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「だから要るのは金鍼だっての……!」
しかもお前らが一緒だと魏軍まで連れてくことに……。
「ああっ!あいつら玉座の間の方へ向かったの!」
「いかん!奴らの狙いは華琳様か!?」
「そうはさせるかぁっ!」
ああ、もう、クソッ!
最悪捕まろうが曹操暗殺を目論む連中だと誤解されようが、曹操さえ治療してしまえばどうとでもなる。
ならその治療を邪魔させないことだ。
「貂蝉、玉座の間で華佗を守るぞ!」
「了解よん、ご主人様!!」
二人で卑弥呼の後を追った。
「華佗っ!」
叫びつつ、玉座の間に走り込む。
「見つかったか、一刀!?」
攻撃を避けているのだろう、上半身を捻りつつ華佗が応えた。
「ああ!」
「よし、じゃあ、こっちに貸し―」
「待ちくされぇぇ!」
多勢を引き連れて、張遼達がなだれ込む。
このタイミングで追いつかれるか!
と、先に玉座の間に入っていた卑弥呼がこちらを向いた。
「夏候姉妹はワシがやる!貂蝉、貴様は軍を止めい!」
「おっけぇい!ご主人様はこーれっ」
金鍼を差し出された。
「ちゃんと届けてあげてね」
邪魔者は止める。だからしっかりと役目を果たせ。そういう意味だ。
「―ああ!」
頷いてそれを受け取る。