09/06/09 18:58:11 VCet/+bO0
>>398 続き
「多分、ご存じだと、思いますけど、わたしの父は、今務めている先生
の事務所で秘書をしていました。わたしの両親はわたしの大学の
入学式の日に交通事故で亡くなったんです。落ち込むわたしを勇気づけて
しかも、学費や生活費の面倒まで見てくれたのが、先生です。」
「・・・・・」
「それだけではなく、卒業後、秘書として雇って頂きました。そんな大恩ある
先生なのに、わたし....安っぽい正義感を出して....、偶然なんです。
先生が、不正なお金を作っているのを見つけたのは、それを警察に
告発しようとしていたら、身に覚えの無い重罪で逮捕されて...、
でも、先生にしてみたら、身内にも等しい人間に裏切られたんです。
こうなるのも、仕方ないんです。」
「フフフフ、ワハハハ。いや、すまん。余りにも変な勘違いをして居るので
つい笑ってしまった。」
所長さんは突然、大声で笑い出しました。
「安心しろ、今回の件とおまえの行動は一切関係が無い。考えてみろ、
逮捕されたのは告発前だよな。しかも、誰にも相談して無いんだろ?
だったら、何で告発しようとしていたってバレたんだ?」
「そ、それは....、そんな事、考えても見ませんでした。ただ、それ以外に
わたしがこうなる理由が解らなくて....。」
「第一、アイツに検察を動かして、でっち上げの罪で人間を葬るなんて、権力は
無いしな。」
「だったら、何故、わたしは、こんな酷い仕打ちを受けないと、いけないんですか?
あなたのお話を聞いていると、わたしが無実だと知っているみたですし、お願いです、
わたしをここから、出れるように。もう、耐えられない。」
「それは、出来ない。おまえは、この刑務所の運営に必要な人間だからな。」
所長さんの意外な、答えにわたしは言葉を失いました。