11/02/01 22:15:10
その日の帰り道。
「さっきさあ…ボクのこと好きだから、バレてもいいって…言ってくれたじゃない?」
「うん」
「…ボク、すげー嬉しかったんだ」
ボクが突然そんなことを言い出したのが、佐紀には可笑しかったらしい。
「どうしたの?急にそんなこと言いだして」
「何かさあ…どうしてもお礼が言いたくて」
ボクの本音だった。ボクのことをそこまで好きでいてくれる彼女に、感謝せずにはいられなかった。
多分、人生で最初に付き合った女の子がこんなによくできた子だなんて、そうそうあるもんじゃないだろう。
それも、ひょんなことから…運命って不思議なものだ、としみじみ思っていた…ら。
「そっか…じゃあ」
そう言うと、佐紀が思いもよらぬ提案をした。
(つづく)