09/01/25 03:42:06
>>50のつづき
シェリルの屈託のなさを通り越した無防備さにアルトは混乱した。
(若さに似合わず冷徹な女王って評判だったんだが、
ホントに大丈夫なのか…?)
「本当に、250話語れば、家督の件は、許可してくれるんだな」
「私を誰だと思ってるの?私の言葉を疑うなんて無礼にもほどがあるわね。
もちろん、その間に調査はさせてもらうけど、
問題なければ取り計らいましょう」
「ただ話すだけなんて話がうますぎる。
女なら宝石とか欲しがるんじゃないのか」
「私の安寧は国の安定に繋がるものだもの。
あなた、人の想像力を甘く見すぎね。
文化は愛よ。物や金も文化と言えば文化だけど…私は今更いらないわ。
折角あなたの地歴バカを生かしてあげようって言うんだから、存分に発揮しなさい。」
シェリルからいやらしさを感じなかったため、すっかり失念していたが、
はやり納得がいかないアルトは、
自分が女から見ると魅力的であるらしいことを思い出した。
「先に言っておくが、俺は、『夜の相手』はしないからな!」
「な、アンタこそ、私に指一本でも触れてみなさい!死罪なんだから!」
若い男を自室に招いておいてそれもどうなんだと思いつつも、
シェリルの様子を見て、本当に自分は話すだけなんだな、とアルトは悟った。
つづく