Berryz工房のエロ小説を書こうよ!!! part3at EROMOG2
Berryz工房のエロ小説を書こうよ!!! part3 - 暇つぶし2ch782:fusianasan
11/02/15 23:02:25
試合中は『例のこと』を忘れることにした。とにかくオレンジキッカーズの勝利を願って、ボクら三人は声を張り上げ続けた。
しかし、攻めども攻めどもゴールが遠い。相手はすでに順位目標の特にないクラブなのだが、プレッシャーからか最後の最後で
詰めが甘い。

ボールポゼッションも、シュートの数も、決定機も全部オレンジキッカーズの方が上。でもゴールが生まれない。
選手を変え、フォーメーションをいじり、何とか得点、そして勝利を目指すオレンジキッカーズだったが、決めきれないまま、時間だけが
刻々と過ぎていく。

スコアレスのまま、試合は後半アディショナルタイムに入った。目安は4分。

「4分か…」

ボクは無意識のうちにストップウォッチを押していた。1分経過、2分経過、3分経過…
3分半を過ぎたところだった。

783:fusianasan
11/02/15 23:03:18
もう引き分けも負けも一緒である。オレンジキッカーズはパワープレーを仕掛けていた。前線に背の高い選手が全員上がり、
そこへロングボールを放り込む。

長身の小川のところにボールが飛んできた。キープする。外へ開いた福田へ。福田のクロスボール。
アンドレが待っている。ヘッドだ!

「あっ…!」

入ったかと思った。でもボールはゴールラインわずか手前で相手の頭に当たる。相手の頭に当たってクリアされたボールは
力なくゴールラインを割った。コーナーキックだ。

「最後のチャンスだね…」

矢島さんがポツリと呟く。ボクも黙ってうなずく。時計は3分50秒経過。おそらくこれがラストプレー。
アンドレがコーナーフラッグに向かう。サポーターの声がより一層大きくなる。ゴールキーパーまで上がってくる。とにかく
勝つしかないのだ、もう守ってなんかいられない。

アンドレがボールをセットした。左足を振り抜いた。中には6人が待っている。前田が合わせる。ヘッドだ!

784:fusianasan
11/02/15 23:04:08




…一瞬の空白の後、ボールはクロスバーを直撃して、そのままゴールラインを割った…



そして、主審の笛が、静まり返ったスタジアムに響き渡った。オレンジの選手たちは、倒れ込んだ…





785:fusianasan
11/02/15 23:04:59
三人とも言葉が出なかった。いや、出せなかったのかもしれない。力尽きたように放心状態となり、ただ座りこむだけだった。


しばらくして、ボクはようやく意識が戻った。そして、ふと横を見た。
矢島さんが、泣いていた。初めて見た彼女の涙。
ボクは―不思議なことに、この時は何も迷わず―彼女の肩を抱いた。彼女は何も言わず、ただ目の前のピッチを見ながら、
涙していた…


矢島さんの肩を抱きながら、ボクは反対側を見た。
徳永さんは泣いてはいなかった。ただ、呆然と座り込んだまま、起き上がれずにいた。彼女だけではない。周りを見ると、
似たような状態になっているサポーターの人がたくさんいた。声を出しているのは、ゴール裏のほんの一部だけだ。彼らは
声援、罵声半々の声を飛ばしている。

786:fusianasan
11/02/15 23:05:32
3位のチームは引き分けたが、オレンジキッカーズも引き分けた。勝点差2は変わらなかった。
4位。昇格することはできなかった…



すっかり暗くなってきた。今夜は身も心も…寒い夜になりそうだった。
(つづく)

787:fusianasan
11/02/15 23:06:09
|ω-) 業者に懐かれてしまったか…トホホ

788:fusianasan
11/02/15 23:20:14
ドンマイw
あまりいい読者じゃないかもしれないけどw読んでますよー

789:fusianasan
11/02/18 03:04:34
>>786

重い帰り道になった。結局、ボクは徳永さんに『例のこと』を訊くことがついにできなかった。彼女は『一人で帰れるから』と
スタジアムを出たところでボク、そして矢島さんと別れて帰ってしまったのだ。

一方、矢島さんといえば…

「大丈夫?」

「大丈夫…」

彼女はそう言うが、元気はない。こんなに沈んでいる彼女を見るのは初めてだ。ボクも内心どうしていいか困ってしまった。

「ごめんね…気使わせて」

「いいよ…行こうか」

「…うん」

彼女は小さく頷いた。少し声が嗄れている。どうやら、もう言葉を発するのにも疲れてしまったらしい。ボクは
―これまた無意識に―
彼女の手を握って、駅の方へ歩いた。

790:fusianasan
11/02/18 03:05:12
駅に着いた。あとはこれから電車に乗って、そこでお別れ、なのだが…

「もう少し、一緒にいて…いいかい?」

「…どうしたの?」

「何かさ…よくわかんないけど…今日はもう少し、一緒にいたいなって思ってさ」

ボクの本心だった。ここまで落ち込んだ彼女を…できれば肩だけではなく…思いきり、抱きしめたかった。



ボクの提案を聞いた矢島さんは少し考えていたが、小声でこう言った。

「約束…守ってくれるんだったら…」

「約束って?」

「この後のことは…誰にも言わないで。えりにも、ちぃにも、他の人にも。
 …約束できる?」

「ああ、約束するさ。誰にも言わないよ」

ボクが言い出した以上、今更後には引けない。ボクも覚悟を決めて、約束した。

「じゃあ…いいよ。○○くんの…好きなところ、連れてって」


そして、ボクの選択肢から『家に帰る』が消えた。多分、彼女の選択肢からも、消えたはずだ…
ボクら二人は、家とは反対方向の電車に乗り込んだ。

791:fusianasan
11/02/18 03:06:00
あんまり降りたことのないような駅で、ボクたちは電車を降りた。そして、二人でご飯を食べることになった。

「何食べたい?」

「…何でもいいよ」

結局、ボクはパスタを食べることにした。彼女もそれに従って、ついてきてくれた。


二人でパスタを食べながら…しかし、サッカーの話はほとんどしなかった。お互い、したくもなかったのだろう。
ただ、矢島さんがボソッと呟いた一言が、ボクには強烈な印象を残した。



「こんなに悲しくても…辛くても…お腹だけは、減るんだね…人間って」


「…」

ボクには返す言葉もない。無言で頷くのがやっとだった。

792:fusianasan
11/02/18 03:06:31
食事を終えて歩いているうちに、ボクたちはいつしか迷い込んだらしい。周辺にはラブホテル街が並んでいる。

「ねえ…ここ…って…」

「…そう、みたい…だね…」

今なら、うまく口説けば傷心の彼女をこの中に導くことも可能な気がする。
でも…矢島さんとはこれからも同じ学校に通う関係だし…生徒会のこともあるし…
と、こんなところで突然現実的な話がボクの頭をもたげてきた。

「ねえ、一つ訊いていい?」

矢島さんが、ふと呟いた。

「何?」

「あの子…佐紀とも…こんなところへ、来てたの?」

「…え?」

いきなりそこでその名前を出すか…と内心思ったが、仕方ない。矢島さんは佐紀の友人なのだから。
というか、あの子、そんなことまで喋ってたのか…女の子の情報網、侮れないな…って、感心している場合ではない。

793:fusianasan
11/02/18 03:07:24
「いろいろ聞いたよ…どんなこと、してたか…
 私にも、同じことしたいって、思ってるんでしょう?」


したくないわけはない。ボクだって男である。だいたい、学校内でも『とても美人で気立てがよい』と評判の女の子と
一夜を共にするなんて、男なら誰だってそれを望むものじゃないのかね…?

でも、それをストレートに曝け出していいものか…
ボクがそのことに悩んでいたら、先に彼女が口を開いた。

「分かってるよ…本当は、行きたいんでしょ?」

「…うん」

頷いてしまった。我慢しなきゃいけない、と思ってたんだけど。

「そう…○○くんは…正直だね…」

そう言うと、矢島さんはちょっとだけ空を見上げた。
…そして、呟いた。

「今日だけ、だからね。約束できる?」

「ああ…約束するよ」

はっきり、そう言えた。

「分かった…
今夜のことは、二人だけの秘密ね」

そして、ボクと矢島さん…舞美ちゃんは…意を決してそこへ入っていった…
(つづく)

794:名無し募集中。。。
11/02/18 07:46:23
舞美ともいよいよか・・・

795:fusianasan
11/02/18 21:47:11
>>793

部屋へと入ったボクたちは、すぐにヘナヘナと座り込んでしまった。プライベートな空間に入った途端、お互い緊張の糸が
プツリと途切れてしまったらしい。

言葉が出ない。何か話した方がいいとは分かっているが、体から言葉が出てこない。言葉を絞りだそうとすればするほど、
言葉を生みだすための細胞が絞めつけられたような感覚になる。苦しい。こんなに苦しい気持ちになるなんて…

今、自分は女の子とラブホテルにいるのだ。しかも、その女の子は『とても美人で気立てがよい』と学校内でも評判の女の子だ。
おそらく、同じ学校のたくさんの男が、彼女とこんな時間を過ごすことに憧れているはずだ。それをやっているボクが今、
ここにいる。

それなのに、心は全く持って晴れない。そして言葉が出てこない。

彼女を気遣う言葉も、優しく包み込む言葉も、愛の言葉も、何も出てこない。

ボクは自分で自分が悲しくなった。自分で彼女を誘い、この状況を作っておきながら…一体ボクは何をやっているんだろう。

796:fusianasan
11/02/18 21:48:25
「…先に、シャワー、浴びる?」

舞美ちゃんがそう言ったのは、この部屋にやってきて十分ぐらい経った頃だった。驚くべきことだが、それまでボクたちは
お互い一言も発せないままでいたのだ。

「…矢島さんは?」

「私は…まだいいよ」

そう言うと、彼女はポツリと呟いた。


「…ねえ、お酒…飲みたいな…」

「えっ?」

797:fusianasan
11/02/18 21:49:06
飲むも何も、ボクも彼女もまだ未成年である。真面目そうに見える彼女がそんなことを言い出すとは
思わなかったので、ボクは面食らってしまった。

「○○くん、買ってきてよ…コンビニ行ったら、多分バレないから」

「…はぁ…」

もしかして、ボクが酒を買いに行っている間に、彼女はここから逃げ出すつもりなんじゃないだろうか。
ボクはそんなことを考えた。

「分かった。買ってくるよ…でも、ここに、いてくれるよね?」

ボクがそう言うと、彼女は―疲れた顔ではあったが―笑ってくれた。

「大丈夫。私、そんなに信用できない人に…見える?」

「…見えないね…ハハッ」

ボクも小さく笑って、部屋を出た。

798:fusianasan
11/02/18 21:49:42
酒を買おうとしていることがもしバレたらどうしよう、とボクは内心ヒヤヒヤしていた。しかし、思いのほかあっさりと
買うことができた。身分証明書の類も一切いらないノーチェック。

「よかった…」

コンビニで応対したむさくるしい金髪の店員に、ボクは心の中でお礼を言った。でも、店を出てからも誰かに
見つかりそうな気がして、ボクは一人でホテルまで走った。

『自分がものすごく悪いことをしている』気分になって…心が、さらに暗くなっていく。

799:fusianasan
11/02/18 21:50:16
部屋に戻って、彼女にチューハイを渡した。ボクはウイスキーの水割りの入った小さな缶を開ける。

「…かん」

「…ぱい」

小さく二人で缶と缶をぶつけて、飲み始めた。舞美ちゃんはチューハイをあっという間に飲み干していく。
そんなことは予想していなかったから、ボクはまた、大いに驚いた。

ボクの表情が驚きに満ちたものになって、彼女を見ていたらしい。彼女はそれに気がついて、

「どうしたの?」

と訊ねる。

「いや、そんなに…お酒、飲めるとは…思わなかったから…」

正直な感想だった。ボクはウイスキーの水割りを少しだけ飲んで、もうそれでいっぱいいっぱいになってしまった。

800:fusianasan
11/02/18 21:50:46
「…多分、私…○○くんの思ってるような…人間じゃないと思う…」

舞美ちゃんが突然そう言った。ボクは意味深長すぎるその言葉を聞いて、思わず缶を落としそうになった。

「それ、一体、どういうこと?」

「…きっと、○○くん、私のこと…『品行方正な女の子』だって、思ってるだろうから…
 でも、本当は違う…そんな人間じゃ、ないから…」

そう話す彼女の表情は、あの試合後の時と同じくらい、暗いものになっていた。


801:fusianasan
11/02/18 21:51:32




「多分ね、○○くんが…本当の私を知ったら、きっとガッカリすると思うよ…」




(つづく)

802:名無し募集中。。。
11/02/18 23:13:20
乙です!
昔狼のエロ小スレにも舞美で似たようなシチュエーションがありましたね
ここからの展開はどうなるかわかりませんが

803:fusianasan
11/02/18 23:33:31
自分の思ってる展開になるか?続きに期待

>>802
頼むsageてくだせえ
また業者が来てしまう

804:fusianasan
11/02/19 13:15:43
>>801

「…それは、聞いてみないと、知ってみないと、わからないから…」

ボクはそう言うのがやっとだった。今まで、ボクが見てきた彼女とは…明らかに別の舞美ちゃんが目の前にいる。
でも、『本当の私』って、何だろう。知りたい。でも知ってしまったら『ガッカリする』らしい。
それなら、知らない方が幸せなのかもしれない。だけど…

「…教えて、ほしい、な…その『本当の私』を…」

途切れ途切れに、ボクはそう呟いた。そして残ったウイスキーの水割りを一気に飲み干した。酒の力でも借りないと、
聞けないようなことかもしれない。

「…ごめん。少し、考えさせて…くれる?」

そう話す舞美ちゃんの表情は暗いままだ。そして…
グスン、グスンという声が聞こえた。そう、彼女は突然泣きだしたのである。

「ちょ、ちょっと…どうしたのさ?」

ボクは泣きだす彼女にそう訊ねたが、彼女は泣いたまま、一人で立ち上がると風呂場に行ってしまった。そして、入るなり
ドアを閉めてしまったのである。

805:fusianasan
11/02/19 13:16:31
部屋にはボクだけが残された。舞美ちゃんがいなくなり、一人になった途端、また何も言えない自分が帰ってきてしまった。
本当は、彼女を追いかけたいのだ。泣きやまない彼女を抱きしめたいのだ。だけど、この部屋に来た時のように、苦しい
気持ちになってしまった自分が帰ってきてしまって、ボクは動けなくなった。

「…」

体が重い。体の中にまるで鉛の重しを埋め込まれたようだ。そして、体の重さに比例するように心も重い。
傷ついた彼女に何もできない自分がもどかしい。いや、彼女を傷つけてしまったのは自分の行動にも責任があるだろう。

「誘わなきゃ、よかったんだ…」

試合が終わって、駅でそのまま別れていればよかったんだ。そうすれば彼女はそのまま家に帰れたはず。
いや、百歩譲って食事をしたところで別れていればよかったんだ。そうすれば、それ以上彼女を傷つけずに済んだはず。
なのに、ボクは自分の欲望を優先させて…こんなところへ…舞美ちゃんを連れてきてしまった…

ボクは一人、部屋で自分の行動を悔いていた。悔いたところでどうにかなることでもないのかもしれないが、それでも悔いていた。
いつの間にか、自分の目から涙があふれていることに気がついた。一人で泣いた。きっと部屋の向こうでは、彼女も同じように
泣いているのだろう。理由は…違えども。

806:fusianasan
11/02/19 13:17:18
しばらくして、風呂場の扉が開いた。

「…○○くん…いるんでしょう?」

舞美ちゃんの声が聞こえた。涙に暮れていたボクは、おもむろに体を起こした。

「…うん」

「…いいよ…入ってきても」

ボクは一人、風呂場に向かった。服を着たままで。


「やじま、さん…」

彼女は目が真っ赤になるまで泣いていた。その顔を隠そうともせず、ボクの方を見ている。

「○○、くん…」

ボクも同じように泣いていた。そして同じように彼女の方を見ている。

807:fusianasan
11/02/19 13:18:02
「…やじまさん、今日は、もう帰ろう…」

ボクはそう呟いた。

「ごめん。こんなところに連れてきて…ボクが悪かった…今なら、まだ電車があるはずだから…多分、帰れると思うから…」

彼女は何も言わない。何も言わないまま、ボクを見ている。

「…本当にごめんなさい」

そう言って、ボクは風呂場を出ようとした。後ろから声がした。

808:fusianasan
11/02/19 13:19:17
「…待って!」

後ろから体重がかかった。舞美ちゃんが…ボクの背中に…抱きついたんだ、と分かった。

「私…帰りたくない。ここまで来たら…もう帰りたくないよ…」

ボクの心はもう破裂寸前だった。いや、ボクに限らずどんな男でもそうだろう。
『とても美人で気立てがよいと学校内でも評判の女の子』が抱きついてきているのである。
これで興奮しない男なんていないはずだ…

でも、興奮する自分とは対照的に、この事実をどこかで冷静に見ている自分もいることに、ボクは気がついた。

「ちょっと待ってくれ。ここで彼女を抱いて、その後には何が残るんだ?気まずい関係のまま、これからまだ一年以上続く
 学校生活を送るのか?いや、それ以前に千奈美ちゃんや、梅田さんとの関係はどうなる?一時の快楽に身を任せて、
 自分を破滅させるなんて…愚かな話だ」


二人の自分が心の中で戦っている。そして、その勝敗の決定権はボクが握っている。
では、ボクはどちらを勝たせればいいのだろう…?

809:fusianasan
11/02/19 13:20:06
その戦いは、舞美ちゃんの一言で決着がついた。

「…ねえ、こっち…向いて?」

言われるがまま、ボクは彼女の方を再び向いた。ボクが何か言う前に、その唇を彼女の唇が…ふさいだ。

「ん…」

キスをした。それも普通のキスじゃない。舌が絡み合う、濃厚なやつだ。そう、かつて誰もいない海で佐紀と交わした、
あのキスのやり方だ。


「…まいみ、ちゃん…」

「…初めて、名前で呼んでくれたね」


そして、彼女は再びボクに抱きついた。

「…私、もう帰れないよ…今夜は…一緒にいて」

耳元で彼女がそう呟いた。
(つづく)

810:fusianasan
11/02/19 20:42:41.34
きたー

811:fusianasan
11/02/20 14:56:47.90
>>809

「…とりあえず、一度…風呂場から出ようよ…」

ボクがそう言うと、舞美ちゃんも小さくうなずいた。そして、二人は大きなベッドの上に座り込んだ。

「あんまり…趣味のいい部屋じゃ…ないみたいだね…」

「…うん」

これまた驚くべきことだが、ボクたち二人はここにきて、ようやくこの部屋の全体を見回したのである。
今まではお互い、そんなことをする余裕などなかったのだ。

812:fusianasan
11/02/20 14:57:21.68
「…さっきは、ごめんね。別に…○○くんのことが嫌いだとか、そういうことじゃないの…だけど…」

「だけど?」

「…やっぱり、今は…話せないや。ごめん、さっきのことは…忘れて?」

そう言って、舞美ちゃんは笑った。でも、その笑顔はどこか痛々しい。すごく『無理して作っている』感じがする。

「…分かった。やってみるよ」

正直、ボクには『忘れられる』自信がなかった。あんな行動をする彼女は今まで一度も見たことがないし、あれだけ
酷く泣いている彼女もやっぱり一度も見たことがない。それがボクの脳裏に強く焼き付いている。
その強く焼き付いたものを消去することなんて、簡単にはできそうもない…


813:fusianasan
11/02/20 14:57:57.31
「ごめんね…心配かけて…迷惑もかけて…」

「迷惑だなんて、謝るのはボクの方だよ…」

また会話が止まってしまった。その度に重たい空気を感じてしまう。ダメだ、こんなことじゃいけないんだ、と
ボクは何度も自分に言い聞かせるけれど、だからと言って何ができるのかといえば、結局何にもできないのも
確かなわけで…


「…ねえ…もう一回…キス、して」

「いいの?」

「嫌なら…最初から言わないよ…」

814:fusianasan
11/02/20 14:59:12.66
今度はボクから、彼女の唇を奪う。そのまま体重をかけるように、彼女の体をベッドに押し倒した。上になったボクの首の
後ろに彼女の両腕が絡み付く。押し倒されても彼女は唇を離そうとはしない。

「ん…」

ちろちろ、チロチロ…舞美ちゃんの舌が小刻みに動いて、ボクの口の中を舐め回す。

ん…何だこの感触…気持ちいい…

これ続けられたら、きっとボクは…舞美ちゃんの虜になってしまうだろう…


彼女の舌がボクの舌をつん、つんと刺激した。『自分にも同じことをしてほしい』というサインだと判断した。
ボクは彼女に同じことをする。

「ん…」

舞美ちゃんの表情がうっとりとしたものになっていく。それはいつもみんなの前で…彼女が見せる顔ではない。
明らかに『女の顔』だ。

そして、彼女はゆっくりと目を閉じた。

815:fusianasan
11/02/20 14:59:44.67




ボクは今、彼女を…確かに…感じさせている…






816:fusianasan
11/02/20 15:00:34.83
その事実を悟った時、ボクは頭の中で火花がスパークしそうなくらい興奮してしまった。
せっかくだから、もっともっと楽しもう。彼女とこんなキスができるなんて、一生のうちで一度あるかないか、かもしれないし…



ボクたちは…長く、長く、口づけをしていた。ようやく唇を離すと、ボクの唇の周囲には舞美ちゃんの、舞美ちゃんの唇の周囲には
ボクの唾液がたっぷりと付着していた。

「まいみちゃん…ボク…もう…がまん、できそうに、ないよ…」

下半身の疼きが収まりそうにない。今にも暴発しそうな『それ』を、ボクは必死に理性でコントロールしていた。でも、それにも
限界が近そうだということを悟った。

「まって…らくに…してあげるから」
(つづく)

817:fusianasan
11/02/20 22:31:51.32
続き気になる

818:fusianasan
11/02/21 21:08:34.13
>>816

舞美ちゃんがボクのベルトに手をかける。ベルトを緩め、ジーパンのボタンを外してあっという間に降ろすと、最後に残った
下着を何のためらいもなく脱がせていく。その流れはとても手慣れた手つきに思えた。

「もしかして…舞美ちゃんは…」

いや、彼氏がいても別に驚きはしない。こんな美少女に男っ気が全くないとしたらそれこそどうかしている。
でも…こんなに素早く手慣れた手つきってのは…もしかして…

「いつも、男とこんなことを…?」

そんなことが頭をよぎる。でも、あんまり考えている時間はなかった。というのは…

「…んはっ!ぁあぁ…」

舞美ちゃんがボクのそれを舌で愛撫し始めたからだ。久々に味わう…痛痒い感触。思えば、佐紀が旅立って以来、女の子と
こんなこと、してなかったなぁ…

上手に舌を使いながら、自分の顔をリズミカルに動かし、口の中は不規則に、ボクの『それ』に吸いつく動きを見せる…
彼女はいろんなテクニックを駆使してボクを責める。最初から既に暴発寸前だったボクのそれは、あっという間に限界点を
迎えようとしていた。

「や…やばいよ…で…る…!」

そして、ボクは彼女の喉へと白いエキスを大量に放出したのであった。

819:fusianasan
11/02/21 21:09:06.52
「んっ…!」

舞美ちゃんは、吐き出しはしなかった。出されたそれを、すべて飲んでしまった。それだけではない。
ボクの『それ』にもう一度顔を近づけると、少し残った白いものをゆっくりと吸い上げ、そしてそれも喉の奥へと収めていく…

顔と頭の中は快感の余波に浸っていたが、ボクは内心驚いていた。
舞美ちゃんがこんなに…淫靡な女の子だとは…思っていなかったのだ…



「多分ね、○○くんが…本当の私を知ったら、きっとガッカリすると思うよ…」



彼女のその言葉が、唐突にボクの頭の中でリフレインされた。ひょっとして、彼女の言葉はそういう意味だったのか…

820:fusianasan
11/02/21 21:18:33.63
「ごめんね…すごくいっぱい…出ちゃった…」

ボクの『それ』はまだ硬さを失っていない。出したばかりだというのに…まだ収まらないようだ。すぐにまた大きくなろうとしている。

「大丈夫…まだ、したいんでしょ?」

「…うん」

舞美ちゃんは、優しい、しかしどこか陰のある笑顔をボクに見せた。
欲望を剥き出しにしているボクを内心見下しているのか、
出したばかりなのにまだ硬さを失わない『それ』に呆れているのか、
それともただ男が好きではないのか…
とにかく、今からするであろう行為に対して、かなりネガティブなイメージを持っていると見える。


でも、ちょっと待ってくれ。ネガティブなイメージを持っているなら、今までの彼女の行動
―激しいキス、手慣れた服の脱がせ方、上手なフェラチオ―の説明がつかない。

「一体どういうことだ…?」

ボクは内心、疑心暗鬼になっていた。

821:fusianasan
11/02/21 21:19:12.91
「…いいよ…抱いて…」

舞美ちゃんはそう言うと、自らベッドに寝転がった。そして、下半身裸のボクの手を引き、ベッドの中へと誘う。

「…いいのかい?ボク…本気で…しちゃう…よ?」

自分の声が震えているのが、すぐ分かった。

「…いいよ。でも、今日だけ…だからね?
 あと…避妊は…ちゃんとして」

「…わかった」

さすがはラブホテルである。ベッドにコンドームがしっかりとセットされていた。

「これ…使おっか?」

ボクがそう訊ねると、彼女は黙って頷いた。すべての準備は整ったようだ。
(つづく)

822:fusianasan
11/02/21 22:35:53.40
あっちでもこっちでもエロイシーンがキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

823:fusianasan
11/02/22 22:12:28.42
>>821

ゆっくりと彼女の服を脱がせる。佐紀の時は…彼女は、かなりの恥じらいを見せていたが、舞美ちゃんはそんな様子をほとんど見せなかった。
あっという間に下着姿になった彼女は、ゆっくりと立ち上がると…ためらいもなく…ボクに一糸纏わぬ姿を晒した。


「ごめんね…あんまり、胸は…大きくないから…」

「いや、そんなの…全然…気にならないよ…綺麗だ…」


体育祭とかで、舞美ちゃんが運動神経抜群なことは知っていたが、なるほど、この体ならそれもそうだろうと納得させられる。彼女の体は…
女の子にしては珍しく…腹筋が綺麗に割れていて…腕も結構な筋肉質で…足もすらりと長く…それでいて、綺麗な色白の肌と整った顔立ち、
そして美しく整えられた黒い長髪のコントラスト。相反するような部分を併せ持つ彼女の体は、とても美しかった。
『学校でもトップクラスの美少女』という評判は、決して嘘ではなかったのである。



でも…

824:fusianasan
11/02/22 22:13:52.08
「…」

ちょっと驚いた。彼女のそこ…入口にはあるはずの黒々としたデルタがない。そして、覆い隠すもののない入口は…
佐紀のそれとは…少し形を異にしている。


「もしかして…」


ボクはこれが『二人目の相手』。だから、それが人それぞれによる形の変化なのか、それとも何度も男と交わってきた故なのか、
それを完璧に判断するのはまだ難しい。でも…ここまでの彼女の行動を見ると…『状況証拠』は、揃っている気がした。

『彼女は男と何度も躰をつないでいるが、何らかの理由で現在はその行為をあまり好んでいない。
 そしてその理由は、いつも明るい彼女でも、あまり人に話したがらないようなことである』

そんな仮説を自分の頭の中で考える。でも証拠は何もない。知りたい。だけど知らない方が幸せかもしれない。彼女を抱けるならば、
そんなことどうでもいいような気もする。でも、これからの関係を考えるとやっぱり知っておいた方がいいようなことでもありそうだ…
いろんな考えが頭の中を巡っては消えた。

825:fusianasan
11/02/22 22:15:08.71
「…どうしたの?」

ボクは考え過ぎるあまり、動きが止まっていたらしい。舞美ちゃんが、心配そうにボクの顔を見ている。

「いや、ごめん。何でもない…ただ…」

「ただ?」

「…いいのかな、って思って」

ここまで来ておきながら、ボクは舞美ちゃんの体を見ていろいろ考え込んでしまったおかげで、いきなり後ろめたい気持ちを
持つようになってしまった。今更何を…と言われそうだけど。

「…まだ、そんなこと、言ってるの?」

舞美ちゃんは…ボクにそう言うと、ボクの体に強く抱きついた。ぎしっ、という表現が一番ふさわしい感じだ。そして、耳元でこう囁くのだ。

「ここまで来たら…もう…戻れないよ…男でしょ?覚悟、決めてよ…」

「…わかった。でも、本当に、後悔、しないよね?」

「…うん」
(つづく)


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