11/01/24 22:36:23
木曜日の放課後。今日、佐紀はダンスの教室に通っている。一人になったボクは、久々に悪友と遊ぶことにした。
川沿いの公園で、ボクと悪友はしょうもない話をしていた。悪友はボクと佐紀とのことを聞きたがっている。もっとも、
興味本位なのは言うまでもない。
ボクは彼にどこまで話すべきか迷ったが、とりあえずこの間の一件を話してみた。すると、
「深読みし過ぎなんじゃねえの」
ボクの心境を思ってか、悪友がそう言った。
「そうかなぁ…今まで誰かと付き合ったことねえから、分からないんだよね」
ボクの本音。加速度的に夢中になってはいたけれど、それが本当にいいことなのかどうかは分からないのが本音だった。
「まあ、いいんじゃねえの。清水さんに嫌われてるわけでもないんだろ。ならいいじゃん」
悪友はそう言うと視線を宙に浮かせた。その視線の先には川が流れていて、その向こうの川岸で子供が遊んでいる。
「あの右側の女の子が可愛いな」
…なんだ。結局最後はそういう話かよ。ボクは彼に相談したことを内心後悔した。
(つづく)