恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけの外史演義~ 19at EROG
恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけの外史演義~ 19 - 暇つぶし2ch900:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:38:32 ZfKGUu2d0
お、及川だ!w

901:「無じる真√N-If End ver.christmas」(3/12)
09/12/26 01:39:39 GVWl+yk+0
 隣で騒ぎ立てる及川を横目に空を見上げる。日も沈み、先程まで赤く染まっていた空が
黒い闇へと変貌している。その暗き天井に白く輝く光が点々と散らばっている。
 そんな星々を見ながら思い出す……最後の夜を。
(白蓮……やっぱり、悲しんだのかな……)
 手を繋いだときの白蓮はただ黙って俺の掌から伝わる温もりを感じているだけのようだっ
た。だけど、同じように彼女の体温を掌で感じていた俺にはどこか彼女の手を流れる脈が
速く打っていたように思えた。
 結局、白蓮がどのような反応を示したのかはわからない……ただ、やはり彼女は涙した
のだろうか……そんなことをもう何度考えただろうか……この、フランチェスカの存在する
世界へと戻ってきてから幾度となく白蓮たちのことを思い出しては枕を濡らした。
 そして、何度もあの世界のことを考えた……何故あの"外史"に行くことになってしまった
のか、一体何が原因であの外史は産まれたのか……そして、その存在の意義とはどこに
あったのか……だが、それらはもう俺には知る術など無い。
「……ピー、かずピー、北郷サド左右衛門!」
「失礼な! 誰がサドだこの野郎」
 無礼な事を行ってくる及川に全力の拳をめり込ませる。
「いたた……かずピーが呼んでも返事せんからやないか。ひどいでぇ……このサド」
「あ?」
「い、いや……まぁ、えぇ。それより、ほれ、みんな集まっとるで」
 そう言って及川が指さす方へと俺も視線を向ける。そこにはいかにもと言った様子の男
たちが集まっている。
「みんな、この聖夜をぶっ飛ばすために集まった猛者や!」
「…………そ、そうか」
 男が集まるとここまでむさ苦しいものだったのか……今になって俺はそれを痛感せざる
を得ない。割と広めの一室を持つカラオケスタジオの中、野郎共の歌を聴きながらそんな
ことを思っていた。
 かれこれ、数時間。ぶっ通しで歌い続ける聖夜の戦士たち……その喉は強化されてい
るのか枯れることなくその怨念の強さを見せつけるように声を発し続けている。
「今日もひとり……あしたもひとり……あさっても、しあさっても。いつも孤独……俺は孤独
―」
「やれやれ」

902:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:42:23 ZfKGUu2d0
結構ゆっくりめで気をつけてるみたいだけど、一応、しえーん。

903:「無じる真√N-If End ver.christmas」(4/12)
09/12/26 01:42:50 GVWl+yk+0
 及川を中心に全員が束になってマイクに向かって大声を張りはじめているのを見ながら
一人ため息を吐く。見苦しい光景から目を離して窓から空を見ると、星の一つがキラリと
煌めいてどこかへと流れていった。
「―今日は僕がサンタクロース。ふざけたこといってんじゃない! ヘイ! ジングルベ
―」
 流れ星が少し気になり、拳を振り上げて派手な音に乗って叫ぶように歌う男たちを後に
部屋を出る。
「あれは……」
 フランチェスカの敷地へと流星が落ちた……そう見えた瞬間、すでに脚は走り出してい
た。
 イルミネーション煌めく街を駆け抜ける……目指すはフランチェスカ。
 街ではカップルたちが愛を誓い、子供がサンタクロースの話題に目を輝かせ、それを親
が微笑まし下に見つめている。
 また、そのサンタクロースという人物のトレードマークの一つと言える赤を基調としつつ
も袖などに白いファーのついた服を着た若い女の子が店の前でケーキを販売している。
「及川あたりなら……買いまくるんだろうな」
 友人の馬鹿な姿を想像し僅かに口元をほころばすが頭を左右に振ると思考を切り替え
て再び駆け脚の速度を一層増した。
 敷地に入る際、ついでに寮で制服に着替えておく……警備の人間に呼び止められて
もそれならば足止めを食らう確率が減るからだ。
 そうして男子寮を出た俺は流星が落ちたと思われる辺りへ向けて駆け出した。
「……確かにこの辺りに……」
 あの馬が荒野を駆けていた世界と違いしっかりと舗装された道を思い切り踏みしめなが
ら辺りを見渡す。
 異常なほどに高鳴る胸の鼓動、それに対して、息が乱れることはない。さんざん鍛練を
積んだ成果なのだろう……実際、このフランチェスカへと戻ってから体育の授業で疲れる
ことは無くなっていた。
 以前ならば、多少鍛えているとは言っても所詮現代っ子、僅かなりとも息が上がっては
いた。その頃と比べればそれなりに身体も頑丈になっていた。
 それが、今や俺の目的をいち早く達成するのに一役買っているのだからありがたいもの
ではある。
 そんなことを想いながら走り続ける俺の視界に二つの大きな人影が映り込む。

904:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:44:50 Q0TWjOgA0
支援

905:「無じる真√N-If End ver.christmas」(5/12)
09/12/26 01:45:26 GVWl+yk+0
「……ん? だ、誰だ!?」
「ぬふ、お主が北郷一刀であるな?」
「へ?」
 そこにいたのは白い髭を蓄え、先程街にいた女の子が着ていたような服装をした―。
「さ……サタン?」
「がははは! 我が美貌に対するあまりの驚きに呂律が回っておらぬわ!」
「え……いや……」
「我が輩は……そう、サンタクロースであるぞ!」
「い、いや……赤と白を基調とした服……白い髭……サンタの特徴は捉えているが……」
 何よりもさっきから俺の視線にちらちらと入りこむ白い布地……もとい、ふんどし。何故
か目の前の自称サンタクロースは先程の女の子同様、下のズボンは履いて居らずその
代わりに褌を締めていた。正直、気持ち悪い。
「これこれ、あまり漢女の股間を凝視するものではないぞ」
「こっちだって見たくて見てたわけじゃない……いや、それよりだ」
「む?」
「この辺に星が落ちてこなかったか?」
 目の前にある脅威……いや、驚異な変態を相手にしている時間がもったいないと思い、
俺は必要なことだけ聞くことにする。
 すると、変態は口端を吊り上げ渋い笑みを浮かべる。
「うむ、それならばまず間違いなく私のことだな!」
「…………いや、『漢女』って単語の時点で嫌な予感はしてたんだ……うん。まぁ、一応
聞くけど、外史やらなんやらとか、貂蝉とかの関係者ですか?」
「うむ、そのとおりだ。私はサンタクロース……もとい卑弥呼。貂蝉と同じ……いや、やつ
以上の漢女よ!」
「うげ……」
 さもありなんと言った様子で頷く卑弥呼に俺の気分が急降下する……出来れば漢女と
いう名の化け物には会いたくなかった。
「ちょっとぉぉおお! 聞き捨てならわねぇ!」
「む! もう来おったか!」
 突然、遠くから近づく地響きと叫び声……そろそろ警備の人間が来かねないのでは…
…そう思える程やかましい。

906:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:45:44 ZfKGUu2d0
サタンw

907:「無じる真√N-If End ver.christmas」(6/12)
09/12/26 01:48:51 GVWl+yk+0
 その人影に対して卑弥呼が構えを取る。相対する人影も瞳と思わしき箇所をギラリと鈍
く光らせて卑弥呼に飛び掛かった。
「ふんぬぅぅうう!」
「んふぅぅうう!」
 瞬間、辺りを衝撃波が襲う。二つの人影がぶつかり合ったことによる余波だった。俺もそ
の勢いに飛ばされ駆けるがなんとか堪える。
 そして、立ちこめる砂埃へと目を懲らすとそこには二つの影が何事もなかったかのよう
に立っていた。
「やれやれ……いきなり攻撃を仕掛けるとは……何を考えておる?」
「だってぇ~卑弥呼ったら、わ、た、し、のご主人様に嫌らしい視線を送っていたから……」
「何を言う! た、確かに良い眼をしたオノコではあるとは思いはしたが……べ、別に我が
だぁりんに負けず良いオノコであるとはお、思ってなどおらぬのだからな! そこのお主も
勘違いするでないぞ!」
「…………しねぇよ」
 頬を赤らめながらビシッと指さされたのに対して俺の口から出たのは不満の声だった。
「それで……なんでお前がいるんだ貂蝉」
「んふぅ、今のわたしはピンクのパンティのト、ナ、カ、イさんよ。うふ」
「おげ……」
 言われてみれば貂蝉の頭には二本の角が生えている……が、どう見てもその容姿はト
ナカイではなく鬼だった。
「はぁ……それで、そのトナカイとサンタのクリスマスコンビが一体何の用だ?」
「んふふ……それはのう、良いオノコにクリスマスプレゼントを贈りに来たのであるぞ」
「そういうこと……もちろん、ご主人様もその一人よん」
 巨体である二人に挟まれ妙な威圧感を受けながら話だけはなんとか聞く。
「そ、そうなのか……で、一体俺に何を?」
「んふふ……それはね」
 貂蝉が微笑みながら卑弥呼に目配せをする。それを受け手卑弥呼が背後から妙に巨
大な袋を取り出した。
(い、今まで気付かなかった……)
 卑弥呼と貂蝉の存在感が強すぎたためかあり得ない程巨大な袋に俺は全く気付かな
かった。

908:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:50:33 T/Op3jGW0
しえん~

909:「無じる真√N-If End ver.christmas」(7/12)
09/12/26 01:51:57 GVWl+yk+0
「というか……でかすぎだろ……何入れてんだよ」
「んふ、それは開けてのお楽しみよん」
「さぁ、開けるが良いぞ!」
 二人に促されるように俺は袋を縛っている紐を緩める……気のせいか先程からもぞもぞ
と中身が動いているのが怖い。
「ん……縛りが固いな……よっと……うし! ほどけた」
 そして、ついに袋を開けることに成功した。すると、中から複数の気配が俺の身体を捉
える。
「つ~か~ま~え~ま~し~た~ぞぉ!」
「ひぃっ……って、星!?」
「久しぶりやな……一刀」
「霞まで……」
 袋から飛び出したのは一人の少女の運命を覆したことで俺が退場することになった外
史で共に過ごした少女たちのうちの趙雲こと星と張遼こと霞だった。
「また、主と呑みたくなりましてな」
「酒好きを舐めたらアカンっちゅーこっちゃ。にひひ」
「まったくだな……あははは」
 俺の知っている、"いつも通りの"笑みを浮かべる二人に俺も自然な笑みを浮かべる。そ
れでも三人の目尻には光るものがある。
 と、俺と共にそんな感慨にふける二人に続いてまだまだ人影が出てくる。
「もぉ~せまぁい!」
「ちぃをこんなところに入れてただすむと思ってるのかしら……まったく」
「そ、それよりも二人とも目の前……」
「一刀ぉ!」天和と地和の声が重なる。
「よっ久しぶりだな……」
「一刀さん」
 瞳を潤ませた天和、地和、人和の三人に俺は手を挙げつつ声を掛ける。やはり一つ前
の外史にて出会った少女たちだった。
 張角、張梁、張宝の三姉妹……黄巾党の頭でもあった三人だ。

910:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:54:56 hJC58Nkw0
猛烈に支援

911:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:55:21 ZfKGUu2d0
それだけの人数入ってるとたいへんだなw
さすがだw

912:「無じる真√N-If End ver.christmas」(8/12)
09/12/26 01:55:56 GVWl+yk+0
「そっか……三人も来たんだな」
「うん、一刀に会いに来たの……」
「あと、天の世界でも歌で一番をとるためにね」
「まぁ、そういうことです」
「はは……そっか」
 どうやら、三人はこちらの世界でも歌でやっていくのだろう……きっとアイドルにでもなる
のかもしれない……その時にはマネージャーになるのもいいかも……そんなことを考え
てる俺の顔に誰かの足の裏がめり込む。
「ちんきゅーきーーっく!」
「ぐふっ」
「こら……め!」
「恋殿……しかし、こやつは恋殿を泣かせたのですぞ?」
「…………きっと、ご主人様も泣いたと思うから……あいこ」
「は、はぁ……というか、お前は何をにやついているのです! 気持ち悪いヤツです」
 懐かしのキックの感触に浸っていた俺に対してひどいことを言ってくる陳宮こと音々音
に恋のデコピンが炸裂する。
「あいたっ!?」
「…………だめ」
「むぅ……」
「まぁまぁ、それより二人ともまた会えて嬉しいよ」
「…………うん」
「ふん! 別にねねはそれ程でもないのです」
「そうか、二人は二人のままなんだな」
 僅かに笑みを浮かべながら二人の反応も仕方がないとも俺は思う。二人とは少なくとも
一つ前の外史ではしっかりと関係を築けていなかったのだから。
「ちょっと、速くしてよ! ボクたちが出れないじゃないの!」
「へぅ~何だか目が回るよぉ、詠ちゃん」
「次は詠と月か……」
 いつも通りむっとした表情のまま出てくる賈駆こと詠と、酸欠のためか、はたまた入って
いた袋が動いた影響か眼を回している董卓こと月。

913:名無しさん@初回限定
09/12/26 01:57:45 hJC58Nkw0
これは・・・現代編が猛烈に見たい・・・・

914:「無じる真√N-If End ver.christmas」(9/12)
09/12/26 02:00:41 GVWl+yk+0
「別にボクはあんたに会いに来た訳じゃないんだから……ただ、月と離れたくなかったか
ら来たんだからね」
「詠ちゃん……」
「いや、わかってるさ。詠が一番に思うのは月のことだってことくらいはさ」
 詠の言葉に僅かに衝撃を受けて顔を曇らせる。すると、詠が急に慌て出す。
「あ……いや、別にそんなつもりじゃ……ボ、ボクだって……あぁ、もう! そうよ、あんた
に会いたいと思ったわよ、バカ!」
「詠……」
「詠ちゃん……」
「そっか、ありがとな詠。そして、ごめんな月……約束守れなかった」
 そう、俺の中で心残りの一つだったのだ……月の元へ帰るという約束を守れなかったこ
とが。そして、それが申し訳なくて、何も言えなくなる俺に月がにこりと微笑む。
「ご、ご主人様が帰っていらっしゃらなかったからわ……ぐすっ、私の方から来ちゃいまし
た……えへへ」
「その……ただいま……で、いいのかな?」
「はい……私の元へ帰ってきてくださいましたから。ふふ」
「そっか……うん、ただいま。月」
「お帰りなさい、ご主人様」
 互いに微笑みあう。そして、そっと月を抱きしめようと俺が一歩踏み出すのと同時に詠
が飛び上がる。
「何してんのよ!」
「おぶしっ!?」
 ねねに蹴られたのとは逆の頬に蹴りを放たれた。
「え、詠ちゃん……?」
「まだ、先があるんでしょ……さっさと済ませなさいよ」
 そう言うと、二人の後から次の人物が出てくる。
「まったく、一刀……お前というヤツは」
「華雄……」
「たった一人しかいない私の真名を預けた相手が消えるとは、嫌味にしてはきつかったぞ」
「……それは、本当にごめん」
「まぁ、こうして再会できたのだ。それは潔く水に流そう……だが、この世界ではそう争い
もないのだろう?」

915:「無じる真√N-If End ver.christmas」(10/12)
09/12/26 02:04:11 GVWl+yk+0
「あぁ、そうだよ」
「なら、私の真名を呼んでくれ……その……わ、私が武人一辺倒である必要の無い世界
なのだからな」
「あぁ、わかったよ」
 照れくさそうに早口で述べる華雄を微笑ましく想いながら俺は彼女の真名を呼んだ。
「――っ!?」
「どうした?」
「う、うるさい。なんでもないわ! わ、私の番はここまでだ!」
 急に声を荒げると華雄は俺の前から離れる。すると、今度は三つの影が露われる。
「あれ……三人?」
「一体、なんなんですのここは随分と雰囲気が違いますわねぇ」
「そうっすねぇ……なんか金のかかっていそうな感じですね」
「あ、どうもお久しぶりです」
「あぁ、これはどうも」
 物珍しげに辺りを見渡す文醜と袁紹を余所にぺこりと頭を下げる顔良に思わず俺も頭を
下げる。
「というか、何故ココに?」
「それが……あの後降ったのはいいんですけど。関係者の皆さんがどこかに行くと知りま
して……そしたら麗羽さまが『んまぁ、わたくしを置いて面白そうなことをするなど許せませ
んわ!』って駄々をこねまして……」
「あぁ……成る程」
 顔良の説明で成り行きはわかった。恐らく無理矢理ついてきたのだろう……なんという
か、これまでの感動が台無しな気分だった。
「まぁ、わたしたちはこの世界のことはよく知りませんのでよろしくお願いしますね」
「あぁ……よろしくな」
「あら、あれはなんですの?」
「言ってみましょうか」
「あ!? ちょっと二人とも! それじゃあ、これで。待ってよ二人とも、勝手にどこか行っち
ゃ駄目だよぉ~」
「な、なんというか動じないなぁ……」
 別の世界に訪れたというのにまったく行動や思考が変わらない三人に思わず感心して
しまった。

916:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:06:10 ZfKGUu2d0
麗羽様たちは和むなあw

917:「無じる真√N-If End ver.christmas」(11/12)
09/12/26 02:07:15 GVWl+yk+0
 と、俺が苦い笑みを浮かべていると袋から妙な声が聞こえてくる。
「う、ううぅぅうううう……」
「な、なんだ?」
 まるで地を這う怨霊のようなうめき声に思わず俺は後ずさる。
「うがぁぁああ!」
「うぉぉおお!」
 奇妙な叫び声を上げて飛び出したのは―。
「ぱ、白蓮!?」
「くそっ……あちこちぼろぼろだ」
 公孫賛こと白蓮だった……何故か体中に足跡が付いている。
「ど、どうしたんだ……それ?」
「いや、初めは他の連中同様袋の中に座るようにして並んでたんだがな……途中で位置
が乱れてな……全員の下敷きだ」
「うわぁ……」
 あまりに不憫すぎて俺の瞳からほろりと雫がこぼれ落ちる。と、そこまできて俺の存在に
気がついたらしい白蓮が全身を震わせ始める。
「か、かかかかかかか」
「Car?」
「一刀ぉぉおお!」
「うわぁっ!」
 俺のボケを無視して白蓮が胸へと飛び込んでくる。その瞳からはぼろぼろと涙が溢れ
出している。
「白蓮……また会えたな」
「うぅ……ぐすっ、そ、そうだな……」
「よかったよ……また会えて」
「あぁ、私もだ」
 俺たちの間にそれ以上の言葉は無かった。ただ、抱きしめ合い互いの存在を確認する
だけだった。
 それだけで、今は十分だった。
 そんな俺たちの背後から貂蝉と卑弥呼の声が聞こえてくる。

918:「無じる真√N-If End ver.christmas」(12/12)
09/12/26 02:12:18 GVWl+yk+0
「ふふ……まさに聖夜の奇跡ってやつよ」
「Merry Christmasだな……がははは」
 二人の声に俺たちは振り返る。そこには、すでにどこかへ行こうとするトナカイとサンタ
の姿があった。
「二人ともどこへ?」
「まだ仕事があるのでな。この外史を見届けてくれた良きオノコたちの元へいかねばなら
ぬ」
「わたしたちからのクリスマスプレゼントを贈りに行くの……届け終わったらご主人様の下
へ帰ってくるから……それじゃ!」
 気がつけば二人は空へと待っていた。月光に照らされた二人はまさしくサンタクロース
とトナカイだった……なんてことはなく、やはり不気味だった。
 不気味な影を見送った俺の頬に冷たい者が触れる。
「あ、雪だ……」
 俺と同じように冷たいものに気がついた白蓮がそう口にしたのを聞きながら俺はある単
語を思い浮かべた。
「ホワイトクリスマスか……」
「どういう意味なんだ?」
「まぁ、直訳すると白いクリスマスだな……クリスマスについては」
「貂蝉から聞いたさ」
「そっか……でも、雪が降らなくてもホワイトクリスマスだったな」
「どういう意味だ?」
「だって、"白"蓮のいるクリスマスだからな」
「なるほど、違いない」
 そうして、互いに可笑しそうに笑い合う。もうすぐ、散っていた他の面々も集まるだろう。
「そしたら、クリスマスパーティーだ!」
 俺は内心でパーティーの開催を決めた。それはクリスマス……だけでなく、再会を祝し
たパーティーだ。



 そして、言おう、「メリークリスマス! 聖夜の奇跡にありがとう」って……。

919:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:14:27 hJC58Nkw0
乙です
続きが気になりますなぁ

920:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2
09/12/26 02:19:52 GVWl+yk+0
以上で終了です。
こんな時間にお付き合い頂いた方々、どうもありがとうございました。

>>896
時差分のロスタイムが許されるということは
まだ漢女サンタが、このスレの方々を含んだ"この外史(SS)を見守ってくださった"
良きオノコ達の元へ行く可能性もあるわけですね。

では、これにて失礼します。

921:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:22:22 ZfKGUu2d0
おつかーれ。
ああ、こういうエンドもありだよなあ。
どうしても続きが見たくなるけどw

922:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:22:47 Q0TWjOgA0
おつ~

923:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:28:22 6kIwezn20
>>920
乙です!白蓮はホントいい女の子だなぁ

プレゼントがあるなら甘んじて漢女サンタの襲撃も受けるか……ウワァー

924:名無しさん@初回限定
09/12/26 02:40:34 vAyoEm6C0
乙です

俺は漢女が認めるようなオノコじゃないから
漢女サンタは来ないな

925:名無しさん@初回限定
09/12/26 05:58:17 Zula2dXF0
>>920
乙ッス。あぁ、これはこれでアリだなと思ったッス
続き見てみたくもあるけど……>>813みたいになったらガクブル

ん?何だ、窓に角の生えたマッチョとサタンクロスが……うわっなにをするやm

926:名無しさん@初回限定
09/12/26 07:33:15 iAWJwNbcO
>>920
乙でした~。
この後及川から携帯かかってきて、みんなの事がばれる所を妄想したwww

927:名無しさん@初回限定
09/12/26 12:51:16 wtfTJupO0
>>920
雄つですた
白蓮はいいのう

928:名無しさん@初回限定
09/12/26 13:10:35 rBg3sFJD0
213

929:名無しさん@初回限定
09/12/26 13:55:04 8i4PuUzM0
メーテル、十三号、清涼剤、各氏乙です。
クリスマスは仕事で2ch開いてる暇なかった……

メーテル氏は、相変わらずキャラの魅力を引き出して書くのが上手くて、話も短い中にきっちり起承転結つめこまれてて、テンポもさくさく進んで読みやすかったです。
十三号氏は、たくさんのキャラが入り乱れてるオードブルみたいな豪華さがあって良かったです。
清涼剤氏は、クリスマスで無じる真が読めると思ってなかったので新鮮な驚きがありましたw こういうEndもいいですね。今後も頑張ってください。


930:名無しさん@初回限定
09/12/26 17:12:52 JlWTVe2cO
北郷帝が無い時点でくそだろこのスレ
というか糞SS書いてる馬鹿共は感想もらえたからって調子乗んじゃねーぞ!!
あと、糞に感想書いてるオマエラも糞だな。
いや、糞にたかるから蝿だなw

931:名無しさん@初回限定
09/12/26 17:20:04 Yd4fEZoB0
遅ればせながら各氏乙っすー

専ブラって便利だな

932:名無しさん@初回限定
09/12/26 19:54:24 rjpjMpwR0
皆さん乙乙

933:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:01:14 xTEFLol20
いっそ北郷帝が終わればこのスレも安定するって事か?

934:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:06:09 cHF9Nas60
投下が沢山で、クリスマス前後はパラダイスだな。

皆ちゃんと分かってると思うが>>930はスルーしろよww


935:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:09:06 JlWTVe2cO
>>933
そういう不謹慎なことは書くべきじゃないよ。

936:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:10:59 QLRhEvTa0
>>934
既にNGだから問題ない

937:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:14:25 Wbhnvq4W0
なんでNGにアンカー打つんだよ。

938:一壷酒 ◆1KOsYU0skY
09/12/26 23:31:57 +RpQAYJY0
いけいけぼくらの北郷帝番外編『北郷一刀の消失』後編をお送りします。
最初に書いておきますが、今回のお話と、その中での人物たち、特に一刀さんの行動に関しては、
賛否両論あるものと思います。無印をプレイして以来やりたかったテーマなので書き手としては
後悔もないのですが、読む方には鬱々とした展開と受け取る部分があるかもしれないことを警告
させていただきます。
なお後編ですので、すでに外史まとめサイト様にて掲載していただいている前編を読んでから、
お読み下さい。(前編は URLリンク(koihimemusou.x0.com) にあります)

◎注意事項
・番外編のため、絶対に読まなければ本編のストーリーがわからなくなる、という性質のものでは
ありません。作中の登場人物や物語をより掘り下げるためのものとお考え下さい。
・魏ルートアフターの設定ですが、一部、二部と進んできておりますので、まずは、そちらをご覧
いただけると幸いです。今回は番外編ですので、普段とも雰囲気が違います。
・史実とゲーム内情勢に関する独自解釈があります。
・恋姫キャラ以外の歴史上の人物等に関しては、名前の登場はあるものの重要な役割はありません。
・呉勢以外の一刀の子供が出てきます。
・Up板にてメールフォーム及びメールアドレスを公開しています。ご意見ご感想等ありましたら、
どちらからでもお気軽にどうぞ。フォームのほうはお名前、メールアドレスの記入が必要ありません。

いつも通り、本編はtxtで専用UP板にアップしましたのでご覧ください。
URL →  URLリンク(koihimemusou.x0.com)

そういえば、北郷帝では初の季節ものですかね。イベントごとにあわせてネタを考えるというのが
うまくないのでこれまでやってきませんでしたが、さてさて今回はどうだったでしょう?
さて、こうして番外編も終わりましたので、そろそろ本編再開となります。本編につきましては、
第三部第一回を、2010年1月2日投下予定です。
皆さん覚えてますでしょうかね、華琳さんと一刀さん達が叛乱軍に囲まれている状況からスタート
ですよ、はいw
それでは、またお会いしましょう。

939:名無しさん@初回限定
09/12/26 23:52:56 JlWTVe2cO
>>938
乙です。
やはりこれがなきゃ外史スレに価値はありませんね。

妄想のスペシャリスト……それはこのスレの住人でわw

940:名無しさん@初回限定
09/12/27 00:01:16 cNv5UPjF0
>>938
乙かれ
白蓮がらしすぎてなんか笑った


941:名無しさん@初回限定
09/12/27 00:43:34 wMN6DBK30
>>938
乙です
良いお年をお迎えください

942:名無しさん@初回限定
09/12/27 00:43:41 UmBPVHaA0
>>938
あーそういえば、まだ囲まれてましたっけ
すっかり勝ったつもりでいたw その後の葬儀には蜀の面々も来るのかな?
これからじっくり読ませてもらいます、乙でした

943:名無しさん@初回限定
09/12/27 01:17:45 lLgxi3YX0
>>938
乙でした。
未定と書いてありましたがもしかしたら…!と思いつつ来てみたら。
華琳との夢での邂逅に、何だか泣けてしまった

いやいやしかし、清涼剤氏の無じる真も投下されていたし、SSがたくさんあって幸せです

944:名無しさん@初回限定
09/12/27 01:54:32 IBGi97oC0
清涼剤氏・一壺酒氏乙です。

あとメーテル誤字報告と感想。
誤字報告
874「美羽ちゃんがそうやって賛多黒臼が捕まえちゃったら」の部分、2回目の「が」は「を」だと思う。

感想
美羽の姉的ポジションになってる月が良い味だしてたw
良い姉=月 駄目な姉=七乃 って感じで、IF√の醍醐味が出てて楽しかった。
次も期待してます。

945:名無しさん@初回限定
09/12/27 01:59:00 1C8XetOq0
>>938
一壷酒氏乙です。
白蓮は大成功してるよりほどほどに上手く行ってる方が信じられるし落ち着くんだろうなあw
華琳のパートは魏√後一刀が戻らなければああなる可能性もあるんだろうな。
しかし今回の話で一刀は更に覚悟を背負った感じだなあ。
第三部も楽しみにしてます。

946:名無しさん@初回限定
09/12/27 04:06:58 y5JzxmZm0
北郷帝マジオモシロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
他マジ糞すぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

947:名無しさん@初回限定
09/12/27 04:40:03 heB5pgVmP
>>933
何言ってんだお前……むしろ北郷帝以外がいなくなればいいに決まってるだろ
ようするに董ルートはもう今月で終わりらしいからいいとして他の奴らもさっさと打ち切るなりして終わらせろっつー話だわな

948:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:07:16 ODvCuFVx0
>>947

949:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:07:50 ODvCuFVx0
>>947
同意
北郷帝以外イラネ

950:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:18:35 YKSaz+Os0
だよなぁだいたい他のSSも楽しみにしてるとか言ってるヤツはただの八方美人か偽善者なんだよな
ま、そんなやつも少数派で実際の割合で言えば北郷帝さえ投下されてりゃいいって人が多くを占めてるわけなんだよな
そんな数も少ないうえに殆ど虚偽同然の楽しみ発言に乗せられてSSを書き続けてるバカm9(^Д^)プギャーーーッて感じだよなw

951:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:30:51 mJufuNOy0
>>947
北郷帝が終わればお前みたいなカスが沸かなくなるって事だろ


952:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:35:26 AdBVDSJA0
自演するならするでもうちょっとバレないように努力をしようとは思わないのかなあ。

953:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:42:14 y5JzxmZm0
>>951
終われば~なんて事滅多に書くもんじゃないだろ

954:名無しさん@初回限定
09/12/27 05:44:47 hS62UELEO
もう飽きたしさっさと終わらせて欲しい。
そうすりゃいつもの北郷帝ファン装った自演君もいなくなるしな。

955:名無しさん@初回限定
09/12/27 06:03:37 m+isj2z40
>>954
いい加減にしろよ自演野郎!
お前はどうせ作品を見たこと無いからそんなこと言えんだろうが!
あの文量がどんだけ凄いかわかってるのか?
あれだけの量、そしてクオリティのものを慈善で俺らに恵んでくれてるんだぞ!
お前の発言はボランティアで配給してくれてる人たちに配給食飽きたからもっと別のを食わせろって言ってるようなもんだぞ!わかってんのか?
あれだけの内容を考え文章化するのがどれだけ大変かお前にわかるか?
一度考えてみろ・・・そうすればもう変な荒らしはしようとは思わないだろうからな

956:名無しさん@初回限定
09/12/27 06:23:40 AjQjXd2y0
はいはい自演乙

957:名無しさん@初回限定
09/12/27 07:26:55 PN0qrA1R0
年の瀬のお忙しい中、投下して下さった方々、誠におつかれさまでした。
色々と余裕の無い生活していても、このスレを眺めてるだけで
心癒されております。
これからも、ご自身に無理をかけない範囲で、頑張ってください。


958:名無しさん@初回限定
09/12/27 07:49:24 PN0qrA1R0
>一壷酒さん乙です。
各々が夢から醒める様子が凄かったですけど、特に最後の一刀が目覚める
辺りで背筋がゾクゾクしました。
たしかに、外史から外史へ渡った一刀は、あの世界からすれば奪われた
ようなものですよね。
ただ、一刀は自分の意思で立つべき世界を決めた。いわば独り立ちしただけ。
どうか、彼の決断が彼と世界を救う物である事を祈ります。

それはともかく、この呪いの実行者への裁きは、自業自得なんでしょうけど
思わず同情しそうなほどのとんでもない目に合うでしょうねw


959:名無しさん@初回限定
09/12/27 08:11:54 EfxAD/Pd0
>>一壷酒さん乙です。
番外編とは思えない程面白かったです。
今後も頑張ってください
それこそ、他のくだらないSS作者が北郷帝と同じスレに投下するのもおこがましいと自覚するくらいに!

960:名無しさん@初回限定
09/12/27 08:22:49 S2X35KIz0
北郷帝乙
あぁ、次の投下が待ち遠しい……出来れば余計な投下が無いといいなぁ

961:名無しさん@初回限定
09/12/27 08:26:22 RSCF67XK0
北郷帝はやっぱり一線を画してるなぁ……最初のあのキャラの表現といい
番外編なのにドキドキと胸を高鳴らせる感じとかたまりません

北郷帝があるからこのスレを見るようなものです、これからも頑張ってください


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