【機械化】サイボーグ娘!十七人目【義体化】at FETI
【機械化】サイボーグ娘!十七人目【義体化】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/09/26 15:36:13 z1vYqsTI0
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【機械化】サイボーグ娘!【義体化】 
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3:名無しさん@ピンキー
07/09/26 23:38:45 aCWTSSHJ0
乙~

もう17スレ目かよ…と感慨に耽ってみるテスト

4:名無しさん@ピンキー
07/09/27 19:53:03 mOPmZgXU0
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ >>1さん乙です 保守を兼ねてage
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |



5:manplus
07/09/27 23:30:37 j1BOIdbU0
セ:「瞳ちゃん、その通りなんだ。ミンメイは、瞳ちゃんのように、他のドライバーが尊敬して距離を置く存在ではないし、
瞳ちゃんのように生物学的な感性でも卓越したセンスがあるわけでもない。より機械に近い精神構造を
持っているだけなんだ。だから、最初から、瞳ちゃんのようにフロントローやセカンドローからのスタートと
いうわけにもいかないだろうし、中盤から動物的なカンによるスタートを切ることもできないはずだ。
中盤で、瞳ちゃんと同じようなライン取りをしたとしたら、中盤を混乱させるだけだ。でも、ミンメイは、
自分がとったコースが、機械的に理想であるから、それが正しいとして譲らないだろう。そうなったら、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの間から排斥されてしまう。だから、その時、瞳ちゃんにミンメイの
言葉と他のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの言葉を翻訳してやって欲しいんだ。ミンメイは、
瞳ちゃんを愛しているから、瞳ちゃんの言うことなら聞くと思うし、他のドライバーだって、瞳ちゃんの言うことに納得して、
変な誤解や争いごとにならないと思うんだ。」

ヒ:「そうだね。」

セ:「それに、瞳ちゃんと一緒にいれば、マリアやジャンヌやエマも自然とミンメイの力になってくれると思うんだ。」

ヒ:「パパ、それはもちろんだと思う。今の女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは結束しているからね。
ミンメイちゃんを快く受け入れてくれると思うし、マリアだって私以上に力になってくれると思うんだ。」

セ:「マリアがか?」

ヒ:「マリアは、姉御肌のところがあるからね。ミンメイちゃんを本気でしかってくれると思うし、ある意味で、
私が人に対して甘いところを補完してくれているのがマリアなんだよ。マリアと私がセットでいるから、
女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのまとまりが最高に好いんだ。」

セ:「そうだね。そのチームワークの中にミンメイを入れて欲しいんだ。ミンメイは、特殊なフェチで人間と
交わることもある意味で下手だから、瞳ちゃんから、うまく引き回してもらおうと思ってね。」



6:manplus
07/09/27 23:31:21 j1BOIdbU0
ヒ:「了解、パパ。きっと、つぐみさんも、サポートスタッフで連携をとって、ミンメイちゃんをスーパーF1の世界に
溶け込ませるようにしてくれるはずだよ。」

セ:「つぐみちゃんも味方だから、助かるよ。」

ツ:「美濃田監督。そのようなことは当たり前です。ミンメイさんは、ご主人様の大事な恋人なんですよ。」

セ:「そうだったよね。恵美さんに言われて、“将を射んと欲すればまず馬を射よ”を実行してよかった。」

ツ:「わっ、私が馬ですか?」

セ:「つぐみちゃん、ものの例えさ。」

ツ:「そうですか・・・。」

ミ:「つぐみ様、それに、私は、瞳様に愛してもらっていると同時に、つぐみ様にも愛を受けているんですよ。
瞳様だけのものじゃないんです。」

ツ:「しっ、失礼しました、ミンメイさん。私はそんなつもりでいったわけじゃなくて・・・。ただ、ご主人様の・・・。」

ヒ:「つぐみさん、みんな解っているよ。でも、ミンメイちゃんは、私とつぐみさんの二人のものになりたいんだよ。」

ツ:「そうですか・・・。ありがとうございます。でも、そうなると、ご主人様だけでなく、
ミンメイさんのレースまで見ていられなくなってしまう・・・。」



7:manplus
07/09/27 23:32:02 j1BOIdbU0
セ:「つぐみちゃん、大丈夫だよ。瞳ちゃんとミンメイは一緒のコースで同時にレースをするのだから、
いつも通りにピットの片隅で丸くなっていれば好いんだよ。」

ヒ:「ちょっとっ!パパっ!そんなの全然フォローになっていないよっ!」

セ:「そうか・・・、ごめんごめん。」

ツ:「美濃田監督、好いのですよ。その通りです。でも、二人のことを心配するなんて、初めてかも・・・。
私の心が持つかしら・・・。」

ミ:「つぐみ様、大丈夫です。私も、瞳様も危ないことなんてしませんから。」

ヒ:「そうだよ、つぐみさん、大丈夫だよ。私たちは不死身だもん。」

ツ:「ご主人様っ!その過信が事故に繋がるんですっ!だから、私が見ていられないんじゃないですかっ!」

セ:「つぐみちゃんの言うとおり。瞳ちゃん、過信はいけないよ。」

ヒ:「・・・。」

セ:「まあいいや。今日は、みんなに宿を取っておいたから、二人は、そっちへ送らせるよ。
移動で疲れただろうからしばらくゆっくりしていてくれるかい?」

ヒ:「名古屋に泊まるの?恵美さん、心配しないかな?」

セ:「恵美さんには、俺からいってあるから大丈夫だよ。」

ヒ:「ホント!?パパ、ありがとう!」



8:manplus
07/09/27 23:41:03 j1BOIdbU0
セ:「俺とミンメイは、ミンメイと契約条項を打ち合わせするからね。二人はホテルに行って待っていてよ。
それから、食事おごるから、あとでミンメイと一緒にホテルに行くから。」

ヒ:「解った。」

ヒ:「ホテルはどこ?名駅のパークロイヤルの最上階のスイートをとってあるから・・・。」

ヒ:「本当?!!私、一度、泊まってみたかったんだ。」

ツ:「美濃田監督、いいんですか?」

セ:「つぐみちゃん、心配することはないよ。トミタが“プリンセスヒトミ”と“伝説のサポートスタッフ”にお願いをするために、
正式な来賓として名古屋本社に招いているんだ。カンダと瞳ちゃんの契約条項に準拠するのは当たり前だからね。」

ツ:「ありがとうございます。それじゃ、ご主人様、いきましょう。」

ヒ:「うん。」

ミ:「美濃田監督、私もご一緒してもいいんですか?」

セ:「ミンメイも、一緒に泊まっていいんだよ。契約の件が済んだら、俺と一緒に行こう。」

ミ:「はい。瞳様とつぐみ様と別れることになったらどうしようって、思っちゃいました。」

セ:「俺が、そんな野暮なことはしないよ。食事はルームサービスを手配してあるから、その時間までにそっちへ行くよ。」

ヒ:「パパ、了解です。ミンメイちゃん、ホテルで待っているね。」

ミ:「はい。瞳様、つぐみ様。」

9:manplus
07/09/27 23:41:45 j1BOIdbU0
 瞳と森田が、パークロイヤルに到着してから、小一時間後、美濃田とミンメイが部屋に到着した。
早速、瞳の宿泊するスイートに夕食が運ばれてきた。
美濃田は、瞳が日本に帰国したことを実感し、一番ホッとするだろうと思い、日本食を用意していたのだ。

ヒ:「パパ、ありがとう。日本食を食べたいなって思っていたんだ。」

セ:「そうだろうと思っていたよ。つぐみちゃんは、カロリーのことを気にして、日本食でも、心を鬼にして、
質素なものしか出さないだろうから、日本食のフルコースがいいと思ったんだ。」

ツ:「美濃田監督のお心遣いが嬉しいですね。」

ヒ:「つぐみさん、そうだよね。つぐみさんの料理は美味しいんだけれど、二人の夕食の時は、
私のことを気にかけすぎるくらいだから、みそ汁とご飯とお新香とおかず2品ぐらいだもん。」

ツ:「私は、ご主人様のことを考えて・・・。」

ヒ:「つぐみさんを責めているわけじゃないもの。感謝しているんだよ。
だから、たまには豪華夕食も好いかなっていっているんだよ。」

ツ:「そうでしたか・・・、ちょっと誤解を・・・。」

ミ:「つぐみ様が、瞳様のことを苛めているなんて誰も思ってはいません。
つぐみ様の瞳様への献身を誰もが知っています。」

セ:「そうだよ、つぐみちゃん。つぐみちゃんが誰よりも瞳ちゃんのことを思っているのは、誰もが知っていることだよ。
だから、瞳ちゃんとつぐみちゃんに他のプロが作った久方ぶりの日本料理を満喫してもらおうと思っただけだよ。」



10:manplus
07/09/27 23:42:27 j1BOIdbU0
ツ:「美濃田監督ありがとうございます。そういうことなら、満喫させていただます。」

セ:「ただし、少し、お腹に余裕を持たせておいてくれよ。」

ヒ:「パパ、どうして?」

セ:「瞳ちゃんは飲み足りないだろうから、日本酒や焼酎が豊富で落ち着いて飲める店を見つけておいたから、
食事が終わったら、名古屋の街に繰り出そうと思ってさ。それから、飲み終わったら、つぐみちゃんの好物の
みそ煮込みうどんのとびっきりな店も押さえておいたから、夜食まで付き合ってもらおうと思ってね。」

ツ:「美濃田監督、最高です。でも・・・、あまり遅くなると・・・。」

セ:「つぐみちゃんが心配なのは、瞳ちゃんの体調だよね。それは、俺も、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
預かる身として、他のワークスのドライバーを、それもエースドライバーをそんな夜遅くまで連れ回したりしないよ。
つぐみちゃん、安心してくれ。」

ツ:「それを聞いてホッとしています。でも、それに、みそ煮込みうどん、魅力かも・・・。」

ヒ:「つぐみさんの好物だもんね。」



11:manplus
07/09/27 23:53:00 j1BOIdbU0
 森田の心配を美濃田はきっちりと理解していた。そんな会話をよそにミンメイが宿泊する部屋の作りに驚いて、

ミ:「やっぱり、最高級ホテルの一番高いスイートは違いますね。こんなところにいつも泊まれるなんてスーパーF1の
ドライバーは違いますね。」

セ:「ミンメイ、瞳ちゃんだからだよ。」

ミ:「瞳様だからですか?」

セ:「そうだよ。瞳ちゃんやマリア、ルカ、ミラーと言った、スーパーF1のドライバーでも、ごく一握りのトップクラスの
ドライバーにならないと、ここまでのことは、どこのワークスもしないんだよ。スーパーF1の普通のドライバーは、
せいぜいセミスイートどまりかな。それにしても、すごいことだと思うがね。」

ミ:「セミスイートに泊まれるだけでも、私たちF2ドライバーにとっては夢みたいです。」

セ:「ミンメイにとってはそうかも知れないけれど、ミンメイも瞳ちゃんぐらいのトップドライバーに
なるように頑張らないといけないよ。」

ミ:「はい、頑張ります。でも、瞳様はすごいな。これだけのところにワークス持ちで泊まれるんだから。」

セ:「ミンメイ、当たり前さ。それだけの実力を持っているドライバーなんだからね。
カンダの契約条項だとこれ並みかこれ以上の部屋にしか瞳ちゃんを泊めちゃいけないんだからね。
でも、うちは、もっといい条件だったのにな・・・。」

ヒ:「パパ、ぼやかないの。私は、カンダに育ててもらったんだよ。カンダがシートを用意して待っていてくれるなら、
当然、その用意してくれたシートに座らなくちゃいけないじゃない。それが筋というものだよ。」



12:manplus
07/09/27 23:53:43 j1BOIdbU0
セ:「瞳ちゃんのそういうところがみんなから好かれる理由かも知れないけれど、
瞳ちゃんがF1のシーズンを送っている時から、カンダに対する義理はもう無いと思ったんだけれどな・・・。」

ヒ:「そんなことないよ。私は、レーサーでいる限り、カンダに忠誠を誓うって決めたんだからね。」

ミ:「瞳様のそういうところが素敵なんですよね。亡きセナとダブるところなんですよね。」

セ:「そうなんだよな。セナのホンダへの忠誠と共通するものをオールドファンは感じているから、
瞳ちゃんが偉大なレーサーと言われて、君臨している理由のひとつになるんだもんな。」

ヒ:「私は、偉大なレーサーじゃないよ。アイルトンの足下にも届かないよ。」

ミ:「瞳様、そんなことないです。F1であのセナやミハシュー、それにハミルトン、アロンソもなしえなかったことを
平気でやられたんですよ。そんな方が、皇帝や貴公子に肩を並べられないわけはないのです。」

セ:「そうだよ。瞳ちゃんしか、F1サーカスの完全制覇を達成していないんだからね。
セナプロでさえも経験がないことをあっさりやってしまうんだからすごいよ。」

セ:「でも、瞳ちゃんは、日本のモータースポーツ界の至宝なんだよ。カンダだけのものじゃないと言うことも理解して欲しいな。」

ヒ:「それは、解っているつもりだよ。でも、パパ。パパの部屋のあの写真は・・・、恥ずかしいよ。」

セ:「瞳ちゃん、恥ずかしがることないじゃないか。あのモンテの写真のことだろ?」

ヒ:「うん。だって、WRCの正規ドライバーに悪いよ。」

セ:「そんなことないさ。WRCのユンクネンやレロイも、瞳ちゃんがスーパF1マシンを降りたら、
また一緒にラリーを出来ないかっていっていたよ。」



13:manplus
07/09/27 23:54:24 j1BOIdbU0
ヒ:「何か照れちゃうよ。あれは、バイトだから・・・。」

セ:「それでも、あの時は、うちのワークスの正規ドライバーに変わりないんだから照れること無いじゃないか。」

ミ:「そうですよ。瞳様の才能が非凡な証拠ですもの。私も美濃田監督の部屋に行くとあの写真に見とれてしまいます。
ミシェル=ミッコラ以来の女性ドライバーのWRCモンテカルロラリーの総合優勝ですもの。」

セ:「瞳ちゃんは、マシンを操るために生まれてきたんだと思っているよ。でも、ミンメイも、俺は、
そんな才能がある女の子だと思っているんだ。だから、瞳ちゃんとつぐみちゃんの側に置きたいと思っているんだ。」

ヒ:「パパ、解っているよ。ミンメイちゃんを大事にするからね。」

ツ:「ご主人様。大事にするの意味が違うって思われますよ。だって、彼女の股間には、
性管理用貞操ショーツまで嵌めてしまっていますし・・・。」

ヒ:「そうしようって言ったのはつぐみさんだし・・・、これを作ったのは石坂ドクターだもの・・・。」

ツ:「ご主人様、お一人だけ責任逃れをしないで下さいませんか?」

セ:「そうだったのか・・・。こんなもの作ったのは喜美香だったのか・・・。あいつ、
閑をもてあますとろくな物作らないからな・・・。」

ミ:「私、この様な物で私の貞操を管理していただけるのが嬉しくて・・・。」

ヒ:「パパ、ミンメイちゃんも充分に変態だから大丈夫だよ。」

セ:「・・・。」

14:manplus
07/09/28 00:02:54 j1BOIdbU0
美濃田がその場で頭を抱えてうずくまる姿がそこにあった。
自分が見いだしたミンメイが、予想されたことではあるが、完全にヒトミワールドの中の住人になってしまっていたのである。
望んだこととはいえ、ヒトミの世界に捕まったミンメイのこれからを思うとスーパーF1界にもう一人の魔女の卵が
産まれたようで頭がクラクラしてきたのである。
さらに、その誕生に、いくらやむにやまれぬ事情とはいえ、荷担してしまった自分の愚かさに自暴自棄になるのであった。
それに、ミンメイをもっと変態にするのに荷担したのが、カンダのチームドクターなのだという事実に、
自分の宝物を自分が愛する妻川に裏切られたやるせない感情が芽生える美濃田であった。

セ:「セレブのやることは解らん・・・。瞳ちゃんと言い、喜美香と言い、つぐみちゃんと言い・・・。」

ツ:「何を言っているのですか、私はセレブなんかじゃ・・・。」

セ:「つぐみちゃん、それは謙遜とは言わないんだよ。カンダから年俸を
五億ももらっている人間が一般人と言えるかっ!?」

ミ:「えっ!!つぐみ様、そんなに年俸もらっているんですか?!?」

ツ:「はい・・・。恥ずかしいんですが・・・、自分の分不相応にいただいています。」

セ:「つぐみちゃん、そんなことないよ。つぐみちゃんは、この我が儘な瞳ちゃんをサポートするサポートスタッフとして、
これくらいはもらって当然なんだ。だが、自分がセレブだと言うことを自覚しないと嫌みになることもあるって
言いたかったんだ。奥ゆかしいのは構わないけれどね。」

ヒ:「ゴホッゴホッ!パパ、いくらお酒に酔ったからって、私のこと我が儘だって言うのはないでしょ!」

セ:「ハッハッ・・・!ごめん。でも、瞳ちゃんが我が儘じゃないって言い切れるかな?」



15:manplus
07/09/28 00:03:37 j1BOIdbU0
ヒ:「・・・・・・。パパに核心をつかれると何にも言えないけれど、つぐみさんに関しては、私からしても、
いろんなことをしてもらっていて、これだけの年俸でも少ないくらいだって思うんだ。」

ミ:「でも、つぐみ様の年俸、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーでも、
かなわないドライバーもかなりいるんじゃないですか?」

セ:「ああ、ミンメイに提示した年俸もかなり下だったよな。」

ミ:「はい。でも、私などは下っ端だから仕方ないですが・・・。」

セ:「そんなことないよ、ミンメイ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの三分の一は、
つぐみちゃんより年俸が下なんだよ。つぐみちゃんは、サポートスタッフでは、別格なんだよ。
それだけ、つぐみちゃんの仕事はすごいと言うことなんだ。」

ミ:「やっぱりそうなんですか。つぐみ様の仕事ぶりも、瞳様との関係も最高でした。
私もこのようなつぐみ様のようなサポートスタッフについて欲しいです。」

セ:「つぐみちゃんとまではいかないかも知れないけれど、ミンメイに相性のあったサポートスタッフを用意するつもりだよ。」

ミ:「私、瞳様とつぐみ様の管理を仲介してくれるようなサポートスタッフがいいな。」

ヒ:「ミンメイちゃん、大丈夫だよ。パパが必ずいい人を付けてくれるよ。」

ミ:「でも、その人も可愛いサイボーグ娘じゃないとイヤですよね。」

セ:「そこがミンメイの性癖からして頭の痛いところなんだ。」



16:manplus
07/09/28 00:04:23 j1BOIdbU0
ヒ:「でも、ミンメイちゃんとの契約が済んだんでしょ。」

セ:「それが・・・。」

ツ:「えっ、ミンメイさんとの契約が済んでいないんですか?」

セ:「実は、そうなんだよ。来期の東南アジアF2のシートに座ることは契約書を交わしたんだけれど、
来々期のスーパーF1デビューの契約が保留になってしまったんだよ。」

ヒ:「だって、ミンメイちゃんだって、スーパーF1デビューをしたいんじゃないの?」

ミ:「そうなんですが、ちょっと事情があったみたいで・・・。」

ツ:「ミンメイさんが、あったと言うことは、トミタの問題なんですね。」

セ:「つぐみちゃんの言うことは、少しあたっているけれど・・・。」

ヒ:「パパ、はっきりしたことを教えてよ。」

セ:「実は、ミンメイの出した条件を国際自動車連盟が審査しているんだ。その結果待ちなんだけれど、
昨日のうちに連絡が、うちにくるはずが、医療理事とルール審査会が会長判断を仰ぐことで、
理事会ではなく会長判断に委ねると言うことにしてしまったため、、ロイド会長の判断待ちになってしまったんだ。
だから、日本時間の明日の早朝に国際自動車連盟の裁定が降りるんだ。その裁定を待っての契約と言うことになるんだ。」

ヒ:「そうなんだ・・・。ミンメイちゃんの要望ってなんなの?それに、どうしてこんなに速く契約しなくちゃいけないの?」



17:manplus
07/09/28 00:13:37 6OwVQVKy0
セ:「いくら瞳ちゃんでも、今は詳しく教えられないけれど、ミンメイの契約条項の中で、
医学的なレギュレーションに関して、国際自動車連盟に裁定を仰がないといけないことがあってね。」

ミ:「瞳様、私、完全な機械との融合体に形も性能なりたかったものですから。」

ヒ:「そうか、ミンメイちゃんのサイボーグに対する仕様の問題か・・・。」

セ:「ああ、それに、サポートスタッフに関する要望も難題でね。」

ヒ:「でも、候補者が見つかって、その仕様的な問題で、国際自動車連盟からの裁定連絡が、
これも明日早朝にはいるから、明日は契約できると思うんだけど・・・」

セ:「そうなんだけれどね。でも、サポートスタッフの候補者は見つかっていないんだ。頭が痛いよ。」

ヒ:「そうなんだ。」

瞳が森田にデザートの柚子風味のシャーベットサンデーを口に入れてもらいながら気のない返事をする。

セ:「瞳ちゃん、気のない返事だね。」

ヒ:「だって、ミンメイちゃんがどの様な姿になってもミンメイちゃんだし、ミンメイちゃんのフェチが
望む改造手術をしてもらいたいもん。」

ツ:「そうですよ。ミンメイさんが望む姿と、望む理想のサポートスタッフをつけてあげたいですもの。
それを美濃田監督は実現してくれると信じていますものね。」

ヒ:「そうだよ。私たちは、パパを信頼しているもの。」

セ:「それはありがたいけれど・・・。後は、国際自動車連盟の裁定がどうなるかだからね。“俎板の上の鯉”の心境だよ。」



18:manplus
07/09/28 00:15:13 6OwVQVKy0
ツ:「そうですよね。私もです。」

セ:「どうなるか解らないが、明日は、ミンメイは、9時までにトミタ本社に来てくれ。
瞳ちゃんとつぐみちゃんは、9時半に迎えの車をホテルに着けるよ。」

ヒ:「だって、私たちは、勝手に鈴鹿に行けばいいんじゃないの?」

セ:「ミンメイを連れて行って欲しいんだ。」

ヒ:「いいの?ミンメイちゃんを連れ回して?」

セ:「いいよ。ミンメイは契約が済めば、モデルの仕事もないみたいだし、鈴鹿のレースを見てから
シンガポールに帰ればいいから、瞳ちゃんも、つぐみちゃんもしばらくミンメイに付き合ってやってくれ。」

ヒ:「うん。喜んで。ねっ、つぐみさん。」

ツ:「はい。」

セ:「それに、瞳ちゃんとつぐみちゃんに渡すものがあるんだ。」

ヒ:「なんなの?パパ。」

セ:「それは、来てからのお楽しみ。」

ヒ:「パパのケチッ!ちょっとぐらい教えてくれてもいいじゃないっ!」

セ:「だめっ!さあ、二次会行くぞっ!」

四人は、名古屋の夜のまちに繰り出すのであった。

19:manplus
07/09/28 00:17:02 6OwVQVKy0
今日は、ここまでです。

>>1さん、スレ立て乙です。


20:名無しさん@ピンキー
07/09/29 12:50:42 FvwVfLka0
>1さん乙です

>前スレ448~現スレ19 manplus氏
F1やラリーの雰囲気がちりばめられていますね。
ディベロップメントドライバーとしてミンメイさんやつぐみさんが入っているというのも
ありかもしれません。セナがホンダF1に乗っているとき、セナは少々変なセッティング
でも、乗りこなしてしまうので、調整ミスがあっても気づかず、中島や星野が調整を
やっていたという話があります。

21:manplus
07/09/29 18:07:54 Wyin1iaf0
>>20さん、ありがとうございます。

確かにつぐみとミンメイのデベロップメントドライバーというのはアイデアとしてありかと思います。
モチーフとして、取り入れさせてもらうかも知れません。

しかし、瞳のマシンのデベロップメントドライバーという設定は無理があるかも・・・。
瞳は、設定上、セナとは違った感性を持つドライバーとなっています。瞳のエピソードとして、
F2時代にメカニックも気がつかなかったビス一本の違和感を感じ取ってしまう感性を持つ
と言う設定になっています。瞳は、セナのように何でも気にせず乗りこなしてしまうタイプの
ドライバーではなく、細かなセッティングにまで気がついてしまい、セッティングを自分で
作り込んでいくタイプの天才肌のドライバーという設定になっています。
ただし、シューマッハのように、例えどんなトラブル抱えようとも誰よりも速く走らせてしまう
ドライバーの設定になっています。瞳の強さは、マシンに完全に同調できるドライバーとして
描いているつもりです。マシンと対話でき、その詳細をメカニックに詳しく伝えられるという点では、
佐藤琢磨タイプなのかも知れません。

つぐみは、前の担当ドライバーの時代の、ミンメイは、トミタのF1のデベロップメントドライバー
としての設定が面白いかも知れませんね。ただ、つぐみのドライビングのテクニックの確かさが
レーサーの確かさではないという設定が、このあと描こうと思っています。もう少しお待ち下さい。

サイボーグフェチスレの投稿内容ではないかも知れませんが、セナというドライバーは、
本当に天才だったんでしょうね。どんなマシンでも本当に自分の手脚に出来るだけの
感性があると言うことですよね。あんなドライバーは、詣でてこないかも知れませんよね。
セナの走る姿が、懐かしいですし、もう一度見れるものなら見てみたいです。

明日は、日本グランプリ決勝ですね。ひょっとして、ハミルトンが、セナタイプの天才ではないかと
私は思っているのですが、>>20さんは、どの様にお感じになりますか?

22:20
07/10/01 18:12:56 b2z9ndBN0
ハミルトン優勝ですね。セナとプロストのような時代を彷彿とさせますが、
これはマクラーレンのチーム運営方針なのでしょうか。
年齢的には今から伸びてくる人材でしょう。アロンソとの仲があまりよくないようですが
まだアロンソから吸収できるものは多いのではないかと思います。
この大雨でコントロールできるだけの技量は、今後の伸び方によってはシューマッハ型になる
かもしれません。雨の中抑えながらコントロールするためには、車との会話がより必要になるの
ではないでしょうか。プロストも雨に強いドライバーでしたね。

ここで強引にサイボーグの話に戻します(笑)
機械を使うときに、機械の状況関係なく操作してしまう人と、機械の状況を思いやって操作してしまう
人がいます。たとえば、車を運転しているときに、道の状態に関係なく運転して、車から異音が出ても
平気な人と、異音がするとしまった!やりすぎたかなと感じる人がいるようです。
サイボーグ娘が日常的に扱っている義体のちょっとした負担が積み重なることで、人によって義体の痛み具合が
違ってくるような気がします。こういうのを機械と会話できると言うのかもしれませんね。

ヤギーワールドの古堅部長の義体は、普段はほとんど痛まないくせに、開発のためと称して限界にわざと挑戦して
いためてしまったりしたりして、なんて妄想してしまいました。





23:名無しさん@ピンキー
07/10/03 19:00:21 Ue/Forn50
パワポケ9の広川武美って既出?

24:名無しさん@ピンキー
07/10/03 23:26:28 vYf08Wx/0
>>22
>ヤギーワールドの古堅部長の義体は、普段はほとんど痛まないくせに、開発のためと称して限界にわざと挑戦して
>いためてしまったりしたりして、なんて妄想してしまいました。

「全身義体の俺がジャッキーの物真似に挑戦してみる」
とかいってニコニコ動画に投稿してる古堅部長の姿が思い浮かんでしまいました。

25:manplus
07/10/03 23:37:11 WVaH/Ppc0
美濃田誠一郎(以降、セ):「ママ、連れてきたぞ。」

結城央子(以降、ユ):「美濃田さん、待っていたわ。奥の小上がりでいいのかしら?」

美濃田が瞳たちを連れてきたのは、こぎれいな感じのするカウンターと奥に座敷があるだけの割烹居酒屋だった。

速水瞳(以降、ヒ):「お邪魔します。」

瞳が挨拶すると、美濃田がママと言っていた店の女将が、

ユ:「美濃田さん、本当に連れてきたんだ。速水瞳。」

セ:「そうだよ。冗談だと思っていた?」

ユ:「そうじゃないけれど、メグのチームのエースドライバーでしょ。美濃田さんが一緒にいてもいいの?」

セ:「今日は特別だよ。恵美さんも公認みたいなものだからね。」

ユ:「そう。だったらゆっくりしていって。美濃田さんが重要なお客様を同伴するって聞いて、
貸し切りにしちゃったから、何をしても大丈夫よ。」

セ:「オイオイ、ママ。瞳ちゃんに何をしても大丈夫って言うと、とんでも無いことしでかすから、
店を壊されたくなかったら、そんなこと言っちゃいけないよ。」

ヒ:「ブ~~~~ッ!パパ、非道いよ。私はそんな暴れん坊じゃないよ。」

森田つぐみ(以降、ツ):「どうでしょうか?マリアさんと二人で今まで世界中に
何十件のお出入り禁止のお店を作っているんですか?」



26:manplus
07/10/03 23:37:54 WVaH/Ppc0
ヒ:「・・・。つぐみさんだって、片棒担ぐこともあるじゃない・・・。お出入り禁止になった店の6割は、
つぐみさんとアンネの奇行が原因なんだからね。」

ツ:「私とアンネはそんな奇行なんてしていませんっ!」

ユ:「まあまあ、お二人とも、うちは大丈夫ですから、暴れるだけ暴れても、
美濃田さんとメグが払ってくれますから大丈夫ですよ。」

セ:「おいっ!ママッ!俺たちが瞳ちゃんの尻ぬぐいをするのか?
この二人は、俺たちの何千倍も給料もらっているんだぞっ!」

ユ:「でも、やっぱり、ご紹介いただいた方から頂くのが店のしきたりです。」

セ:「・・・。」

ユ:「こちらが森田つぐみさんでしょ。速水さんも、森田さんも綺麗でかわいいわね。
こんな美人の有名人がうちの店に来てくれるなんて夢みたい。こちらのお嬢さんは?
お二人に負けないくらい、綺麗よね。でも、日本人じゃないわよね。」

セ:「この娘が、よく言っているハイデン=羹=ミンメイ。日本人と中国華僑とオランダ人のクオーターだよ。」

ユ:「ああ、このお嬢さんね。トミタの期待の星というのは?」

セ:「そういうこと。」

ヒ:「パパ、ここの女将とどういう関係なの?」

セ:「まあ、ゆっくり説明するから、まず座って一杯喉に入れよう。ここはありとあらゆる日本酒と焼酎が置いてあるから、
好きな銘柄を頼んでみるといいよ。」



27:manplus
07/10/03 23:38:59 WVaH/Ppc0
ユ:「今日は、私もじっくり飲んじゃうから、楽しんでいってね。」

美濃田とつぐみが瞳をこの店の小上がりに、このような少し狭い場所で瞳たち
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを置くための省スペース型の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用スタンドに瞳を移しかえ、
瞳が邪魔にならないように小上がりの奥に瞳を設置した。
そして、その横に、介護が出来るように森田が陣取った。

ヒ:「パパ、綺麗な人だね。」

セ:「ああ。彼女は、ここの女将で、央子ママだ。」

美濃田がそこまで話したときに、彼女が小上がりにお通しとビールを持って戻ってきた。

ユ:「初めまして。私、ここの女将をしております。結城央子と言います。よろしくお願いします。」

と挨拶をして、グラスに冷えたビールを注いで回った。

ユ:「まずは、美濃田さん、ビールで乾杯しましょう。」

セ:「ママ、そうだね。それでは、瞳ちゃんの鈴鹿での優勝を祈念して乾杯と言うことにしようか?」

ユ:「美濃田さん、それでいいの?自分のチームが負けても?」

セ:「瞳ちゃんじゃ仕方ないからね。瞳ちゃんがフロントローに付いたら、まず、誰も敵わないもの。」

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「瞳様の走りがまた見られる。そう思うとワクワクします。」

ユ:「そうなの。それじゃ、速水選手の健闘を祈って乾杯!」



28:manplus
07/10/03 23:51:05 WVaH/Ppc0
10月とはいえ、まだ夏のけだるさが残る日もある秋の夜に冷えたビールは格別のものがある。
瞳たち全員が美味しくビールを飲み干した。

ユ:「日本酒か焼酎でお好みがあれば言って?うちにありますかどうか?運試しみたいなものよ。」

ヒ:「私、小出の“緑川”がいいな?」

ユ:「速水選手、さすがね。あるわよ。純米吟醸が在庫してあるわ。」

ミ:「すっご~~いっ!」

セ:「瞳ちゃんが真っ先に注文する酒、俺も飲むことにしよう。」

ユ:「それじゃ、持ってくるわね。」

ヒ:「パパ、こんなところで浮気しているんだ。恵美さんに言いつけちゃうよ。」

セ:「大丈夫だよ、瞳ちゃん。ここに来たことは、ママから恵美さんには常に報告されているからね。」

ヒ:「えっ!?」

瞳が指定した日本酒とグラスを持って央子が戻ってきた。

ユ:「だって、私とメグは、高校の同級生だもの。まさか、メグを美濃田さんが自分の特別な人だと言って
連れていらっしゃるとは思いもよらなかったわ。」

ヒ:「そうだったんだ・・・。」



29:manplus
07/10/03 23:51:47 WVaH/Ppc0
ユ:「高校以来、ず~~っと、会ってなくて、手紙だけのやりとりになっていたから、嬉しかったわ。
高校の時は、メグとは大親友だったんだから。」

ヒ:「そうなんですか?恵美さんの親友なんだ。」

セ:「そうだったんだよ。恵美さんを連れてこなければ好かったと思っちゃったよ。」

ツ:「美濃田監督、妻川監督に聞かれたら拙い一言でしたね。」

セ:「つぐみちゃん、勘弁してくれ、恵美さんには黙っていてくれよ。」

ツ:「はい。もちろんです。」

ユ:「でも、みんな綺麗ね。特に速水選手なんか、テレビで見るときのキリリと締まった表情も綺麗だけれど、
こうしてプライベートで見ると、美人で、かわいらしくて、清楚なお嬢様よね。森田さんも、噂は聞いていたけれど、
可愛くて、しかも影を感じる美しさを併せ持っていて素敵だわ。」

セ:「清楚なお嬢様だってさ。そのお嬢様がサーキットの上では手が付けられない
最強のドライバーになっちまうんだもんな。やりきれないよ。トミタにも少し勝利を分けて欲しいよ。
正直、事故に巻き込まれてリタイヤしてくれって祈ったことも何度かあるもんな。」

ヒ:「パパッ!なんて事言うの?私に逆らう気っ?」

ツ:「そうですよ。美濃田監督、ご主人様のご機嫌を損ねると名古屋の街が破壊されますから、止めてください。」

セ:「そうだったね。」



30:manplus
07/10/03 23:52:29 WVaH/Ppc0
ヒ:「私を怪獣扱いしないでちょうだいッ!」

ミ:「美濃田監督もつぐみ様もいいんですか?瞳様、怒っていますよ。」

セ・ツ:『くわばら、くわばら。』

ユ:「いやね。美濃田さんも森田さんも。」

セ:「ママは、瞳ちゃんの本当の恐ろしさを知らないから・・・。怒らせると、
恵美さんや貴美香なんて比べものにならない暴れ方をするんだからね。」

ユ:「石坂先生よりも?」

ツ:「だって、石坂ドクターが暴れ方を教わったのは、ご主人様からなんですよ。
ご主人様のルートで武器も密輸しているみたいだし・・・。」

ヒ:「つぐみさんっ!私はテロリストじゃないんだよっ!」

ミ:「瞳様、何を言っているんですか?単独治外法権と呼ばれている人が、何を言っているんですか?」

ヒ:「みっ、ミンメイちゃんまで・・・。」

ユ:「速水選手の負けね。でも、速水選手の様なセレブのすることって凄いのね。」

セ:「セレブらしく、お淑やかならいいんだがな・・・。ミンメイがどういう性格にされるのかが、心配だ・・・。」

ユ:「美濃田さん、仕方ないでしょ。速水選手に秘蔵っ子を守ってもらうんだから。
それに、速水選手のそんなじゃじゃ馬なところが可愛いんでしょ?」



31:manplus
07/10/04 00:04:42 6ARETUKP0
セ:「まあね。」

ユ:「それで、このお嬢さんがミンメイさんね。またまた、彼女も綺麗だこと・・・。
3人とも、女の私が見ても惚れてしまうほどの美人だものね。言い寄る男も多いでしょうね?」

セ:「ところが、瞳ちゃん以外は、男に興味がないんだから嫌になるよ。」

ユ:「それじゃ、仕事一直線で、男に見向きもしないんだ。」

セ:「ママ、カマトトぶらなくてもいいよ・・・。こいつらはどいつもこいつも、女にしか興味がないんだ。
それに、ミンメイに至っては、瞳ちゃんやつぐみちゃんみたいなサイボーグにしか興味ないんだから、頭が痛いよ。」

ユ:「・・・と言うことは・・・。瞳ちゃんがノーマルで、後の二人がレズなんだ・・・。」

セ:「ママ、違うよ。瞳ちゃんは両刀遣い。」

ユ:「・・・。」

さすがの央子が呆れて言葉を失ってしまった。

ヒ:「ママ、私は、最初はノーマルだったんだけれど、つぐみさんに開発されてしまったの。
ここにいる二人とも、私のスティディーなんだよ。」

ユ:「速水選手の・・・?」

ヒ:「ママ、瞳でいいよ。」



32:manplus
07/10/04 00:05:38 WVaH/Ppc0
ユ:「それじゃ、瞳ちゃんの・・・?」

ヒ:「うん。そうだよ。」

セ:「頭が痛いだろ?恵美さんなんて、いつも頭を抱えているよ。」

ユ:「メグのチームは、女性ばかりだから、そんな世界になるのは覚悟していると言っていたけれど本当だったんだ・・・。」

セ:「それも、エースドライバーが、セカンドドライバーとそのサポートスタッフまでくっちまっているんだから、
恵美さんも頭が痛いはずだよ。」

ユ:「ドライバー同士が恋人・・・?!エースドライバーがセカンドドライバーに手を付けた・・・!?」

ヒ:「手を付けたんじゃなくて、向こうから言い寄られたんだよ。」

ユ:「・・・・・・。メグが女だけのレーシングチームを作るから・・・。」

セ:「まあ、そういうことかな。」

ユ:「でも、カンダのメグのチームは、みんな仲がいいのよね。結束力があるんだよね。」

結城が思い直したように話す。

セ:「それは、恵美さんの力じゃなくて、瞳ちゃんの力なんだよ。瞳ちゃんのレースにかける直向きさや、
絶対に譲らないところと、間違いを認める素直さにチームの誰もが魅せられて、一丸になる強さだよね。」



33:manplus
07/10/04 00:06:20 6ARETUKP0
ユ:「瞳ちゃんに、私もそんなことを感じたわ。それに、つぐみちゃんの瞳ちゃんを思いやる心がいじらしいわね。」

セ:「ああ、だから、瞳ちゃんにうちのミンメイを食ってもらったんだ。瞳ちゃんのいいところを学ばせようと思ってね。」

ユ:「いいところを学ばせるために、恋愛関係を作らせたの?」

ヒ:「そうなんだよ、央子ママ。パパは、私にミンメイちゃんの恋人になって欲しくて、画策したんだよ。
結果的には、つぐみさんの恋人にもなっちゃったけれどね。」

ユ:「・・・。どうしてなの?普通に師弟関係じゃいけなかったの?」

セ:「ああ、ミンメイの性癖を満たせるのが瞳ちゃんとつぐみちゃんだったんだ。
どうせ、ミンメイは、まともに人間を愛せることはないから、二人に委せるには、
身も心も捧げるような関係を結ぶことぐらいでちょうどいいんだ。」

ユ:「そんな・・・。トミタの幹部に怒られなかったの?」

セ:「俺だって役員だよ。自分のしたことの責任は自分で取れるさ。」

ミ:「美濃田監督、格好いいです。美濃田監督がサイボーグの女性だったら、惚れていたかも・・・。」

セ:「央子ママ、この娘は、こういう恋愛対象なんだよ。」

ユ:「なるほどね。ところで、つぐみちゃん、さっきから、本当にタイミング良く瞳ちゃんの口にお酒を運んでいるわよね。
まるで、瞳ちゃんの手みたい。」

ツ:「これがスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのサポートスタッフの本当の役割ですから。
ご主人様が、この状態の身体でいる限り、私は、ご主人様の手脚であり続けるのです。
それが、サポートスタッフの役割なのです。」



34:manplus
07/10/04 00:14:52 6ARETUKP0
ユ:「本当に特別な関係なのね。でも、瞳ちゃん、手脚が無くて不便と思ったことは無いの?」

セ:「ママ、その話は・・・。」

ヒ:「パパ、いいんだよ。初めて私の姿を見る央子ママにとっては聞きたいことだもん。」

ユ:「ゴメン、いけなかったかしら?」

ミ:「私も、本音は聞きたいもの。」

セ:「ミンメイまでなんだッ!」

ヒ:「パパ、いいんだよ。手脚の無い、何も自分一人じゃ出来ない身体になっての生活というのは、
どの様なものかは聞いてみたいとみんなが思うの解るんだ。私がミンメイちゃんや央子ママだったら、
同じ事言うと思うもん。」

ツ:「ご主人様、いいのですか?ご主人様は、こう見えて、結構傷つきやすくて、繊細で、
二人になると落ち込むんですから・・・。」

ヒ:「つぐみさん、大丈夫だよ。今日は、いつもより近くにつぐみさんもいるし、ミンメイちゃんもいてくれる。
それに、央子ママとミンメイちゃんには、私の気持ちを知っていてもらいたいからね。」

ヒ:「解りました。」

ユ:「瞳ちゃん、私がつまらないこと言ったから・・・。無理しなくていいのよ。」



35:manplus
07/10/04 00:15:33 6ARETUKP0
ヒ:「そんなことないよ。央子ママ。私は、この身体に望んでなったんだもの。
確かに、スーパーF1にステップアップするときにこの身体にならないといけないと言うことを聞いていたから、
すっごく迷ったんだ。でも、スーパーF1マシンの異次元のスピードに魅せられて、あのマシンに乗ってみたい、
あのマシンを意のままに動かしてみたいという気持の方が強かったの。ミンメイちゃんも同じだと思うんだ。」

ミ:「はい。でも、私は、サイボーグに自分がなりたい、改造手術を受けて機械と電子機器による身体を
得た超人になりたいという特殊な願望もありましたが、瞳様のようなレーサーとしての純粋な願望は強いです。」

ユ:「美濃田さん、レーサーのスピードを自分のものにしたいという願望なのかしらね。
私は、自分の生身の身体を目一杯に弄られるなんて耐えられないけれど、瞳ちゃんやミンメイちゃんの目には、
何かそんなことを越えた意志を感じるわ。」

セ:「そうだよね。」

ヒ:「央子ママ、私の目も、スーパーF1マシンのスピードの中でも、充分な視界を発揮できるようにするために、
実を言うと人工視覚なの。瞳に見せかけてあるけれど人工眼球で、世間的に言う、
超高性能ハイスピード対応デジタルカメラなんだよ。」

ユ:「そうなんだ・・・。でも、いくら人工のものになっても、表情を作れるじゃない。その表情から来るものが、
目に現れる意志みたいなものになるのは、サイボーグだって変わらないのよ。生身の身体の時のように現れているわ。」

ヒ:「ありがとう、央子ママ。」

ユ:「瞳ちゃん、素直なんだね。」

セ:「そうだろ。いい娘だろ?俺がいつも言っているじゃないか?」

ユ:「そうね。美濃田さんも、メグも、瞳ちゃんのことを話すときは、いつも、自慢するように話すものね。」



36:manplus
07/10/04 00:19:22 6ARETUKP0
ヒ:「パパ、恥ずかしいよ。でも、ママ。正直に言うと、いくら覚悟していたからと言っても、手術が成功して、
意識が回復したとき、手を動かそうとしても、足を動かそうとしても、その反応に応えるように手脚が動かない感覚って、
本当に凹むんだから。そして、そのことで、手脚を切除されていることを自認するんだけれど、
その時のショックは凄かったよ。覚悟していたことなんだけれど、今まであったはずのところに手も脚もない姿を
実際に視覚で見てしまったときのショックは、この身体になる手術を受けたものしか解らないと思う。
その上、ベットに横たえられているダルマのような物体にコードやホースがたっくさん繋げられている姿の
全身映像を見せられたとき、自分のレプリカのアンドロイドがどこかで作られているんだって思うようにしようって
思うんだけれど、手と脚があったときの感覚を完全に排除して、幻視を見ないようにするためのプログラムを
体内の補助コンピューターにプログラムされているから、おまえには手脚がもう無いから、
これが現実の姿なのだという人工感覚信号が、コンピューターから神経細胞を通じて生体脳に送られてくるときの
絶望感になれるまでに結構、気持ちを整理する時間が掛かったんだ。


37:manplus
07/10/04 00:27:47 6ARETUKP0
それに、ベッドサイドのものをとろうと思ったとき、
手を伸ばせば取れるはずのものが取れなくて、その手を伸ばそうとする感覚を打ち消すために神経組織に
サブコンピューターから送られる人工感覚と闘う生体神経組織の感覚と、“手を伸ばそうと思ってはいけない、
サポートスタッフを呼びなさい。”というアラームが人工視覚に流れて、人工聴覚から伝わるアラーム音が、
今の身体に改造された状態を素体が感覚として受け入れるまで流れるんだけれど、そのことが、
いくら自分のためとはいえ、その無味乾燥で無慈悲な文字が目に浮かんで、それをさらにだめ押しするように
自分にしか聞こえないアラーム音が流れたときの屈辱感や無力感は、想像を絶するものだったんだ。
その精神的苦痛には、たぶん、一人では耐えられなかったかもしれない。手脚を事故や病気で
切除された人の苦しみが本当に理解できたもん。でも、手脚を事故や病気で失った人には、今は、
サイボーグ手術により、人工四肢を取り付けることが一般的なんだけれど、私たちは、
スーパーF1マシンに乗るためにわざわざダルマのような身体になったんだから、レースを引退するまで、
疑似身体障害者でいなくちゃいけないことの辛さは相当なものだった。」

ユ:「そうでしょうね。」

 央子は、若い娘が手足を失ったフリークスの身体になることを選ぶという選択の壮絶さを想い目頭に熱い物を感じていた。

ヒ:「それに、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンという自動車の制御装置であるために、
スーパーF1マシンに乗るというのではなく、セッティングされるという感覚なのが戸惑ったんだ。私たちは、
本来的には、スーパーF1マシンに常時セッティングされ続けているのが本来の姿であって、
スーパーF1マシンからはずされるのは、走行データーをチームが取得するためにスーパーF1マシンの
ボディーからはずして、チームのホストコンピューターに接続するためだけとスーパーF1マシンの中で
一番大事な制御システムのメンテナンスのためでしかないんだよ。そんな、制御装置でしかない自分が
嫌になることだってあるよね。いくら望んでいたこととはいえ、いざ、機械装置という立場に自分が
置かれてしまうのは辛い思いを持つしかないんだ。」



38:manplus
07/10/04 00:28:32 6ARETUKP0
ユ:「つらいね・・・。瞳ちゃん。」

ヒ:「うん。最初の頃はね。それに、最初の頃は、サポートスタッフに全て自分の日常生活でしたいことを
声を出して頼むのが嫌だった。日常生活の全てをサポートスタッフに委ねなくてはいけないことが
屈辱でしかなかったの。そんな日常生活を送るくらいなら、スーパーF1マシンにセッティングされ続けている方が
よっぽどマシだとも考えてしまったぐらいなんだよ。」

ユ:「そうよね。だって、おトイレだってサポートスタッフがいなかったらできないんでしょ。」

ヒ:「そうだよ、央子ママ。おトイレだって、大の方は、私たちの肛門は特殊カプラーバルブ式の人工肛門だから、
朝一度だけ、腸内を洗浄するための洗浄液が出るホースを人工肛門に取り付けての腸洗浄で、
サポートスタッフが付きっきりで作業してもらわなくちゃならないの、そのホースを取り付けなくちゃ、
排便行為を行おうと思っても出来ないし、オシッコだって後始末の関係で、監視されたような状態でしなきゃいけないし、
セックスだって、体位を変えるのにサポートスタッフが必要だし、相手の膚の感触を得るために、
サポートスタッフの手の感触をサポートスタッフと感覚データー交換用ケーブルで接続してもらって、
得るようなシステムだから、必ず、セックスにもサポートスタッフが立ち会うことになるし、寝るのも、
こうして食事もお酒もサポートスタッフの手伝いを受けなくちゃならなくて、私一人じゃ何も出来ないし、
生きていくことができない身体になってしまって、プライベートがないように思えちゃった時期もあるんだよ。」

ツ:「ご主人様もそうなんですが、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの方は、皆さん、必ず一度は、
サポートスタッフが、常にいる生活を監視付きだというように思って悩まれるんです。」



39:manplus
07/10/04 00:30:03 6ARETUKP0
ヒ:「つぐみさんの言うとおりなんだ。でも、サポートスタッフと話し合うことによって、サポートスタッフは、
私たちの手脚であり、第2の感覚システムであると言うことを悟ったときから、サポートスタッフが自分の身体として、
そして、周囲に自然にある私の付属品として思えるようになるんだよ。サポートスタッフに
遠慮しなくちゃいけないという感覚が消え去る時なんだ。そうなったとき、初めて、サポートスタッフの本当の役割を
知ることができて、自分とサポートスタッフの二人だけでいることが私たちにとってのプライベートだと思うようになるんだ。
そうなったら、サポートスタッフは、自分の身体だから、いることが当たり前で、いてもいなくても関係ないし、
本当の意味で、この身体で落ち着いていられるようになるの。そして、今は、つぐみさんは、私の身体の一部であり、
当然、恋人以上の存在なんだよ。だって、私の異性のパートナーの性的な癖まで私以上に知っているんだもの。
それに、私のベットでの癖まで何んでも知っていて、私がこうしたいという事を先回りして動いてくれる、
本当の私の身体の一部なの。だから、今の身体になっていても、今は不自由がないんだよ。もし、現役を引退して、
手脚のある身体に戻ったとしても、つぐみさんは永遠に私の手脚であり続けてくれないと、私は、たぶん、
気が狂っちゃうだろうね。私のもとから、つぐみさんがいなくなる事なんて考えられないことなんだ。」

そういって、瞳は安心しきったような瞳を森田に向けて、にっこりと微笑んだ。

ツ:「わっ、私は、ご主人様の下に一生いさせてもらって、ご主人様の第2の身体で居続けるんです。
ご主人様が嫌だと言っても・・・。私には、もうそれ以外に生きることはできないんです。」

森田がちょっと照れて困ったような表情で、恥ずかしそうに瞳の言葉を受けた。

ユ:「信頼関係という以上の関係なのね・・・、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとサポートスタッフの関係って。
私も、こんなスティディーの可愛い女性が欲しくなっちゃった。」



40:manplus
07/10/04 00:40:38 6ARETUKP0
森田が、瞳の身体に抱きついて小刻みに身体を震わせている。瞳を誰にも渡さない。
そんな思い詰めた背中を結城は感じるのだった。
結城には、姉を誰にも取られたくないと駄々をこねる妹のように森田が映った。

ユ:「瞳ちゃんに抱きつくつぐみちゃんは、ちょうど恐がりの妹みたいだね。二人はまるで姉妹みたい。」

ミ:“央子ママ。違うの。”

ミンメイが小声で結城に囁く。結城もつられて小声でミンメイに聞き返した。

ユ:“何が?”

ミ:“つぐみ様はね、瞳様よりも年上なの。”

ユ:「えっ!」

ミ:“央子ママ、声が大きいよ。”

ユ:“あっ、ごめんなさい。だって意外だったものだから・・・。”

ミ:“ああ見えても、実年齢はつぐみ様が一番年上なの。”

ユ:“だって、見かけは、ミンメイちゃんよりも年下に見えるよ。”

ミ:“その可愛いところがつぐみ様のいいところなんだけれどね。
それに、瞳様は、サイボーグ化手術の時に外見の修正処置で、
本人の18歳の時の姿を忠実に再現する整形手術が施されているんだよ。”



41:manplus
07/10/04 00:41:20 6ARETUKP0
ユ:「えっ!」

ミ:“央子ママ、声が大きいよ。”

ユ:“ごめん。だって・・・。瞳ちゃんは、18歳の外観にしてあんなに大人の完成された美人だったなんて信じられないわ。
それも、可愛いところは可愛くて・・・。とても18歳の外観には見えない・・・。”

セ:“つぐみちゃんは、瞳ちゃんのサポートスタッフに付ける時にその時点の実年齢の23歳よりも
三歳若い20歳の外観を再現されているんだ。”

ユ:“瞳ちゃんの方が外見上もつぐみちゃんより2つも若いなんて・・・。瞳ちゃんのあの美貌に嫉妬しちゃう。
天はなんで二物以上のものを一人の女に与えるんでしょうね。”

セ:“オイオイ、ママ。いくらママでも、俺の可愛い瞳ちゃんに嫉妬したら怒るぞっ!”

ユ:“ダメよ。そんなの。美濃田さんに怒られちゃったら、メグも怒るもの。”

ヒ:「みんなで何を話しているの?」

ツ:「そうですよ。私とご主人様が聞いたらまずい話ですか?実際に、人工聴覚のボリュームを
通常生活では絞っていますが、私とご主人様にとって聞かれたくない話なら、もっと、遠くで話してもらわないと・・・。」

ヒ:「そうだよ。特に、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの人工聴覚はボリュームを
上げるとどんな遠くの小さな音も聞こえるからね。」

ミ:「瞳様とつぐみ様に聞かれてはいけない話をしていたわけではないのですが・・・。
お二人の年齢の話をしていたんです。」



42:manplus
07/10/04 00:42:02 6ARETUKP0
ヒ:「ミンメイちゃん。私、歳の話は、サイボーグへの改造手術を受けた時に忘れちゃったし、
気にしなくてもよくなったんだから、私たちの前で歳の話はやめてよ。」

ミ:「羨ましいです。私も少し若く外観を再建して欲しいです。」

セ:「かっ、考えておくよ・・・。」

ミ:「本当ですか?美濃田監督っ!嬉しいですっ!」

ユ:「私も、サイボーグに改造してくれないかしら?」

セ:「ママまでっ!」

ユ:「冗談だったらっ!瞳ちゃんみたいに強い心を持てないもの。瞳ちゃんは、本当に強いんだね。愛おしくなっちゃう。」

結城は、そういうと瞳の飲み干したグラスに日本酒を注ぎながら、瞳の身体を抱いた。

ユ:「瞳ちゃんの身体って、暖かくて女の子の優しさに溢れているんだね。サイボーグの身体だって関係ないんだから・・・。」

ヒ:「央子ママの匂い、お姉ちゃんみたい・・・。いい匂いだね。」

ユ:「瞳ちゃん、ありがとう。ところで、さっき、つぐみちゃんの外観を20歳の時に再現したと言っていたけれど、
つぐみちゃんもサイボーグなの?」

ミ:「央子ママ、そうなんですよ。つぐみ様もサイボーグなんです。それも瞳様と違った意味で
私の理想のスーパーヒロインなんです。」

セ:「何せ、ミンメイが恋に落ちちゃうくらいだから、生身の人間のわけがないんだ。」

43:manplus
07/10/04 00:51:03 6ARETUKP0
ユ:「でも、つぐみちゃんは、外見上も普通の人間とまるで変わらないけれど・・・。」

ヒ:「どうせ、私はダルマ娘ですよ。」

セ:「瞳ちゃん、場違いの拗ね方はしないようにね。」

ヒ:「ははっ・・。そうか・・・。」

ツ:「ご主人様、得意の『笑って誤魔化す作戦』はいけませんよ。」

ヒ:「つぐみさんに怒られた・・・。」

ツ:「もう・・・。ご主人様ったら・・・。でも、央子ママ。実は私もサイボーグなんです。」

セ:「つぐみちゃんも辛かったら、いいんだぞ、しゃべらなくても・・・。」

ツ:「美濃田監督、いいんです。こんな美味しいお酒をいただいているのですから、
ちょっと気分がいいから喋っちゃいます。それに、央子ママとは、ご主人様、
共々に悩みを聞いていただくような関係になりそうな気がしますので、聞いていただいていた方がいいと思うのです。」

ヒ:「つぐみさんの予感はあたるからなぁ・・・。私も、央子ママにはいろんな意味でお世話になるような気がするんだ。」

ユ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、ありがとう。」



44:manplus
07/10/04 00:51:54 6ARETUKP0
ツ:「央子ママ、基本的には、サポートスタッフもサイボーグなんです。サイボーグといっても、
体内の感覚組織で私たちが感じたものを電気信号に変換したり、私たちの感覚データーを
蓄積したりといった感覚組織を生体脳と共に管理するための機械が搭載されているのです。
そして、サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの手足となるときの感覚や
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとサポートスタッフが感覚を共有したいときにおへその部分や
首筋のコネクターから、有線で、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと接続されることにより、
私たちの感じたことの全てをスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと共有するため、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの手脚に完全になり切るために、
私たちの感じたことがサポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに感覚データーとして
吸い上げられたときにスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに感覚の違いによる違和感を与えないように、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの身体データーや考え方や感覚データーや
生体データーなどの生体データーの全てを保存して、そのデーターに基づいて、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの感覚器官に完全になり切れるようになっているのです。
そして、そのためのサポートコンピューターはここに納められているのです。」

森田が自分の下腹部を指さした。

ユ:「お腹に?」



45:manplus
07/10/04 00:53:22 6ARETUKP0
ツ:「はい。だから、一般的なサポートスタッフは、体内コンピューターのスペースを空けるために、
内臓組織の中で小腸と大腸と胃が切除され、人工消化器官という箱が納められていて、
食道と人工消化器官と直腸が繋げられ、機械的に栄養の消化吸収と排泄物の生成を行っているのです。
それに、腎臓と膀胱も一体型の人工腎臓システムという小さな箱と尿を蓄積する圧縮タンクの人工膀胱に置換されて、
体内コンピューターのスペースを確保されています。大きな改造はそのぐらいで、生体脳とコンピューターを
リンクさせるために生体脳に電極が埋め込まれていたり、神経組織がデジタルハイウェイで補強されていたり、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを介護するために、主要な関節にサーボモーターを取り付けて、
大きな負荷にも対応できるように取り付けられているような特別な補強がされていたり、体内の機械システムへの
エネルギー供給のために、食べた物から電気エネルギーを作り出して体内蓄電池に電力を供給するシステムが
取り付けられているぐらいだと思います。基本的に、サポートスタッフは、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
代用感覚器官であることを目的に設計され、改造されているのです。」

ユ:「でも、重いものが持てたりするんだ。なんかサイボーグといった感じに・・・。」

ツ:「何トンも持ち上げるなんてできませんよ。でも、ご主人様は、意外と重いものですから・・・。」

ヒ:「つぐみさん、私が内緒デブだと誤解されるから、その言い方はやめてよ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、みんな重いんだよ。央子ママ、絶対に誤解しないでね。」

セ:「ママ、そうなんだ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンの制御システムとして
開発されているから、身体の大部分が、コンピューターやハードディスクなどの電子機器で構成されているから、
なるべく軽量部材を使用しているけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという完成体になると
どうしても自重が重くなってしまうんだよ。」



46:manplus
07/10/04 01:01:53 6ARETUKP0
ヒ:「みんなで、私を物扱いだもんね。」

ミ:「その物にになっている瞳様が素敵なんです。人間であって、機械でもあるという、
そのアンバランスさがたまりません。萌え対象です。」

ユ:「まっ、まあ、ミンメイちゃんの嗜好は良いとして・・・。瞳ちゃんがデブだなんて思ってもいないし、
人間じゃないとなんて想っていないから大丈夫よ。」

ヒ:「好かった。」

ツ:「ご主人様、不適切な言葉をお許しください。でも、サポートスタッフが普通の肉体なら、
すぐに腰を痛めたりしてしまうほどの重量なんです。だから、そうならないように一般のサポートスタッフの
関節にパワーアシストが付いているのです。」

ユ:「でも、つぐみちゃん、普通のサポートスタッフって言ったわよね。つぐみちゃんは違うの?」

ツ:「はい。実は・・・。ご主人様の前に二人ほど、別のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのお世話を
していたのです。その時のことで色々な事情がありまして・・・。」

ユ:「二人って、普通は生涯で一人のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに寄り添うんじゃなかったの?」

ツ:「普通はそうなのですが・・・。」

セ:「つぐみちゃん、俺が説明するから・・・。」

ツ:「美濃田監督、大丈夫です。」

セ:「そうか?つぐみちゃん。でも、いいよ。俺がそこは話す。」



47:manplus
07/10/04 01:02:54 6ARETUKP0
ヒ:「パパ、私が話すよ。」

セ:「瞳ちゃんも無理するな。ここは、俺が話す。」

ヒ・ツ:『解りました。お願いします。』

セ:「つぐみちゃんはね、ママ。過去に、フランツ=クリアノフとレミ=ネミドリノフという二人の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの担当をしていたことがあるんだ。つまり、瞳ちゃんで3人目なんだ。」

ユ:「3人って、過去の二人はどうしたの?」

セ:「死んだ。」

美濃田は短くそれだけ言った。

ユ:「死んだ?」

ユ:「レース中の事故か何かで?」

セ:「そんな偶発的なものじゃないんだ・・・。それに、スーパーF1マシンはドライバーに対してそんな偶発的な事故で
命を落とすようなレギュレーションになっていないんだ。」

ユ:「だったら、どういうことなの?」



48:manplus
07/10/04 01:03:37 6ARETUKP0
ツ:「美濃田監督、私に気にしないでください・・・。央子ママには真実を知っておいてもらっても好いんだと思います。」

セ:「つぐみちゃん、いいのか?」

ツ:「はい。」

森田は、そういいながら、瞳の身体を強く抱きしめていた。

ヒ:「つぐみさん、いいの?」

ツ:「はい。その代わり、ご主人様の温もりを感じていていいですか?」

ヒ:「いいよ。」

セ:「ママ、悪いけれど、泡盛の古酒の強いやつをストレートで持ってきてくれないか?」

ユ:「いいけど?美濃田さん、そんなの飲んで大丈夫なの?」

セ:「つぐみちゃんのこの話をするときは、強い酒をあおらないと出来ないんだ。」

結城は、美濃田の思いを察したかのように答えた。

ユ:「解ったわ。」

結城は、普段は楽しく酒を飲むタイプの美濃田が強い酒を求めるのに何かただならぬものを感じた。
森田の話がよっぽどの話なのだろう事も容易に理解できるのであった。



49:manplus
07/10/04 01:17:11 6ARETUKP0
 しばらくして、結城は、美濃田のもとに泡盛の古酒で店で一番強いものをチェーサーと一緒に運んできた。

ユ:「こんなのを一気に飲んじゃ、身体に悪いんだからね。」

セ:「いいんだ。つぐみちゃんの過去を話すと酔いたくても酔えないからね。」

美濃田は泡盛を一気に口の中に押し込んだ。

セ:「さて、この話は、スーパーF1界で最悪の悪夢なんだ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが、
何故、現役の間、国際自動車連盟がこんな不自由な身体で生活させているのかということにも関係があるんだ。
つまり、手脚を付けたりはずしたりを頻繁にすると、自分の身体の使用条件が急激に変化するために
精神崩壊を起こして廃人になっちまうんだ。スーパーF1マシンとスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
システムを開発したとき、カンダとうちは、そのことに気がついて、国際自動車連盟のレギュレーションで今のように、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに担当のサポートスタッフをつけて暮らさせるように、
サポートスタッフというサイボーグシステムまで開発して、この大問題を解決しようとして国際自動車連盟と協議して、
レギュレーションを確立させたんだ。そのレギュレーションの深刻さに気がつかないヨーロッパの一部のチームが、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの強い要求に屈して、手脚の付け外しをやっちまったんだ。
それも、週末だけ手脚をはずして、レースが終わると手脚を取り付けるということを頻繁にというか、毎週、
決まって行うような事例でね。」

ユ:「でも、どうして、自分の身に危険があることを解っていながら、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの人は、
そんな要求をしたの?それに、何故、そんな要求をチームも危険だと解りながら認めるの?」



50:manplus
07/10/04 01:18:03 6ARETUKP0
セ:「瞳ちゃんを見て解るとおり、この身体では、何も出来ないんだ。自分の身体がたとえ痒くても、
掻くことも出来ない。いくら信頼しているサポートスタッフとはいえ、やっぱり他人なんだ。
ヨーロッパの個人主義が確立している社会に暮らしてきた人間は、食事やトイレまで監視付きの生活に
耐えられなかったんだ。たまには本当の一人になるための、自分自身だけの自由が欲しかった。
そして、そのことをチームに要求した。チームは、非人間的なサイボーグ手術を契約ドライバーに施したという負い目が
あって、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの要求をのむことになった。
それも、ヨーロッパの数チームが闇カルテルの密約まで結んでね。お互いにレギュレーションを
組織的に破ることを黙認し合って、お互いに他言はしないってね。」

ユ:「当然、そのドライバーたちは廃人よね。」

セ:「そうだ・・・。」

ユ:「廃人のまま、生きているドライバーもいるの?」

セ:「違う、ほとんど全員が死んだ・・・。」

ユ:「どうして?廃人になっても、精神病院で生きていてもいいんじゃないの?」

セ:「証拠を隠すために、チームが処分するために殺したんだ・・・。」

ユ:「殺した・・・!?」



51:manplus
07/10/04 01:18:51 6ARETUKP0
セ:「そうだ。安楽死させて、自分たちがレギュレーションに違反したことを隠したんだ。
移動中やテスト中の事故を装ったりしてね。さらに、担当したサポートスタッフの体内コンピューターから、
サポートスタッフの生体脳の記憶領域にまで踏み込んで、全ての証拠になるデーターをデリートしたんだ。」

ユ:「それじゃ、サポートスタッフの人も精神が持たないわよね?」

セ:「ああ、一部のサポートスタッフは精神障害を起こして引退した。しかし、一部のサポートスタッフは、
他のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに新たに担当として付くことになったんだ。」

ユ:「それじゃ、つぐみちゃんは、その担当として付いた二人ともが廃人になって、殺されてしまったって事?」

セ:「誰かに殺されたんじゃない。事もあろうに、つぐみちゃんが、自分の手で殺したんだ。」

ユ:「えっ!!!?美濃田さん、どういうことなの?」

セ:「だから、最大にして最悪の汚点なんだ。それに、つぐみちゃんにとっても話したくもなければ、
思い出したくもない悪夢なんだ。」

美濃田の話が佳境にはいると森田の身体は小刻みの震え、
その過去の恐怖の記憶に怯えきっているのが結城の目にも簡単に解った。



52:manplus
07/10/04 01:57:02 6ARETUKP0
セ:「チームによっては、サポートスタッフにその担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
処分させたんだ。そのやり口は狡猾にして卑劣を極めるもので、サポートスタッフを精神的に追い込んだ上で、
自分がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの為に、愛するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
楽にさせてやらなくてはいけないという精神状態に追い込んでしまった上に、薬物投与やサポートコンピューターの
プログラムを弄ってまでして、命令を忠実にこなすアンドロイドと同じような状態にした上、自分が何をしたのかは
認識できるような状態にワザとして、担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのもとに送り込んだんだ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを殺すための殺人ようアンドロイドにしてね。」

ツ:「自分が・・・、何を・・・しているのか・・・解っていながら・・・、自分の・・・していることを・・・制御できない・・・状態で・・・、
勝手に・・・、手が動いて・・・、自分の・・・担当する・・・ドライバーの・・・首筋の・・・薬物注入用バルブに・・・
薬物注入用シリンダーで・・・殺害用の薬物を・・・注入している自分の手の姿と・・・、その時の感触が・・・・・・・・・・。
自分で・・・、自分の手を・・・止めることが・・・出来ない・・・。わっ、私、人殺しなんです・・・。ごめんなさい・・・。
ごっ・・・、ごめんなさい・・・。私の愛した人を・・・自ら・・・殺した罪は・・・、一生消えない・・・。」

森田は瞳の胸で震えながら言葉を絞り出した。

ユ:「普通は、そんな状況におかれたら、廃人になるか、精神的ショックで死んでしまうんじゃないの・・・?!
つぐみちゃんは、本当に心が強いんだね・・・。」

ツ:「違います・・・。私は・・・、鈍感なだけなんです・・・。」

ミ:「つぐみ様、そんなことないです。スーパーF1界の最大の汚点というのはそういうことだったんですね。
私が知っている知識とつぐみ様からお聞きした情報では、つぐみ様が最悪の事件にの渦中に巻き込まれたけれど、
強い精神力とサポートスタッフとしての責任感で精神的な崩壊を免れて今があると聞いています。」



53:manplus
07/10/04 01:57:44 6ARETUKP0
セ:「つぐみちゃんは、そういう人間だと思う。それに、つぐみちゃんの意志で行った行為ではないんだ。」

ヒ:「そうだよ。パパの言うとおりだよ。つぐみさんは悪くない。それにつぐみさんは遺族に誠心誠意尽くしているから、
遺族もつぐみさんのよき理解者になってくれているじゃないの。」

ツ:「ご主人様・・・も含めて・・・、お慈悲にすがっているだけです・・・。」

セ:「つぐみちゃん、そんなことないよ。あの時、つぐみちゃんがいたチームは人として、チームとして、
絶対にしてはいけないことをしていただけだよ。」

ヒ:「だから、つぐみさんは無罪になったんだ。」

ツ:「ご主人様・・・。」

ユ:「無罪って?」

セ:「事件が発覚して、国際司法裁判所に事件の全てを国際自動車連盟が告発したんだ。
ヨーロッパの数チームの行動に不信感を持った貴美香が、事件の仕様サイを調べ上げた末報告書を
理事会に提出しての結論としてね。だから、つぐみちゃんも、実際に手を下した事に対しての殺人罪に問われたんだ。
でも、結果的にその時のつぐみちゃんの状況を考慮して無罪が確定したんだけれどね。」

ミ:「その時の裁判なんですね。サイボーグというものが精神的にコントロールされ、
自我を失ったときに犯した犯罪は誰の責任なのかを裁いた判例として有名な裁判ですよね。
公判自体の詳しい話は、事態の大きさ、微妙さから議事録さえも非公開で大まかな事件の概要だけが
記された判決文だけが公開されているだけですが、サイボーグのシステムを悪用した事例の
司法判断が明確にされていますよね。」



54:manplus
07/10/04 01:59:06 6ARETUKP0
セ:「さすがにミンメイは詳しいな。」

ミ:「詳しい内容自体を、今日初めて知って、その深刻さに改めて驚きました。サイボーグという機械体が
自分の生体脳の支配から、身体が切り離されて、自分の意志が身体に反映しないような状況におかれて、
自分の生体脳が、自分の身体がおこしてしまう事態を何も出来ずに見つめているだけの状態のサイボーグに
対しての犯罪責任の有無という、微妙な問題は、もの凄く深刻な問題なのですよね。」

セ:「ミンメイのいうとおりだ。だから、個人のプライバシーの問題もある、それに、サイボーグという人為的に
作りかえられて生かされている人間の尊厳という問題もあるから、国際自動車連盟が非公開を望んだんだ。
その要望を国際司法裁判所は受け入れたんだ。判決では、つぐみちゃんが担当する
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの殺害を実行したときの責任能力と強要し、事実上、
つぐみちゃんのサイボーグ体を乗っ取る形を取り、犯行を実行させたチームの幹部の直接責任が問われたんだ。
サイボーグというハイブリッドな新人類は、人間が作りだしたものであり、作り出した人間たちの操作により、
意のままに操られるロボットになり得る可能性がある存在として、どの様に人権を守るのかや、
身体のコントロールを第三者に握られたときの犯罪責任について、明確な判例を出しているんだ。」

ユ:「だって、第三者にコントロールされている場合は、普通の人間でも犯罪責任が問われないわよね。
それと同じじゃないの?」



55:manplus
07/10/04 02:07:51 6ARETUKP0
ミ:「央子ママ、それが違うのよ。サイボーグの場合は、事情が少し違うのよ。
その時のサイボーグが完全に生体脳の意識まで奪われた、完全なロボット状態ならそうかもしれないけれど、
そうなったら、ロボットという機械と認定されて、犯罪責任は消えるけれど、この時のつぐみ様には、
意識があって自分が罪を犯しているという判断は出来た訳なの。それに、殺人を犯したことは記憶に残ってしまった。
でも、自我があっても、身体がいうことを効かない、精神的な感覚も薬物によって制御されていて、
視覚や聴覚から生体脳に入ってきた情報を認識は出来るけれど、行動司令を生体脳が身体の各部位に送れない
状況下だったの。その状況下でサイボーグが犯罪に荷担したときに、そのサイボーグ本体を犯罪に問うのかという事なの。
ロボットと違うのは、身体の操作権は第三者に握られているけれど、サイボーグはあくまでも、
傍観者のように生体脳が置かれていたとしても、自我が、反抗の時点であるということなの。」

セ:「ミンメイの言うとおりなんだよ。意識があって殺人をしたという認識ができるのに、
そのような人間を身体が勝手に人を殺してしまったという理由で無罪に出来るのかと言うことなんだ。
でも、結果的に、身体の全てを操られて自分の意志が身体に届かない状態は、殺人にも、
殺人幇助にも当たらないという判決に落ち着いたんだけれどね。でも、我々は、
サイボーグの人権を遵守することを改めて約束しなくちゃいけないんだと固く再認識する事件になったんだよ。」

ユ:「自分の意志で身体が動かないか・・・。何者かが勝手に自分の身体を動かしているのに、
それに抗うことが出来ないなんて・・・。」

やっと、少し落ち着きを取り戻した森田がつぶやくように結城の言葉に答える。

ツ:「はい。自分自身が愛する人を殺しているのを間近で見ているのに、それを止めることが出来ず、
息を引き取るのを見ているのがどれほどの地獄か・・・。その間の時間の経過がどんなに長く感じられたことか・・・。
このまま、自分は気がふれてしまえば、何も解らなくなる、そうすれば、この地獄から出ることが出来るのにと思いました。
でも、神様は、私にそのようなことをお許しにならなかったんです。」



56:manplus
07/10/04 02:08:34 6ARETUKP0
ユ:「つぐみちゃんは辛い思いをしたのね。」

セ:「ああ、実際に、ほとんどのサポートスタッフは、精神的なショックで一人を殺したところで廃人になってしまった。
だから、サポートスタッフでデーターの再インストールにより、新しい担当の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに付けられたのはほんの数人だった。
そして、その彼らも、その二人目のドライバーを手にかけた時点で、つぐみちゃん以外のサポートスタッフは、
廃人となっちまったんだ。みんな、サポートスタッフとしては、超がつくほど優秀なスタッフばかりだったんだ。
その職業意識が何とか、この悲劇を後世に伝えようとして、精神の崩壊をギリギリのところで食い止めたのだと思う。
でも、さすがに二人目を殺した時には、精神的に崩壊する自分を食い止めることが出来なかったんだ。
いくら、生体脳の記憶領域まで強引にデリートをかけたとしても、人間の生体脳は、そんな単純じゃないから、
潜在意識に恐怖や屈辱の体験が残っていたんだ。だから、二人目を殺すという時に、過去の自分の悲劇が蘇って、
ダブルの精神的打撃を結果的に与えることになったんだ。でも、つぐみちゃんは、
精神が崩壊するのをギリギリのところで踏みとどまっていたんだ。でも、喜美香が、
そのチームの秘密収容所でつぐみちゃんを発見した時、つぐみちゃんは、精神的な消耗が激しくて、
見るも無惨なほどに憔悴しきって、若さすら吸い取られてしまい、老婆の姿になっていたらしいんだ。
だから、通常のサポートスタッフのようなサイボーグ体の再改造以上の処置を行ったんだ。
老化した姿になってしまったサイボーグ体を元のような姿に戻すことや、薬物でボロボロになった組織を
電子機器に置き換えること、身体組織でガタが来ている組織を人工器官へ交換する手術を行った結果、
サポートスタッフとしては、異例なのだけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー並みか
それ以上の改造化率を持ち、機械と電子機器がほとんどのサイボーグ体に生まれ変わったんだ。」

ミ:「つぐみ様は、簡易宇宙服で宇宙空間に出ても生命維持が可能なほどのサイボーグ体なんですよ。」

ユ:「そうなんだ・・・。」



57:manplus
07/10/04 02:09:15 6ARETUKP0
セ:「それに、過去の記憶が蘇ってしまって、瞳ちゃんのデーターをサポートコンピューターに入れても、
過去の二人の記憶も併存する形になっているから、サポートスタッフとしては異例なんだが、
過去の二人の記憶を残したまま、瞳ちゃんをサポートしているんだ。そうしないと、つぐみちゃんの
心が壊れてしまうから仕方のないことなんだけれどね。」

ユ:「つぐみちゃんは、悲しい思いを一杯したんだね。」

結城は、瞳の身体にすがりついている森田の身体をそっと抱き寄せた。

ツ:「央子ママ、本当にお姉様みたいです。」

結城が森田をさらに強く抱きかかえた。

セ:「トミタとカンダがもっと強く忠告をしていれば好かったんだ。
もっと強い心でヨーロッパチームを押さえれば好かったんだ。」

ヒ:「パパが、後悔することはないよ。いつかは誰かが起こす可能性のある事件だったんだ。
だから、今後、二度とこんな悲劇を起こさないようにチーム全体もスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーも
強い心で律して行かなきゃいけないんだ。」

ユ:「瞳ちゃん、強いんだね。」

ミ:「瞳様のその強さが、私は大好きです。つぐみ様の強い忍耐力も大好きです。」

セ:「ミンメイらしいな。瞳ちゃんだけじゃなく、つぐみちゃんにまで恋しちゃったんだから・・・。」

ユ:「でも、つぐみちゃんは、何でサポートスタッフになろうとしたの?」



58:manplus
07/10/04 02:20:51 6ARETUKP0
ツ:「私、もともと、モータースポーツを観戦するのが好きだったんです。それで、いつかは、
モータースポーツ界に関わる仕事がしたいと思っていたんです。でも、運動神経が好いわけじゃないから、
ドライバーにはなれないし、機械音痴だからメカニックなんて絶対無理。でも、どうしても関わりたいと思っていたら、
スーパーF1というカテゴリーが出来て、サポートスタッフという職業があるということを聞いたもので応募したんです。
人のお世話をするのなら、私の得意分野ですし、女性のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに付くことが
出来たら、ひょっとしたら恋が芽生えるかもしれないなんて言う甘い考えもあったりして・・・。」

セ:「確かに、つぐみちゃんがドライバーなんて、実感はないよな。公道上でも、うちで言ったら、
スーパーSP7に乗っている姿は想像できないけれど、メロディアやフローラに乗っている姿は容易に想像できるものな。」

ツ:「放っておいてください。どうせ私は、運動音痴ですよっ!
でも、まさか、自分もサイボーグにならなきゃいけないなんて思ってもみなかったんです。
でも、自分の運動能力や機械に対する知識が、サイボーグ体の機械システムや
電子機器によって向上したのがラッキーかなって思っています。」

ミ:「つぐみ様ったら、可愛いんだから・・・。それに、才能がないなんて言わないでください。
そんな人が、A級ライセンスなんて持っていません。」



59:manplus
07/10/04 02:22:14 6ARETUKP0
ツ:「ミンメイさん、ありがとう。でも、まさか、最初に担当したスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが
男だったのはショックでした。今まで、男は汚らわしい存在でしかなかったから、触ることも出来ないんじゃないかと
思ったんです。でも、フランツは違いました。紳士で、物静かで、しかも中性的なところもあったから、
フランツとうまくいくことが出来たんです。そして、二人目が女性だったんです。レミに付いたときは、
私、本当に嬉しかった。レミも私の気持ちを理解してくれて、あんな事にならなければ、レミが引退したら、
結婚しようねって言っていたんです。レミの心が壊れる前の日は、チェコグランプリの決勝の前日で、決勝が終わったら、
レミのご両親に婚約者として紹介してくれることになっていたんです。でも、決勝レースの途中で、
レミの心が壊れてしまった・・・。私とデートがしたくて、腕を組んで歩きたいがために、レースのない日に手脚を
付けることをレミは望んだんです。わたしが、レミを追い込んだも同然なんです・・・。
だから、レミにも、レミのご両親にも申し訳なくて・・・。そして、3人目が、今のご主人様である速水瞳という
ドライバーなんです。私、ご主人様を担当することが決まったとき、正直言って逃げてしまいたかった。
だって、私のような者が、モータースポーツ界の至宝とまで言われる方のサポートスタッフになって好いのかと
思ったんです。はっきり言って、ご主人様のF1での最終戦をスタンドから見せていただいたとき、
こんな凄いドライバーはいないって思いました。本当に女王陛下なんですよ。ギアが途中から2速から4速まで入らなくて、
一速と5速、6速と7速だけで誰よりも速く走るドライバーなんてみたことがなかったものですから。
でも、フランツを女性にしたようで、しかもレミのように明るくて人気者なご主人様に惹かれていく自分がいたんです。
だから、ご主人様のサポートスタッフになれば、自分も何かが変わるんじゃないかって思えたんです。」

ユ:「それで、どうだったの?」

森田は、ちょっとはにかんだように微笑んで、



60:manplus
07/10/04 02:22:55 6ARETUKP0
ツ:「私、変われた気がしています。それに、ご主人様は、フランツともレミとも違うことが解りました。
ご主人様は、決して周囲を責めない、だから、チームでの信頼感が抜群なんです。だから、
女王陛下と呼ばれるに相応しいんです。まさに、“プリンセスヒトミ”なんです。そして、
本当は寂しがりで独りぼっちを嫌うところが可愛いんです。」

ミ:「瞳様は、本当は他人に気を使われる繊細な方ですよね。」

ヒ:「ミンメイちゃんも、やめてよ。私はそんな繊細じゃないよ。」

ツ:「そんなことないですよ。でもね、ご主人様がレミやフランツと決定的に違うところは、魔法が使えるんですよ。」

セ:「まさか・・・。つぐみちゃんまで瞳ワールドに感染しちゃったか?」

ツ:「美濃田監督、本当ですよ。ご主人様は、魔法使いです。だって、ご主人様の胸の谷間に顔を埋めて、
ご主人様を抱きしめると悲しみが消えるんですよ。」

セ:「そういうことか・・・。瞳ちゃんの胸は、つぐみちゃんの指定席だもんな。」

ユ:「そうか、つぐみちゃん、幸せなのね。」

ツ:「はい。」

森田は、結城の言葉に短く答えると、本当に幸せそうな笑顔を作った。
その笑顔から、森田の今の気持ちを結城は容易に察することが出来たのだ。
森田の笑顔を羨ましく思っていた結城に美濃田が話しかけた。



61:manplus
07/10/04 02:32:59 6ARETUKP0
セ:「あっ、そうだ。ママ、あれを作ってくれないか?」

ユ:「美濃田さん、そうだったわね。作ってくるわ。ちょっと待っていてね。」

結城が美濃田に言われて厨房に入っていった。



ミ:「美濃田監督。私、つぐみ様のようなサポートスタッフが、本当に欲しいです。」

セ:「大丈夫だよと言いたいけれど、ミンメイのリクエストがきつくてね。」

ヒ:「ミンメイちゃんのリクエストって?」

ツ:「ご主人様、ミンメイさんの性癖ですもの・・・。そんな特殊な性癖の人はなかなかいませんもの。」

セ:「つぐみちゃん、そうなんだよ。なかなか、ミンメイに合うようなサポートスタッフ候補が見つからなくてね。」

ヒ:「それに、ミンメイちゃんみたいに自ら進んでサイボーグになるというか、
サイボーグになることが嬉しいという人間がいるのかなあ・・・?」

ミ:「そんなことありませんッ!瞳様だって、つぐみ様だって、望んで改造手術を受けているじゃありませんか?」

ツ:「そういわれれば・・・、そうとも言えますが・・・、ミンメイさんの希望をかなえるとなると・・・、相当な覚悟が・・・。」



62:manplus
07/10/04 02:33:41 6ARETUKP0
セ:「俺も、つぐみちゃんの考えなんだ・・・。というか、現実に、ミンメイの望むサイボーグの仕様が、
国際自動車連盟の仕様をかなり拡大解釈する必要があるものだから、審議の対象になっているんだよ。
もちろん、自分自身の仕様もだが、サポートスタッフの仕様に関してもなんだ。
もちろん、サポートスタッフに関する限り、国際自動車連盟が許可を出しても、
その改造手術を受け入れてくれるサポートスタッフ候補がいるかが問題なんだ。」

ヒ:「そうか・・・。パパが言っていることも、つぐみさんの心配も、そこの部分か・・・。」

ミ:「きっ、きっと、私にあったサポートスタッフ候補が見つかるはずです。瞳様もつぐみ様も協力してください。」

ヒ:「探し出せる確率から言えば、タスマニアタイガーか日本狼クラスかなあ・・・?」

ツ:「ご主人様、まだ考えが甘いと思います。たぶん、火星の生物・・・といったところかも・・・。」

ミ:「ウェ~~~~ン!そんなこと言わずに、お二人とも、情報提供をお願いします・・・。
私の理想の人を探してくださいッ!」

セ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、本当に誰か心当たりはいないかな?」

ヒ・ツ:『・・・。』





63:manplus
07/10/04 02:34:23 6ARETUKP0
3人の会話を中断するように、結城がみそ煮込みうどんを持って厨房から戻ってきた。

ユ:「さあ、出来たわよ。名古屋一美味しい味噌煮込みうどんが。」

ツ:「美濃田監督、味噌煮込みうどんの美味しいお店って、ここだったんですか?」

セ:「そうだよ。つぐみちゃんの舌にも、絶対に合格すると思うんだ。」

ヒ:「つぐみさん、美味しそうな匂いだよ。」

ツ:「本当だっ!!」

ユ:「みんな、熱いから気を付けてね。昼間は暑いけれど、夜になると冷え込むし、お酒の後はこれが一番よ。」

ヒ・ツ・ミ・セ:『いただきま~~~す。』

みんなが声を揃えた。森田は、まず瞳の口にうどんを一口持っていった。

ヒ:「あっ、熱い・・・ッ!でも、美味しいよ。」

ツ:「ご主人様、ごめんなさい。充分に冷ましたつもりなんですが・・・。」

ユ:「大好物を目の前にしても、つぐみちゃんは、瞳ちゃんへの献身が優先なのね。」

セ:「サポートスタッフの業務を忠実にこなすつぐみちゃんは、やっぱり、サポートスタッフの鏡だな。」

ミ:「でも、それだけじゃなく、つぐみ様の瞳様への愛情から来る献身も感じられます。」

ユ:「そうね。つぐみちゃんは、本当に瞳ちゃんを愛しているのね。・・・なんか、見ていると妬けちゃうな・・・。」



64:manplus
07/10/04 02:42:49 6ARETUKP0
結城が、瞳と自分の口に交互にうどんを運ぶ、森田をみて呟いた。

ツ:「本当に、美味しいです。今まで、色々なお店で、味噌煮込みうどを食べましたが、
央子ママの作った味噌煮込みうどんが一番です。」

ユ:「つぐみちゃん、満足してくれた?」

ツ:「はい。もちろんです。」

 全員の煮込み鍋がほぼ空になったところで、美濃田がみんなに声をかけた。

セ:「さて、そろそろ帰ろうか?ミンメイ、明日は9時に待っているよ。
他のお二人さんは、9時半に迎えが行くから、いいね。」

ミ:「はい。」

ユ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、ミンメイちゃん、これが私の連絡先よ。何かあったら連絡してね。
美濃田さんにも言えないことや、メグにも言えないことがあったら、私が相談に乗るからね。」

ヒ:「央子ママ、ありがとう。名古屋に来たら、また寄ってもいいかな?」

ユ:「瞳ちゃん、もちろんよ。」

ヒ:「ありがとう。今週末は頑張るからね。絶対レース観てね。」

ユ:「うん。」

セ:「俺としては、程程に頑張ってくれるくらいが丁度好いんだけれどなあ・・・。」

美濃田のぼやきが名古屋の街にむなしく響くのであった。

65:manplus
07/10/04 02:58:34 6ARETUKP0
今日はここまでです。
ここのところ、少しまとめて書くことが出来ましたので、精力的に投稿しました。

今回は、美濃田の視点からのつぐみの過去。
瞳がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになって、最初はどの様に感じたのか。
サイボーグの身体が他人の意志で動かされた時、意識だけある時にやったことは、
一体どうなるのだろうかということを考えてみました。

>>20さん、ハミルトンとアロンソの関係、奇しくも、瞳と鈴木エマの関係ということで、
本編で同じような状況をふれています。

機械の身体を酷使するのは、ヤギーワールドだと、古堅部長だけではなく、深町さんも
パラリンピックに出るためや仕事のために酷使していそうですね。
メンテが普通の人より頻繁に入れないといけないのかも・・・。

前スレ>>467さん
特殊な作業用の身体のため、その作業時以外は、生命維持装置に繋がれていないと、
生きていけないようになっているというシチュエーションは萌えます。
普段は、外部生命維持装置が装備された部屋で、その装置から延びる沢山のコードや
ホースを引きずりながら生活しなくてはいけなくて、任務の時だけ、それらを外して、
活動することが許されるような娘の登場するSSの設定も考えて、いつか投稿してみたいと
思っています。

66:名無しさん@ピンキー
07/10/04 20:56:28 EGIgQAM60
緻密な設定を組んでる人だからこそ気になってしまったんだが。

プロストは雨は超苦手だったはずだぞ…。
セナは「嫌い」とは言ってたが速かった。

67:名無しさん@ピンキー
07/10/04 22:41:46 n2JALsIM0
手足に内臓されたバッテリ、経年劣化で容量低下
処分時にリサイクル料金を取られる法律成立
施行前に手足ごとポイ
胴体内の小さなバッテリを充電するため、ダルマ状態で繋がれっぱなし

という性奴隷サイボーグのSSを作りかけたけど未完放置のまま。

>>66
そこでアレジ登場ですよ。

68:名無しさん@ピンキー
07/10/04 23:02:31 fND4SKsY0
記憶では雨でもどんな条件でも完走して、なぜか最後には表彰台に立っているという
印象が強かったので、WikiPediaで調べてみました。

プロストは雨が嫌い?

という項目がありましてなかなか興味深いエピソードがありますね


69:名無しさん@ピンキー
07/10/05 01:51:25 MLO2MzjM0
>>67
久しぶりに来てみたら、67さんが萌えるアイデアを出しているではないか。そういうかわいそうなサイボーグに萌え!!
期待しております!!

70:名無しさん@ピンキー
07/10/05 07:41:06 f0ohnElQ0
「手足なんて飾りです 偉い人にはそれがわからんのですよ」
って感じですか(´・ω・`)

71:名無しさん@ピンキー
07/10/05 21:39:03 hdC4sVEd0
ダルマでは全く動けないのでせめてハイハイできる程度の手足と
バッテリー内蔵型だと発熱が問題なので大半の電力は
コンセントからだと動ける範囲が狭くて性奴隷サイボーグ向けっぽいな

72:manplus
07/10/08 16:48:54 wlNYNE+S0
 翌日の朝、ミンメイは、瞳たちより一足先にトミタ本社に着いて、美濃田と契約書を交わしていた。
国際自動車連盟からの裁定は、条件付きながら、ミンメイが望む、身体変更処置を認める内容であったため、
契約はスムースに進んだのである。

美濃田誠一郎(以降、セ):「これで、ミンメイも来々期は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、
スーパーF1に参戦することになるんだよ。」

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「はい。夢のようです。」

セ:「ミンメイの所属事務所とは、俺の方から連絡を取ってある。来年の8月一杯での、
一時的契約停止ということで了解を取ってある。後は、ミンメイ自身が直接、事務所に行って、
ドライバーの現役引退時点までの芸能活動停止の契約書に署名するだけにしてある。」

ミ:「ありがとうございます。来年の今頃は、サイボーグ体の慣熟訓練中なんでしょうね・・・。」

セ:「ああ、でも、その前に、東南アジアF2での最終年、気合いを入れてくれよ!速水瞳とまではいかないが、
ミンメイも、通常のドライバーとしての最後の年に活躍することを忘れないでくれ。」

ミ:「はい。もちろんです。でも、瞳様のように、シーズン完全制覇までは・・・。」

セ:「ああ、瞳ちゃんは化、け物だからね。無理に追いつこうとしなくて好いよ。でも、彼女の好いところは、見習って、
徐々に、瞳ちゃんに追いつくように努力して欲しいんだ。いっぺんに、瞳ちゃんに追いつこうとしても、さすがのミンメイでも、
消化不良の心配があるからね。」

ミ:「はい。よく解っています。」

セ:「それじゃあ、瞳ちゃんと、つぐみちゃんが、もうすぐ着くから、二人と一緒に鈴鹿に行ってくれ。
東アジアグランプリを観てから、帰国するように航空券やスケジュールの手配をしてあるからね。」



73:manplus
07/10/08 16:49:36 wlNYNE+S0
ミンメイとかわした契約書の束をひとまとめに整えながら美濃田がミンメイに指示を出した。
もう少しの間、瞳と森田と一緒にいれると言うこと、そして、東アジアグランプリが見られると言うことで、
高鳴る胸の鼓動を押さえきれないほどの興奮を覚えるミンメイが、興奮気味に美濃田の指示を聞き返した。

ミ:「本当ですか?東アジアグランプリも観戦して好いんですか?」

セ:「ああ、もちろんだとも。東アジアグランプリでスーパーF1のトップドライバーたちのレースを見るのも
勉強のうちだからね。それから、東アジアグランプリの間も、瞳ちゃんたちと一緒にいて好いよ。
グランプリの翌日の関空からの飛行機でシンガポールに帰国してもらうようにしてあるからね。
日本にいる間は、二人と一緒にいてもいいよ。」

ミ:「本当ですか・・・。感激です。」

セ:「ミンメイは、瞳ちゃんのレーサーとしての好いところ、そして、瞳ちゃんとつぐみちゃんの女性としてのすばらしさに
出来る限り接していて、その好さを自分のものとして吸収して欲しいんだ。それに、いずれにしても、
二人にはしばらく会えなくなるから、二人との世界を充分に楽しんでくれ。」





74:manplus
07/10/08 16:50:31 wlNYNE+S0
美濃田の部屋をノックする音が聞こえた。

セ:「入っていいよ。」

美濃田が返事をするとドアが開き、森田に押されてスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用移動用台車に
固定された瞳が入ってきた。

速水瞳(以降、ヒ):「パパ、ミンメイちゃんとの契約は今度こそ済んだの?」

セ:「ああ、瞳ちゃんとつぐみちゃんにも心配かけたけれど、何とか国際自動車連盟からの裁定も降りたし、
それがミンメイにとって歓迎できるラインの裁定だったから、無事にミンメイを来々期、
トミタのスーパーF1チームに繋ぎ止めることが出来たよ。」

セ:「瞳ちゃんの良きライバルが一人増えたと思ってくれよ。」

ヒ:「うん。ミンメイちゃん、よろしくね。来々期、カンガルーリンクの初戦で待っているからね。」

ミ:「よろしくお願いします。瞳様。」

森田つぐみ(以降、ツ):「美濃田監督、昨日言っていたミンメイさんのサポートスタッフの件ですが、
そちらの方で目処は立つのですか?」

セ:「それが問題なんだよ。ちょっと頭が痛いんだ。」

ヒ:「ミンメイちゃんと同様の極度のサイボーグフェチということが条件だもんね。それも女性か・・・。」

ツ:「ご主人様、性別は関係ありませんわ。男性でも、女性のサイボーグ体にしてしまった上で、
女性としてのデーターを体内サブコンピューターにインプットして、生体脳の男性であったという意識を
コントロールしてしまえば、完全な女性サイボーグが完成しますもの。どうせ、ミンメイさんのサポートスタッフにするには、
サイボーグ改造手術の改造度合は、私ぐらいかそれ以上のものになるのですから、素体の性別は関係なくなるはずです。」



75:manplus
07/10/08 16:59:28 wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさんと同じかそれ以上というと、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー並みかそれ以上の
改造手術ということだものね。完全にメスを入れていない部位は無いというぐらいのサイボーグ手術ということか・・・。」

ツ:「そういうことです。そういう条件下でなら、ある程度の女性への変身願望を潜在的に持つ男性素体なら、
女性よりも女性らしい女性サイボーグになるはずですし、潜在的な男の部分から来る判断力などで、
きっと優れたサポートスタッフになるはずなんです。」

セ:「つぐみちゃんの言うとおりなんだよな。男性素体でも、男性として生きてきた記憶も支配するようにして、
自分がもともと女性であったように精神コントロールを出来るだけの改造比率になると思うから、
潜在的な部分でしか男性だった記憶は残らない。だから、女性でも惚れ惚れするような
女性サイボーグになるはずなんだ。それに、もともと、優秀なサポートスタッフは、
男性部分と女性部分の両方を潜在的に持っているからね。つぐみちゃんだって、
潜在的に男性的な部分を持っているから、瞬時の判断が出来たりするんだよ。
だから、“伝説のサポートスタッフ”と言われるだけのスキルがあるんだ。」

ヒ:「なるほどね。」

ツ:「美濃田監督そんなことないです。私は、ピュアな純度を誇る女性です。
男性が潜在的に自分の中にいるなんて事実は、絶対的にあり得ませんっ!!
自分がそんな存在である事態になったのなら、今日、今にでも、
自動自殺システムを作動させて死んでしまいます。なんという汚らわしさっ!自分が汚れていることを恥じなくては・・・。」

セ:「ちょ、ちょっと、つぐみちゃんっ!何もそこまで思い詰めなくても・・・。」

ヒ:「パパ、つぐみさんにとっては、自分の中に男性がいることなんて許せないことなんだよ。
つぐみさんにとっては、男性という性は存在しないに等しいんだよ。」



76:manplus
07/10/08 17:00:34 wlNYNE+S0
セ:「そんなこと言っても、俺は男だよ。」

ヒ:「パパは、別格なの。パパのような優しさを持つ男性が近くにいても問題はないの。つぐみさんだって、
本当のお父さんまで否定しないもの。そうじゃなくて、男性が恋愛や好意の対象としては、
つぐみさんの場合は存在しないと言うことなの。」

ミ:「美濃田監督、そういうことなんですよ。極度のビアンであるセパレイティストというものは、
そういう感性を持っているのです。」

セ:「俺には解らないが・・・。つぐみちゃん、俺は、つぐみちゃんの判断力を褒める意味で・・・。」

ツ:「美濃田監督、ありがとうございます。でも、判断力が男性だけのものではなく、女性にもあるのです。
そして、私は、ピュアな女性なのです。それを理解して欲しいのです。」

セ:「つぐみちゃん、解った。俺の表現が悪かった。」

ツ:「解ってくだされば、嬉しいです。」

瞳とミンメイの顔に安堵の表情が広がった。二人にとっては、森田が性癖からくる不快感を引きずられると、
この後に響くことへの恐怖感があったのである。
二人にしてみれば、森田の女性らしさからくる不機嫌さや精神的な不安定さが、後々、
自分たちに影響を及ぼすことが怖かったのである。
だから、美濃田の謝罪にあっさりと森田が従ってくれたことによる安堵感からの表情なのである。

ツ:「美濃田監督の言われることは理解できますが、私の概念の中に男性は存在しないだけなのです。
それを理解してくださればいいのです。」



77:manplus
07/10/08 17:01:16 wlNYNE+S0
セ:「そうか・・・。」

美濃田は、森田の念押しの言葉に改めて溜息をついた。

ツ:「ところで、美濃田監督、私、ミンメイさんの性癖に合う人をと思って、昨日の夜、一生懸命考えたのですが、
その結果、私の知る限りで候補者が何人かいるのですが、クリアしないといけない問題があるんです。
それを解決すれば、この中で最低一人は、ミンメイさんのお眼鏡に叶うサポートスタッフになると思うのです。」

ミ:「つぐみ様の思いつく人って、どなたですか?」

セ:「つぐみちゃん、教えてくれるかい?」

ツ:「はい。実は、ローミーのサイボーグ調整技師のメカニックの娘で、メカが好きで、
サイボーグヒロインが大好きな娘がいました。それから、サイボーグヒロインに子どもの頃憧れて、
今でも携帯の待ち受けがサイボーグヒロインという男の子が、これも、ローミーのデーター分析メカニックにいました。
この男の子は、自分が男であるということに納得のいかないみたいなことを言っていたと思います。」

ヒ:「つぐみさん、いつ、そんなこと知ったの?」

「二人とも、練習走行の間、吸い上げるデーターがないので、暇で“カンダスーパーガールズ”のガレージの前を
歩いていたところ、私がガレージの奥でうずくまっているのを不審に思って声をかけてきてくれたのです。」

ミ:「まあ、つぐみ様のように、ガレージの奥の角でうずくまって震えているスタッフなんて、
スーパーF1界でつぐみ様だけですものね。」

ツ:「はあ・・・、以前から、カンダスーパーガールズのガレージでうずくまっている私を見て、気にしていたのだそうです。」



78:manplus
07/10/08 17:12:20 wlNYNE+S0
セ:「そうだよな。誰が見ても、つぐみちゃんの姿は異常だもの。」

ミ:「私たちの世界では、それが可愛いと評判なのですが・・・。」

ツ:「そうなんだそうですね。サイボーグヒロインらしからぬ姿がサイボーグフェチにはたまらないと二人も言っていました。
二人も、前から声をかけたかったそうなんですが、あまりに怖がっている姿に、遠慮して、遠巻きにしていたのだそうです。
それに、男の子の方は、自分が声をかけたら不機嫌になるだけだという理由で遠慮していたそうです。」

ヒ:「大体、つぐみさんの震える姿が可愛いとか何とか言っているけれど、私には信じられないんだよ。
だって、私の前では、つぐみさんは、いつも可愛くて明るいし、仕事はてきぱきとこなしているし、
私のことを誰よりも思ってくれているし、もしもの時は、私に勇気を与えてくれる存在なのに、
そのつぐみさんがそんなに怖がって震える姿なんて信じられないんだよ。」

セ:「瞳ちゃんはそうだろうね。瞳ちゃんに何かあるといけないから、それが怖くて、瞳ちゃんがマシンの中にいる間、
つぐみちゃんは瞳ちゃんのマシンを心配で見ることが出来ないんだからね。」

ツ:「だって、ご主人差に何かのことがあったらと思うと・・・。だって、時速800キロの世界ですよ。
少しでも操作を誤ったら・・・。」

ヒ:「つぐみさん、大丈夫だよ。私は、事故を起こすようなヘマはやらないよ。」

ツ:「ご主人様のドライブは信じています。でも、貰い事故ということだってあるのですから・・・。
バックマーカーの複数台を抜くとき、その集団が熾烈な順位争いをしていて、その中で誰かがミスをしたら、
ご主人様がその時、その複数台を一気に抜いている最中だとすれば、万が一のことだってあるんですよ。」

ヒ:「つぐみさんは、心配性なんだから・・・。」



79:manplus
07/10/08 17:13:01 wlNYNE+S0
ミ:「でも、瞳様、気を付けてくださいよ。アンコントローラブルなマシンに遭遇するケースだってあるんですよ。
そんなとき、アンウィルフルな事故に遭遇することは考えられます。過信は禁物です。」

ヒ:「ミンメイちゃんも心配すること無いって。私には、大体予測できるから大丈夫だよ。
ドライバーの経験値とか、路面状況も含めてね。」

セ:「瞳ちゃん、それでも気を付けることだよ。ルカやミラーやマリアだって、
アンウィルフルアクシデントの原因になり得る確率もあるんだからね。
瞳ちゃんのように全てを予測して確率的な処理をして、全ての偶然を排除できるドライバーなんて、
モータースポーツ界の歴史の中でも、せいぜい、瞳ちゃんとセナとミハエル、それに、フェルナンド、
ハミルトンくらいのものだと思うよ。それも、瞳ちゃんのレベルは桁が違うからね。」

ヒ:「みんなが心配してくれるのは嬉しいけれど、そんなことを言っていたら、レースにならないもの。」

ミ:「まあ、瞳様のいうとおりなのですが・・・。瞳様の技術は飛び抜けているだけに、かえって心配です・・・。」

ツ:「ミンメイさんも、そう思うでしょ。」

ミ:「でも、つぐみ様のように、練習走行すら怖くて見られないというのも極端だと思うのですが・・・。」

ツ:「だって、心配なんだもの。私は、もう、このご主人様しか生涯添い遂げるお方はいないと思っているでしょ。
だから、余計に怖いのよ。」

セ:「つぐみちゃんの過去のトラウマかもな・・・。」

ツ:「最後の人なんだと思うと・・・、思えば思うほど、ご主人様が大事に思えて、そうすると心配になって・・・、
見ていられなくなるのです。フランツやレミの時はここまで心配をすることはなかったんですよ。
でも、ご主人様にお仕えするようになって、自分の中の心配性な心が激しくなったんです。
ご主人様が、フランツやレミとは比べものにならないほどの偉大なドライバーなんだと思うと余計心配になるのです。」



80:manplus
07/10/08 17:13:56 wlNYNE+S0
ミ:「そういうものかもしれませんね。偉大なドライバーの方がギリギリのところで勝負している、
そのギリギリが、私たち一般的なドライバーとは比べものにならないぐらいのギリギリなのですからね。」

セ:「そうだな。ミンメイの言う通りかもな。」

ヒ:「そうだね。私は、みんなが言うほど偉大な存在じゃないけれど、つぐみさんを悲しませないように細心の注意を
払うから・・・、だから、つぐみさん、一度でいいから、私のレースを見てよね。私がトップでチェッカーを受けるところを
誰よりも、つぐみさんに見て欲しいんだもの。」

ツ:「解りました。努力してみます。」

“努力する。”と瞳の前では、空元気を出した森田であったが、実は、この後も、
瞳の走る姿を瞳が現役を引退するまで森田は見ることはなく、ガレージの奥の角の指定席でうずくまり、
ただ耳と目を一生懸命ふさぎ震えているだけであった。
そして、その森田の姿が、今後とも、スーパーF1の風物詩の一つであり続けるのであり、レース中継で、
テレビクルーが、レース中にコース上の映像やピットの監督の映像と共に、
森田の姿を中継映像として世界に配信するまでになったのであった。

ツ:「それで、話を戻すんですが・・・、その時も、私が必死で耳と目を押さえていると、
私をのぞき込む影が二つあったのです。二人は、“速水選手に間違いはないから、
事故を起こすことはないよ”といって、私を勇気づけてくださいました。
そして、“怖いと思ったら私たちが勇気をあげに来ます”といって励ましてくださったんです。
それ以来、ご主人様がマシンの中に設置されているとき以外で、私の手が空いているときに、
お二人とは、色々なことを話すようになったのです。」

ヒ:「そういうことなんだ。つぐみさんがナンパされたという訳か・・・。」

ツ:「違いますッ!!私はご主人様以外の方には・・・。」



81:manplus
07/10/08 17:25:13 wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさん、いいんだよ。つぐみさんを大事に思ってくれる人は、私にとっても大事な人なんだ。
つぐみさんにそんな友達がいることが私は嬉しいんだ。」

ツ:「ご主人様、ありがとうございます。」

セ:「それで、その二人の名前は?」

ツ:「女性の方が、ルミ子=ショッテンハイマーといって、ベルギー人と日本人のハーフだといっていました。
男性の方が、ハイド=アルベルトといって、ユダヤ系ドイツ人だといっていました。お二人とも、確か、
ミンメイさんと同い年だと思います。それに、ルミ子も美形だし、ハイドも男生徒は思えないほどの素晴らしい美形なんです。」

森田の話を聞いて、美濃田は溜息をついて、遠くを見つめた。

セ:「そうか・・・、ミンメイにピッタリかもな・・・。でも、ローミーというのがなあ・・・。キンバリーか・・・。」

ミ:「美濃田監督どうしたんですか?キンバリー監督と何か?」

ヒ:「ミンメイちゃん、パパとキンバリーとの関係は最悪なんだ。恵美さんがらみの事件で、
昔は仲がもの凄く良かったんだけれど、今は最悪の関係になったんだよ。」

セ:「瞳ちゃんも当事者の一人だろ?マリアと一緒に・・・。」

ミ:「えっ?!瞳様とリネカー選手も絡んでいるんですか?」

ヒ:「まっ、まあね・・・。でも、恵美さんが無茶しなければ、こんなことにならなかったんだよね。」

セ:「まあね。恵美さんも、さすがに瞳ちゃんの師匠だけのことはあるからなあ・・・。
でも、そもそもの原因を作ったのは、瞳ちゃんとマリアだし・・・。」

瞳が得意の“笑って誤魔化し攻撃”に移ろうとしていた。




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