08/04/24 02:31:36
【俺のSF純文学】
ミハシという地球人を捕獲したとの連絡が入った。
私は彼の通訳として地球人研究大学に派遣される事が決まった。久しぶりの地球人だ。
地球人文化に恋をして以来私はずっと地球人そのものに恋をしてやまない。
地球人と言うのは、多種多様の顔つきをして多種多様の言語を話す。実に奥深い文明生物なのだ
ミハシはアジア系の日本人。私の得意分野だ。ミハシの生体検査が私とミハシの初対面だった。
戸を開けると、ミハシは裸の状態で放心状態のまま部屋にうずくまっていた。
私はこみ上げる怒りを抑えながら生体検査医にクレームをつける
「君は裸のままで生活をするのかい？」
「ミハシの事を言っているのか？空調は完璧だ」
いつもこれだ。彼らは地球人に心がある事を忘れるのだ。知能は我々より多少劣るが感情は遥かに優れている
「いいかい、地球人のデータを正確にとるには平穏な心にしてやる必要があるんだ」
そう言って私はミハシに衣類を着させるように言った。検査医はしぶしぶ従った。
ふと、ミハシがこちらを見る。私の星では美しいに分類されるが、地球では人気のない顔つきだ。
私は笑ってミハシに話しかける
「ミハシ、安心して。少しデータを取ってすぐ返してあげるからね」
ミハシは震えたまま、口をパクパクさせていた。検査医はミハシを見ながら言った
「あんた、俺はこいつを特例サンプルにしたいと思ってるんだ。今まで見てきた地球人と反応が違う。」
「彼は、地球人の中でも感情が豊かなのかもしれないな。」
私は通訳と言う立場を通り越してミハシが気に入っていた。ミハシには悪いが、
特例サンプルを適応させてでもこの星につなげとめておきたい程、ミハシに魅力を感じていたのだ
しかしこれは、我々のミハシに対する欲望のほんの序章に過ぎなかったのだ。
この星はやがて、たった一人の地球人、ミハシによって堕落する事になる。
続く…か？俺らは続いてほしいのか？残念ながら俺はそう思わないぜ。そもそも純文学ってなんだ？俺にはわからない。