08/01/28 23:56:29
>>916
【面の下―田島】
隠密に呼び寄せていた巣山からの報告で、いつものように桐壷の警護詳細を完全に把握する。
いや、把握するなどという受身の姿勢をとることもないだろう。
必要ならば、俺の望みどおりに周りの人間が動くように、それとなく巣山に進言させればよいのだから。
もう獲物である“あれ”は完全に恐怖と諦めから俺に歯向かうようなことはしない。
巣山を疑っていても、無力を自覚して周囲にもらすような真似はしないだろう。
張り合いがないとさえ思いつつ、面の下に顔を沈めていく。
「鬼」と「云」う漢字を書くと「魂」が出来上がるのは何故だろうか。
あるいは、全ての人々の魂には鬼が棲んでいるのかもしれない。
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今日はここまで