でもするかな』

485:393
10/06/06 01:50:18 fp40eLPe0
苦しい事―何を思いついたんだろう。
彼のやりそうな事に見当もつかないまま、わたしはリモコンのボタンを押した。
ぶぶぶぶ。
「……っ」
きたぁ!口に収まっているゴム塊をかみ締めて、声を必死に抑える。
「んっ……ん、ん!」
『ま、今は聞こえないな』
彼が動き出した。念願の、「ごろごろ」+ローター!
「……っ、……ん、……ぃ!」
ごろごろ。ごろごろ。
エレベーターで下りる。
ごろごろ。ごろごろ。ごろごろ。
だんだん、昂ぶって。でもこれじゃ足りない。リモコンのボタンを、もう一度押した。
ぶぶ…ヴヴヴヴヴ!
「……ひっ!」
身体が暴れる。海老反りになりたい。股間を突き出して、とても卑猥な格好で、大声出して……

イきたい!
イける!
イく!

「あはぁっ……んふあぁ!」
びくりと、保護材の圧力を跳ね返すみたいに身体が大きく痙攣した。
「……はひっ……はっ」
息切れた身体を、必死に空気を吸って落ち着けようとして―空気が足りなくて。
3番目のボタンを押して、精一杯酸素を吸った。
すごい―良かったぁ。
って、いつの間にか動きが止まってて。
あ。大声、出しちゃって……。

486:393
10/06/06 02:02:30 fp40eLPe0

『……なんつーか。5分も人の言いつけ守れないってのは、子供かよ、君は』

「え、あ」
彼の呆れた、ちょっと怒った声。
『人が居なくて運が良かったけど……あれか、放置して俺に逃げて欲しいのか?』
土下座でも足舐めでも、なんでもして許してもらいたいところだけど、こんな身体じゃ無理だよう!
「ご、ごえんあはい」
猫撫で声でなんとか……ならないよね。
『いや、外への防音対策が弱かったから、俺も悪い。俺も悪いが、君がここまで声あげるってのはな。
 普段なら恥ずかしがって声小さくなる方だからな。
 ……外って緊張感が足りない?でも外を連れまわされているって、わかるだろ?』
―うーん。
言われてみれば、このトランクが外からの情報を遮断しすぎてる。
まるで、無人の街を歩いているような感触にさせられてしまう。
わたしからの声はこんなに簡単に彼に、外に漏れてしまうのに。
この事、伝えなきゃ。
「……あお」
『ん?』
「おこか、はあへうおこ……ふえへっへ、くあはい」
『話せるところ?―わかった』
そう、わたしの直前の彼女のだって、彼は実験って言っていた。
わたしのこれだって、一発で完璧になんて行ける筈が無いんだ。
まだ時間はあるんだから、精一杯楽しめる方法を考えるのは悪いことじゃない、よね。
『しかしまあ、どっちにしろ後でお仕置きだな、これは』
「うぁう……」(ここまで)
――――――――――――――――――――
『わたし』が焦らされイってる割に細かい事考えてるのは、実際余裕ありと思っといてください。
追い詰めきれるものやら。

487:名無しさん@ピンキー
10/06/06 02:10:55 fhJ900ti0
毎日ご苦労様です。楽しいやらかわいいやら窮屈やらエロいやら。
楽しませていただいてます。

>393
ワロタつ④

488:名無しさん@ピンキー
10/06/06 15:38:52 vwh0Z+cK0
つ④

489:名無しさん@ピンキー
10/06/06 16:44:57 k4ur0zko0
今回はとりあえず目いっぱい追い詰めない代わりに、次回は防音対策を
強化したとか称してもっとぎちぎちにしてみるとか
次回があるのかしらんけど

490:393
10/06/06 23:10:51 fp40eLPe0
『わたし』の話はこれ限りの予定ー。続けると設定やら因縁やら積もらせちゃうので。
――――――――――――――――――
―*―
広い多目的トイレに連れていってもらったわたしは、枷を嵌められた口で、
頑張って言いたいことを伝えた。
傍から見たら、奇妙すぎる光景。
男の人がトランクと、真剣な顔して話し合っているんだから。
『なるほどな。外の情報が俺の声だけじゃあ不満……わからなさすぎると』
「うー」
『そうか。……よし、思いついた。このままでなんとか出来る。
 家電屋に行くから、移動するぞ』
彼の声が、だいぶ明るくなった。わたしもちょっとほっとする。
『それから、なんとかなるまでローターは禁止』
「うぁ!」
ま、まあ、さっきイけたから、いいですけど!
『お仕置きも無くさないからな。あれはちゃんと言ったのに守らない罰だ』
「むぁう!」
あ、甘んじて受けますよう!
『ま、そんなところだな。―よし、しばらく完全に荷物でいてくれよ』
「……あい」
移動が始まる。
ごろごろ。……ローターが無いから、お尻がせつないぐらい。
「んふ」
その後、段差を乗り越えたかと思うと、「がらがら」が始まった。
アスファルトの振動。外だ。

491:393
10/06/06 23:15:06 fp40eLPe0
行き慣れた、市の中心部の光景を思い出す。今は、昼下がりか夕方か―。
時間の感覚なんて、とっくにわからなくなっちゃってる。
どっちにしたって人が沢山で、こんなに大きくて重いトランクは、
引いて動かすにはきついはず。
予想した通り、動きがかなり不規則だった。
急に止まったり、動く方向が変わったりするし、
人の足もたまに当たる。
歩道から交差点へ降りるらしい段差も、お尻への衝撃が辛い。
無理矢理に声を押し殺しているから、余計に厳しくなってしまっているけど。
それでもわたしの話を聞いて何か工夫しようとしてくれてる彼の行動が嬉しいので、
我慢する。我慢出来る。
そのうち―。
三たびの「ごろごろ」。
家電屋に入ったらしい。
上りのエレベータ。
『マイク、マイク……お、あった』
彼の呟き。
そのまま彼に引かれていると、床の感触が変わったところで、動きが止まって。
イヤホンから、『がざっ』という、大きな雑音が響いた直後。

《あー。あー。聞こえるかー。また今トイレだー》

酷く大きい、割れた彼の声が耳に叩き込まれた。
「おあああ!おっひ!おっひいえうう!」
《っと、すまん。…………ぅだ?》
「きこえらい」

492:393
10/06/06 23:18:55 fp40eLPe0
《じゃ……これぐらいか。俺の声以外は?》
「……ぁ、いおいお、きこえあふ」
雑音が多いと思ったら、これ、外の音なんだ。
《ま、スカイプ通話用のスタンドマイクだからそこまで性能は良くないけどな。ちょっと外出てみるか。
 俺のヘッドセットはこのマイクと切り替えでないと使えないから、それだけわかっといてくれ》
「うー」
トランクが動くと同時に、マイクが《がらがら!》って音を立て始めた。
トランクの車輪の音、大っきいんだなあ。
そして、トイレを出ると。
ざわ―!
マイクでくぐもった、音の洪水。
家電屋のテーマソングが流れる。
人の声。
《……しゃいませー。こちらの……》
《ねー。かわないのー?》
人の声!
《あ、店員さん店員さん。これ……》
《やだー!きゃははは!》
人 の 声 !
「ひっ……」
今までなかなか感じなかった感情が、一気に襲ってきた。

怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。

「ぁっ……ひは……」
息が詰まった。

493:名無しさん@ピンキー
10/06/06 23:40:30 fhJ900ti0



494:393
10/06/06 23:47:07 fp40eLPe0
なんでさっきまで、あんな声を出せていたんだろう!
こんな―。
こんな中で、もし、外に声が聞こえて、彼にこのままおいてけぼりにされたら。
嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。
絶対イヤ!
彼に助けてとすがりつきたくなるけど当然出来ない。声も出せるわけが無い。
ヘッドセットからマイクになったせいで、彼の息遣いも小さな声も、ほかの音に紛れている。
彼が今、わたしを引いているのかさえわからなくなった。
本当は誰か、別の人が引いてて―。
無い。それは無い!いや!
恐慌に陥りかけて―少しだけ残った理性で、わたしは3番目のボタンを押した。
口から、新鮮な空気が入ってくる。
深呼吸。1回。2回。3回。
「は……ふ」
相変わらず―怖さで心臓は跳ね踊っているけれど、少しだけ落ち着く。
ドリンクで乾いた喉を潤して―もう少し、落ち着く。
そんな事をやっている間に、家電屋から出てしまった。
BGMが消えて、人の、今まで以上の大量の人の声が襲ってきた。
悲鳴をあげたくなるのをぐっとこらえる。
殆どそこから動かないうちにトランク度止まって、がざがざという音がして―。
《どうだ?》
と、雑音の中から彼の声が目立って聞こえた。マイクに顔を近づけているみたい。
ほんの数分のはずなのに、とても久しぶりに思えた彼の声で、涙がにじむ。
「ぉぁぃ……」
とても、彼に聞こえるような声が出せない。だってそれは外に聞こえる大きさってことで……。

495:393
10/06/06 23:55:16 fp40eLPe0
《……。気絶してないだろうな?アラーム押せる?》
彼が訊いてくるので、4番目のボタンを押した。
《よし、いいね。怖い?》
……当然だよう。
返事は、アラームでいいのかな。
《ん、まあ、そりゃあそうだ。さっきから何も声出してないものな。我慢出来てて、偉いよ》
優しい言葉。
ゲンキンなもので、それだけで結構落ち着いてしまった。
《さて―結構時間食ったな、遅れ気味だ。夕飯食べるか。店を予約してるんだ》
「ぁーい」
彼には聞こえないだろうけれど、返事をする。
トランクが動き出す。
がらがら。
偉いって褒めてくれたせいかちょっと嬉しくなって、すこしぐらい跳ねても耐えられる気分。
怖いのには変わらないけれど、警戒はしたままだからよっぽどの事が無ければ、大丈夫。
例えばローターを彼が動かし始めるとか。
―意地悪だしそのうちやりそう。
でも、ご飯かあ。
そういえば朝にちょっとお腹に入れたぐらいで、お腹減ってはいるよね。話題が出て初めて気づいた。
おいしいものだといいなー。
食事の事考えているだけでも、だいぶ心に余裕が持てる。
……あれ?
そういえば……わたしって何か食べれるの?こんな状態で?(ここまで)
―――――
明日はお休みー

496:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:41:07 XTz70ifg0
乙つ④

497:名無しさん@ピンキー
10/06/08 20:00:50 y7Lt7PWNO


498:393
10/06/08 23:45:48 S886aeK60
しばらくトランクを引かれて―。
段差を乗り越えて、地面の感触が変わる。
同時に、外音も一変した。
落ち着いた雰囲気。ジャズらしいものが流れてる。ここが予約してるお店みたい。
《どーもー》
《お、来た来た。待ってたぞー。予約の時間より遅かったな?》
知らない男の人の声。
《ちょいヤボ用で。いいじゃないか、席も空いてるし》
《……さっき団体さんでどっと帰ったトコだよ》
《嘘くさいなあ》
《不景気だからどこもギリギリなのにはかわらねえや》
相手は、店員か店主か。とにかく、彼と親しいらしい。
……なんかわたし、おいてけぼりだな。
《で、そのでっかいスーツケースは何?旅に出るのか》
《いーや。面白いモノが入ってるだけだよ》
《そこまで言って教えねえとか言ったらブン殴るぞ》
嘘です嘘です!わたしなんかおいてけぼりにしといてください!本当!お願いします!
《見せないよ。ってか、ここで空けたら間違いなく業務妨害になるけど?》
《そんな酷いのか。死体でも運んでる訳じゃあるまいし》
ニアピンされてる……死体じゃなくて生体だけど。
《酷くなんかないよ。俺の趣味で言えばとても素敵なもの、かな》
《つまりゲテモノじゃないかよ。……まあいいか。何頼む?》
ゲテモノ呼ばわりは酷いけど、彼がさりげに、
わたしを「素敵なもの」と言ってくれたのは嬉しかった。

499:393
10/06/08 23:48:05 S886aeK60
彼は、メニューをしばらく眺めた後、適当な注文をする。
飲み物の方は普通のカクテルだったけれど、料理名に聞き覚えがあった。
何だっけ、何だっけ―。
……あ。
ここ、前に【遊び】の後にでも連れて行ってくれるって言ってたカフェバーじゃない!
雑誌でちょっと紹介されてる店だったりして、わりかし楽しみにしてたのに。
こんな形で連れて来てどうするつもりよお!
しかも自分の分だけ注文して、最初っからまともに食べさせる気無いってことで。
……うわああ、すっごい文句言いたい。
《あ、それから今の注文…………だけど、…………で、…………してくれないかな》
重要な部分が聞こえない。耳打ちで、わたしに聞こえないようにしているみたい。
《はあ?いや、ちゃんと金払うなら何も言わないが、そんなん食って楽しいか?
 何なら箱入れて綺麗にしておくぞ》
《怒鳴り出さなくて安心した。色々あって》
《ワケありか》
《そういうこと》
うー、と唸りたくなる。秘密事ばっかり。まあ、そうじゃなくては楽しくないんだろうけれど。
しばらく、間があいた。多分料理を作っているのだろう。
マイクを通してだけど、クラシックジャズを聴いていると、
さっきまでずっと怖がっていた心がちょっと癒されて―。

―ぶぶぶぶ。


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