10/01/11 01:09:39 uGwn07660
■夏ノ雨■＋２
ノベルゲーとしてオーソドックスではあるが、丁寧な作りの作品であった。日常描写もそのまま
ヒロインたちの、それが主人公との恋愛であるかあるいは自分自身の立ち位置の確立かの別が
あったとしても、何かしら行動規範の経験値となっており、物語に無駄が無いというか隙が無い。
過剰の萌えや鬱を配色されることもなく、どちらかといえば抑え目。そしてゲーム内における経過時間
の配分も申し分ない。この外連味のない、ある種青春小説のようなシナリオは、まさしくタイトル
通りの秀逸さで私を楽しませてくれた。
■巨乳ファンタジー■＋1
抜きゲーからはこの作品。今年は迷わなかった。主人公の行動原理の軸をケセラセラに置いたことにより、
ファンタジー世界ということを抜きにしても物語に齟齬を生みづらくした点が良かったのではなかろうか。
また、キャラクター像も植木等というよりはタイラーのアニメ版の主人公に近く、いわゆる”もっさり感”
を覚える事も無かった。その点も主人公に歯痒さを感ずることなく爽快感を持って読み進められた一因だろう。
エロも属性特化はしているが文句なし。エロゲーとして見ればタイトルを除けば教科書みたいな作品だ。
しかし一応ベテランの有名ライターなんだから毎回これぐらい書いてくれよ、とは思う。
■Stellar☆Theater■
設定の未消化ぶりははなはだしく、エロシーンも唐突に入るという、まああいかわらずぶりではあるのだが、
あえて選んでみる。というのも、ヒロイン達の心理描写と印象に残る台詞廻しに目を惹かれたからだ。
このシナリオではヒロインの心理描写を”こういうものである”あるいはライター自身が”こう考えさせた”
というのではなく、”ヒロインはこうあってほしい”という描き方をしているように感じられ、
そこに私自身が共感できたからだ。それはある意味シナリオライターのオタク的な視点なのかもしれないが、
例えそうであったとしても、ユーザーから見ても（大半は男だろうから）
ヒロインに対するシンパシーとのシンクロ率は高いものになるのではないだろうか。