09/10/25 22:46:24 bsXt3xFD0
「儂が、儂がおればこんなことには……っ! 天は、なぜ天は老いさばらえたこの儂を残し、
未来ある者たちの悲運を望んだのか!?」
雪蓮が兵をまとめて『爆心地』であるそこに、蓮華たちのもとに駆けつけたとき、既にその
場に張遼の姿はなかった。
そして残されていたのは、泣きくれる蓮華と、気を失った小蓮と、傷だらけの思春と、既に
冷たくなった明命と亞莎であった。
幸いにして、すぐに応急手当が行われた思春は一命を取り留めたが、その彼女も意識不明の
状態である。
無論、今回の人的被害はそれに留まらない。
指揮官以上の被害も陳武他多数に渡り、新時代の呉の試金石であった筈の戦いは、幕を引い
てみればその次世代を担うはずの若者たちを、少なくない数失うという悲惨なる結末となった。
祭が涙を流す横で、平静を保っているように見える冥琳が問いかけた。
「それで、明命たちを弔う準備の方は?」
「もうあらかた終わっているわ。今日、あなたたちの到着を待ってから見送りをするつもりだ
ったのよ」
「そうですか……。蓮華さま、心中、お察しいたします」
その言葉に、この場で口を開いていなかった最後の一人が、びくりと肩を振るわせた。
それは雪蓮の横で俯いて座っている蓮華であった。
「冥琳、私は……」
蓮華はそれだけ言って、言葉の途中でそれを呑み込んだ。
彼女の顔色は悪い。きっとあの戦いから一睡もしていないのだろう、一目見て憔悴しきって
るのがわかった。
そんな彼女の様子を見かねて、冥琳が口を開いた。
「蓮華さま。気にするなとは申しません。ですが、彼女たちは呉の礎となったのです。そのこ
とを、努々忘れぬよう……、もしもあなた様が倒れるようなことになれば、彼女たちも安らか
に眠れぬことでしょう」
「冥琳……」
592:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:49:14 u94VVDJtO
くっ!間に合わなかったというのか……
支援だ……
593:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:49:16 1MdHFzqF0
あうあう
594:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(27/33)
09/10/25 22:49:40 bsXt3xFD0
不器用な慰めの言葉に、蓮華が小さく笑おうとする。
だが笑えなかった。
笑いたいのに、笑えないのだ。
「冥琳……私は、私は……」
そしてそんな蓮華の肩に、優しく手が置かれた。
「では、行きましょうか」
「……はい、姉さま」
先ほどとは別の天幕。
その中心にはいま、二つの台が置かれていた。
上にはそれぞれ、顔に白い布を被せられた二人の人間が寝かされている。
「明命! 亞莎……っ!」
吐き出すように呟いたのは、祭だった。
彼女はこれでもかと手を握りしめている。握りしめすぎて、手からは血が滴っている。
けれども、誰もそんな祭に何も言うことができなかった。
他の三人も、内に秘めた悲痛を隠せずにいた。
水を打ったような静寂が、場を支配する。
祭も、先ほど発した言葉を最後に沈黙していた。
ただ四人、俯き、彼女たちの冥福を祈る。
生者が死者にしてやれることなど、弔いの他にはそう多くない。
ただ頭を垂れ、死を悼み、それを乗り越えていく。
それが悠久の彼方、人類が死と生との間に分かちがたい隔たりを見つけて以来の、倣いであ
る。
黙して語らず。
そんな中、蓮華の頬から、滴が落ちた。
595:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:50:53 WIJhcbmn0
age
596:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:51:13 BKvZooA90
黙祷を捧げつつ、支援を行おう…
597:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:52:02 1MdHFzqF0
線香・・・線香の支援はまだか・・・
598:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(28/33)
09/10/25 22:52:30 bsXt3xFD0
そして、その唇が小さく動く。
「……めいっ、しぇっ……」
そしてもう一度。
「明命、亞莎……っ!」
今度ははっきりと、その名を呼んだ。
彼女の中で、もう言葉を交わすことのできぬ友たちの思い出が蘇っていた。
明命とはつきあいが長く、母亡きあと、袁術によって雪蓮と離ればなれにされていたときも、
彼女はずっと彼女の傍にいてくれた。
亞莎とは、それほど長いつきあいではない。だが、明命と同じようにその気を許せる相手だ
った。彼女のひたむきさは、常に蓮華の体を、心を支えてくれた。
「二人とも、どうして……っ!」
―どうして逝ってしまったの。
声にならない声が、嗚咽にならぬ嗚咽が、次から次へと喉からせり上がってくる。
「ああっ! 明命っ! 亞莎ぇっ!!」
涙を流し、その名を叫んだ。
そして……
「呼びました?」
と、蓮華の声に背後からそんな声が返された。
「――は?」
蓮華の口から、なんとも間抜けな声が漏れた。
聞き覚えのある声に、全員が後ろを振り向いた。
そして今度こそ全員、開いた口が塞がらなかった。
599:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:04 LegsXD5i0
次の時代を担うはずの優秀な若手を多く失うって、致命的だろうな・・・。
600:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:05 sw49BYkB0
哀しいが、時代は戦国乱世 支援
601:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:12 jTlra/XW0
支援
602:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:21 W0ATXZQm0
何…だと
支援
603:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:41 LegsXD5i0
ほえ? 支援。
604:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:47 BYJr4wh60
!?
605:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:54:23 1MdHFzqF0
ちょっと待った 線香待った 支援部隊待機だwww
606:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:54:27 u94VVDJtO
総員敬礼……
まだ俺達は止まるわけにはいかん……
支援を続けるぞ……
607:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(29/33)
09/10/25 22:55:46 bsXt3xFD0
それも仕方ないこと。
何せ、彼女たちの前に立っていたのは、亡霊としか思えない存在であったのだから。
「呼びましたか? 蓮華さま」
そう、彼女たちの前にけろりとした顔で立っていたのは、死んだはずの明命、周泰幼平であ
ったのだ。
「み、みみみみ、明命!?」
「はい……なんでしょう、蓮華さま」
「おお! おお、幼平よ!? おまえ、それほどまでに未練であったか! 死してもなお主君
の呼びかけに応えるとは、見上げた忠誠心じゃ! 儂は、儂は猛烈に感動したっ!」
「お、落ち着きなさい! ゆ、幽霊などと、そんなっ!?」
蓮華、祭、冥琳、それぞれが平静を失ったリアクションを返す中、一人雪蓮だけが冷静に、
その亡霊(?)に話しかけた。
「えーと、明命? あなた本物? 生きてるの?」
「はい? ええと、本物です。生きてます、よ?」
小首を傾げて明命が言う。
その様子は心底、どうしてそんなことを聞かれるのか分からないといった風体である。
その様子に、勢い乗り出して蓮華が言った。
「じゃ、じゃあ亞莎も!?」
「はい。向こうの天幕で寝てますけど……あ、華佗さん」
と、そこで四人は、天幕が開いてそこから外の光が差し込んでいることと、外からこちらへ
顔を覗かせている者がいることに気がついた。
「こんなところのいたのか。まだ寝ていないと駄目だと言っただろう」
「すみません。蓮華さまたちがこちらの天幕に入ってくるのが見えたものですから」
「それでも、だ。それでなくとも君はしばらくの間、絶対安静なんだぞ」
「はい……」
叱られて、小さな動物を思わせる仕草で、明命がしゅんとうなだれた。
608:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:55:56 NTjv+hx20
ゴッドヴェイドォォォーーー!!
609:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:02 sw49BYkB0
木梨則武の葬儀ドッキリを思い出したwwww
610:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:13 jTlra/XW0
支援
611:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:34 u94VVDJtO
と思ってたんだがどうした?!
状況報告を!
612:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:43 1MdHFzqF0
あうあう
613:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:52 BYJr4wh60
華佗すげえええええええええええええええ
614:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:57:47 BKvZooA90
良くやった五斗米道!
今なら好きなだけ支援してやるぞ!
615:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:57:53 W0ATXZQm0
さすが華佗そこにしびry
支援
616:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:58:16 sw49BYkB0
俺の弔意を返せwwwwww
617:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:59:05 jTlra/XW0
支援
618:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(30/33)
09/10/25 22:59:05 bsXt3xFD0
さて、こうなっては皆の注目の目は現れた男に向けられた。
〝この男は何者か?〟
明命に『華佗』と呼ばれた成年は、その身に白衣のようなものを纏っていた。
それを見て、蓮華が問いかけた。
「もしかして、あなたが明命と亞莎を助けてくれたの?」
それは全員の疑問の代弁でもあった。
そして、華佗はこともなげに応えた。
「ああ、そうだが」
「でも、心の臓が止まって二日は経っていたのよ?」
「だが脳死には至っていなかった!」
そう言って、華佗は白い歯を見せて笑い、握りしめて親指を突き出した拳を、ぐっ、と蓮華
に見せた。
「……納死?」
「そう、脳死だ。だがあと半刻遅ければ危なかった」
言って一人で頷いている華佗に皆が困惑の眼差しを向ける中、雪蓮だけは顎に指を当てて考
え込んでいた。
「華佗……華佗、そう言えば以前聞いたことがあるわね。各地を放浪して人々を治す高名な医
者がいるって。もしかして、あなたがそれ?」
「それは多分俺のことだが。高名だというのはただの買いかぶりだ。俺なんてまだまだ……今
回だって、俺が未熟だから、師匠から譲られた金針を失って……うっ!」
と、それまで元気そうだった華佗が、突然苦しそうな顔をして膝を突いて苦しみだした。
「ぐ、ぐううっっ!!」
脂汗を浮かべたその様子に、流石に尋常ではないと思い雪蓮は声をかけた。
「だ、大丈夫?」
「……ああ、大丈夫だ。流石に『地獄と天国』を使いすぎたな……少し疲れただけだ、休めば
すぐに治るさ」
その顔は真っ青だったが、医者が大丈夫と言っている以上、雪蓮からは何も言うことがなか
った。
619:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:59:25 u94VVDJtO
全てチャンネルを使って彼女達の無事を知らせろ!
支援!
620:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:00:09 BYJr4wh60
いやいやいやいやいやw
621:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:00:56 1MdHFzqF0
支援
622:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:31 WIJhcbmn0
ちがう!ゴッド!!ヴェイドゥだ!!
623:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:32 jTlra/XW0
支援
624:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:33 3Jvq/ucR0
あぁ、自軍が残り一国で全員が重症のときに探索で華佗を見つけた気分だ・・・
625:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:51 NSU9hJa/0
>>598
王大人、死亡確認かよ支援w
626:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:54 NTjv+hx20
やっぱチートだな勇者王
627:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:02:06 oRW+EwkJ0
支援・・・
支援を・・・
たのむ・・・・
628:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:01 NSU9hJa/0
死の運命よ、光に、なれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!支援
629:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:05 jTlra/XW0
支援
630:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(31/33)
09/10/25 23:04:23 bsXt3xFD0
一方、明命と亞莎の生存、華佗の登場、これらのことで、雪蓮を除く者たちはまだ目を丸く
したままであった。
だが、その衝撃が余韻として色濃く漂っているここに、更に新たな声が割り込んだ。
「あ、いたいた。皆さまこちらでしたか~」
またまた天幕が開いた。
そして、そこから明るい声と共に一人の女性が入ってくる。
「伯言!?」
「陸伯言、任務を果たして戻って参りました~。って、はれぇ? 皆さんどうしたんですか~
?」
そうしてはつらつとした笑顔と、間延びした独特のしゃべりで入ってきたのは、陸遜伯言。
穏である。
彼女は今回の呉軍の侵攻作戦に当たり、後詰めではなく、別の重要な役割が与えられて、別
行動をしていたのだ。
そのこととは、北でぶつかる袁術主力軍と、曹操軍との激突をつぶさに見届けることであっ
た。
「何なのかしらね……嫌っていうほど立て続くわね。……それで、曹操軍の様子はどうだった
?」
雪蓮が、やや目つきを鋭くして、他の者たちが呆気にとられているのを置いて、穏に聞いた。
「はい。やはり曹操さんの軍は精強を極めてますねー。一筋縄ではいきません」
「そうでしょうね。それで、戦いはどうなったの? 袁術ちゃんはどの程度被害を与えられた
の?」
「はいー。えっとですねぇ。結果から先に言えば、袁術さんが勝ちました~」
「はぁ?」
穏の言葉に、雪蓮が眉をひそめて、顔全体で『意味が分からない』という表現をした。
「う~ん。曹操軍は袁術軍と衝突することなく兵を退いたんですよ」
「なにっ!? それは本当か!?」
その言葉に、祭が聞き捨てならないと穏の肩を掴んだ。
「は~い、わたし嘘なんていいませんよ~。だから祭さま、落ち着いてください~」
「ええい、これが落ち着いてなどいられるか! 袁術はいかなる妖術を用いて曹操軍を撤退さ
せたのだ!」
631:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:26 dymG3yro0
元気に!なぁぁれぇぇぇ!!!
632:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:39 W0ATXZQm0
支援
633:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:18 dymG3yro0
思春
634:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:22 jTlra/XW0
支援
635:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:25 2UE+PTv80
ある意味
一刀・ちょーせん・ひみこ・かゆうまの四天王の上を行く華佗すげえ
636:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:39 W0ATXZQm0
支援
637:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:06:07 BYJr4wh60
あと半刻遅ければとかいうレベルじゃねぇw
638:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:06:19 dymG3yro0
医者王デスカラ!
639:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:07:09 u94VVDJtO
どうやら死ぬ人間も少なくて済みそうだ。
宴で使う支援物資を準備しておくか……
640:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:07:28 NTjv+hx20
漢女だな
641:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(32/33)
09/10/25 23:08:05 bsXt3xFD0
それは誰もが思う疑問だった。
「えっとですねぇ……」
周囲が注目する中、穏の口がこほんと咳払いをする。
そして彼女の口から出てきた言葉は……
「歌合戦です」
やはり、想像の外のものであった。
「……はぁ?」
再び全員が目を丸くした。
すると穏はゆっくりとしたマイペースな口調で説明を始めた。
「だから歌合戦ですよー。十日間睨み合った両軍は、最終的に歌合戦で決着を付けることにし
たんです。負けた方がその場から軍を撤退させるという約束で」
「まさかそれで……」
「はい。最後は袁術さんたちがその歌合戦に勝ってしまいまして、曹操さんたちは北へ撤退し
てしまいました~」
「ば、馬鹿な。そんな……」
歌合戦で、戦いを回避した?
歌合戦で、敵を退却させた?
そんな馬鹿なことと、思って当然、いや然るべき。
だがそれに、ただ一人、雪蓮だけが笑っていた。
「は、あはははっ! なるほど、不条理で滅茶苦茶ねぇ」
「策殿! 笑い事ではありません!」
「まあまあ。いかにもって感じだけど、確かに袁術ちゃんならやりそうではあるわね」
642:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:35 dymG3yro0
あと半刻ってレヴェルじゃねぇぞ!(AAry
643:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:36 EZpTI+Eo0
>>639
死者3万が少ない、だと?
644:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:44 jTlra/XW0
支援
645:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:28 W0ATXZQm0
支援
646:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:39 BKvZooA90
のど自慢か!?支援
647:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:42 j1nHUy3GO
支援。
やだ、なにこの展開……そういえば作者はメーテル氏であると忘れてた……
648:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:59 2UE+PTv80
恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけのマクロス演義~
ですねわかります
649:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:17 u94VVDJtO
なにっ?!歌合戦に支援物資を持っていかれた?!
速く新しく用意するんだ!
650:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:19 VtxI/pKzP
ちえん
651:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:47 NSU9hJa/0
二日間心臓が止まっても脳死に至らない、それが恋姫クオリティ……
というより、今回はどう考えても『天国と地獄』で死の運命引っこ抜くか、光にしたとしか思えんw。
652:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:11:54 3Jvq/ucR0
美羽・・・恐ろしい子!
653:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(33/33)
09/10/25 23:12:07 bsXt3xFD0
よほど面白かったのか、目尻に涙を浮かべた雪蓮は、お腹を押さえて笑っている。
一方、祭は鬼の形相で『戦いを侮辱するか袁術!』と怒り狂っていた。
だがその他の者たちは、皆一様に複雑な表情を浮かべていた。
あの袁術が、曹操を退けるとは思ってもみなかったからだ。
一方で、憎くき袁術を、自分たちの手で討つ機会が残っていることに安心したのも事実だ。
「でも私の読みだと、袁術ちゃんのことだから、何にも考えないで曹操と戦って、けちょんけ
ちょんにやられると思ってたんだけどねぇ」
「しかし、そうはならなかった」
雪蓮の言葉に、鋭く冥琳が言葉を挟んだ。
「うーん。誰かが袁術ちゃんに悪いことでも吹き込んだんじゃないかしらね?」
「吹き込んだ? 一体だがそんなことを……」
「さぁて……でもそれを見つけられるかどうかが、今後の呉の未来を左右するような気がする
わ」
雪蓮はそれだけを言うと、穏の脇を通って天幕から出て行ってしまう。
〝雷神〟張遼の出現。
まるで図ったかのように現れた華佗の出現と明命、亞莎の蘇生。
歌合戦による決着。
何もかもが腑に落ちなかった。
まるで自分の知らない、得体の知れない仕組みを突きつけられたようだった。
それを知らなくてはならないと思う。
呉の未来は、その仕組みの先にしかないように思った。
雪蓮は切れ長の目を鋭くして、天幕の外に広がる空を見上げた。
その向こうにあるのはなんなのか、それを見極めるようにして、いつまでも青い空を見上げ
ていた。
終
654:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:12:16 W0ATXZQm0
支援
655:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:13:53 BYJr4wh60
乙です
前半すごい重かったのに後半笑わせてもらいました
656:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:15:19 u94VVDJtO
なんとかのりきったな。支援した同士達に余った支援物資を配るぞ!
メーテル氏乙でした!
657:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:16:16 OPOknjgf0
メーテル乙
誰か死なないとこの状況回避出来ないだろと思ってたが医者王の存在をすっかり忘れてたw
658:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:17:26 1MdHFzqF0
乙乙
659:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:18:17 hfkalrFS0
乙です
マクロスっぽいオチなのに歌ったのは明命でない不思議w
660:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:18:40 NTjv+hx20
トンデモ展開を文章力で名作に変えてしまうメーテル氏はすごいなあ
661:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:19:35 EKKhPdaOO
乙でした
心停止して2日も脳死に至らないこと、筋肉が壊死してないことも
考えてみれば、両方とも気持ち悪いぐらいに不自然なことですわな
662:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/25 23:19:39 bsXt3xFD0
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
ということで、今回のお話は幕引きよ。
美羽と七乃の裏側では、こういう真面目なお話も行われているのよ……主に一刀が苦労する形で。
支援してくださった皆さん、ありがとう……感謝を、あなたに。
この戦いの裏側、北で美羽たちが何をしていたかも、ある程度書き進めてあるから、次はそれかもしれないわね。
追伸:ここまでやっておいてあれだけれども、「美羽と七乃」全体の流れは霞純愛ルートではないのよ、鉄郎。
663:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:19:46 BKvZooA90
医者王の存在を有効活用しましたなw
まったく予想外の展開、御馳走様デシタ!
664:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:20:26 2UE+PTv80
乙
シリアスで泣き有り笑い有りといういい名作
665:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:22:10 2NgrPwdH0
乙。
つまり一刀には「本命」が別に居ると…
666:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:23:59 u94VVDJtO
ここまでやって霞純愛じゃないのか……
やっぱりメインは美羽様?
667:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:28:03 OPOknjgf0
>>665
何いってんだ
一刀からすれば全員「本命」に決まってるだろ
668:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:32:34 2NgrPwdH0
>>667
ゴメン、俺が間違ってた
669:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/25 23:34:33 bsXt3xFD0
わたしの名はメーテル……修正依頼をする女。
ごめんなさい、寝る前にまとめさんに修正依頼よ……
>>571
の1行目。
『上がった拳が打ち下ろされ、一刀の顔が殴られる。』
を
『「俺はありのままの霞が好きだから!」
振り上がった拳が打ち下ろされ、一刀の顔が殴られる。』
>>576
の18行目。
『「その重みを、俺も背負うからよ」』
を
『「その重みを、俺も背負うから」』
に修正して頂けないかしら……本当に、何度も何度も申し訳無いわ……
670:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:38:22 R+SGo4Uu0
メーテル氏乙です
霞の人外無双モード、呉の面々の必死の抗戦、一刀の頑張り、そしてオチw
最初から最後まで満遍なく楽しませてもらいました
しかし北は詠あたりが上手くやったのかと思いきや歌合戦かw
671:名無しさん@初回限定
09/10/26 00:03:17 sw49BYkB0
メーテルさん乙でした
ここしばらく無かった大作の投下支援楽しかったです
672:名無しさん@初回限定
09/10/26 00:13:14 jJhFS7QU0
>>581
> 雪蓮が最も徴用している重臣であり、呉最高の頭脳である。
重用、だろうな。
673:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:20:38 AGZwkFUR0
メーテルお疲れ様です。
恋姫って
苦手なキャラ一人もいないんだよなぁ
何でかな?
674:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:22:39 VenHvCnR0
今まで色々な作者さんの作品にオリジナルの要素が強いとか理由付けて
別の場所に投稿しろと言ってきたのに、今回のメーテル氏の作品にはそんな意見全く無いのね
おまえらの基準が分からない・・・
675:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:24:32 0tpcS5VM0
苦手になるほど描写が多くないからじゃないかな
676:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:38:02 6B87pXWn0
>>674
古参だから
677:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:42:17 AGZwkFUR0
>>675
たしかに・・・
真で5人ずつぐらいまとめて
サイドストーリー出してほしいな
全11本セット(全キャラ抱き枕カバー付)
35万ぐらいなら買いそうだw
678:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:46:53 61YiWeBx0
>>674
俺も同意……このスレの基準がわからなくなったよ
679:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:57:03 qCGtrsih0
基準?
面白ければ正義
霞とブライアン・ホークがだぶって見えたw
680:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:57:16 Nc80bpkq0
>>674
オリジナル要素が嫌がられるんじゃない、オリキャラ無双が嫌がられてるだけ。
あとは理由のない、恋姫キャラの性格改変と貶めとかな。
681:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:01:08 aRnkQRrq0
そうか?
別にキャラクターとしては誰も崩れてないし、正史の影響どうのこうのはオリジナル要素が確かにあったけど
説得力としては別に悪い部分もなっかた
某所にあるようなオリキャラや魔改造一刀に自己投影して喜んでるような物とは全然次元が違うと思うぞ?
682:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:02:27 aRnkQRrq0
アンカー付け忘れたOTZ
681は>>674に
683:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:03:43 jJhFS7QU0
しかし、張遼でこれくらいだと、恋が天意を受けて呂布化すると、さらにえらいことになるんだろうなw
セキトが馬に変化するとか含めてw
684:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:06:16 0c+xtFiz0
性格が全然違ったりオリキャラ登場がなかったらいいよ
685:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:06:48 Pv2xpWPp0
>>683
なんかもののけ姫を思い出すわ
686:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:07:52 W1e0f5sV0
本気を出せばTOPクラスの霞が本気を出して合肥の戦い再現
中位ランクの思春明命亞莎を圧倒した(星vs北郷隊のシリアス版)
後半は一刀さんがサンドバックになりつつ霞の乙女心をガッチリつかみ暴走止めた
最後は華佗さんによりめでたしめでたし
ちなみに裏で美羽vs天和達で歌対決があったよ!
だから特にオリキャラがでしゃばってるとかじゃないしな
霞を
オリキャラ・名前だけ出てた半オリキャラ・俺一刀
このどれかに変えた瞬間叩かれるものに大変身だが
687:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:11:39 Yeoh848C0
>>674>>678
というかあなたたちが今回のメーテル氏の作品はオリジナル要素が強くて受け入れられないと思うならそれはそれでいいんじゃないか。
だからといって、俺や他のスレ住人がオリジナル要素が強いって思うかどうかは別だが。人それぞれだからな。
またスレで受け入れられない作品は別の場所に投稿しろと言うのはむしろいいことだと思うぜ。
賛否両論程度ならまだしも、スレの住人のほとんどから批判受けているのに、延々とここに投下し続けても正に誰得だからな。
それならオリ主、オリ設定とかが受け入れられやすい理想郷とかに誘導した方がいい。
688:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:13:13 R2xTL/Rf0
回を重ねればオリジナル部分が強く出るのは当たり前だしそれは仕方ない、メーテルや北郷帝はその典型
他所に行った方が良いと言われてる人達は初っ端からオリジナル要素強かったり一刀がオリキャラ化してる
基準は明白だろう
689:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:21:23 ijfkv1Vj0
すみません、そろそろ投下したいんですがいいですか?
話が終わるまで待てと言うなら待ちますが……。
それとメーテル氏乙です。
話の造り、各キャラの把握、などなどが良く出来ていて思わず話に陶酔してしまいました。
その文章力もろもろが羨ましいです。
690:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:21:35 hUMAC70H0
美羽と七乃の本編はまとめサイトにあるメーテル氏の6つの項目だけですか?
それとも他のところで連載してたりするんでしょうか
袁術√で完結しているの読んだ事ないのであったらぜひ読みたいです
691:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:22:02 jJhFS7QU0
空気を変えるためにもGO!
692:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:25:41 Nc80bpkq0
まあ、なんで一刀一人で敵陣の霞のところまでたどり着けるんだ、とか
なにその王大人的な復活方法とか、
なんで雪蓮達だけ現場に間に合わないんだとか
ツッコミ所は万歳だけど、そこはご都合主義的なものだと言われたらそれまでだしなぁw
693:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:25:42 eVJd3gJM0
>>674>>678
TINAMIか理想郷へいけ
そして二度とここへは顔出すな
694:名無しさん@初回限定
09/10/26 02:25:57 W1e0f5sV0
むしろ投下お願いします
ありがたやありがたや
695:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2
09/10/26 02:34:42 ijfkv1Vj0
少なくとも二名からGOサインがでましたので専用版にUPしました。
無じる真√N-26話
(この物語について)
・今回は前書きがあります。一読をオススメします。
・原作と呼称が異なるキャラが存在します。
・一刀は外史を既に一周しています。
上記が苦手な方にはおすすめできません。
(注意)
・今回は前書きがありますのでそちらを一読ください。
・過度な期待などはせずに見てやって下さい。
・未熟故、多少変なところがあるかもしれません。
URL:URLリンク(koihimemusou.x0.com)
正直、メーテル氏の作品の後にこんな陳腐なものを……とも思いますが
まぁ、気が向きましたらお付き合いください。
696:名無しさん@初回限定
09/10/26 03:17:27 lNx7aUuT0
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
メーテル氏乙
そしてwktkしながら無じる真を読ませて頂く
697:名無しさん@初回限定
09/10/26 03:24:20 Yeoh848C0
>>695
乙です
白蓮さんの一行死がこんな所で役に立つとはw
今後はどのような戦乱に巻き込まれていくのか気になります
698:名無しさん@初回限定
09/10/26 04:23:17 tFGxadLY0
何だか眠れなくて覗いてみたら…清涼剤氏の新作ktkr!
いやぁ、アレからどうなるかドキドキだったけど、あぁなりましたかー
本当に毎回楽しく読ませて貰ってますんで、体を壊さない程度に頑張って下さいな♪
699:名無しさん@初回限定
09/10/26 10:45:49 klpZY71h0
>>693
なんで読者にそういうこと言うんだ?
それは作者に言う台詞だろw
あとそういうキツイ言い方するお前も帰れ
700:名無しさん@初回限定
09/10/26 11:08:44 ehq+VilW0
>>695
GJ!
701:名無しさん@初回限定
09/10/26 11:47:08 kEE2STZu0
遼来来読み直して思ったけど、冥琳って本編で雪蓮に対して1回も敬語使ってなかったような気がするんだが
702:名無しさん@初回限定
09/10/26 11:51:34 eKW367/60
無印では敬語だったよ
703:名無しさん@初回限定
09/10/26 11:52:32 bF8TUJpM0
>>695
貂蝉話しちゃったのか、皆に揉みくちゃにされてもしょうがないなw
白蓮不憫だけど可愛い、可愛いけど不憫
これから登場人物が増えていくし、更に影が薄くなる危機をどう乗り越えるか見物だね
704:名無しさん@初回限定
09/10/26 23:19:03 T7PFxIDfO
>>695
乙
帰宅途中にスレ除いて投下を見つけたからもどかしい……
いち早く読みたくて家へ向かう足が速くなるw
705:名無しさん@初回限定
09/10/26 23:31:04 EfVl3ydv0
>>695
清涼剤氏乙です
消滅回避おめでとうw
うらやましい災難に遭ってる一刀は頑張れw
しかし貂蝉の話の続きが気になるな
誤字脱字報告です
雪蓮と冥琳の会話部分
・「以外と速かった~」
恋とねねのシーン
・ちんきゅーキックをおみまするところ~
706:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2
09/10/26 23:59:49 ijfkv1Vj0
>>705
誤字報告ありがとうございます。
どうしても見落としてしまい、いつもいろんな方に余計な手間をおかけして
ばかりで申し訳ないです。
校正の回数でも増やしてみようと思います。
また何かお気づきになりましたらご報告ください。
707:名無しさん@初回限定
09/10/27 00:07:05 naaELAZa0
校正ってほかの人に見てもらわないと絶対完璧にはできないよね・・・
一人でもの作るってことの限界ってやつかー
708:名無しさん@初回限定
09/10/27 00:08:40 8ZHJgxyl0
よーめ
709:名無しさん@初回限定
09/10/27 00:09:10 8ZHJgxyl0
はわわ……
710:名無しさん@初回限定
09/10/27 01:24:10 JO/JT5cW0
(^ω^)
711:名無しさん@初回限定
09/10/27 02:18:19 SQLoO5ZK0
久々ですが董√最新話を桃香します
URLリンク(koihimemusou.x0.com)
今回微妙にサブタイに偽り有りです
これから年末に掛けてまた忙しくなるので間は空くと思いますが、一応年内には完結の予定です
それでは次回最終章『天壌無窮』で
712:名無しさん@初回限定
09/10/27 04:45:13 OxVvLMcBO
なんだかんだでもう700か
今回はものすごく早かったな
713:名無しさん@初回限定
09/10/27 06:43:47 g1i8BaK/0
直投下だと、支援の分が入ってレス数膨れ上がるからな。
そうでなくても分量多かったし。
714:名無しさん@初回限定
09/10/27 06:56:03 Drc2BPVm0
容量にして150k近く。
商業ベースだと2/3冊分か。
3ヶ月のブランクがあったとはいえ、早いなぁ。
俺もあやかりたい。
715:名無しさん@初回限定
09/10/27 08:32:45 Pj0AJGIe0
>>711
乙
ここに来てみんな投下ペースダウンしてるから更新はありがたいです
716:名無しさん@初回限定
09/10/27 08:47:31 NwqF6Uq60
>>711
乙です
っと、そーきたか
どうなることやら・・・
一つ誤字報告をば
「私は姉者にさせてくれるな」
→「私や姉者にさせてくれるな」
717:名無しさん@初回限定
09/10/27 10:36:53 7myqXu8P0
>>711
乙です。こんな文章を書きたいナリィ…
えっと、誤字かは分かんないけど
4行目「驍将の何恥じる…」は「驍将の名に恥じる」かな?
718:名無しさん@初回限定
09/10/27 18:27:42 h88ySAG50
>>711
乙
うぅむ……なるほどなぁ……そうきたかぁ
色々と熱い!もう彼女とかカッコ良すぎ(良い意味でw
だけど、その反動で年内完結というのが一層寂しく感じる……
>>695
乙
それにしても条件該当者って大勢の恋姫ヒロインの中で二人しかいないんだよな
さすがちんこさんだな少ない当りを引くとはw
719:名無しさん@初回限定
09/10/27 19:49:00 aYpbvXcg0
しかし焔耶のDQNさときたら、チョイ役でもウザいな
桂花は華琳様と相思相愛で見ていてエロ和むが
焔耶は桃香に一方的な執着心で付きまとってるのがストーカーの様でなんともはや
720:名無しさん@初回限定
09/10/27 20:50:57 7myqXu8P0
さて、恋の日記を今の内に桃香するか…
内容は前回の続き(?)の日記4レス分とおまけ1レス分の計5レス!
次レスから桃香開始!さぁ、みんな!オラに元気を分けてくれ!!(感想的な意味で
721:とある恋の日記 弐(1/5)
09/10/27 20:52:51 7myqXu8P0
―とある恋の日記 弐―
お引越しが終わった日の夜
みんなでお酒やご飯をいっぱい食べた
鈴々や翠達とどれだけ食べれるか勝負、した
星や紫苑はお酒を飲んでこっち見てた
愛紗も飲んでたけど……変な風になってて面白かった
ご主人様はニコニコ、笑ってた
ずっとニコニコして、みんなを見てた
本当に嬉しそうで……恋は胸の奥があったかくなった
恋はご主人様を守れた
あったかい、恋の居場所を守れた
……凄く、幸せ
…………あ、鈴々達との勝負は恋が勝った
ご主人様に撫でてもらえて……胸がほわってなった
お庭で寝転ぶのが気持良かった日の夜
鈴々からご主人様と力いっぱい遊んだって聞いた
……なんだか、不公平
恋だって遊びたかった
明日、ご主人様を遊びに誘うって、決めた
722:とある恋の日記 弐(2/5)
09/10/27 20:54:03 7myqXu8P0
夕焼けが綺麗だった日
朝早めにご主人様を遊びに誘いに部屋に行った
……けど、ご主人様がうなってて、愛紗が恐い顔してた
少し迷ったけど正直に遊びに誘ったら
愛紗がまた恐い顔してご主人様は困った顔、した
……ご主人様を困らせるのは、嫌
でも、胸の奥が……もやもや、ちくちく、する
なんだか知らない内に恋は膨れて、部屋の隅に座ってた
「ご主人様を待ってる」って、座って待ってた
ご主人様が困るのを知ってたのに
お仕事の邪魔になるって、知ってたのに
恋は、恋は……どうして?
気が付いたらご主人様が一緒に遊んでくれるって笑ってた
いつものニコニコした、恋が幸せになる……ニコニコ
凄く嬉しくて、市に着くまで頭、真っ白
それからいっぱいご飯をもらって
ご主人様はそれを見てニコニコしてくれて
普段とは違うご主人様も見せてくれて
それが凄く、恋は嬉しくて
胸が、ほわってなった
帰りもずっと手を握ってくれた
恋のお願い聞いて、遠回りもしてくれた
ご主人様と離れたくないって凄く、思った
この手を、この場所を、離れたくない放したくないって
…………恋は、凄く、思った
723:とある恋の日記 弐(3/5)
09/10/27 20:59:03 7myqXu8P0
小鳥がかわいく鳴いてた日の夜
…………ご主人様と、ひとつになった
汗、いっぱいかいて、いっぱいちゅーもした
ご主人様がする事全部に胸がきゅってなって
ひとつになった時は……胸の奥があったかで、ほわってなった
ひとつになる事は子供を作ること
家族がいっぱいなら寂しくなくなるから
……そう思ってた、けどご主人様は別の事も教えてくれた
教えてくれて、恋と子供作っても良いって言ってくれた
意味、わからなかったけど……恋は嬉しい気持ちになった
……でも、生きてた中で一番痛かった
けど、ご主人様が幸せそうだったから……恋も、幸せ
恋、早くご主人様と子供が欲しい
暑い所に行った日の昼
……かわいい猫にあった
モフモフしてて、気持良さそう
いつも恋の家族にしてあげるようにしてあげたら
幸せそうな顔をして喜んでくれた
けど、恋達と一緒の言葉を話してた
愛紗が変になってたけど、ご主人様が撫でてくれたから気にしない
……星には恋が後でいっぱい叱っておいたから、もう大丈夫
724:とある恋の日記 弐(4/5)
09/10/27 21:02:33 7myqXu8P0
恋が生まれた日
みんなに“おめでとう”って言われた
愛紗、鈴々、星、翠、紫苑……みんなに言われた
ご主人様にも言われた……胸の奥にあったかいの、広がった
誰かに祝ってもらうの、恋は初めてで……
それでもご主人様がニコニコして恋をずっと見てるのが嬉しくて
みんなが祝ってくれるのが嬉しくて
恋は、ずっとニコニコしてた
また来年もご主人様達とする約束が出来た
再来年も、ご主人様達と……出来たらいい
みんなニコニコしてると、ご主人様がニコニコしてくれるから
ご主人様がニコニコしてると、恋は幸せ
恋の居場所はご主人様の傍
恋の仕事はご主人様を守ること
けど恋が傷付いちゃ駄目だし、ご主人様も傷付いちゃ駄目だから、難しい
でも恋、頑張る
ご主人様が幸せってキモチになるように……頑張る
恋のご主人様が幸せなら、恋はずっと幸せなキモチだから
……ご主人様、大好き
725:とある恋の日記 弐(5/5)
09/10/27 21:05:33 7myqXu8P0
おまけ
愛「ご主人様、少しお時間宜しいですか?」
一「何だい、愛紗?何か問題でも……」
愛「いえ、最近恋の調子がいまいち宜しくないのです。ご飯は今まで以上に食べているようなのですが―」
一「ウン、いつもの恋じゃないか」
愛「話は最後まで聞くように!……食べはするのですが、どうやらその後に戻しているらしいのです」
一「えぇ!?それ、大丈夫なのか!!?」
愛「皆の前では戻さぬらしいのですが……ねねからの相談で発覚しました」
一「…………恋の所、行って来る!」
愛「はい、政務の方は大丈夫ですので宜しく―」
紫「心配要らないわよ、ご主人様」
二人「「紫苑!?」」
恋「……恋も居る」
二人「「恋!?」」
一「いや、驚く前に恋大丈夫か!?何なら華陀に診て貰って良し早速使いの人を―」
紫「ご主人様、落ち着いて下さいな」
一「……ごめん。で、心配要らないってどういうこと?」
愛「私も気になるのだが……どういうことだ、紫苑?」
紫「それはね―」
恋「…………恋、ご主人様の赤ちゃん出来た」
一「………………」
愛「………………」
紫「これまでのは全部悪阻や妊娠による食欲増進。だから病気じゃ―」
二人「えぇーーーーーーーーーーっ!?」
紫「ない……はぁ。ご主人様、愛紗さん。二人とも落ち着いて」
恋「……耳、キーンってした」
一「恋!」
恋「……なに、ご主人様」
一「おめでとう…そしてありがとう!(ギュッ)」
恋「(ポッ)…………(コクッ)」
726:とある恋の日記 弐
09/10/27 21:09:33 7myqXu8P0
以上となりまふ!
いやぁ、自分の妄想がダダ漏れで恥ずかしい…
コレからちょくちょく書いて行きたいとは思ってるんで感想や指摘等々は絶賛受付中!
727:名無しさん@初回限定
09/10/27 21:30:04 jVDOAyjA0
>>719
全面的に同意しておこう
728:名無しさん@初回限定
09/10/27 21:35:12 o/cuBekg0
>>726乙です
しかしこれは読んでるほうもなにやら気恥ずかしくなってくるなw
はわわご主人様、他にすることはないのですか
729:名無しさん@初回限定
09/10/27 21:37:30 naaELAZa0
焔耶は反骨にしすぎた
730:名無しさん@初回限定
09/10/27 21:58:55 e9OGQGIc0
>>726
乙。
ほのぼのしてていいが、妊娠発覚後の周りの反応がどうなるかw
指摘としては紫苑は愛紗をちゃん付けで呼ぶってとこかな。
731:とある恋の日記 弐
09/10/27 22:13:03 7myqXu8P0
>>728
それを言っちゃ書いた本人はどうなるのよ…orz
>>730
妊娠発覚後……恐すぎて想像するのヤメマシタw
そして思わぬ所で痛恨のミス!まとめさん…直して頂けると有り難いデス
732:名無しさん@初回限定
09/10/27 22:29:33 S+PmSjNa0
無印恋姫で、正史を望むIKEMEN二人の事なんだけど
正史を望む理由って確りとした設定あった?
733:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:00:53 alLuOC4G0
>>732
あの2人は正史というよりは
北郷一刀に歪められた外史の流れを正しい流れにしたいってかんじじゃなかったけ
そしてあの2人自身がそうしなきゃいけないと望んでいるわけではなく
あの2人はそういう存在に作られたからこそそうしていたんじゃなかったけ
何度も駆りだされているらしくその役割自体には結構うんざりしていたような
734:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:03:17 o/cuBekg0
んんっと、正史を望むっていうか、恋姫の世界観における正史ってのは
俺らや製作者のいるリアル世界のことなんだよ、たぶんね
一刀がもともと居た世界も春恋の外史の一つであって
チョウセンたちは外史の管理人だけど、所詮は物語の登場人物ってこと
だからそのことを理解してはいても、正史に介入することはできない
まあメタな設定ってやつだな
735:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:06:48 ZbVv9rK40
一刀が介入することにより新たな外史の流れが作られるのが望まれない云々言われてたが
現在、真だのアニメ化だのアンソロだの4コマだの、おそらくその辺の話を書いたライターですら
想像だにしなかった外史が生まれてるのがなんか笑えるw
736:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:20:29 VVO3f4qa0
まさかここまで外史が生まれるとは思わなかったろうなw
二次創作はもちろん、商業作品も多い多いw
737:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:27:29 naaELAZa0
それほど三国志が日本で人気だってことだよ
738:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:29:07 aYpbvXcg0
若い中国人は三国志を「日本のゲームの話」だと思ってるらしくてなぁ
739:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:29:26 h88ySAG50
そういえば、左慈とか外史否定とかって無印や真の魏ルート以外ではあんま触れられてないような気がする
あ、でも一応漢ルートの初めのほうかなんかでも否定組に関してはちょっと触れてたっけ?
だけど、やっぱ色んなメディアにしてもSSとかにしてもその辺の話ってないような気がする
特に真発売後に関してはSSですら見かけないし、使われてても上手い使われかたじゃない気がする……
扱いが難しいのかねぇ……外史消滅を望む存在設定
740:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:32:29 axt2748n0
>>725
恋かーいーなー。
でも、もう少しねねに触れてあげてw
741:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:34:11 aYpbvXcg0
>>740
「ひゃあああ!な、なにをするのですっ!あっ、そ、そこは、だ、めぇ…なの、です…」
742:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:55:52 S+PmSjNa0
こんがらがってきた
一刀の登場で歪んだ世界を元にもどそうとする「存在」に、個性を付け足した感じでいいのかな?
で、本人たちは飽き飽きするくらい外史を消滅させてきた、と
743:名無しさん@初回限定
09/10/27 23:59:31 axt2748n0
どうとらえたっていいんだよ。
そうしてまた外史が生まれる。
744:名無しさん@初回限定
09/10/28 00:13:20 0OinLKuW0
>>716-717
誤字報告ありがとうございます
これってまとめに載った後は仲の人にお願いすれば良いんでしょうかね?
取り敢えず避難所にて依頼してみます
745:名無しさん@初回限定
09/10/28 00:44:58 1SdVvB8wO
>>719>>727
キャラ叩きは止めてくれ…
好きな奴だっているんだ
746:名無しさん@初回限定
09/10/28 00:50:53 ZJ6lfCQL0
ツンアホと呼べばかわいく見れるもんだ
747:名無しさん@初回限定
09/10/28 00:57:38 WUDg6G5k0
>>745
そういうのは徹底的にスルー。
748:名無しさん@初回限定
09/10/28 01:09:50 L6oVSpri0
長編考える時はどこまで考えるんだろう、最初に全部決めてから書くのか、
書きながら話をつくってくもんなのかのう
749:名無しさん@初回限定
09/10/28 01:52:56 WUDg6G5k0
>>748
俺は恋姫では長編書いてないんだけど、他では長編も書く人間として言うと、
全体の大きな枠組みは最初に決める。
でも、そこに至る細かい流れは、だんだん決めていく感じ。
重要な出来事や伏線は最初に決めておかないとなかなか難しい。
でも、自分で書いたことが、いつのまにか膨らみ積み重なって、うまく融合することもあるので、
全て計画的にやるのがいいとも限らない。
750:名無しさん@初回限定
09/10/28 01:56:01 BZF68iOv0
>>742
このスレで説明すると
正史(スレ)で色々な話が読みたい、書きたいと思う事で外史が生まれる(スレに投稿される)
しかしその外史(作品)を全ての人が読みたいとは思わない(オリキャラ等)
そこで外史を消そうとする意思(他の所に移動させる)が左慈達となり
存続させようとする意思(ここで投稿を続けさせる)が貂蝉となる
わかりにくいか・・
751:名無しさん@初回限定
09/10/28 11:34:45 u/tdqKX60
左慈達の暗躍の結果=途中で中断されたSS
で、OK?
752:名無しさん@初回限定
09/10/28 13:00:27 yDXHdJ410
結果というよりは目的かな?ニュアンスとしてはそんな感じかも
ある意味一刀って、二次創作SSにおけるオリキャラ主人公そのものだし
そういう作品を認めたくない気持ちは
恋姫のオリキャラ主人公モノSSなどを読めばよくわかりますw
753:名無しさん@初回限定
09/10/28 13:27:34 8weAJ8XA0
外史という穴が空く事で正史がズタズタになるのを防ぐ為に毎回出動してるんだろうからなあ>左慈・干吉
「今日もまた穴を塞ぐ仕事が始まるお」を続ける内に「穴空けてんじゃねーよ、死ね!」になっちゃったんだろうな
754:名無しさん@初回限定
09/10/28 13:55:37 CZ9cqDBz0
どこの英霊だよw
755:名無しさん@初回限定
09/10/28 17:33:36 85kQyn2OO
>754
同じ事思った(笑)
756:名無しさん@初回限定
09/10/28 18:59:00 8CHqbgdkO
でも正直、外史とか左滋の存在がイマイチ好きになれない俺
二次SSだと大概この設定が使われてるけど世界が崩壊するー、とかそういう壮大な展開はなんか一歩ひいちゃうんだよね
真でアイツラが出なかったことには正直ホッとしてました
757:名無しさん@初回限定
09/10/28 19:52:45 85kQyn2OO
誰が桃香(様)予定者はいるかー!
758:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66
09/10/28 20:07:26 85kQyn2OO
よし誰も居ない、ひっそり約五分後に桃香します。
759:三教一致拠点風イベント ハロウィン祭
09/10/28 20:13:19 85kQyn2OO
シュタ!
「にゃー(お帰りお嬢ちゃん)」
「ああ、お猫さま、一時的にただいまです」
「にゃー(一時的?)」
「はい、何故か帰ってこなくてはいけない気がして」
「にゃー(強制力かな?とにかく24桃香です)」
三教一致【拠点風】イベント
波浪印災!昼ノ部
760:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:13:44 ySN62EOBO
甘いな
ここにいるぞー!
761:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:15:19 jMA3wyJO0
ここにいr(ry
さて、支援に徹しますかねw
762:三教一致拠点風イベントハロウィン祭1-24
09/10/28 20:18:08 85kQyn2OO
事の発端の発言は珍しく鈴々だった。
「ねえ、お兄ちゃん。10月は天の国では催し物はないの?」
「(10月?10月、何か有ったな?何だっけ?)」
考え込む俺に痺れを切らして飛び付きかけた鈴々に女性が話掛ける。
「有るわよ、鈴々。それも鈴々が好きそうな催し物が」
「おぉ、雪蓮なのだ。で、好きそうな催し物って何なのだ?」
今やすっかり仲良くなって、三国首脳陣は真名で呼び会えるまでに成った。
「ハロウィンよ、鈴々」
「波浪因?」
「・・・発音が、(まあ有る意味間違って無いかも)ハロウィンよ。発音はあまり重要ではないかも知れないけど正しく言えるなら言えた方が良いはずだからね。鈴々、ハロウィンよ」
「ハロウ印」
「その調子」
「ハロ…ハ…ハロウ…ウィン……ハロウィン?」
「あら?上手く言えたじゃない、鈴々。じゃあご褒美に催し物の内容はお菓子を貰えるのよ」
「お菓子を貰えるのか!」
既に目を輝かせてる鈴々。
「そう、催し物に参加している普通の格好をしている人に『トリックオァトリート』って言うとお菓子を貰えるの」
「鳥っくおあ盗りーと?」
763:三教一致拠点風イベントハロウィン祭2-24
09/10/28 20:22:08 85kQyn2OO
「トリック・オァ・トリート、意味は『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ』で、合ってるわよね一刀」
「概ね喋っておいて今さら確認ですか?雪蓮さん」
「今さら鈴々の期待を裏切る訳にはいかないもの」
期待させてるの貴女ですが?
「お兄ちゃん、ハロウィンをやるのだ!トリックオァ盗りードなのだ。皆に広めてくるのだ」
食べる事になると覚えが良いのか、雪蓮の教えが良いのか?ほぼ片言英語を覚えた鈴々は執務室を飛び出した。
「雪蓮、鈴々の教師やらない?」
「教師?ご冗談を私には向かないわよ」
「いや、立派にやれると思うが…で、何でここに居るの?」
「あら?酷いわね、月の定期報告じゃない。忘れたの?ブーブー」
「忘れてないよ、でも今月は四ヶ月ごとの大報告の月ではないから下士官か通常の文官じゃない?」
「ますます酷ーい、わざわざ私が会いに来たのに嬉しくないの?」
泣き崩れる格好をする雪蓮。
「嬉しく無い訳が無いけど、けどさ国王がそうそう国を空けていいの?」
「それなら問題無いわよ。私、近々引退して蓮華に国王の座明け渡すから」
「なら安心だね・・・・・エェ――!」
驚いて叫ぶ。
「一刀、急に五月蝿い」
764:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:22:51 jMA3wyJO0
支援物資搬入開始っと
765:三教一致拠点風イベントハロウィン祭3-24
09/10/28 20:26:34 85kQyn2OO
「だって、国王辞めちゃうんだよね」
「基本、漢の国内での戦が無くなった今、政治的には蓮華が呉の国王に成った方が上手く機能するのよ。
そりゃ相談役としては残るわよ、本当は完全に引退して一刀の傍に居たいけど許してくれないのよ、ねえ冥琳」
雪蓮の発言に驚く。
「冥琳も!?」
姿を現しながら。
「それは自分だけ引退して愛しい男の傍らで酒を飲みふける等誰が許すか」
眼鏡を直しながら。
「私も第一線からは退く、下が育たんからな。だが引退はしない、雪蓮もだ」
後ろで、“冥琳の意地悪、イーだ”とか叫んでいる雪蓮はこの際ほっとこう。
だが次の瞬間、もっと驚く羽目に会う。
「任せられる人が居るのは羨ましいわよ正直」
「華琳!」
「「曹孟徳!」」
余りの驚きに本来真名を許しあっている雪蓮と冥琳が字で呼んでしまうぐらいだ。
「あら?雪蓮に冥琳。真名は許したわよね?」
「うぬ、すまぬ華琳。あまりに驚いて」
「あんまり貴女が脅かすからでしょ、華琳」
謝る冥琳に反発する雪蓮。
「まあここまで驚くとは思わなかったわ、私もやり過ぎたわ許して雪蓮、冥琳」
「じゃあお互い様で」
「了解した。しかし何故、今ここに貴女が?」
766:三教一致拠点風イベントハロウィン祭4-24
09/10/28 20:31:02 85kQyn2OO
「気分転換よ、只の。流石にずーっと机に向かっていると突然黙って旅に出たくなるのよ。で、思えば今は定期報告の時期、これを利用しない手はないわと行動に移っただけよ?」
何かいけないのかしら?と本気な目で悩む華琳にため息一つ漏らす自分。
「ああ、早く私も後継者が欲しいわ、第一候補はやはり自分の子供かしら?」
「……なら早く出来ると良いね」
惚れた女性の子供と聞いて少し気が荒れたのか素っ気なく答える。
すると近づきながら。
「馬鹿ね」
次に人差し指を喉から顎にかけて滑らせて。
「お父さんは貴方に決まってるじゃない」
惚れた女性の顔が面前まで迫る。
この場に蜀義三姉妹が居たら一波乱有ったで有ろう。
華琳の突然の告白に顔を真っ赤にする俺、その事が恥ずかしくなり顔を真っ赤にする華琳。
「……で、何かしら?ハロウ…印、……ハロウィンって」
流石は華琳、照れ隠しの話題変更と聞き慣れない英語の発音をほぼ一発で成功した。
「羅馬の方?外国の風習で確か魔除けだっけ?」
「一刀、羅馬より上、イングランドやアイルランドの風習だって教えくれたじゃない一刀。魔除けなのはほぼ合っているわよ」
767:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:31:29 zX1CpcMl0
④
768:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:33:24 jMA3wyJO0
\支援/
769:三教一致拠点風イベントハロウィン祭5-24
09/10/28 20:35:04 85kQyn2OO
「(今のところ全部俺から聞いた事にしてるけど、雪蓮の奴本当に記憶が曖昧なのか?疑わしくなってきた)」
もちろん俺は教えてない、第一ハロウィンなんて風習、日本ではまだそんなに馴染んでないのだから。
「どう華琳?せっかく知ったのだから体験してみたら?子供達にお菓子も配るのよ、将来の一刀の子供の予行練習だと思って」
照れた事を掘り返され“五月蝿いわよ、雪蓮!”と叫ぶ華琳を笑いながらたしなめる雪蓮。
結局は。
「やっても良いわよ、いい気分転換に成りそうだし。喜びなさい季衣、お菓子食べ放題だそうよ」
華琳の台詞にギョっとすると。
「本当ですか?華琳様」
柱の影からひょっこり顔を出す季衣。
「ええ、本当よ」
「やったー!ありがとな兄ちゃん」
「季衣が居るなんて聞いてないぞ」
「あら、言って無いもの聞いてないのも当たり前じゃない」
いえ、そんな事、しれっと言われても…
「それに一刀、いくらお忍びでも私が単身で行動するなんてのは極稀よ」
稀にならば完全単身行動するんだ、とか内心で思っていると華琳は更に言葉を続ける。
「流琉、あなたはお菓子作りに…そうね、いい機会だから私とお菓子作りを競いましょう」
770:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:36:30 jMA3wyJO0
接続悪いが…支援は続ける!
771:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:37:20 1SdVvB8wO
おやこれは十三号氏
支援物資を運ばねば
772:三教一致拠点風イベントハロウィン祭6-24
09/10/28 20:39:08 85kQyn2OO
「か、華琳様と料理勝負ですか?」
季衣の現れた柱の反対側から姿を現す流琉。
「またにはいいでしょう流琉。それに凪、あなたもいい機会だからお菓子作りにも挑戦しなさい」
「わ、私がお菓子作りですか?」
「えぇ、凪も居るの?」
「私はお邪魔ですか……」
やや暗い顔で姿を現す。
「いや…」
言えないよな、元々北郷隊で仔犬の様になついてたから気になるなんて。
「やはりお邪魔なんですね…」
「一刀?」
「違う!違う!…そのなんだ、首都の警備隊を筆頭で真面目に勤める凪なら子供達が喜ぶお菓子を真面目に考えて作ってくれるだろうと思っただけ」
咄嗟に考えた事を口走ると凪の表情が明るくなった。
初めて見た時から華琳様に対する忠義心とは別の不思議な感情を抱いてた、最近それが恋心らしい事に気付かされ今回会う機会を得た。
当然、凪としては真名を預けたが自分の様な下っぱは忘れさられてるだろうと思っていた、しかし自分の真名で反応してくれてた時点で半分は舞い上がっていた。
だが他の誰かと勘違いしている可能性も考えて登場時あの様な不思議な態度での登場となったのだった。
773:三教一致拠点風イベントハロウィン祭7-24
09/10/28 20:43:12 85kQyn2OO
それも警備隊をしている事とそれに対して評価をしてくれた事にそうは見えないが、既に凪は完全に舞い上がっていた。
「わ…解りました!全力で取り掛からせていただきます!」
「凪、肩の力抜いて」
「ハッ!」
ますます肩に力が入る。
「ふう、どうなる事やら?一刀。責任をとりなさい」
「俺?」
「あなたしか居ないでしょう、これで結果的に凪に自信消失な事になったらただじゃすまなさいわよ、警備隊での有一の生真面目なんだから」
鋭く華琳の目が光る。
ビクッ!!
「…解ったよ」
半場脅迫にうなずく俺。
「ならこちらは確実な祭と将来有望な亞莎を出しましょう」
いままで黙っていた雪蓮が口を開いた。
「孫呉は料理関係が極端に弱いのよね~」
「しかたないだろう雪蓮、孫呉復帰に向け皆ガムシャラで料理等している暇は無かったのだから」
「それは儂が暇に託つけて料理の腕を磨いたと言いたいのか?冥琳よ」
「祭殿!城下の視察はもうよろしいので?」
「うぬ、旨い酒も店も見つけた。酒等の娯楽品、街が豊かでなくてはそうそうこの様な上質な物は並ばぬ」
街のレベルを酒で図るのは流石は祭といったところか。
774:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:44:32 jMA3wyJO0
支援物資、足りるかなぁ…
775:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:46:14 zX1CpcMl0
>>774
>>2
776:三教一致拠点風イベントハロウィン祭8-24
09/10/28 20:47:25 85kQyn2OO
「で、話を反らすな冥琳よ。料理の旨い儂はなんじゃっと?」
普段やられてばかりだからか、ここぞとばかり攻撃に入る。
「…それは…祭殿の…日頃の努力の賜物かと」
「そうじゃろう、策殿も飲んでばかりでなく冥琳も本ばかりではなく、少々料理でもたしなんでは?男は胃袋から支配すると中々楽ですぞ」
祭の言葉に思う処があるのか沈黙の雪蓮、代わりに冥琳が喋る。
「遊びで来た訳でわないのだ、その波浪印とやらの料理は祭殿と亞莎で。私達二人は蜀での本来の仕事をさせてもらうぞ」
行くぞ雪蓮!、と雪蓮を連れ出す冥琳。
内心“ちょっとつれないなあ冥琳”は何て思っている自分がいた。
こうしてハロウィンの日時は華琳がお忍び行動での色々な意味での限界やや越えの三日後の二十五日、各々いろんな思惑を忍ばせ準備に入る。
ちなみにハロウィン衣装はいつもの仕立屋に特注、街には城で子供達にお菓子を配るとだけ知らせる。
魔除けだとか子供達を妖精・小悪魔に見立てる等、余計な事を言って要らない不安・不信を買っても特は無しと朱里と雛里の判断だった。
777:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:51:05 4HmVfaSiO
くっ!十三号氏が来ているのに気付けなかったとは!
後れ馳せながら支援戦闘を開始する!
778:名無しさん@初回限定
09/10/28 20:51:36 GBxLcbtL0
支援
779:三教一致拠点風イベントハロウィン祭9-24
09/10/28 21:01:50 85kQyn2OO
◇ ◇ ◇
で、今日はハロウィン当日の朝。
実は今忙しい、しかも政務である。
お菓子の新天地の開拓として朱里と雛里に天のお菓子ケーキを朧気な記憶で教えていた。
すると偵察に来た華琳と巻き込まれた流琉、好奇心で訪れた祭さんも入れて伝授していてその間政務が疎かになった。
それを愛紗に見つかり説教を喰らう。途中で、自分も前日は皆にハロウィンの配り用のお菓子を作りたいと提言。
ますます怒られたが、ハロウィン当日には今までの遅れてる分を取り返せるならと前日のお菓子作りの許可を得て現状に至る。
◇ ◇ ◇
コンッ!コンッ!
不意にドアを叩く音に。
「誰かな?どうぞ」
仕事量が意外と多く返事だけで机から動かずに対応した。
すると、
「「トリック・オア・トリート」」
姿を表したのは小悪魔姿の鈴々と璃々だった。
「ああ、璃々と鈴々。はい、じゃあお菓子ね」
「ああ!これご主人様のクッキーだー!」
「本当なのか璃々?おお!本当にお兄ちゃん特製クッキーなのだ」
「特製ってそんな大袈裟な」
初出のホワイトデー以来やたら人気が有る俺のクッキー。
780:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:03:49 jMA3wyJO0
支援物資をひたすら搬入!
781:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:06:26 GBxLcbtL0
支援
782:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:06:37 4HmVfaSiO
支援物資はお菓子だぞ!
間違えても砲撃するなよ!
783:三教一致拠点風イベントハロウィン祭10-24
09/10/28 21:06:39 85kQyn2OO
出来は素晴らしく良いというわけではないのだが食感が良いのか中々人気が落ちない。
何度か作っているのでコツも分かり腕もだいぶ上達はしているだろうが、朱里あたりが作れば王座はいとも簡単に譲り渡す羽目になるのだが製作を頑なに拒否する朱里や雛里である。
何故なんだろ?
とにかく竹篭に入れたお菓子を渡しながら。
「湿気っちゃうと、味が落ちちゃうから早めに食べろ~」
「分かったなのだ~」
「ご主人様、ありがとう」
既に目は竹簡に向かい見送る事もせず、返事だけで送り出す。
璃々たちの後、数十人の子供達にお菓子を渡し送り出す。
無論、服装は普段着だが。
午前が終わるかな?そろそろ昼かな?と思ったころ一人の来訪者が来る。
「……トリック・オア・トリート」
不意の言葉に視線を上げると狼の姿をした狼男ならぬ、狼少女。
意外と…いや、かなりハマっている姿に見とれてしまう。
「……トリック・オア・トリート」
もう一度、恋の言葉に我に帰り。
「はい、お菓子」
竹篭を一つ差し出す。
仕事の為、視線を竹簡に戻すが視界の端に写る竹篭が一向に消えない。
すると、
「……トリック・オア・トリート」
784:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:09:07 4HmVfaSiO
呂布将軍の分の支援物資を速く!
785:三教一致拠点風イベントハロウィン祭11-24
09/10/28 21:11:13 85kQyn2OO
???
流石に不思議に思い恋を見ると、恋の視線は俺の脇のクッキーの山に注がれていた。
「・・・流石に駄目だぞ恋、まだ子供達も来るから足りなくなるだろ」
「……大丈夫、追加のクッキーもう出来てる……はず、…それにそのクッキーそろそろ湿気って美味しさ半減……だから恋が処分する」
ぬぬ。事、食べ物に関しては鋭くなる恋さんだな、手強い。
「でも、まだ届いて無いだろう、その間に子供達が押し寄せたら足りなくなっちゃうぞ~」
この間、ずっと竹書に目をやり恋とは会話のみ。
「……トリック・オア・トリート」
再度恋が訴え出る。
「………駄目だよ~」
幾ばくか時間が過ぎたかな?仕事に夢中で分からなかったのだが。
「……じゃあ、トリック」
「え?」
恋の言葉に驚く、意味分かっ…
ペロッ!
ほっぺを舐められた。
「恋?」
「…トリック」
ペロペロペロッ!
ほっぺから耳たぶに。
顔が真っ赤になる俺に追い討ちをかけてくる恋。
ペロペロッペロペロペロペロッペロペロペロペロッ!
耳たぶから首筋に移る。
「アハハ、れ・恋ちょっと」
ペロペロペロペロペロペロ……
786:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:11:17 GBxLcbtL0
クッキー支援
787:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:13:04 jMA3wyJO0
な、なんと羨ましい…くっ、呂布将軍の為にお菓子を搬入だ!
788:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:14:25 GBxLcbtL0
むしろさらなるトリックのためにクッキーなし支援
789:三教一致拠点風イベントハロウィン祭12-24
09/10/28 21:15:24 85kQyn2OO
「ヒャハハハハハハハハ…、恋!わ、分かったよ降参。ヒャハハハ、降参するお菓子渡すから、止めてくれ~」
すると、ピタッ!と愛撫攻撃が止む。
「ハ~ハ~」
肩で息をする俺だった。
「でも、念のために十個は置いとくよ。恋」
「……………必要無いけど、分かった」
?
必要無い?
意味が分からないが承諾は得た、クッキーの戦果に満足気な微笑みを作る恋を見て自分もつい顔が緩む。
「…ご主人様。…クッキー大事に食べる」
クッキーを抱える恋を見送り、何時までもにやけてる訳にもいかないと思った矢先。
「相変わらずご主人様は恋にお甘いのですね」
ギクッ!
やや怒気をはらんだその声の主は愛紗。
ぎごちない動作で後ろを向くと、両手で追加分の焼きたてクッキーを持っていた。
「愛紗さんいつからそこに?」
「恋が執務室に向かうのを見たので、もしやと思い追加を持って来たのですが」
ダンッ!
割れ物のクッキーを叩きつける訳にもいかない愛紗は少々強めに足を踏み込み俺を睨む。
「ちなみに、………駄目だよ~からです」
殆んど最初からじゃないか!背筋に嫌な汗が流れてしかもやたら寒い。
790:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:17:01 GBxLcbtL0
愛紗がクッキー焼いてきたのかと思った支援
791:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:17:50 4HmVfaSiO
い、いかん!北郷様に傷薬の支援が必要かも知れぬ!
792:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:18:35 1SdVvB8wO
トリックオアトリート支援
793:三教一致拠点風イベントハロウィン祭13-24
09/10/28 21:20:09 85kQyn2OO
話を反らそうと話題をふる。
「愛紗はお菓子を作らないの?」
不機嫌なのが更に不機嫌になり。
「先日ようやくチャーハンが形になったばかりなのにお菓子などと高等技術を要する物など」
溜め息を一つ吐いたのち。
「朱里や雛里、華琳殿や流琉はご主人様が教えになった、“形喜”とやらが子供達に大好評で休み無く働いているというのに………ご主人様は」
恋に渡したクッキーが有った場所に追加のクッキーを置く愛紗。
「仕事もせずに恋とその、………イチャついてるなんて…もういいです」
扉に向かい歩き出す、そのまま扉に手をかけた瞬間。
「愛紗!」
「はい!」
反射で返事をして振り向く愛紗に。
「トリック・オア・トリート」
ギシッ!
左の手のひらを扉に押し付け。
「え?…ですが今しがた、お菓子はそこに置いてしまい、今の私は…」
カチリ!
右手で扉の鍵を掛ける。
「…ならトリックだね…」
愛紗の耳元で呟くと唇を重ねて舌を絡めたディープキスをする。
「んっ……チュッ…んん、はぁ、……んふぅ……チュルッ、んむっ!?んっ、ルロッ、チュルッ、んん!!ん~~~!」
体感的にはおそらく五分、ようやく愛紗の唇から自分の口を放す。
794:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:22:49 jMA3wyJO0
一刀…誤魔化しやがった!
くそう、トリックオアトリート支援!!
795:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:22:55 GBxLcbtL0
支援
796:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:23:31 4HmVfaSiO
この状況で支援物資を搬入は出来んwww
797:三教一致拠点風イベントハロウィン祭14-24
09/10/28 21:24:34 85kQyn2OO
「機嫌直してくれた?」
「知りません!」
声は怒っていたが目がちゃんと笑っているのを確認する。
「それでは、朱里達の手伝いがまだ有るので失礼しますご主人様」
鍵を開けて部屋を出る、その時に顔を見ればすっかりご機嫌の様子に一安心して政務戻った。
時折来る子供達の相手が程好い気分転換になり政務は捗る、気付くと昼を周り陰の位置からおおよそ三時だろうと推測する。
流石に小腹も空き体も動かしたいと思い朱里達の様子を覗き行った。
◇ ◇ ◇
念のための筈の玉座の間が狭かった、軍議の時でもかなりの大人が入れる筈なのだが今や子供達に占拠されていた。
「はう~、あっ!ご主人様」
たまたま俺に気が付いた朱里が声を掛けてきた。
「大…盛況だね」
「はい…それはもう目が回る程、あわわ~」
朱里と雛里の目を覗くと実際目が回っている、そろそろ限界なのかな?
「一刀!あなたも手伝いなさい!」
華琳の叱咤が飛ぶ。
「へいへい、手伝いますよ。朱里何をすればいい?」
「すいませんご主人様に手伝わせて、何時もならお断りするのですが本当に忙しく…」
「いいから、何するの」
「はわ!すいません、それでは……」
798:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:25:14 1SdVvB8wO
一刀さん知能犯だなw
支援
799:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:26:06 GBxLcbtL0
支援
800:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:28:48 LIgEoPFY0
砲弾の代わりに、飴玉で支援。
801:三教一致拠点風イベントハロウィン祭15-24
09/10/28 21:29:02 85kQyn2OO
それからケーキを運び・子供達を並べ・多少盛付けも手伝った。
「しかし、凄い数だね」
呆れ返りながら喋る俺、ここ白帝城に首都を移動してから日は浅いはず、大人ならともかく子供がここまで集まるとは正直驚いている。
「それはご主人様と桃香様の善政で家族を連れてでもこの地を訪れる者が後を断たないのですから」
手伝いながらも誇らしげに説明する愛紗。
「まあ俺はともかく、桃香や朱里の善政は間違いないからな」
「そんな、ご主人様も…」
「ハイハイ、ノロケはいいから愛紗も一刀も口じゃなく手を動かす」
「うう…」
会話を華琳に中断され呻き声をあげるも手伝いの作業に戻る。
「他でもお菓子配ってるよね?」
「そういう企画なのでしょ」
「いやこの数を見てると全員ここに居るんじゃないかな、と」
「おそらくほぼ全員居るんじゃない?」
「え?」
「それは只でさえ普段口に入らない菓子を、ましては見たことも聞いたことも無い菓子が有れば真っ先に食してみたいと思うのは子供はおろか、大人でも思うでしょう」
「そんな……もんだよな。ごめん皆、周りを喜ばせ様と…考え無さ過ぎた」
802:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:30:06 GBxLcbtL0
支援
803:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:31:58 jMA3wyJO0
むぅ…何か支援物資を運んでいる内に甘いモノが食いたくなってきた…
804:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:32:52 1SdVvB8wO
一刀のクッキーってどんなやつだろ
アイスボックスはなさそうだが絞り出し?型抜き?
805:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:32:53 4HmVfaSiO
俺達の戦場は厨房だ!
支援物資を絶やすなよ!
806:三教一致拠点風イベントハロウィン祭16-24
09/10/28 21:33:25 85kQyn2OO
「大丈夫ですよ、ご主人様。お菓子でも知らない知識を得て生かす、それで子供達も喜んでる。問題有りません」
「朱里ちゃんのおっしゃる通りです…ご主人様」
「子供は国の宝なのよ、その宝達が喜んでるならそれでいいんじゃない?」
ここに居る皆がこの催しを肯定してくれたことに感謝する。
「ですがご主人様…そろそろ“けいき”の残りの数が…並ぶのに制限を掛けませんと」
「分かった、貰えてない子供はいないよね」
「ほぼ間違いなく、今居る子供達は二週目もしくは三週目かと」
「よし、愛紗!一旦並ぶのを中断させて」
分かりました、と返事をして最後尾らしい所に向かって行く。
「早く頂戴なのだ!」
「ああ待たせてごめんね、はいこ……鈴々何してるの」
「わわ、ばれたのだ!」
ばれたじゃないだろう、第一こんな目立つ仮装してたら……いや仮装が目立ち過ぎて中身が隠れたのか。
「こら!鈴々居ないと思ったらサボるはおろか子供達のお菓子を…」
「にはゃ~、鈴々は子供なのだ!」
「都合のいい時だけ子供になるんじゃない!待て鈴々、反省が無い様だお仕置きしてやる」
こうして愛紗と鈴々が玉座の間から姿を消したのだった。
807:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:33:30 1SdVvB8wO
…と、大事な一言を忘れてた
支援
808:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:34:30 GBxLcbtL0
支援
809:三教一致拠点風イベントハロウィン祭17-24
09/10/28 21:37:13 85kQyn2OO
そうしてる内にケーキが無くなる。
「ごめんな、ケーキは品切れだ」
「「「えー」」」
子供達の抗議の声が木霊する。
「城内にお菓子ならまだ有るから、貰っておいで」
すると、
「「「はーい」」」
と、元気な返事が返って来て各々が新たな宝探しに出向いて行った。
静まった玉座の間の扉を閉めて労いの声を掛ける。
「お疲れ様」
「もう、本当に疲れたわよ」
「その割には嫌な顔してないよね」
「誰も嫌だったなんて言ってないですから」
その時残ってた朱里・雛里・紫苑・音々音・華琳・流琉・俺が一斉に笑いだす。
「見ましたかご主人様、子供達のあの笑顔」
「ああ」
「魏でもやろうかしら、ねえ流琉?」
「検討の価値は有ると思います。なによりこの新しい知識と技術をもっと試してみたいのも事実です華琳様」
「そうね、それも有るわね」
月と詠が持って来たお茶を飲みながら話が拡大する、華琳と流琉に至っては予算の割当てまで話が進んでいる。
「(二人共どこまで話大きくする気なのだろう?)」
これだけ女の子が集まれば話に花も咲くもので邪魔しちゃ悪いのと残りの状況確認も兼ねて玉座の間を後にする俺だった。
◇ ◇ ◇
810:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:38:14 9T4Unqrw0
砲火
811:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:39:26 4HmVfaSiO
搬入先が変わったか。
支援物資の生産を続行する。
812:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:40:56 GBxLcbtL0
支援
813:三教一致拠点風イベントハロウィン祭18-24
09/10/28 21:41:05 85kQyn2OO
先ずは亞莎と祭さんがいる部屋に向かった。
「一刀だけど入るよ、平気かい?」
「どーぞ一刀さん」
祭からの返事が無いが亞莎からは承諾をもらったので部屋に入る、部屋には亞莎だけで祭さんの姿が見えない。
「祭さんは?」
極々普通の疑問を亞莎にぶつけてみる。
「それが、その。自分が作ったお菓子が配布中止になって、ふて腐れて自分のお部屋へ」
「何かしたの?」
「さあ?そこまで存じてません。唯、朱里さんと揉めていたのは確かです」
「朱里と?」
「はい」
この組合せ事態珍しいが、揉めるとは尚珍しい。
だが今は詳しい事が解らない以上後回しだ。
「で、亞莎が作ったのわ」
「ゴマ団子です、一刀さん!」
俺が喋っていたのを遮ってまで説明に亞莎。
「それにしても、大分上手く出来上がっているね」
「ありがとうございます、一刀さん。お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないよ」
この言葉に顔を真っ赤にする。
「食べていい?」
「どうぞ、あっ!でも台詞を言わないと」
「ああ、トリック・オア・トリート」
「はい、どうぞ」
亞莎から手渡されるゴマ団子、食べる前にもう一つ質問。
814:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:43:21 1SdVvB8wO
祭さん酒でも入れたのか?
支援
815:三教一致拠点風イベントハロウィン祭19-24
09/10/28 21:45:05 85kQyn2OO
「何でゴマ団子なの?」
「何故でしょう?」
質問された側が真剣に悩んでいる、だが答えらしきものは有るらしくあっさりと答える。
「物心ついた時から既に…いやゴマ団子の存在を知った時から興味を惹かれ、何故かいつか来る日までに上達してないといけない気がするのです」
「それで、いつか来る日って?」
「分かりません」
「何でそう思うの?」
「解りません」
「だったらいつかその日が来ると良いな、亞莎」
「はい」
パクッ!
「おぉ!すっごく旨いぞこれ、早く子供達に教えてやらないともったいない」
ツー…
亞莎の右目から人知れず流れ落ちる一筋の泪、気付いたのは当人の亞莎のみ当然一刀が気付く事などない。
咄嗟に袖で顔を隠すと。
「どうしたの?」
心配する一刀。
気配で涙が残ってない事を確信し、腕を動かし顔を出す。
「一刀さん、ありがとう!」
「ん?俺何かした」
「いいのです、ともかくありがとうなのです」
そうして、魅せてくれた亞莎の笑顔は今までで一番輝いていた。
◇ ◇ ◇
816:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:45:39 GBxLcbtL0
支援
817:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:48:34 4HmVfaSiO
呂蒙様の想いは世界を越えられたか……
支援を続行する。
818:三教一致拠点風イベントハロウィン祭20-24
09/10/28 21:49:06 85kQyn2OO
「確かここは凪だったな、入るけど平気かい?」
「あぁ、一刀殿」
恐らくはケーキを襲撃していた子供達が目標を失い次に凪のお菓子に目を着けたのだろう、そして今しがた襲撃を終え去ったんだろうなとやつれた凪の姿と疲れた声から想像が出来る。
だが、しかし。
「一刀殿は恥ずかしいなあ、もう少し軟らかく」
「では、一刀さん?」
凪には隊長と呼ばれてたのが慣れ過ぎて、改めて“一刀さん”と呼ばれると色々と強力すぎる。
「やっぱり駄目です、その出来たら慣れるまではやはり一刀殿でよろしいですか」
顔を真っ赤にしながら凪の方から断りが入った。
恥ずかしくも有り少し悲しいも有った。
「分かった好きにして」
「ありがとうございます、しかし子供達は元気ですね」
「まあ元気が一番だよね」
「全くです」
いい雰囲気の中、残ったお菓子に目をやる。
「これ凪が作ったお菓子?」
「はい、初めてなので定番の物をと」
確かに定番だがそれだけに人気も高い残り僅か数個、タダで食べれるとあればここまで減るのはほぼ瞬殺だったのだろう残りの一つを掴むとヒョイとつまみ食いする。
「あっ!一刀殿……」
819:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:49:18 9T4Unqrw0
これはどこに運び込めばいいんだ? 支援支援っと
820:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:50:17 GBxLcbtL0
支援
821:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:51:47 jMA3wyJO0
支援物資を搬入する最中につい、ニヨニヨしてしまうw
822:三教一致拠点風イベントハロウィン祭21-24
09/10/28 21:53:02 85kQyn2OO
「うん、初めてのお菓子がこのできなら問題無いよ、良いお嫁さんになれるよ」
「なっ!なっ!」
耳まで真っ赤にして振り向いたまま動かなくなる凪を素直に可愛いと思った。
すると棚に木箱が見える、好奇心に駆られて手に取り蓋を開けるとケーキが出てきたことにビックリ。
「なんだ凪、ちゃんとケーキも作ったんじゃん」
凪の作ったケーキに対して好奇心の方が勝った、一つ摘まんで一口。
俺の声に我に還った凪が叫んだ。
「一刀殿それは駄目です!」
だが既に時は遅し。
「★〆±§◆¶ж~!!」
口の中で火がついた!
よくよく考えれば隠していたということはこれは凪個人用のお菓子、そして凪の味覚の趣向は激辛。
ならばこのケーキの味付けもビタビタで有って然るべきだと気付くべきだった。
「う~う~」
情けない呻き声をあげて二口目等噛めずにどうにか舌で少し押し上げる以外何も出来ない俺。
水なんか少量しか用意しておらず、それも子供達に撃墜済み。
あまりの辛さに半場涙目で本当に何も出来ない。
すると決心した顔の凪が話掛けてきた。
「一刀殿失礼します!」
すると口から少しはみ出ていた激辛ケーキを巧くくわえて自分の口に。
823:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:55:44 4HmVfaSiO
辛いケーキってスターオーシャンのアイテムクリエイションの失敗作だよね。
支援物資を搬入。
824:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:55:46 GBxLcbtL0
支援
825:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:56:20 9T4Unqrw0
引けーっ 力の限り引けっー 根性見せてみろーっ
826:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:56:44 LIgEoPFY0
絶対、真っ赤だよなあこのケーキ。
827:三教一致拠点風イベントハロウィン祭22-24
09/10/28 21:57:09 85kQyn2OO
口に運んだ激辛ケーキを噛んだ凪の顔が緩みだす。
「(あ、甘い、辛いのに甘い?)」
一刀の唾液を含むだろう激辛ケーキを食べてる凪の顔はその真逆の激甘の物を食べてるかの様な顔をしている。
「う~う~」
今の状況の元凶で有った激辛ケーキが口から消えるも、今だ辛いエキスか何かが残っているのか?口が麻痺して相変わらず情けない呻き声しか出せない。
そこに陶酔した顔の凪が再度覆い被さって来た。
「重ね重ね失礼します。か、一刀、殿」
「「んぅ…ちゅっ、…ン…んむ…れぅ、れろ……ぇろれるぅ……」」
まず、舌の先を丹念に自分の舌でなぶる、次に舌全体をやはり自分の舌全体を使って丹念に絡める。
やがて麻痺が解けた俺が自分から凪の舌に絡め様として自分の歯に舌が当たると。
「○Å&ヰω!!」
辛さが復活する、歯の裏にでも辛子エキスが残っているのか?
「一刀殿、じっとしていて」
「……コクッ」
最早舌すら動かせず凪にされるがままの状態だ。
歯を裏まで凪の舌でなぶられる、凪の顔がますます赤く陶酔していく。
口の中をすっかり凪に凌辱され、既に辛さなんか微塵も感じない。
828:名無しさん@初回限定
09/10/28 21:59:55 4HmVfaSiO
支援物資にお菓子が必要なのか疑問に思ってきた。
甘い!
829:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:00:33 9T4Unqrw0
赤くてもウマウマできる気概が必要^^
830:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:02:31 u/tdqKX60
支援の方々、一刀への攻撃は許可する。
831:三教一致拠点風イベントハロウィン祭23-24
09/10/28 22:02:57 85kQyn2OO
今では自分からも積極的に凪の舌を絡める。
最早、俺も頭がのぼせているのか夢中に凪の口を貪る。
そして俺の手が凪の胸に伸びて突起物を摘まんだ瞬間!
「んんっ――!!!」
凪が気をやった。
凪の声に我に返った俺は直ぐ様に謝った。
「ああ、ごめん凪!途中から解らなくなってきて……本当にごめん」
「はぁ、はぁ…、大丈夫です…一刀、殿。むしろ今は…何故か嬉しいのです。一刀殿に女性だと認められたと思えて本当に嬉しいのです。謝らないで戴きたい」
「凪は充分魅力的な女の子だよ」
この言葉に凪が再び顔を赤くする。
「それから…一刀殿、あの…その…」
「何?」
「一刀殿の方は…よろしいのでしょうか」
「何故が」
「ですから……」
凪の視線が下半身に向かう、俺も釣られて下を向くと……そこにはそそり立つ息子の姿が・・・
「アハハハハは…はぁ、今はいいや。配る物は無くなってるけど誰がいつ入って来るか分からないし」
「そうですか、少し残念ではあります」
「そう言ってくれるのは嬉しいよ…その内機会を作って二人きりでね…」
呟いた俺の台詞に凪が思考停止する、全く反応が無い様なので仕方なく部屋を後にした。
832:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:04:37 9T4Unqrw0
支援
833:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:05:23 jMA3wyJO0
大佐!支援を行いつつ、一刀へ向けて射撃を行っても構いませぬか!?
834:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:05:55 1SdVvB8wO
子供達の大隊に遭遇!
支援物資の提供を求めています!
835:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:05:57 GBxLcbtL0
支援
836:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:06:38 4HmVfaSiO
自分で砲撃するなと言っておいてなんだが……
支援砲撃用意!目標種馬!
837:三教一致拠点風イベントハロウィン祭24-24
09/10/28 22:07:45 85kQyn2OO
その後やや前屈みでも自分の部屋まで悠然と見せ掛けながら帰る、何人かにはバレてるみたいだったが……。
夜の華琳や雪蓮をもてなす宴会までにいきり立った息子を鎮めるのは大変苦労をした。
ちなみに我に帰った凪が目の前に一刀が一口だけ食べた激辛ケーキを確認すると小さくガッツポーズを取ったのだった。
ハロウィン祭昼ノ部終了。
夜ノ部ニ続ク?。
838:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:10:19 4HmVfaSiO
くそっ!撃ち損じた!
支援部隊員は夜の部までにありったけの砲弾を用意するんだ!
839:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:10:24 1SdVvB8wO
搬入したお菓子が…
投下乙でしたー!
夜ノ部…だと…?
840:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:11:09 9T4Unqrw0
乙 しかし、なぜだろう 砲撃は続けたいな ちくしょうw
841:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:11:45 8A7JEeC80
乙~激辛なのに激甘とはこれ如何に!!
842:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:12:15 YKstxMWn0
おおリアル遭遇
十三号氏乙
843:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:14:30 4HmVfaSiO
しまった。怒りに我を忘れていたようだ。
投下乙でした。
ただし砲兵部隊の編成は着々と進んでいるがwww
844:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:16:38 jMA3wyJO0
桃香乙!
だが、一刀よ…夜は背中に気を付けるのじゃぞ……ふふっ
845:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66
09/10/28 22:16:55 85kQyn2OO
「にゃー(まずは多数様の支援本当にありがとうございました)」
m(_ _)m
「しかし、お猫さま?双頭の龍(後)は?」
「にゃー(お嬢ちゃん、疲れてると激甘な話を書きたくなるんだよ、双頭もちゃんと構想は出来てるよ、多分)」
「多分ですか?第一お猫さま?激甘を書きたいなら、アイドル達の続き三国アイドルをお書きになれば」
「にゃー(あれは甘いじゃなくエロイだから……ちょっと待て何でそれを知っている)」
「お猫さま、私の特技は情報収集ですが?」
「にゃー(・・・このバカ娘が!トップシークレット?を喋るな!)」
846:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:24:43 9T4Unqrw0
なにやら聞き捨てならない単語がちらほらと・・・
847:名無しさん@初回限定
09/10/28 22:26:11 GBxLcbtL0
乙でした
種馬すぎるw夜も期待
848:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:11:43 u+bzKiJaO
十三号は俺の一番好きな作者だけにありがたい
849:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:36:21 GxxgZIUD0
>>848
ほう、奇遇だねぇ
同じだよw
まぁ、人によって熱を上げる対象作品が異なってるとは思うけどね
そういや、このスレを見てるみんなはどの作者が好きなんだろう?
実は前からちょっと気になってたんだよね
支障なければ、一番だけでいいから教えて欲しいな
850:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:39:52 tTNFADSD0
そんな質問するってのは、荒らしたいのか。まあ、荒らしたいんだろうな。
851:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:42:50 A2GlT01X0
誰か一番
そのネタで荒れなかったことはない。
852:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:45:14 GxxgZIUD0
>>850
いや、荒らそうとか別に考えてなかったんだけど……
前から結構●●が一番好きだとかの発言があったから
実際どうなのかなって思っただけなんだよ
別に一位から最下位までランク付けしろなんて言う気もないしね
というかランク付けしたら荒れるだろうってのは同意だけど、どれが好きか聞くくらいなのもダメなの?
853:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:45:26 d6ZDhNIL0
今更だけど、SS読んでるとたまに出る、北郷の旗って何で十文字?
本編のどっかにそういうのあったのかな
854:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:47:16 tTNFADSD0
>>853
北郷家の家紋だから。島津の流れだから、十文字。
無印からずっと丸に十字だよ。
855:名無しさん@初回限定
09/10/29 00:48:36 GxxgZIUD0
十文字の理由は無かった気がするかな
一説では名字が北郷だからって言われてるけど……実際どうなんだろうね
856:名無しさん@初回限定
09/10/29 02:46:09 ODkfFcU0P
俺はまとめサイトのFAQで納得したけど…
857:名無しさん@初回限定
09/10/29 02:50:28 yTvs3KPI0
そもそも旗印については工作板で語り尽くされてるからな
858:名無しさん@初回限定
09/10/29 08:27:26 MW/Cmt8OO
「島津氏の分家で北郷氏ってのがいるから一刀はその流れをくむ家なんだろう」って話をここか本スレで見かけた覚えが
北郷帝シリーズは「一刀は島津氏分家の北郷氏の末裔」って設定で書かれてるみたいだな
>>852
誰が一番好きか表明するって事は少なくとも一番とそれ以外をランク付けする事になる
それに今までで「○○最高!他の奴は底辺」みたいな事を放言した馬鹿もいる
だから一番云々の話題は荒れる元だと嫌われる
859:名無しさん@初回限定
09/10/29 15:24:44 mf3UGacY0
なんにしろSSスレで順位付けは最大級のタブーだわな
860:名無しさん@初回限定
09/10/30 08:40:48 daIhnv620
そもそも一刀自身、どの√でも誰が一番好きなんて決めていないからな
俺達も此処に投下してくれる作者達全員上下無く好きだという事で手を打とう
861:名無しさん@初回限定
09/10/30 13:22:19 ysr7zeDbO
>>860
つまりみな一刀になれと言うことですね。
862:名無しさん@初回限定
09/10/30 16:13:15 r99i2V7QO
うわ~俺生き残れる自信無いわ~。
そうだ!猫になろう!(笑)
面倒見良い方結構いるし。
863:名無しさん@初回限定
09/10/30 22:44:44 Eu02K1oDO
十三号氏の周りにいる猫になったとしたら、風の火計や水計の餌食になるかもwww
864:名無しさん@初回限定
09/10/30 22:50:12 Rop64ntxP BE:678094272-2BP(2000)
呉の野良猫になって毎日明命のところに行くよ俺
865:名無しさん@初回限定
09/10/30 23:44:22 xc2giSyr0
>>864
一刀と明命の幸せを祝福したいだなんていい奴だな、貴様。
866:名無しさん@初回限定
09/10/31 08:24:26 HLXiI4oIO
URLリンク(detail.chiebukuro.yahoo.co.jp)
うへ
867:名無しさん@初回限定
09/10/31 09:03:33 6C0C9jJpO
>>866
そのエピソードが元になった無印での三バカ拠点の時に
あぁ、三人を一刀さんが頂いちゃうのか(性的な意味で)
と期待したのもなにもかもがみな懐かしい……。
868:名無しさん@初回限定
09/10/31 15:54:52 aUwLHAAa0
すいません。
公式オフィシャルで武将たちの強さランク評があったと思うんですが
どんなものでしたっけ? どこかにあったような気もするんですが
あとここって18禁も事前告知はいるのですか?
869:名無しさん@初回限定
09/10/31 18:28:51 lq/P+4/o0
VFBに1~5段階で各能力値が載ってたが
正直同じ5の値でも明らかに差が見えるキャラとかもいるので目安程度のものだと思う
870:名無しさん@初回限定
09/10/31 18:53:50 gTL/YkxU0
VFBの声優コメントで袁術のコメントだけ見つかんないんだけどもしかしてない?
871:名無しさん@初回限定
09/10/31 18:54:42 gTL/YkxU0
すまん、恋姫スレと間違えて誤爆した
872:名無しさん@初回限定
09/10/31 19:29:37 TlmCp4tJ0
>>868
>>869の言うとおり、オフィシャルと言えるものだとVFBにしかないが、正直あれはネタ程度w
実際にはシチュエーションによって大きく変わるから、おおまかなくくり以外は気にしなくていいと思うよ。
SSで言ったら、そのSSの流れで強いやつが決まる。
抱えているものとか、手傷の有無とか、集中力を阻害する要因とか。
だから、話の流れの中で強さを考えればいいと思うよ。
18禁描写はアブノーマルなものでもなければ事前に断りを入れることは特に必要ないと思うけど。
873:名無しさん@初回限定
09/10/31 20:12:27 9iu5oQw7O
まぁ、18禁描写は見たくない人がいるかも知れないから、最初にエロ有りとか書いておけば十分だと思う。
874:名無しさん@初回限定
09/11/01 07:53:48 Wm34P2T8P
元がエロゲで18歳未満立ち入り禁止の板で18禁描写見たくないというのもなんだかなあ
875:名無しさん@初回限定
09/11/01 09:11:47 z75J/cBcO
>>874
まぁ凌辱モノは、ってことじゃない?
公式の「恋姫の凌辱版出すお!」ってエイプリルフールネタで発狂してた奴もいたし、この作品でそういうのはきついんだろう
876:名無しさん@初回限定
09/11/01 09:14:25 z75J/cBcO
>>874
まぁ凌辱モノは、ってことじゃない?
公式の「恋姫の凌辱版出すお!」ってエイプリルフールネタで発狂してた奴もいたし、この作品でそういうのはきついんだろう
877:名無しさん@初回限定
09/11/01 09:15:10 z75J/cBcO
おぉう、連投スマソ
878:名無しさん@初回限定
09/11/01 10:58:19 K6yFbz2SO
まあ人を選びそうなプレイの場合は一言断っとくのが無難かもね
SMとかお尻とか調教とかスカとか
879:名無しさん@初回限定
09/11/01 14:25:37 uct+DrZi0
桂花調教 ~ああっ、わたしは華琳さまのいやしい下僕です!~
こういうのか。
880:名無しさん@初回限定
09/11/01 14:26:18 B/d9ZMoN0
それ普段と変わらないじゃないw
881:名無しさん@初回限定
09/11/01 15:14:47 uct+DrZi0
桂花調教2 ~華琳さまやめさせてください! いやぁ! こんな奴の子供なんて産みたくないっ!~
おかしいな、桂花一人でジャンルが全部カバーできるぞ……
882:名無しさん@初回限定
09/11/01 17:07:28 O4bnvpHoP
桂花は万能だな
さすがだ
883:名無しさん@初回限定
09/11/01 17:30:40 4+a2t7EE0
だが巨乳属性だけはカバーできまい
884:名無しさん@初回限定
09/11/01 17:39:10 uct+DrZi0
桂花調教3 ~こんな体にされるなんて~
885:名無しさん@初回限定
09/11/01 17:57:25 0woHAnnDO
蜂蜜パワー?
886:名無しさん@初回限定
09/11/01 20:39:32 DjrbTJ6X0
桂花調教4 ~もうダメッ!ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!~
887:名無しさん@初回限定
09/11/01 21:06:27 msy5n/Ul0
とりあえず、お前らが最低の屑だってことはよーく分かった。
888:名無しさん@初回限定
09/11/02 03:27:48 FhDRC81PP BE:871835292-2BP(4444)
避難所に風鈴さんが投下してるぞい
889:名無しさん@初回限定
09/11/02 07:25:24 HePK84aOO
ありがとう、ちょっと見てくる
890:避難所より転載
09/11/03 12:50:44 JXz92lnS0
492 名前:メーテル ◆999HUU8SEE [sage] 投稿日:2009/11/02(月) 23:34:07 ID:g1F0bfOE0 (PC)
わたしの名はメーテル……遅刻してきた上、規制に巻き込まれた女。
10分後にハロウィンテキストを投下させてもらうわね、鉄郎。
終わったら、どなたかスレの方に転載していただけると嬉しいわ……
891:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(1/15)
09/11/03 12:51:48 JXz92lnS0
「杷炉韻である!」
「杷炉韻だね」
「杷炉韻って何よ」
夏も終わり、そろそろ肌寒くなってくる秋の夜長。
王者の威風漂う、その絢爛なる部屋に、美羽、大喬、小喬の三人がいた。
「ふふん。小喬は相変わらず世間知らずじゃのぅ。どれ、大喬よ、不出来な妹に説明してやる
がよい」
「あのね小喬ちゃん。杷炉韻っていうのは、一刀さんがいた天の国の行事で、お化けの格好を
しながら『お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうぞ』っておどかして、お菓子をもらう行事なん
だって」
「そんな天の国の行事なんて、わたしが知るわけないでしょ!」
江南の二喬と呼ばれるこの二人が、城に住むようになってから、幾ばくかのときが流れてい
た。
呉からの交換人員として、半ば献上品のように差し出されたこの二人。元はといえば、美羽
と七乃の二人を籠絡するという密命を帯びて遣わされたのであるが、季節が一つ移り変わった
いまとなっては、すっかり美羽の遊び相手となってしまっている。
「というわけでじゃ、そなたら二人には、妾と共に仮装をして菓子をもらう栄誉を与える!」
美羽は踏ん反り返ってそう言った。
「何それ、勝手にすればいいじゃない。わたしたちには関係ないし。ね? お姉ちゃんもそう
思うでしょ?」
「わたしは……」
言いよどんで大喬が美羽を見ると、美羽が『それ! ずばっと言ってやるのじゃっ!』とい
うジェスチャーをしていた。
「……面白いんじゃないかなって……」
「ふはははははー! 流石に姉のほうはよくわかっておるのぅ!」
「またお姉ちゃんったら! 美羽には甘い!」
とまあこの三人、終始この調子である。
892:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(2/15)
09/11/03 12:52:40 JXz92lnS0
「で、仮装するって言っても一体何をするのよ。わたしもお姉ちゃんも準備なんてしてないわ
よ」
「うむ! 当然ながら妾に相応しい装いを用意してある」
「そんなこと聞いてないし……」
言うや否や美羽はとととと、部屋の隅へ歩いていき、そこに置いてあった木箱を手にとって
戻ってきた。
手にした木箱。
美羽はおもむろにそこに手を突っ込むと、入っていたものを取り出して二人に見せた。
「……南瓜?」
そう、中から出てきたのは、手のひらサイズのカボチャである。
だが、ただのカボチャではない。
職人技の精緻な彫り込みによって、見事に龍の頭の形に整えられていた。
「妾に相応しいものといえば龍しかあるまい!」
美羽はそう言うと、その龍の顔の形をしたカボチャを頭にのせて、えへんを威張ってみせる。
「そしてそなたらには、これを持つことを許す!」
と、彼女は次に、棒を二つ、それぞれ二喬たちにずずいと押し付けた。
「何これ?」
小喬はそう言って棒を受け取ると、しげしげとそれを見た。
棒の長さは肘からゆびさきくらいまでの長さ。
そしてその先端部分が、緑色をした鱗を持つ龍の胴体部分に繋がっている。
「あたしたちはこれを持ってあんたのあとについて行くってこと?」
「うむ!」
要するに、美羽一人だと龍の胴体を引きずることになるので、二人の役目はその棒で胴体部
分を支えていて欲しいということらしい。
明らかに三人いないと成立しないこの仮装に、小喬は深く溜め息をついた。
「しょうがないわねぇ……」
「わかったか。では参るぞ! 二人とも妾についてまいれ!」
「う、うん……」
「はいはい」
こうして、杷炉韻の夜がはじまったのだった。
893:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(3/15)
09/11/03 12:53:38 JXz92lnS0
◇七乃の部屋の場合◇
「さて、最初はまずここじゃ!」
まず美羽が立ち止まったのは、先ほどまでいた美羽の部屋の隣、七乃の部屋の前であった。
基本的に、美羽の重臣たちには希望すれば城の外に用意された屋敷に住んでもよいことにな
っている。
ただ、いま現在は城内に割り当てられた部屋で生活している者が殆どである。
この城に引っ越してきたときに、『お嬢さまのお部屋の隣がいいですぅ』と言って誰よりも
先に美羽の隣の部屋を確保した七乃も、そんな一人であった。
「はいはい。さっさとすれば」
「うむ!」
美羽は勢いそう言うと、元気よく七乃の部屋の戸を叩いた。
『人の部屋に入るときは、いきなり戸を開けちゃいけません』
一刀の教育のたまものである。
ドンドンドンドンッ!
美羽が戸を叩く。
「七乃、妾じゃ! ここを開けてたも!」
すると部屋の中から七乃の声がした。
『お嬢さまですか?』
「うむっ!」
『えー? 本当にお嬢さまですかー?』
「うむ! 本当の本当に妾なのじゃっ!」
『本当の美羽さまなら、この問題に答えられるはずです』
「何じゃ、申してみよ!」
『〝孫子が兵法において、一番大事なこととして説いているのは?〟』
「孫子って誰じゃ?」
『わー、本物のお嬢さまだ~』
894:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(4/15)
09/11/03 12:54:38 JXz92lnS0
ガチャリという音と共に、七乃の部屋の戸が開かれた。
それを見ていた美羽が『わははは』と得意満面な顔で入ってく。
そしてその後ろについて行く二人は、美羽の性格がこうなのは、七乃の影響に依るところが
大きいのではないのかという疑惑を深めたのであった。
「美羽さま、よくいらっしゃいました」
通された七乃の部屋は、趣味よく小綺麗にまとめられていた。
全体的に美羽の部屋と似偏った雰囲気があるが、これは美羽の部屋の内装などを決めたのが
全て七乃だからである。
「うむ七乃よ。今日は杷炉韻じゃ、妾に菓子を寄越すのじゃ! あま~いやつじゃぞ!」
「はいはい、わかってますよぅ」
言って、七乃は予め用意してあったのか、机の上にあった小箱から、薄紙に包まれたものを、
一つ、二つ、三つと手に取った。
「はい、お嬢さまの大好きな蜂蜜の飴ですよ~」
「おおっ!」
「はい、大喬ちゃんと小喬ちゃんにも蜂蜜の飴ですよ~」
「ありがとうございます、七乃さん」
「あ、ありがとう……」
そうして三人に飴を渡し終わった七乃は、改めて美羽に向き直った。
「いいですか美羽さま。沢山もらっても、蜂蜜の飴は、一日二つまでですからね。あと、食べ
たら寝る前には歯を磨かなくちゃ駄目ですよ」
「わ、わかっておるそのくらいっ! 我は四世三公を排した名門袁家の家柄であるぞ! わか
らぬはずがなかろう!」
「わーい流石お嬢さま! ここで家柄とか関係な~い!」
「わはは! そうじゃろうそうじゃろう! もっと妾をほめてたも!」
「あはは~」
895:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(5/15)
09/11/03 12:55:41 JXz92lnS0
夜の城に、わははあははと、明るい笑いがこだました。
「ど、どこから突っ込めばいいかわからなかったわ……」
「はははは……」
◇月・詠の部屋の場合◇
「わはははは、妾たちに菓子を寄越すのじゃ!」
次に美羽たちが向かったのは、月と詠に割り当てられた部屋である。
本来、陣営の筆頭軍師ともなれば一人部屋が割り当てられて当然なのだが、そこはそれ。彼
女たち二人の希望によって、二人は相部屋が割り振られているのだ。
「ああ、早速来たわね」
「うん。ちょうどそのお話を詠ちゃんとしてたんだよ」
「ならばわかっておるな! 菓子を寄越さねば悪戯をするのじゃ!」
その言葉に、思うところがあったのか詠が手で顔を覆った。
「……むかつくわ。そういう行事だってわかってても、恫喝外交に屈したみたいで、すごくむ
かつくわ」
さて、その部屋の内装と言えば、『上品』という言葉が似合うものであった。
美羽や七乃部屋と比べると煌びやかなどの点では、華やかさに欠けるが、その分落ち着ける
雰囲気なのだ。
机の上や、寝台の上、その他いろいろなところにファンシーな小物が置かれているのは、月
の趣味なのだろう。
896:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(6/15)
09/11/03 12:56:42 JXz92lnS0
「まあまあ。はい、美羽ちゃん。七乃さんから聞いてるよ、蜂蜜の飴」
「うむ!」
「大喬ちゃんと小喬ちゃんも」
「あ、ありがとうございます……」
「くれるって言うなら、もらっといてあげるわ!」
そうやって三人に飴を渡してから、月は美羽のほうに向いた。
「いい美羽ちゃん。沢山もらっても、蜂蜜の飴は、一度に食べちゃ駄目だよ。一日二つまでだ
からね。あと、食べたあと寝る前には歯を磨かなくちゃ駄目だよ」
その言葉に美羽は、
「……はて、先ほど誰かにも同じことを言われたような……?」
と、人差し指でこめかみを押さえながら首を傾げた。
「七乃よ! あんたさっき七乃からも同じこと言われてたでしょうが!」
「おおっ! そうであったそうであった! うむ、わかっておるぞ!」
わかっているのかいないのか、小喬が呆れる中、美羽はわははと声をあげた。
◇恋・音々音の部屋の場合◇
「おまえらいい加減騒がしいのですよ。馬鹿騒ぎがこの部屋まで聞こえていたのです!」
開口一番、音々音の口からそんな言葉が飛び出した。
城の外に屋敷を持つものもいるというのは、先ほどの通りだが。天下の『飛将軍』呂布奉先
もその一人である。
だが、彼女の場合は屋敷は持っているが、普段からそこに住んでいるわけではない。
与えられた屋敷には、主に動物たちが住んでいるのだ。そして彼女自身は普段、城内に用意
された部屋で寝起きしているのだ。
だが、そんな寝起きしている部屋にも、様々な動物たちが溢れていた。
ここにいる動物たちは、まだ子供ばかりである。
恋は拾ってきた動物や、怪我をしているのを手当てした動物の中でも、まだ子供のものはこ
うやって自分の部屋に引き取ってきて、暫く一緒にいるのだ。
なお、音々音が一緒に生活しているのは、彼女本人の希望によるものである。
897:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(7/15)
09/11/03 12:57:42 JXz92lnS0
「ささ、恋殿。あれを」
「うん」
恋は音々音に促されて、机の上に用意されていた薄紙に包まれた飴玉を、無造作にむんずと
掴むんだ。
「美羽、大喬、小喬」
「おまえら、ありがたく思うのですよ。恋殿が菓子は心が広いのです!」
そう言って二人が三人のほうを向き直ると、
『わふぅ』
「わはははははっ! こ、これ! 舐めるでない! わはは!」
『ハッハッハッハッハ!』
「やっ、駄目、ちょっと! なんてところに潜り込んでくるのよ! そ、そこはだめぇ!」
『ばうっ』
「お、重い、重いよ……誰か、助け……」
部屋の中にいた動物たちが彼女たちに群がっているところだった。
「おおう……なにやら絵的にすごいことに……。って、恋殿、手を差し出してどうしたのです
?」
「ねねにもあげる」
「な、何ですとー!?」
「一刀が、杷炉韻は子供にお菓子をあげる日だって……」
「ねねは、ねねはずっと恋殿について行きますぞー!」
音々音は、滝の涙を流しながら天にも昇る心地で叫びをあげる。
そしてそれに紛れるように小喬の声が、最後にか細く響いた。
「そんなことより早く、助けなさいよ……」
898:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(8/15)
09/11/03 12:58:42 JXz92lnS0
◇麗羽の部屋の場合◇
ややくたびれて麗羽の部屋の前。
そこで美羽は「う……」と呻いた。
ここに来て、初めて美羽は部屋の戸を叩くのを躊躇っていた。
「どうしたの? 早く叩けばいいじゃない?」
「わ、わかっておるわ!」
美羽が麗羽を苦手とすることを知らない小喬の声に急かされるようにして、美羽はドンドン
と戸を叩いた。
「まあ美羽さん! よくぞいらっしゃいましたわね!」
「ちぃーっす」
「美羽さま、こんばんは」
と、開かれた戸の中から挨拶を返したのは麗羽、猪々子、斗詩であった。
この三人に関しては、詠と音々音が城の外に屋敷を与えることに猛反対したために、城内に
麗羽に一部屋、猪々子と斗詩に相部屋が与えられていた。
その理由は
『あんなの放っておけるわけないじゃないっ!』
『何をしでかすかわからないのですっ!』
との二人の主張である。
要するに、この三人は要監視対象なのだ。
一応麗羽一人に宛がわれた部屋であるそこは、ある意味では美羽の部屋によく似ていると言
なくもなかった。
豪華絢爛。絨毯から調度品、その他小物に至まで、ありとあらゆるものが贅をこらされた逸
品で統一されている。
美羽の部屋が、美羽の趣味によるちゃめっ気がアクセントになっているとすれば、こちらは
豪華一点張りと言ったところである。
899:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と杷炉韻」(9/15)
09/11/03 12:59:43 JXz92lnS0
「まあまあまあ。その頭に乗せているカボチャが仮装ですのね。美羽さんにお似合いの、可愛
らしい龍ですこと。よろしいっ! 猪々子、この三人の飴をお与えしてちょうだい!」
「あいあいさー」
麗羽の合図に合わせて、猪々子が返事をする。
そして彼女は高笑いが響く中、三人に蜂蜜飴を渡して回った。
「うむ、大義である!」
「あ、ありがとうございます……」
「ふんっ、一応礼は言っておいてあげるわ!」
「いいって、いいってっ」
三人の反応に気をよくした麗羽はますますテンションをあげていく。
「ほーっほっほっほっほっ! 三人とも、この海よりも寛大なわたしの心に、感謝するといい
ですわっ!」
「まあ、飴を用意してくださったのは七乃さんなんですけどね」
「ほーっほっほっほっほっほっほっほっほ!」
そんな斗詩の声も無視して、麗羽の高笑いは次第にハウリングを増して……
「それでは麗羽姉さま。ありがとうございました」
と、そこで、美羽は適当に礼だけ言って、厄介なことに巻き込まれる前にそそくさとその場
を退出した。
「あの三人と話していると、頭が痛くなってくるのじゃ」
「ああはなりたくないわねー」
「だ、駄目よ二人とも、そんなこと言っちゃ……」