08/01/28 22:22:53
>>650 ひとまずここまで
阿部君が立ち上がって、ズボンについた土とか埃を払う。そんな当たり前の仕草に、不思議なことだけ
ど、俺は最後の背中を押された気がした。思わず泣きそうになった。
おれは、いつまでこんなところでぐるぐるしてるんだろう。
おれは、どれほど阿部君に迷惑をかけているんだろう。
なあ、と低い声で呼びかけられた。
「明日、ここで、告白しようと思うんだ」
「えっ」
「見ててくれるか?」
いいの? と尋ねようとして、なんとなくわかってしまった。
阿部君も、少しわからなくなってきているんだ。おれのこと、あのヒトのこと。だっておれたちは良く
似ている。だから、ケジメみたいなのをつけたいんだ。
阿部君はおれを気持ち悪いとか思わなくて、ちゃんとおれに向きあってくれた。話を聞いてくれた。俺
のために、バカっていって泣いてくれた。
阿部君は、本当に覚悟を決めたんだ。それは、とても勇気のいることだ。
じゃあ俺も覚悟しないと。ケジメ、つけないと、いけない。いつまでも、怖がっているだけじゃダメだ。
もう、こんな終わりのない苦しみからは、いい加減さよならしよう。
おれは決めた。
阿部君、もう迷惑かけないよ。おれがここにいたら、阿部君はきっとおれに引きずられる。
おれは、ここから飛び降りるから。
だから。
あしたで、さようなら。