08/02/14 12:02:33 9G6R93qb0
俺はいままで一度もバレンタインデーにチョコを貰ったことがない。
しかし去年は大量のチョコを食べる事に成功した。
そう、誰もくれないのなら自分で作ればいいのだ。
ただ俺の作るチョコの原料はカカオではない。
さて、今日は2月14日･･･いよいよ年に一度の材料調達に行くか。
公園に行くと中学生のカップルがいた。
男の方は爽やかオーラを放つイケメンボーイだ。
とびきりのスマイルで女子に話しかけている。
「僕に用事って何？」
「そ、そそその・・・チョ・・・」
女子の方は緊張のためか、声を震わせている。
後ろ手にチョコを持っている。過剰なラッピングから察するに、本命チョコに愛の告白のプレゼント付って所か。
市販だか自作だか知らんが、そんなチョコよりもっといいチョコをプレゼントさせてやろう。
俺は心の中で念じた。
「その、私・・・前からタカシ君の事・・・・・・え？」
それが少女の発した最後の言葉になった。
少女の肌が・・・いや、肌だけではない。
目、髪、爪・・・服から露出した少女の全身が茶色一色に染まっている。
おそらく服の中も・・・。
そう。俺の能力は人間をチョコにすることができるのだ。
「あれ？俺なんでこんな所にいるんだっけ？」
ハンサムボーイは目の前に少女がいた事を忘れ辺りをキョロキョロしている。
「あ、チョコが落ちてる。う～ん・・・いただき！」
目の前の等身大チョコに気づくと、カリカリカリッと少女の口の部分をかじり始めた。
「ふぅ、おなか一杯。じゃあ帰るか」
流石に全部は食べきれないだろう。数回かじって満足したのかその場を後にする。
残されたのは服を着た人型のチョコ（口の部分はかじられた）だった。
俺は本命がいるんでこの少女は食べてあげない。まぁしばらくすれば太陽の熱で溶けるだろう。
その前に公園のアリ達が巣に持ち帰るかな。まぁどっちでもいい。
俺も公園から出て本命の元へと行く。