09/06/13 16:54:14 Zkz+Vvbj0
>>423 続き
「今日の点呼はこれにて終了、全員、独房へ戻れ。」
看守さんの合図でわたし達は一斉に牢屋へ入り、
また正座して三つ指を付きます。
看守さん達が鉄格子の扉の鍵をかけ、牢屋のある部屋を出て行こうとする時に
わたし達は、頭を下げて
「お疲れ様でした。」
と声をそろえて言います。看守さんの最後の一人がこの部屋から出て、入口の
扉を閉めるまで、頭は上げては行けません。
疲れました。もう、身も心もボロボロです。こんな事、毎日やったら頭がおかしく成ってしまいそう。
「あの、先ほどは助けて頂いて、ありがとうございました。」
隣の320番さんにお礼を言います。
「はぁ?別にアンタを助けた訳じゃないよ。」
「で、でも....。」
「アタシの真意は看守様に言った通り、アンタを少しでも長くウブなままで居させたい。だけなのさ。」
「何で?」
「決まってるだろ。身体検査で体を触られただけで、泣きそうな表情をするなんて中々居ないよ。
もう、看守様達ったら喜んで、アンタを構う事に夢中に成っていたろ。」
「そんな、酷い.....。」
「悪いね。でもね。コッチとらも必死なんだ。如何に、楽をするかって事にね。実は、今日辺り、アタシの
懲罰の番だったんだが、あの方達はアンタを玩具にする事に夢中でアタシの方は一日、懲罰の
間隔が伸びたんだよ。まぁ、明日は無理だろうが、こうやって、アンタで遊んで居る事を楽しんで
くれているうちは、コッチは少しは楽が出来るからね。」
わたしの目から涙がこぼれます。親切にしてくれる人、この地獄の様な場所でようやく頼れるお友達
が出来たと喜んで居たのに、こんなの酷すぎます。
「はぁ、お友達が出来たと思っていた?或いは、頼れるおネェ様にすがって行こうなんて
甘い考えだったのかな?あのね。ココはそんな甘いところじゃないんだよ。他人に構ってる
暇なんか無い、常に自分が自分だけが助かる事を考えて居ないと、生きていけない
所なのさ。アンタももう少し要領をよくして、生きる事を考えな。でないと、看守様の
玩具が直ぐにダメに成ったら、困るのはアタシ等だからね。」