11/02/19 13:20:06
その戦いは、舞美ちゃんの一言で決着がついた。
「…ねえ、こっち…向いて?」
言われるがまま、ボクは彼女の方を再び向いた。ボクが何か言う前に、その唇を彼女の唇が…ふさいだ。
「ん…」
キスをした。それも普通のキスじゃない。舌が絡み合う、濃厚なやつだ。そう、かつて誰もいない海で佐紀と交わした、
あのキスのやり方だ。
「…まいみ、ちゃん…」
「…初めて、名前で呼んでくれたね」
そして、彼女は再びボクに抱きついた。
「…私、もう帰れないよ…今夜は…一緒にいて」
耳元で彼女がそう呟いた。
(つづく)