11/02/08 22:06:41
「ねえ、○○くんってさ、サッカー、興味ある?」
「…は?」
別に嫌いなわけではない。でも、だからといって自分から見に行こうと思ったこともない。それって興味があるのかないのか、
自分でもよく分からない…と内心思っていたら、
「実はさあ、知り合いがオレンジキッカーズのチケットくれたんだけど、一緒に行く予定だった友達が熱出しちゃってさぁ…」
「はぁ…」
「で、××くん、興味あるかな、って…よかったら一緒に行かない?」
オレンジキッカーズとは、この街にあるサッカーチームの名前だ。国内のトップリーグから数えて三部リーグのチームである。
聞いた話では来年の二部リーグ昇格に向けて、なかなかいい順位にいるらしい。
考えてみれば、別に断る理由が思い浮かばなかった。まあ、適当にサッカーを見て、あとは矢島さんとあれこれ喋っていればいいか、
と思った。
「分かった。じゃあ、行こう」
「ホント?ありがと!
じゃあ、今度の土曜日のお昼に駅の前で待ち合わせね」
話はとんとん拍子に決まった。そこからもう一盛り上がりしようとしたところに…
『ピー…ピー…ヨウシガキレテイマス』
機械音声が水を差した。やれやれ、何と空気の読めない、話のわからない機械なのだろう…機械なのだから、当たり前か…