09/10/25 22:52:30 bsXt3xFD0
そして、その唇が小さく動く。
「……めいっ、しぇっ……」
そしてもう一度。
「明命、亞莎……っ!」
今度ははっきりと、その名を呼んだ。
彼女の中で、もう言葉を交わすことのできぬ友たちの思い出が蘇っていた。
明命とはつきあいが長く、母亡きあと、袁術によって雪蓮と離ればなれにされていたときも、
彼女はずっと彼女の傍にいてくれた。
亞莎とは、それほど長いつきあいではない。だが、明命と同じようにその気を許せる相手だ
った。彼女のひたむきさは、常に蓮華の体を、心を支えてくれた。
「二人とも、どうして……っ!」
―どうして逝ってしまったの。
声にならない声が、嗚咽にならぬ嗚咽が、次から次へと喉からせり上がってくる。
「ああっ! 明命っ! 亞莎ぇっ!!」
涙を流し、その名を叫んだ。
そして……
「呼びました?」
と、蓮華の声に背後からそんな声が返された。
「――は?」
蓮華の口から、なんとも間抜けな声が漏れた。
聞き覚えのある声に、全員が後ろを振り向いた。
そして今度こそ全員、開いた口が塞がらなかった。