09/10/24 21:57:28 joG4JVAA0
一刀はいまも戦っている霞たちの方へと目を向けた。
侵攻してきた呉軍を撤退させることができれば、一刀たち本来の目的は達せられる。
だがいまの霞を見る限り、彼女が逃げる呉軍を追いかけて孫策たちの命を狙わないとは断言
できなかった。
「私だって本当はこんな真似は本意ではない……だが、軍が撤退を完了するまで、おまえを人
質にさせてもらう。幸い、おまえと張遼は知らぬ仲でもないようだしな」
「なんでそのことを……って、そっか真名か。でも霞が、俺の安全よりも、使命の方を優先す
る可能性は?」
「それはそれで仕方がない。おまえはただの保険だ」
「……それは、参ったなぁ」
そう言って、一刀は両手を頭の上に上げて恭順を示した。
霞を救わねばならない、そのためにはこの戦いを終わらせなくてはならない。
だが、目の前の蓮華は本気だ。
一刀は自分の腕前では、到底目の前の孫権に敵わないであろうことを承知していた。
それに、彼女もまた仲間を救うために最善を尽くそうとしているのだとわかってしまう一刀
には、これ以上どうすることもできなかった。
「君たちの目的は、あくまで無事に退くことであって、張遼を討ち取ることじゃない。これは
間違ってない?」
「ええそうよ。いまの張遼を討ち取ることで出る被害は見過ごせない」
「それを聞いて安心したよ……。わかった、君の言うとおりにするよ」
あるいはその言葉には、自分が人質に取られたことで、あわよくば霞が戦いをやめるかもし
れないという、期待が含まれていたのかもしれない。
けれど、あとで思い返せば、一刀はこのとき何が何でも逃げ出せば良かったと思うのだ。
363:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:57:36 ENyldGqS0
支援
364:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:58:12 skZ7j9oa0
紫煙を燻らせながらの支援、とくらぁッ!
365:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:58:54 ENyldGqS0
まあ火に油注ぐようなもんだよなあw
366:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:59:02 gqC1fWqb0
逆に追っかける名分ができてしまうでござる
367:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:00:23 t8xhMNu+0
支援砲撃だ!耕してしまえ!
368:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(11/21)
09/10/24 22:00:44 joG4JVAA0
張遼の動きが、突如として鈍った。
その目が驚愕に大きく見開かれている。
それがこちらの隙を誘い込もうとする罠であることも考え、思春は張遼から目を離さなかっ
た。
しかし、動きが鈍り、剣筋に迷いが生じたのも確か。
巻き返すには、これ以上ない絶好の機会であった。
「亞莎! 明命! 少しの間相手を頼む! 死ぬなよ!」
合図となる思春の声に、二人は黙して応えない。
ただ、手数を増やすという行動でのみ意思を示すだけだ。
それを見て思春は二人の理解に感謝し、大きく後ろに跳躍した。
思春が降り立ったのは、混乱する兵たちが固まる一角であった。
「聞けぇ! そして見よ! 孫呉の兵たちよ!」
そして思春は高らかにそう宣言しながら、その身を翻す。
同時、手にした刃が、水平に流れる。
合わせて、鮮やかな赤が飛び散った。
喉を切り裂かれて仰け反ったのは、逃げ出そうとしていた兵士の一人であった。
「甘寧将軍!?」
血迷ったかのような彼女の行動に、周囲の兵たちから困惑の声が上げる。
だが思春は、それをかき消す大声で叫んだ。
「貴様らそれでも栄えある孫呉の兵か! 恥を知れ! 怯える兵は孫呉の兵に非ず! 敵に背
を向けた臆病者は即刻、この私が冥土に送ってやろう!」
リィンと鈴の音が響く。その鈴の音と怒号に、誰もが息を飲んだ。
するとそれでそれまでの騒ぎが嘘のように、潮が退くようにして周囲が静まりかえる。
そしてそのことを確認して、この機を逃さず思春は言葉を続ける。
369:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(12/21)
09/10/24 22:03:35 joG4JVAA0
「なにをやってる楽隊! さっさと楽をならせ!」
従わなければ斬り捨てる。そう言外に言ってのける甘寧に、近くに控えていた楽隊が震え上
がった。
がなり立てるように奏でられ始める勇ましい楽の調べ。それに乗せて思春は更に叫ぶ。
「隊列を整えろ! 武器を構えろ! 訓練を思い出せ! 奮い立て孫呉の勇士たちよ!」
恐怖を制するには恐怖。
思春の行動によって、崩壊状態だった兵士たちの動きに歯止めがかかった。
本来のまとまりからすると目も当てられない惨状だが、いまはそれでいい。
戦いは流れだ、その流れを引き戻す一助になれば……最悪でも、蓮華たちが逃げのびる邪魔
にならなければ、それでいいのだ。
強引に統率を回復させた思春が再び張遼との死闘の場に戻ると、丁度三者が睨み合う形で動
きを止めているところであった。
亞莎と明命は二人とも肩で息をして、小さな手傷が増えているいるものの、きちんと健在で
ある。
「大丈夫か二人ともっ!」
その声に、
「私はまだやれます!」
「問題ありません!」
亞莎と明命は即座に応えて、戦闘継続の意志を構えで示した。
三人とも、既に数え切れないほどの刃を交えて、いやと言うほどにわかっている。
この敵は、これまで相手にしてきたどんな敵よりも強い。
その強さはどんな尺度で測っても桁外れだ。犠牲抜きに倒すことはまず不可能だろう。
370:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:05:38 +O3wFRQmO
支援砲撃!山の形を変えてやれ!
371:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:06:16 ENyldGqS0
支援
372:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(13/21)
09/10/24 22:06:33 joG4JVAA0
だが、
「ならばよしっ! 蓮華さまは小蓮さまと合流なされた、あとは我々が時間を稼ぐだけだ!
覚悟を決めろ! 例えここで命果てようとも、絶対に蓮華さまたちをお守りするぞ!」
『はいっ!』
三者とも、難敵を前にかつてないほど気力が漲っていた。
自分たちが最後の守りだという事実が、実力以上の力を引き出しているのだ。
負けられない、譲れない。
守りたい人がいる。
そんな想いや願いが彼女たちの原動力になっていた。
だがしかし、
想いの強さが力になるというのなら、
「邪魔や……」
願う心が力になるというなら、
「邪魔や邪魔や邪魔やああああああああああああああああああああああああああああ!!」
いまこの戦場で、彼女に勝るものなど誰一人としていなかった。
視界の先で喉元に刃を突きつけられ、連れ去られようとしている愛しい人を、守りたいと思
う気持ちは誰よりも強かった。
373:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:05 ENyldGqS0
ですよね~支援
374:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:31 skZ7j9oa0
生唾を呑みながら支援
375:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:52 t8xhMNu+0
あっちゃー、こりゃ火に油注いだな
まぁいい、支援砲撃は続行だ!
376:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:08:06 uOtNCXIh0
支援させて頂きます。
377:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:09:04 yPcROIUg0
だよなあ…… 支援
378:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(14/21)
09/10/24 22:09:20 joG4JVAA0
絶叫と同時、電光が走った。
叫びに呼応するようにして、空から稲妻が彼女の体に吸い込まれるように流れ落ちたのであ
る。
閃光、そして轟音。
たがうことなく霞の体に落撃する、晴天の雷。
だが、異常はそれだけで留まらない。
「なんだと!?」
驚く思春の声をかき消して、更に雷鳴。強烈な音と衝撃が、なおも周囲を襲った。
先ほどの雷と同じものが。立て続けて五つ六つと連続して落ちる。
しかもそれらすべてが、仁王立ちする張遼を直撃する。
幾度もまばたく電光の、あまりの強烈すぎる輝き。
瞼を閉じていてなお、網膜に像が焼き付けられるほどの光。
それはまさに、天が地に降り人の身に宿った瞬間であった。
しばらく続いた光と音の狂騒が静まり、視力が回復した人々が目にしたのは、一つの怪異で
あった。
体に稲妻を纏い、ほどけた髪を生き物のようにくねらせて、全身から黄金の光を放つ張遼。
あれだけの落雷を身に受けたというのに、当然とばかりにその身には火傷の跡一つない。
もうそれはいっそ、神と呼んで差し支えない、人間本来の枠組みを超えた存在であった。
379:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:10:31 +O3wFRQmO
火に油?
重油に爆弾でわ?
380:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:11:04 yPcROIUg0
孫呉オワタ 支援
381:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:11:20 t8xhMNu+0
あ、これ三国無双MULTI RAIDだわ
382:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(15/21)
09/10/24 22:12:53 joG4JVAA0
『………』
呆然とする思春たちを前、張遼は足を広げ、だらりと下げいた飛龍偃月刀を、掲げるように
頭上に構えた。
すると飛龍偃月刀がバチバチという音を立てて、一層強烈な光を放った。
異変はそれだけではない、周囲の空気が恐ろしい勢いで張遼の持つ槍へと引き込まれていく。
それはまるで、巨大な龍が大きく息を吸い込んでいるかのようであった。
不意に、蓮華は強烈な悪寒に襲われた。
最悪の光景、血の海の既視感。
彼女は即座に一刀と小蓮の頭を抑えた。
そして彼女は叫んだ、わけもわからず、ただ力の限りに。
「みんな、伏せ―――」
しかし、
直後、ためを解放して、人智を越えた神速で飛龍偃月刀が水平に振るわれた。
薙ぐようにして刃が走り、光が、奔る。
結局、蓮華はこの世に地獄が生まれ落ちるのを止められなかった。
霞を中心として、太刀筋が光の輪となって広がる。
衝撃と共に広がる光の輪。
斬光の同心円。
それがどこまでも広がっていく。
383:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:13:49 +O3wFRQmO
孫呉終了のお知らせをいたしま~す
支援
384:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:09 ENyldGqS0
支援
385:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:23 skZ7j9oa0
巨神兵を幻視したのは自分だけでいい…支援
386:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:36 t8xhMNu+0
今の霞ってこんな感じ?大分違うと思うけど
URLリンク(www.gamecity.ne.jp)
387:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:05 yPcROIUg0
空き巣狙いに全兵力突っ込んで人質まで取ってこれとか泣くに泣けんな。支援
388:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:24 uOtNCXIh0
一刀君、漢をみせろ。
支援。
389:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:25 ENyldGqS0
支援
390:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(16/21)
09/10/24 22:15:37 joG4JVAA0
そして、斬撃が風を切って過ぎ去ったあと、追いかけるように無数のなにかが空を舞った。
それも、一つではない。
無数の
それはもう無数の
首が、
首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
血の尾を引いて、空に舞う。
理不尽すぎる力の前に、無慈悲にも万単位の命がに失われた瞬間であった。
391:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:16:44 yPcROIUg0
って一撃で万単位かい。何という無理ゲー
支援
392:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:06 GAN4tvreO
トラウマじゃすまないなこれ……
支援
393:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:32 ENyldGqS0
本当に理不尽だw
394:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:41 a7ESfplu0
こ、怖過ぎる・・・
395:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:18:40 a7ESfplu0
一気に400近くの首が飛んだのか・・・
396:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:18:42 +O3wFRQmO
あれ?俺いつの間に型月のフェイトを読んでるんだ?
支援
397:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(17/21)
09/10/24 22:18:49 joG4JVAA0
「そ、んな……」
二人を地面に引き倒して自らも難を逃れた蓮華が、顔を上げて呆然と呟きを漏らした。
視界に入る範囲、いたるところで頭部を失って案山子が立っていた。
立ち尽くした無数の亡骸が首から勢いよく血を噴出させている。
それが、一つ、また一つと倒れていく。
その光景はあまりにシュールすぎて、まるで悪い冗談のようで、蓮華にはそれらがつい先ほ
どまで皆生きていた人間たちの、なれの果てだとは信じられなかった。
そうして蓮華が絶句する中、張遼の方でも変化が起こっていた。
彼女が握っていた飛龍偃月刀。それが突然、硝子の割れるような澄んだ音を立てて、木っ端
微塵に砕け散ったのである。
柄も、刃も、すべてが破砕して、輝く粒子となって崩壊して風に流れて消えていく。
人為を尽くした最高の業物であったそれも、いまの彼女が振るうにはあまりに脆弱であった
のだ。
得物を失った張遼であったが、彼女が右腕を天に掲げると、たちまち天から新たな稲妻が走
った。
だが、今回のそれは張遼の身に落ちたわけではない。
雷光の中、張遼は信じ難いことに、その手に落雷を掴んでみせたのだ。
掴まれた稲妻が、まるで苦しみに身をよじるようにして暴れ回る。
「―――っ!!」
暴れる雷に、張遼が声にならない叫びを上げた。
するとどうだろう、それまでのことが嘘のように雷が静まっていく。
そうして雷が収まったとき、張遼の手の中には黄金色に輝く飛龍偃月刀が握られていた。
稲妻を統べ、龍を使役する。
それはまるで神仙の御業のようであった。
398:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:19:47 +O3wFRQmO
>395
>一気に400近くの首が飛んだのか・・・
万だよ万
399:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:20:03 t8xhMNu+0
ゼウスかよwwww
しかし、ここまでくると種族:霞だな
400:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:20:08 skZ7j9oa0
ゲシュタルト崩壊モノだな、コレ…支援
401:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:21:00 gQCBMlgu0
まさに三国無双状態だな
402:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:21:04 yPcROIUg0
事情知らないと、天の使いに手を出したから天が怒ってるんだ、とか思ってもおかしくねぇ展開だなあ
支援
403:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(18/21)
09/10/24 22:21:22 joG4JVAA0
しかし、そんな光景を目にしても、なおも奮い立つ者たちがいた。
「くそっ……化け物めっ! 行くぞ二人とも! 我らの血のたぎりにかけて、なんとしても絶
対にこれ以上好きにさせるな!」
「は、はいっ!」
「仕留めますっ!
蓮華の叫びで咄嗟に伏せることができたため、災禍を逃れた三人である。
呼吸を合わせ、一斉飛びかかる思春、亞莎、明命。
先ほどと同じ、三対一の戦いが始まった。
まとめて幾十、打ち鳴らす剣撃の音が、血の海の地獄に響く。
けれども、そうして対峙する黄金色の張遼は、これまでとはまったくと言って良いほどに、
力も、速さも何もかも違っていた。
明らかに、強さが増している。
それでも三人は、完璧な連携で攻撃をし続ける。
取り囲んだ三方からの、間断ない超速の連続攻撃。
突き、絶ち、斬り、穿ち、弾き、裂き、砕き、刺し、薙ぎ、崩し、殴り、蹴り、返し、衝す。
持てる技のすべてをぶつける、出し惜しみなどしない。
ただ一人の敵を倒すために、全力で挑む。
そうする彼女たちは確かに強かった。
けれども、それは人という枠組みの中の話である。
404:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:22:03 a7ESfplu0
>>398
首が で判断したんだ。オイオイ・・・どこの神話の世界だよ・・・。
405:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:22:40 +O3wFRQmO
>399
種族:霞
「今後ともよろしく」
406:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:23:54 8U/w3ig20
>>405
ちょっとメガテンやってくる!
407:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:24:01 skZ7j9oa0
む、『絶ち』は『断ち』の間違いか…?
俺の勘違いだったら謝るぞ…支援
408:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(19/21)
09/10/24 22:24:16 joG4JVAA0
最初に崩れたのは、亞莎の担う一角であった。
彼女の武器は他の二人と違い、圧倒的にリーチが短い。
鉄甲という武装は、究極的にはインファイト以外の選択肢が存在しない武装なのである。
しかしそれでも、本来なら長柄武器を持つ相手に対して、鉄甲による打撃域に踏み込めたの
なら、そこが最も安全な距離となるはずだった。
だが、こと今回の戦い、この相手に限って言えばその原則が当てはまらない。
張遼が振るうあまりの暴力、あまりの破壊力、それは余波と呼ぶにはあまりに大きな力のう
ねりを発生させていた。
荒れ狂う嵐のようなその動きに、少しでも巻き込まれたのなら、人間の体などあっさりと圧
壊されかねない。それだけの恐怖を張遼の動き一つ一つが秘めていた。
そして、常に敵の眼前に居続けることで、最もそのプレッシャーに晒されるのも亞莎であっ
た。
そんな彼女の消耗の速さは、他の二人の比ではない。
加えて、亞莎は純粋武官である他の二人に比べてスタミナが足りていない。
あるいは昔のまま、武将として蓮華に仕えていたなら違ったかもしれないが、軍師に転向し
た彼女が、最初に耐えられなくなるのは自明の理であった。
「くううぅっ!!」
摺り足、踏み込み、体捌き、足捌き。
亞莎は踊るようにして、最前線で果敢に接近戦を挑み続ける。
だが、衰えを知らずに攻め立てる二人に対して、徐々にだが彼女の動きだけが遅れだしてい
た。
「大丈夫か!」
「まだ、やれま……きゃっ」
「亞莎!?」
409:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:24:57 ENyldGqS0
支援
410:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:26:13 +O3wFRQmO
>406
せめて今日の分、見てからにしる。
その後なら、でもアクシデントでも霞は出てこないぞ(笑)
411:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:27:18 Wx7yBNga0
終わりがけだが支援開始
412:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(20/21)
09/10/24 22:27:25 joG4JVAA0
明命を攻撃した飛龍偃月刀の余波で発生した、のたうつ蛇のような放電現象を受けて、生理
現象として亞莎の足の筋肉が痙攣を起こす。
そしてそのわずかな隙を見逃さず、すかさず張遼の鞭のようにしなる強烈な蹴りが入った。
「うああっ!?」
咄嗟の防御、左腕をたたんで張遼の足との間に人解を滑り込ませた亞莎だったが、それでも
その衝撃は彼女の腕と内蔵の一部に、看過できないダメージを残すに十分な一撃だった。
防御した姿勢のまま、その軽い体が威力を吸収しきれずに吹き飛ばされそうになるのを、彼
女はすんでのところで踏ん張って堪えた。
そして、
「ぅ」
亞莎は踏ん張った姿勢のまま腰を沈ませ、そしてこれまで行った中で、最大最圧の震脚を踏
んだ。
「ああああああああああああああああああああああ!!!」
音を立てて地面が抉れる。
そこから生まれる圧倒的な速さと破壊力を持った、彼女そのもののような愚直なまでの拳撃。
亞莎はそれをまっすぐに、放つ。
避けられても、まっすぐに。
受けられても、まっすぐに。
放つ、放つ、放つ、
放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ!!
413:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:07 Wx7yBNga0
もういっちょう
414:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:28 ENyldGqS0
支援
415:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:54 ZYuvIaXS0
支援
416:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:29:25 yPcROIUg0
最後の支援っ
417:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:30:23 +O3wFRQmO
恐らくこれが今日最後の支援と成るだろう、私から言えるのは皆死ぬな!まだ明日も有る!以上だ。
418:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(21/21)
09/10/24 22:31:32 joG4JVAA0
防御に使った左腕は、折れてこそいないが動かすだけで尋常ではない痛みが走る。
一方肋骨の方は、数本まとめて駄目になっているだろう。
体を動かす度に、これら負傷箇所から気絶するほどの激痛が走る。
痛めた内臓からの出血が逆流し、口の端から血が溢れて地面を点々と汚すけれども、そんな
ことには構っていられない。
亞莎は命を燃やして怒濤の連打を繰り出し続ける。
「亞莎!!」
「亞莎っ!?」
フォローに入ろうとしていた思春と明命から悲鳴のような声が飛ぶが、それでも亞莎の動き
は止まらない。
「あああああああああああああああああああああ!!」
幾十幾百、唸りを上げて間断なく打ち付けられる拳打の嵐。
鬼気迫る表情で、亞莎は渾身の一撃を放ち続けた。
(持って十秒! どうかっ!)
そのとき、衝撃と音で気を失っていた一刀が目を覚ました。
彼が頭を起こし、そして真っ先に目に飛び込んできたのは、激しく拳を振るう亞莎の姿であ
った。
それを見て一刀は、
〝ああ、まるで、燃え尽きる寸前の線香花火のようだ〟
と、思い。
そしてそんな彼女のことを、心の底から綺麗だと思った。
419:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:32:25 ENyldGqS0
支援
420:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:34:37 t8xhMNu+0
一刀さん!ボーっとしてないで亞莎と霞を止めて!
421:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:35:46 +O3wFRQmO
一刀…見とれてないで動けよ
422:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:35:57 yPcROIUg0
亞莎逃げて! さりげなく一刀に君の死亡フラグ立てられてるから!
423:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:36:11 uOtNCXIh0
お疲れ様でした。
霞~、帰って来~い。
424:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:37:15 +O3wFRQmO
>420
`¨ - 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
 ̄ー┴'^´
425:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/24 22:38:36 joG4JVAA0
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
思いの外派手になっているけど、多分これから先、ここまで派手なものは多分もう書かないと思うわ。
それでは、最後は明日の午後9時30分からよ、鉄郎……
426:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:40:08 sqcrIv6X0
メーテル乙
亞莎ガンガレ
427:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:41:12 skZ7j9oa0
お疲れ様でした!
さてコレからどうなるか…楽しみですな
428:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:41:22 GAN4tvreO
乙です
そりゃこんなの見たら袁仲に喧嘩売れないわ
429:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:42:00 MLa84M8X0
一般兵からしてみりゃ、こんなのの居る国に喧嘩売って勝てるとは思わないよなあw
430:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:42:22 ENyldGqS0
メーテル氏乙です
もはやここまでくると天災みたいなもんだなw
せっかく転がり込んできた貢物(一刀)を捧げて静まるのを待つしか
しかしシャオの勘違いはその後混乱を呼びそうだなw
431:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:43:46 Wx7yBNga0
乙カレー 毛の長い女 くれぐれも便所には気をつけるんだぜ
432:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:45:04 XWM9YCam0
霞さんいつのまに宝具エクスカリバーを手に入れたんですかw
433:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:48:04 +O3wFRQmO
三国バサラ?
メーテル氏乙
独り言だとブ○ッ○ラ○ー○9
434:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:56:01 GAN4tvreO
≫432
設定的にも『約束された勝利の偃月刀』状態だしw
435:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:56:17 +6vtZ8MD0
いやあ、ここまでくると、もう霞は自然現象みたいなもので、それにひたすら立ち向かう三人が、
美しくてかなわんね。
436:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:58:24 a7ESfplu0
霞「我は天の災い。この場所に居たお前達は、運が無かっただけだ。」
437:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:05:35 skZ7j9oa0
>>369の15行目、『小さな手傷が増えているいるものの』ってなっている事を報告
正しくは『小さな手傷が増えているものの』と思われる
438:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:10:28 +6vtZ8MD0
>>344
>神速ので突きを受け流す
神速での か 神速の どっちかの間違いかな?
439:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:21:18 bWbORHF+0
思春が来なければ収まってたのに…
蓮華も人質とかするより、皆で土下座でもして謝った方が
多分ここまでの惨劇は起きなかっただろうな…
命がけの3人には悪いが、万単位で人殺せるの相手だと
誇りや信念がいくらあっても勝てそうにない
440:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:25:37 +6vtZ8MD0
普通は相手がそんな存在だと思わないw
少なくとも当日までは、それなりに普通の武将だったんだぞw そりゃ、強いのは強かったが人間だったのが
いきなり人外になってるって普通想像しないよw
441:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:29:50 cS3k0fm/O
思春も蓮華も極めて常識的な判断だよ
今の霞が非常識ってレベルじゃねーだけだ
442:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:30:37 ENyldGqS0
敵対勢力としては排除を試みるか撤退するかしか無いからな
んで今は撤退開始するとこだから時間稼ぐしか蓮華達に選択肢は無いよな
止めるのに一刀を使うとすればまあ人質ってのは妥当な判断ではある
今回の場合全くの逆効果だけどw
443:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:32:54 D/YKU7dP0
一刀が死んでないだけましか。
2話前に殺されてたらその場で孫一派が滅んでもおかしくは無いと思う。
444:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:46:17 K0x4e4aj0
しかしながら、主要キャラの死人なしで収拾つけるのは無理だな
445:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:00:29 sqcrIv6X0
メーテルおそろしい子
魏√アフターで、
華琳がもう限界(キレタ)
↓
そうだ一刀をさらいに行こう
↓
管輅に頼み込んで(シバキ倒して)天の国へ行く方法を知る
↓
誰が行くか揉めに揉めて華琳、桂花、凪、季衣に決定
って所までをシリアス無しで
2200字ぐらい書いたけど
自分の稚拙な表現に愕然とした・・・
スッパリとやめる決心がつきました
メーテルありがとう
全裸待機で続きを楽しみに待ってます
446:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:04:31 UdEg5xQ/0
天に行く方法なら管輅に聞くより
真桜えもんがタイムマシンを作る方が何故か納得できるな
447:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:20:43 ZyU/svR20
メーテル氏乙です
あわわわ、霞さんメタモルフォーゼしてしまった・・・どうする一刀。
続きが気になる
448:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:29:58 q71zEkwp0
首が・・・のところで夢枕獏を思い出した自分・・・
449:名無しさん@初回限定
09/10/25 03:09:10 COUJVlSc0
>445
投下してみてはどうか?
自分も皆には及ばないが、こつこつと魏ルートアフターで霞のはなしを書いているぞ。
プロットは出来上がってるのだが、仕事が忙しくて肉付けがなかなか完了しないorz
450:名無しさん@初回限定
09/10/25 05:43:45 nC4MenvU0
うむ、比較してしまう気持ちはわかるが
投下して反応を貰うことで成長できる部分もあるだろうし
気軽にやってみてもいいんでないかな?
451:名無しさん@初回限定
09/10/25 08:20:44 WIJhcbmn0
ほーけい『反応みてるってことは見せてっていってほしいんだろにーちゃん、はやくだしなよ』
452:名無しさん@初回限定
09/10/25 09:56:20 uO3aIikk0
結局古参は、職人に好意的じゃない奴には噛み付くのなw
優しく言うとか関係ないし。
これじゃ直に投下する職人も減るわ。
自分のせいで荒れたらたまったものじゃないしな?
453:名無しさん@初回限定
09/10/25 10:53:30 mqCjf/Eu0
新参乙
454:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:02:42 lFQqOA2i0
今回のはどう見ても職人に好意的じゃないから噛み付かれたんじゃなくて
昔話し合って出来たテンプレをちゃんと守ってるのに自分ルールを押し付けようとしたから噛み付かれたんだろ
状況をちゃんと理解してから書き込め
455:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:19:54 SvuAapxoO
>>452の脳内で「俺ルール>>>>>>テンプレ」なのはよく分かった
456:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:29:00 8LQC8aWf0
構うなよ……。
それはともかく、
>>445
背中おしてほしいんだろ、ほら、やってみるんだ。
まあ、実際、同じテーマででも短いものを書いてみて、それを投下して様子を見るってのもありだぞ。
457:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:02:09 Vh7mq85F0
背中押しておいて一歩踏み出すと袋叩きにして追い返す
それがここのクオリティ
458:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:07:35 3Jvq/ucR0
>>457
袋叩きというがこちとらアドバイスのつもりで言ってるんだぞ?
459:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:17:40 E5T1F5s00
>>テンプレうんぬんやらルールやら
まぁ>>452はテンプレ嫁とも思うが……
四日連続というのもどうだろうとは思ったな
一般的な生活してたら投下できるのなんて夜くらいだろうし。
いくら事前予告って言ってもそういった投下できる時間を一週間の半分
奪いますよっていうのはいいのか?
俺はそれで自分の好きな作者が投下お預け食らったりしたら最悪だけどな
なんつーか、ルール内のことでも限度があると思う
というか、その辺を考えてるから昔、直投下してた人たちはやめたんだと思う。
そうでなきゃ、タイミングしだいでレスのつき具合が変わるtxt投下なんてしないだろ。
直投下の方がリアルタイムで支援やら途中経過での期待の言葉やら貰えて気分良いし。
投下してる間に人が増えてレスもつきやすくなることだって少なくないし。
手間だって、何レス分かにわけて投下すりゃいいだけだからそんなめんどくさくない。せいぜい時間くらい。
それでもtxt投下をしてくれるようになったから同じ日にいろんな作品の投下が可能になったわけだし。
そうやってちょっと考えれば作者たちがそれぞれ気を遣ってるのがわかる。
とは言っても、txt投下しろとは全く思わん。直投下はやっぱり良いもんだからな。
ただ他の作者の投下タイミングを"四日も潰す"ことはしないで欲しかったな。
それと、取りあえず流れを見て思ったのは、お前らは他の作者への被害はどうでもいいってことなんだな。
SSさえ読めて問題の作者がルールを一応でも守っていれば……。ようくわかったよ。
460:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:19:30 8LQC8aWf0
こうして、善意(のつもり)の愚か者のせいで、さらにスレが廃れるのであった。
461:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:05:58 dymG3yro0
こまけぇこたぁ(ry AAry
462:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:16:37 nC4MenvU0
えーと、一応ここで以前書いてた者の一人として言わせてもらえば
投下のタイミングが数日遅れることで困ることはとくにありませんので
お気になさらず
463:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:30:31 YMuOVHVz0
俺もここでたまーに短めの短編上げてるが、『絶対今週に上げたい!』なんて思うこと無いぞ。
予告無しで4日間連続で上げられたらまたかーぐらい思うだろうけど、予告もあるわけだし。
464:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:41:14 zY11o0XJ0
>>459
以前は投下が被ることなんかよくあったし、その辺は作者同士で
「この時間に投下予告されてますが、投下しても大丈夫ですか?」
的なことを聞いて「どうぞどうぞ」的な感じで折り合いつけて
うまくやってたっつーの
ここに投下してくれてる作者方もその状況を知ってる人が多いし、
オマエみたいにそれをすぐ「被害」とかいってしまいうような
謎な被害妄想を持ってる程度の低い人間じゃないから
465:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:45:46 BKvZooA90
さて、質問があるんだが良いかね?
今、『恋の日記』みたいな感じで短いの書いてんだが…
字数は少なくても、最大32行は守った方が良いよな?
466:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:46:51 8LQC8aWf0
守った方がいいもなにも、三十二行より多く入れて投稿できないよ。この板じゃ。
467:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:54:03 BKvZooA90
>>466
スマン、どうにも書くのが初めてな分、不慣れでな
答えてくれてアリガト、感謝する!
468:名無しさん@初回限定
09/10/25 16:15:37 d0kamCQD0
ガイドラインの1.はルールじゃなくてこの板の仕様だよ
469:名無しさん@初回限定
09/10/25 16:59:06 o1KZZthG0
貂蝉と卑弥呼を同時に相手して互角の華雄が実は恋姫最強なんじゃ
470:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:03:54 2NgrPwdH0
恋する乙女は皆最強です
471:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:15:44 a3vSLBwb0
じゃあ紫苑と祭と桔梗が弱いってことになるじゃないか!
472:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:18:23 gXDxx0pS0
華雄は負けたあと修行して超パワーアップしてるから二人相手に互角
473:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:37:10 jTlra/XW0
でも修行してパワーアップしても愛紗に負けてたり……
まあ、恋姫†夢想の話だが
474:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:52:34 sw49BYkB0
>>467
赤壁での孔明の策を船ではなく生身でやってのけるとは、すごいな
475:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:53:57 Vh7mq85F0
>>459
消えろカス
476:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:54:42 cRXTq/+gO
>>471
年齢の関係もありますね、わかります
477:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:54:49 sw49BYkB0
おっと、>>474は >>471へのものだ。失礼した。
478:名無しさん@初回限定
09/10/25 19:01:55 Nn3j0avl0
そういや真恋姫夢想はでないのか?
479:名無しさん@初回限定
09/10/25 19:54:47 BKvZooA90
な、なぁ…恋の日記、桃香しても大丈夫か?
gdgdで、初めてで、オチなしなんだが…妄想力が尽きたorz
しかもたったの3レス分だ…
480:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:01:17 8LQC8aWf0
どーんといけ。
最初は短いのでちょうどいいじゃないか。
そうして、だんだんと慣れてくほうがいいぞw
481:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:07:17 BKvZooA90
そ、それじゃ次のレスから桃香開始!
さぁ、オラに力を分けてくれ!(感想的な意味で
482:とある恋の日記
09/10/25 20:08:57 BKvZooA90
―とある恋の日記―
あったかい日のお昼
ご主人様が庭に来た
セキトやみんなの話をした
恋にあんなに話して来た人、初めて
寝ると気持良いと思った日のお昼
ご主人様と“けいら”をしに市に行く
美味しそうな香りがしたからお腹が減った
そしたらご主人様、いっぱいご飯買ってくれた
やっぱりお腹いっぱい食べれるのは良い、幸せ
“けいら”が少し、好きになった
雲が美味しそうな日のお昼
寝ていたらご主人様がいつのまにか傍に居た
夢かと思って手を伸ばしてみた、けど掴めたから引っぱった
隣に寝るご主人様はあったかい
それに、いい香りがしてなんだかほわほわする
気がついたら夜になってて、愛紗にご主人様が怒られてた
ご主人様、大変そうだった
483:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:11:18 xS+gnDtR0
恋の日記
かゆ
うま
484:とある恋の日記
09/10/25 20:11:33 BKvZooA90
セキトとお散歩の日のお昼
ご主人様も一緒にお散歩
セキトも何だかいつもより嬉しそうだった
恋もご主人様と一緒で胸がきゅっとなった
…こんな感情、初めて
その後の水浴びもなんだか落ち着かない
ご主人様が気になって、気になって、気になって…
…また、胸がきゅっとした
チョウチョが可愛く飛んでた日の夕方
愛紗とご主人様が一緒に居た
笑って、怒られて、苦笑して、また笑ってた
愛紗も怒ってはいたけど口元が笑ってた
………胸の奥が、チクッってした
少し暑い日の朝
ご主人様に会いに行こうとしたらお仕事中だった
邪魔しちゃ悪いと思った、けどまた愛紗が一緒に居た
…愛紗ばっかり、ずるい
愛紗はいつもご主人様を独り占めする
………胸の奥がまた、チクッってした
485:とある恋の日記
09/10/25 20:12:39 BKvZooA90
涼しくて気持良かった日の朝
ご主人様の部屋に行った
でも寝てたから何となく眺めてた
ご主人様の寝顔は何度か見てる
けど、なんだか胸の奥がキュッってして顔が熱かった
結局、恋はご主人様を起こさずに部屋を出た
お引越しの日のお昼
ご主人様が殿をやるって言った
愛紗達みんなが止めてるのに、鈴々だけ連れてって…
恋も、目の前が霞んで見えた気がした
だって、ご主人様は弱い
強いけど、弱い
なのに危ない所に行く
だから恋は、自分からついていく
ご主人様が死なないように
それ以上に傷付かないように
ご主人様の傍が恋の居場所
ご主人様の笑顔が恋のご飯
ご主人様の幸せが恋の幸せ
………その日、戟がいつもより軽く感じた
486:とある恋の日記
09/10/25 20:17:02 BKvZooA90
…以上となりまふ!
ゴメン、オチがあんまりにも唐突なのは俺の所為だから恋を殴らないで!!
至らない所は多々あれど、精進中の身故、何卒平にご容赦をOTZ
>>483
絶対やると思ったよ!
487:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:17:53 7vEshT+wO
>483
一瞬同じ事を思いついた事は認めるぞ。
488:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:20:03 7vEshT+wO
恋を殴れる訳ないじゃ無いですか、心情的にも技量的にも(笑)
489:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:26:49 rEXRaYPB0
乙。
なんというか日付があれなのがが恋らしいと言うか、可愛いw
490:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:51:46 u94VVDJtO
日記乙
なかなかいいと思うけどな
キャラもちゃんとらしいと思うし
SS続ける気が有るなら頑張れ。
491:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:01:22 sw49BYkB0
乙です
ちょっと気になったんでひとつ
細かい話だから無視してくれていいよ
>>484 …こんな感情、初めて → …こんなキモチ、初めて
に直したほうがキャラを掴めてる気がする
お目汚し失礼
492:とある恋の日記
09/10/25 21:12:27 BKvZooA90
何か友達の電話から戻って来たら感想が!コレは謝々と言わざるを得ない!
>>488
たしかにどう考えても心情的にも技術的にも無理です、ありがとうございました
>>489
日付は意識してたんで何か嬉しす
>>490
取り敢えずは恋の日記をもう一回は書きたいなぁ…と
後はもう、気分!
>>491
…確かにそっちの方が恋っぽいorz
うぅむ、まだまだ精進が必要なのを痛感!
直したいけど桃香しちゃったから直せないナリィ…
兎にも角にも感想謝々!すげぇ励みになったわ~
493:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:12:57 M1ju7/lvO
GJ!
久々に和み系作品読ませて貰ったよ
494:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:14:17 8LQC8aWf0
恋かあいいのう。
でも、とりあえず三点リーダは一つじゃなくて二つ組で使ってほしい。
495:とある恋の日記
09/10/25 21:20:17 BKvZooA90
>>493
おぉ、和んでくれたなら本望!
>>494
自分でも三点リーダーは二つ組の方が恋らしいと今回で思ったよ
コレで更なる恋の日記がかけるやも!?
感想が一杯が嬉し過ぎて生きるのが辛い
496:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/25 21:20:58 bsXt3xFD0
わたしの名はメーテル……9時半から、最後の分割分を投下する予定の女。
ながながと付き合って貰ったこの短編も、今回の投下分でおしまいよ、鉄郎。
>>492
桃香乙よ……
犬っぽさが出ていて、とても良かったと思うわ。
次も楽しみにさせて貰うわね……
497:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:24:15 I7P7QohJ0
>>495
三点リーダは恋らしいとか以前に二つセットで「……」のように使うのが正しい使い方なんだよ
498:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:28:28 8LQC8aWf0
恋姫のゲームでも三点リーダは二つ組で使われてるしね。
>>496
今日で終わると思うとどうなるのか楽しみでもあり、不安でもあるなあ。
投下待ってるよー。
499:とある
09/10/25 21:28:36 BKvZooA90
>>メーテル氏
ま、まさか感想を頂けるとは思わなんだ
一所懸命頑張る所存であります!
毎回読ませて貰ってるので楽しみに待機する故!
>>497
それは初耳!
また一つ勉強になった、謝々!
500:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(1/33)
09/10/25 21:31:10 bsXt3xFD0
一秒、
「くそっ! 明命、次で決めるぞ!」
叫んで思春が、必殺の形に鈴音を構える。
「はいっ!」
明命も同じように、両手で魂切を強く握りしめた。
亞莎が行っている連続攻撃は、先ほど思春が行ったものと同じ類の性質を持つものだ。
ペース配分を考えないがむしゃらな全力攻撃で、釘付けにして動きを止めるつもりなのだ。
彼女は負傷によって自分の自由に動ける限界が近いことを悟り、あえてその役目を買って出
たのだ。
それはひとえに、残りの二人が未だ健在なうちに、決定打を打てるようにするためにである。
二秒、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「はあああああああああああああああああああ!!」
呼吸を整え、『ため』を作り、最高の一撃を放つために精神を研ぎ澄ます。
仲間が決死の覚悟で作り出してくれた、その一時を無駄にしないために、来るべき一瞬のた
めにすべてを込める。
三秒、
依然として亞莎の動きは止まらない。
それどころか、左右のラッシュは天井知らずにその回転速度を上げていく。
最初こそ完璧に捌き、弾き、防いでいた張遼も、一発、もう一発と被弾する数が増えてきた。
そもそも亞莎の攻撃は、雨あられの連撃とはいえ、一発一発が熊でも昏倒させうる一撃であ
る。
だというのに、それを何発当てても亞莎の手に返ってくるのは岩でも殴ったかのような感触
のみ。
501:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:31:48 BKvZooA90
支援開始!
502:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(2/33)
09/10/25 21:33:26 bsXt3xFD0
しかしそれでも、
(効いているはず!)
そう信じて亞莎は拳を打ち続ける。
そうしているうち、張遼の動きが突然止まった。
まばたきの間に、ダース単位の拳が張遼を捉える。
明らかに何らかの変化が起こる先触れであろうが、それを訝しむ時間すら惜しいと、亞莎は
構わず拳を振るい続けた。
そうして次に張遼は、握った槍を、天に向かって返すようにして放り投げた。
「―ッ!?」
予想だにしなかった行動。それでも手は止めず、驚きを内心だけに留めた亞莎は賞賛される
べきだったろう。
四秒、
すぐに亞莎は張遼の行動の意味を理解することになった。
飛龍偃月刀を放り投げて素手となった張遼が、ここにきてはじめて明確に迎撃の構えを見せ
たのである。
体は猫背に曲げられ、手はだらんと下ろされる。
それは、亞莎にとって見たことのない戦闘姿勢だった。
直後―
(これはっ!?)
怒濤の連続攻撃を繰り出していた亞莎が、その頭を直感だけで後ろへ退いた。
ほぼ同時、真下から打ち出された豪腕が、風を伴って鼻先を掠めた。
「っ!!」
驚きが顔に出るが、それでも動きは止められない。
亞莎は張遼の拳を避けながら、その動きを反動にして頭を振りながら前に出て左右のワンツ
ーに連結しようとする。
だが、その振り子の揺り戻しに合わせて、更に視界の外、見えない角度から新たな拳が飛ん
できた。
反応。
これも首を捻って、亞莎はギリギリで回避することに成功する。
それで亞莎は明確に理解した。
張遼は、自分と素手の打ち合いをするために武器を捨てたのだと。
503:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(3/33)
09/10/25 21:36:35 bsXt3xFD0
五秒、
正面から顔面を狙って突き出した亞莎の拳が、空を切る。
張遼が背骨を直角に曲がるほどに体を反らして、攻撃を避けたのである。
むしろ逆に、亞莎の視界が予想外の衝撃と激痛で揺れた。
「!?」
張遼が避けながら無茶な姿勢で放った拳が、脇腹を抉ったのだ。
「くぅっ!」
亞莎はそれを、奥歯が割れるほどに力を込めてその場に踏ん張った。
だが、突然拳に力を乗せるのに欠かせない、足を踏み込むための力が抜けた。
足がガクガクと震えそうになるが、それも根性で抑え込む。
そうしてとりあえず手数で刻む連打によって弾幕を張る。
けれども、足が動かない。
フットワークなければ、張遼の拳は避けられない。
張遼の拳が唸り、粉々に砕けた片目がねが宙を舞った。
六秒、
張遼の拳が亞莎の顔面に、左腕に、脇腹に次々突き刺さる。
為す術もなくサンドバッグのように殴られ続ける。
当然のこととして亞莎も防御しようと試みているのだが、低い体勢、そしてなお低い位置か
らの拳が、無駄な動きという天然のフェイントを織り交ぜることで、巧みに死角から彼女を狙
い打つのだ。
時折亞莎も反撃の手を出すのだが、
「――ッ」
それはことごとく回避されてしまう。
504:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:37:57 u94VVDJtO
支援戦闘を開始する!
505:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(4/33)
09/10/25 21:39:32 bsXt3xFD0
七秒、
切れた額から血が流れ、目に入って開けていられなくなる。
もっとも、元来目の悪い亞莎は、相手の姿を眼で見ていない。
気配と予測で動きを察知して防御し、攻撃しているのだ。
だがそれでも、体が動かなくなれば、どちらも適わなくなることに変わりはなかった。
八秒
見るも無惨な残虐の時間が続く。
ろくに動けない亞莎の体に、打ち込む拳が容赦なく突き刺さる。
腰もろくに入ってないように見える拳が、異様に重たい。
これまで徒手を武器にする者とも幾度となく戦ったことのある亞莎だったが、こんな戦い方
を目にするのははじめてだった。
当てられない、避けられない。
それでも時間はすぎていく。
九秒、
「う、ああぁぁっ!?」
ついに亞莎の体に致命的な一発が入った。
体の内側から強烈な熱が広がり、内なる臓のどれかが破壊されたのだとわかった。
耐え難い嘔吐感が亞莎を襲う。
堪らず口が血塊を吐き出した。
その身は内外ともに傷だらけ。折れた骨は無数、内蔵もいくつか駄目になっている。
506:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:40:55 BKvZooA90
支援物資、供給致します!
507:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:42:06 JbHeelfm0
亞莎がやばすぎる・・・・・支援!
508:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(5/33)
09/10/25 21:42:53 bsXt3xFD0
それでも彼女自身の闘志は、未だ衰えてはいなかった。
まだ戦える、自分はまだやれる。
彼女は不屈の精神力で耐えていた。
だが、精神力で耐えるにも限度がある。心とは裏腹に、その体は既に生命の限界を迎えてい
た。
目に未だ戦意を宿したまま、ついに亞莎の体は崩れ落ちるように垂直に崩れ落ちた。
十秒、
倒れた亞莎には目もくれず、張遼は手をだらりと下ろした猫背の姿勢のまま、次の標的―
思春の方を向いた。
そして必殺の一撃を放つべく予備動作の最中で隙だらけの彼女に向かって跳躍―
「さ、せませ……んっ」
しようとして、できなかった。
地に伏した亞莎が、足首を掴んでいたのだ。
「いま、ですっ!」
亞莎がかすれた、精一杯の声で叫ぶ。
そうして彼女は、ついに十秒という短くも貴重な時間を、仲間たちのために作ることに成功
したのであった。
509:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(6/33)
09/10/25 21:45:23 bsXt3xFD0
今にも絶えそうなか細い仲間の言葉。
彼女の懸命な努力に応えるべく、思春は周囲から巻き込み吸い込んでいた空気を開放した。
その体をギリギリまで沈ませて、腰溜めにした剣を振るう。
「閃っ!」
剣を振るった思春。張遼との彼我の距離は数メートル。
本来、白兵武器をそんな距離で振り回しても当たるわけがない。
だがそんな常識を覆すように、その斬撃の軌跡が〝伸びた〟。
当たるはずのない斬撃が、衝撃波となって扇状に広がったのである。
基本は先ほど、張遼が放った特大の円斬と同じもの。
見よう見まねで放ったそれが、今度は張遼を屠るべく走る。
高さは膝の位置。形状は左右逃げ場のない扇状。
こうなっては広がる剣閃を避けるための逃げ道は、上にしかない。
けれども自由にさせまいと、その足には亞莎がしがみついている。
そして更に、抜き打ちで斬撃を放った思春は、それを追いかけ自分自身も前に飛び出した。
そのまま体を捻って背中を晒して独楽のように一回転。振り向きざま、横払いにもう一つ、
斬撃を放つ。
最初の閃撃に追いつく二の太刀、音速を超えて振るわれる追撃の斬攻を繰り出したのだ。
「―っ斬る!!」
用意された追いかけ二の太刀が、張遼を襲う。
受ける側からすれば、膝と胸、二つの高さで振るわれる超音速の横斬りが、同じタイミング
で襲ってくるこの攻撃は、避けるにしても受けるにしてもやっかい極まりない攻撃といえる。
この不可避の連撃を前にした張遼は、
『剋阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿ッ!!』
このときはじめて声を発し、人の声帯から発せられたとは思えない大音声で迎え撃った。
510:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:46:32 1MdHFzqF0
支援砲
511:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:47:53 u94VVDJtO
霞スゴ!
支援攻撃続行!
512:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:48:32 3Jvq/ucR0
支援砲撃
513:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(7/33)
09/10/25 21:48:40 bsXt3xFD0
ドンッという音と共に、思春はその身に壁に激突したかのような衝撃を受けた。
『音』には様々な使い道があるということは、他ならぬ思春自身がよく知るところである。
けれども、張遼のこの暴力的な使い方は、彼女の想像の遙か上を行くものであった。
思春の前を先行していた一の太刀筋『閃』が、咆吼によって生じた音の衝撃を受けて相殺さ
れ霧散したのである。
彼女の体を襲った衝撃は、剣閃を散らした余波だったのだ。
(だがそれでもっ!)
既に思春は斬撃のモーションに入っている。今更走る刃は止められない。
また、止めるつもりもない。
足に力を込めて、絶好の攻撃間合いにステップイン。
膝、腰、肩、手首、すべてを連動させて、そこに遠心力を加えて、剣を滑らせる。
狙うは張遼の、胸の高さ。
流れるようにサイドスイングで振るわれる、断ち切る二の太刀。
正真正銘物理的な攻撃である斬撃が、張遼の胴を両断するべく、その身に迫る。
だが、
「――ッ!?」
攻撃した思春の眉が跳ね上がる。
鈴音は張遼を切り裂く直前で、その刃を空中に制止させていた。
正しくは、止められていた。
思春が両手で振るった曲刀の、その腹の部分。そこを張遼の諸手が、上下からがっちりと挟
み込んで止めていたのだ。
真の達人、真の巧者だけが辿り着くことのできる無刀の極地。
張遼が見せたそれは、剣術で言うところの『無刀取り』であった。
514:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:50:24 BKvZooA90
無刀取り…だと!?支援継続
515:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:51:06 dymG3yro0
紫苑
516:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:51:29 dymG3yro0
雪蓮
517:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:51:33 1MdHFzqF0
更に
518:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(8/33)
09/10/25 21:51:38 bsXt3xFD0
必殺の攻撃が止められた。
一の刃、二の刃、共に必殺でありながらついに相手を倒すに至らなかった。
思春が仕掛けた勝負は決着した。
それだけの攻撃を繰り出しながら仕留め損なった思春は、ここでその表情を絶望に染めるは
ずであった。
だというのに、思春は絶望するどころか顔を歪ませていた。
口の端をつり上げ歓喜の形を作っていた。
そう、彼女にとってこの程度は織り込み済み。
「いけっ! 明命!!」
その声に応えたのは
「はいっ!」
空から降ってきた声である。
既ここに至って隠す必要なしと、張遼の真上で気配と殺気が膨れあがる。
一直線に、人が落ちてくる。
刃を鏃に、自身を羽に。明命は自らを一本の矢に見立てて天空を流れ落ちる。
速く、速く、何よりも速く!
思春の放った一の太刀、二の太刀は共にこの明命の一撃を隠すための目くらましであったの
だ。
避けられるタイミングではない。手を離せばすぐさま鈴音がその身を切り裂く。
〝詰んだ〟そう、思春と明命が確信したときであった。
張遼はまたも予想を裏切る行動に出た。
爪先で、足元に転がっていたものを蹴り上げたのである。
519:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:52:24 1MdHFzqF0
ってー
520:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:52:42 dymG3yro0
小蓮
521:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(9/33)
09/10/25 21:53:12 bsXt3xFD0
勢いよく蹴り上げられたその体は、殆どなんの抵抗もなく張遼と明命との間に割り込む形と
なった。
体中を傷だらけにして力尽き、ぐったりと脱力しきった戦友。
その姿が突然目の前で大きくなり、手にずぶりという、肉を貫く感触が伝わった。
気がついたときには、魂すら切り裂く名刀『魂切』の刃が、亞莎の無防備な胸を深々と刺し
貫いていた。
「あ……」
自分がなにをしたかわからない。
自分がなにをしてしまったかわからない。
驚愕に目を見開いて声を漏らした明命の体を、次の瞬間、焼け付くような熱が襲った。
「……あ、」
目だけを動かして、自分の胸元を見る。
すると真っ赤な血を溢れ返えさせるその中心に、黄金の刃が生えているのがはっきりと見え
た。
(な、ぜ?)
そのなぜは、
なぜ、自分が亞莎を傷つけることになったのか。
なぜ、どうしてこんなものが胸を貫いてるのか。
なぜ、どうしてこんなことになったのか。
そんなことを問う〝なぜ〟だった。
522:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:54:29 LegsXD5i0
乱戦で敵の肉体を利用するのは正しいが、まさか武将が入り乱れるこの戦闘でも発生するとは・・・。
523:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:56:32 2UE+PTv80
肉の壁は星ですら苦戦してたからな
雑魚な分数が多かったけど
524:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(10/33)
09/10/25 21:56:35 bsXt3xFD0
そうして結局明命は、自分が地面に激突して意識を絶たれるそのときまで、天に放り投げら
れた飛龍偃月刀が、いまになって落下して自分の背を貫いたのだと理解することはなかった。
二人の体は、受け身を取ることもなく地面へと墜落した。
そして張遼は鈴音から手を離し、明命の体から得物を引き抜く。
引き抜かれる瞬間、その体が小さく動いたのを見て、思春は我に返った。
「貴様あああああああああっ!!」
思春が激昂の叫びを上げて、力の限り手の中の凶器を叩き付けた。
渾身の一撃。
しかし、それは黄金の槍に阻まれて、憎い敵に届かない。
「あああああああああ!!」
更に打ち付けられる一撃。
「あああああ!」
何度も何度も、鬼の形相で気迫と共に滅多矢鱈と斬りつける。
その攻撃は一撃、また次の一撃と、その速さ、鋭さ、重さを際限なく増していく。
「おおおおおおおっ!!」
常人並なら一合と持たないその斬撃の嵐に、張遼は片手の飛龍偃月刀で一つ残らず合わせて
みせた。
のみならず、彼女の槍もより速く、鋭く、重くなっていく。
物質と非物質の狭間にある稲妻の飛龍偃月刀は、一合合わせる度に、鈴音を伝わって思春の
体に電流を流し込んでくる。
苦痛がその身を焼く、それでも思春は斬りかかるのを止めなかった。
友のために、主君のために、誇りと信念を貫き通すために。
525:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:56:54 dymG3yro0
支援
526:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:56:54 sw49BYkB0
ヒャッハー!支援砲撃だ!坂をケチャップまみれにしてやるぜぇ!
527:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:57:55 BKvZooA90
支援物資を搬入しながら……ゴクリ
528:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:58:20 3Jvq/ucR0
無刀取りといったな
あれは「真剣白刃取り」だ
529:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:58:41 dymG3yro0
クルッポークルッピープー
530:名無しさん@初回限定
09/10/25 21:58:48 u94VVDJtO
ちょっ!
し、支援……
531:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(11/33)
09/10/25 21:59:47 bsXt3xFD0
◇◇◇
今回の局面に際して、一刀は己の知る二つの歴史的戦いを参考にした。
一つは、曹操が行った『下肥城攻略戦』。
曹操の精鋭五万を相手に籠城戦を選択した呂布が、圧倒的な戦闘力を発揮してこれに立ち向
かった戦い。
結果として水攻めによって曹操軍の勝利に終わるこの戦いだが、籠城戦を行った呂布に対し
て、曹操はそこまでしなけれ城を落とせなかったのである。
一見して守りに向かない恋を、籠城戦をする配置につけたのは、まさにこの戦いのことを念
頭に置いてのことである。
そして一刀が参考にしたもう一つが、『合肥の戦い』である。
大軍を率いて曹操領に侵攻した孫権を、張遼率いる寡兵の曹操軍が打ち破った戦い。
この戦いを霞に再現させることで、一刀は呉軍を止めようとしたのであった。
北を曹操、南を孫策。二強から攻められるという覆しようのない苦境を前に、一刀は自分が
知る歴史の流れに賭けた。
これまで何度となく目にした、一刀が知る『三国志』とはまったく違うはずのこの世界で、
『三国志』が再現される不可思議、それに賭けたのである。
だが、その結果が最悪の形で結実しようとしていた。
朦朧としていた意識をはっきりとさせた一刀が見たのは、赤い赤い大地と、その中心で血ま
みれで戦う霞の姿。
低い低い、四つん這いに近い猫背の姿勢で、片手に持った槍を振り回して、野獣の動きで甘
寧を追い詰めている。
一見してわかるほどに甘寧は強い、これまで見てきた中でも指折りの強さかもしれない。
だが、相対する霞はそれ以上に強かった。
必死に抵抗する甘寧を一方的に蹂躙していくその姿は、既に霞の姿をした別のなにかのよう
に思えて仕方がない程である。
532:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:01:32 1MdHFzqF0
玉米ー
533:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(12/33)
09/10/25 22:02:23 bsXt3xFD0
だが、そうやって目にして、はじめて一刀は自分が霞になにをさせようとしていたのかを理
解した。
思い知らされた。
気づきながらも目を背けていた、己の傲慢さと、最低な行動の因果をようやっと認めた。
張遼が孫権軍を撃退するというのは、世界のあるべき形だったかもしれない。
だがそれを利用して自分の都合のいいようにするというのは、彼女が張遼であるという事実
だけに目を向けて、霞という個人を顧みないということである。
それは結局のところ、北郷一刀が霞を道具としてしか見ていなかったのと変わらない。
彼女の真の願いはなんだった?
こんな戦いを、彼女は本当に望んでいたのか?
あんな風に、人を辞めてまで、獣のように戦い続けることを望んでいたのか?
―違うはずだ。
では、そこまでわかっていながら、自分を守りたいと言ってくれた女性の願いを利用して、
あんな姿にさせている自分はなんだ?
「最悪じゃないか、俺……」
どうしようもない呟きが漏れた。
大変なことすべてを霞に押しつけて、のうのうとその力を利用しようとした。
ちょっとばかり智恵が回ることに胡座をかいて、彼女がどうなるかなんて考えもしなかった。
誰かのためというのを言い訳にして、他の誰かの苦しみを知ろうともしなかった
それが北郷一刀の罪。
そしてこれが、その罰。
534:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:03:23 BKvZooA90
うぅっ…支援
535:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:04:43 1MdHFzqF0
支援
536:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(13/33)
09/10/25 22:05:32 bsXt3xFD0
北郷一刀は、もっと別の方法を模索するべきだった。
こんな風に、故意に世界の流れを誘導するような安易な解決策に、頼るべきではなかったの
だ。
何より、北郷一刀にとって『三国志』とは打破するべきものであり、縋り付く依り辺ではな
かったはずなのだ。
立ち上がり、踏み出そうとした一刀の腕を、後ろから誰かが掴んだ。
蓮華であった。
「やめろ北郷、おまえは……無力だ」
固い声でそう言った。
彼女はいまも気を失って倒れている小蓮を抱いている。
「……逃げるぞ。ついてこい」
そう言って妹を背負う彼女の横顔は、とても辛そうであった。
他人の無力を指摘して、自分の無力を嘆く。
苦しそうに言ったその蓮華の表情で、一刀は彼女という人間が少しわかった気がした。
本当はきっと、誰より優しい人間なのだろう。
そして何より彼女は正しい。
今更北郷一刀一人が彼女の前に立ちはだかったところで、何も変わらない。
だけれど、
「俺は逃げないよ」
それでは、
「無力だから、一体それがなんだっていうんだ」
止まれない!
537:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(14/33)
09/10/25 22:08:43 bsXt3xFD0
「俺は、苦しんでいる誰かが必死に助けを求めていて、それを見て見ぬふりをするなんてのは
いやだ!」
無力を言い訳にして、じっとしていることなんてできない。
「綺麗事だってわかってる! それでも、目の前で泣きながら助けてって言っている子がいた
ら、俺は助ける!」
そう、それが……
「俺にはあの霞が泣いているのがわかる! だから絶対助ける! それが俺だ! 北郷一刀だ
!」
心のままに正直に、一刀は叫びを上げた。
かつて彼は願った。
『美羽や七乃、そして他のみんな、仲間たちみんなが仲良く笑っていられる世界が欲しい』、
と。
それはいまも変わっていない。
みんなを幸せにしたいと、そんな壮大な夢を見た特大のエゴイスト。
この絶望的な状況で、北郷一刀はそんな夢想を、まだ諦めてはいなかった。
「なにを……言っているんだ、お前がアレを止められるとでも!?」
振り返って見ると、孫権の体は細かく震えていた。
もう一度、霞を見る、
確かにいまの彼女の姿は恐ろしい、悪鬼のようだ。
だがそれでも、霞を見て怯える孫権をみて、一刀はとても悲しいと思った。
本当は、彼女はこんなふうに誰かを怯えさせるような人間じゃない。
だから、いまの孫権を見て、悲しいと思ったのだ。
538:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:09:29 dymG3yro0
(* >ω<)=3
539:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:09:57 dymG3yro0
おいちゃん!支援おかわり!
540:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:10:27 dymG3yro0
あいよ!支援大盛りー!
541:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:10:27 2UE+PTv80
張遼(霞)の前に絶体絶命な新孫呉
蓮華も絶望的な気持ちに陥った時天の御使い北郷一刀がたち上がる
ここだけ見れば呉√と思えなくもない
支援
542:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(15/33)
09/10/25 22:11:31 bsXt3xFD0
「違うよ。止めるんじゃない、俺は霞を助けるんだよ」
「たす、けるだと……?」
「ああ、霞があんな風になってしまったのは俺のせいだから、俺が助けるんだ」
霞を見て、決意を口にして、己がやらねばならぬことを再確認する。
ああなるまで追い込んだのが自分なら、やはりすべての責は自分にある。
決着は自分がつけなくてはならない。
一刀の言葉に、蓮華は信じられないものを見たかのように、呆然と呟いた。
「馬鹿だ……北郷一刀、おまえはとてつもない馬鹿だ。あんなものを助けるだなんて」
「馬鹿でいいさ」
「大体、あんなものを、どうやって……っ!?」
「……やり方なんてわからない。ただありのままの自分を、ぶつけてみる」
「無謀すぎる! そんなことをしてなんになる! 自ら死にに行くようなものだぞ!?」
「いや、違う。俺は、俺も霞も、二人ともが生きていくために行くんだ。俺は霞を助ける!
そのためなら奇跡だろうと、どんな都合の良い荒唐無稽だって、なんだって起こしてやる!」
「北郷一刀……。おまえは、どうしてまで……」
理解できないものを見るような孫権が首を振った、それに一刀は言う。
「だってさ」
深く深呼吸する。
そして、
「好きな子のことくらい助けられなくて、なにが男だよ!」
万感の想いを秘めて、彼は走る。
543:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:12:16 1MdHFzqF0
支援の出店
544:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:12:38 3Jvq/ucR0
>>541
あぁ・・・完全に呉√だ・・・
545:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:12:39 BKvZooA90
流石一刀!全力で支援物資を搬入だ!
546:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:14:17 dymG3yro0
私は支援が好きだ。
547:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(16/33)
09/10/25 22:14:23 bsXt3xFD0
◇◇◇
「霞!」
身近な距離を走り、一刀がその名を呼んだとき、丁度張遼は思春との戦いを終えたばかりだ
った。
思春の首を片手で掴んでいた持ち上げていた張遼が、輝く猛禽の瞳で一刀を見る。
たったそれだけで、一刀の心は恐怖に負けそうになる。
が、一刀は臆病な自分に喝を入れ、奮い立たせてその視線を正面から受け止めた。
「霞! 俺を見ろ! 霞が好きなのも、いま殺したいのも、俺だろう!? だったら、俺だけ
を見ろ!」
両手を広げ、堂々と言った。
それでも心のどこかが、怖がっている。
殺されるかもしれないことが怖いいんじゃない。
霞じゃなくなってしまった霞を正面から見つめるのが怖い。
自分のせいで、あんな姿になってしまった霞を見るのが辛い。
自分のしでかした結果を、見つめるのが苦しい。
けれども、弱い心に打ち勝って、北郷一刀は彼女を迎えるように両手を広げた。
すべてを真正面から受け止めるつもりであった。
それが、何もできない自分にできるただ一つのこととわかっていた。
一刀に注意を向けた張遼は、掴んでいた思春の首を離した。
重力に従って、ドサリと落ちる思春の体。
傷だらけで到底無事とは思えないが、その胸元が小さく上下しているのを確認して、一刀は
安堵した。
548:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:14:50 u94VVDJtO
ここが勝負どころだ!
支援を絶やすな!
549:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:14:59 BYJr4wh60
紫苑
550:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:15:37 3Jvq/ucR0
撃て撃て!休むまもなく支援砲撃だ!
551:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:16:09 2UE+PTv80
一刀さんのように
愛と勇気と希望
を振り絞って支援
552:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(17/33)
09/10/25 22:17:39 bsXt3xFD0
だが、そんな一瞬の気の緩みも束の間、
「―か、はっ!?」
急にその視界が暗転した。
衝撃。
「ぐっ、げほっ、ゲホゴホッ!」
堅いものが勢いよく背中からぶつかり、肺の中から空気が一気に外に押し出されて窒息感が
一刀を襲った。
だが、一番痛いのはそこではない。
額が痛い、割れるように痛い。
眉間を殴られたのだ。
そのことに思い至ったのは、激しく咳き込む中見上げた、空の青さのおかげであった。
速すぎて近寄られたのも殴られたのもまったくわからなかった。
首を起こして前を見ると、先ほどまで一刀が立っていた当たりに、仁王立ちした黄金の霞が
立っているのが見えた。
その目は無機質で、何も映していない。
いまはそれが悔しい。
「くそっ……!」
一刀は必死に体を起こし、力が入らない膝を両腕で支えて、やっとという様子でなんとか立
ち上がった。
こんなことになるなら、美羽と遊んでばかりいないでもっと自分を鍛えておけば良かったと
思う。
「し、」
『霞』そう名を呼ぼうとしたところを、神速で近寄った張遼の右のフックが一刀の顔面を捉
えてその口を遮った。
553:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:18:34 3Jvq/ucR0
あぁ、一刀さん!
554:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:19:07 u94VVDJtO
一刀を援護する!
支援砲撃を!
555:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:19:48 j1nHUy3GO
支援。
この世界よ、救われてくれ
556:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(18/33)
09/10/25 22:20:24 bsXt3xFD0
たった一撃で踏ん張りが利かなくなった足が崩れるより速く、今度は左からのフック。
思い切り左に振れた頭が、今度は右へと振らされる。
そして滑り込むような一撃が、がら空きの腹を狙い撃った。
「かっ!」
腹を打たれる、一刀が受けたのはそんな生半可なものではなかった。
それはいきなり内蔵が丸ごとひっくり返されて、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられたような、ち
ょっと形容しがたい一撃だった。
恐ろしいまでに強烈な嘔吐感が襲い、一刀は堪らず体をくの字に折り曲げた。
頭が下がり、無防備にさらけ出される後頭部。それを待っていたかのように、そこ目掛けて
打ち下ろしの拳が叩き込まれた。
鈍い音が響き、一刀は抵抗することもできずに、俯せで固い地面へと倒れ込んだ。
正直なところ、『どうにかなるだろう』と、まだそんなふうに軽く見る気持ちがどこかにあ
った。
それはそうだろう。一刀はそれだけの絆を、霞を結んだと思っていた。
だがどうだろうか。
その甘い見通しの末は、無残なものだった。
完膚無きまでに打ち倒されたのが、現実だった。
そんな彼の中で、ある考えが鎌首をもたげた。
(霞にとって、俺は……)
その程度の存在だったのか?
そんな疑念が一刀の中をよぎった。
大切に思っていたのは一刀だけで、想いは一方的なもので、霞の方はそうじゃなかったんじ
ゃないのか?
557:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:20:32 1MdHFzqF0
搬入 搬入っと・・・
558:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:21:57 BKvZooA90
支援!支援だ!
559:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(19/33)
09/10/25 22:23:24 bsXt3xFD0
そんな疑念が次から次へと湧いてくる。
いや、それは疑念と言うよりも、精神の冷静な部分の分析だった。
一刀は霞が自分を攻撃してきた意味を、しっかりと読み取っていた。
それはつまり、絆なんてものは幻想であり、奇跡なんてものは起こらないと、そんな大人の
理解であった。
(もう、霞は帰ってこない……)
そう思ったそのときだった。
一刀は不意に走った体の痛みに苦しんだ。
息が詰まるほどの激痛に……、矛盾を感じた。
『どうして自分は痛みを感じているのか?』
そんな簡単な疑問に辿り着いた。
(そういえば、どうして、俺、生きているんだ?)
痛みを感じると言うことは、生きている証拠だ。
だが、霞が霞でなくなってしまったというなら、なぜ自分は生きていられるのか。
その疑問の応えに行き当たると同時、一刀は突然自らの視界が開けた気がした。
「そう、だ……」
彼女の心は、いまも〝天の意志〟に塗りつぶされてなんていない。
もしも彼女が本当に霞でなくなってしまっているなら、一刀は最初の一撃で死んでいたはず
だ。
それに、一刀が受けた攻撃はどれも拳によるもので、彼女は飛龍偃月刀を使っていない。
容易に命を奪うことができる凶器を使っていない。
それこそが、霞が消えていないという確かな証明ではないか。
そう考えるとつじつまが合う。
彼女はまだ霞だ。自分をぶちのめしたのは、霞だ。
560:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:25:09 1MdHFzqF0
ええい 支援はまだか
561:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:25:15 sw49BYkB0
支援砲撃を続けろ!メーテルの進軍を援護するんだ!
562:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:25:41 u94VVDJtO
一刀が反撃に出るぞ!
支援砲撃!撃ちまくれ!
563:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:25:56 VtxI/pKzP
しえんしえん
564:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:26:11 NTjv+hx20
さすが一刀さん
主人公だぜ
565:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(20/33)
09/10/25 22:26:22 bsXt3xFD0
どんな姿になっても、どんなことをしても、彼女はまだ霞だ。
自分を殴ったのは、天の意志なんていう代物ではなく、彼女の意志だ。
そう考えると、一刀は自分の心が再び奮い立つのを感じた。
霞は天の意志そのものになったわけではない。
そのことはのみならず、自分を殴ったのが紛れもない彼女の意志だったことを示している。
それは彼女に拒絶されたということだ。
けれども、その拒絶もわかる。
そして、どれだけ拒絶されようとも、彼女がまだ霞であるというなら、一刀はそれをありの
まま受け止めるつもりだった。
そうして一刀は、再び立ち上がった。
気を失ったのが一瞬だったのか、霞の姿はまだ最後に見たのと同じ場所に居てくれた。
相変わらず、何も映していないように見える彼女の瞳。
だが、一刀は躊躇わなかった。
「来いよ! 俺が霞の全部を受け止めてやる!」
その言葉の直後に、霞の拳が飛んだ。
それを一刀は顔面で、受けた。
よろけて、踏ん張って、気合いで耐えた。
更にまた拳。
流石に耐えられずに、今度こそ膝をつく。
しかし、その膝を無理矢理支え、一刀は立ち上がる。
566:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:27:15 oRW+EwkJ0
支援
衛生兵!衛生兵!
567:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:27:48 BKvZooA90
手に汗握りながら支援物資を搬入するぞ!
568:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:28:52 1MdHFzqF0
薬も包帯も足らん 物資の搬入を急げ
569:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(21/33)
09/10/25 22:29:25 bsXt3xFD0
「もっと、もっとだ! 全部を俺に……!」
霞の拳は容赦なく一刀を滅多打ち、そんなことがくり返される。
一度、二度、三度と一刀は立ち上がる。
顔は腫れ上がり、見える部分も見えない部分も痣だらけ。
満身創痍。
そうして、気がついたときには一刀は霞に押し倒されていた。
マウントポジションを取られ、それでもなお一刀は迸る言葉を止めない。
「俺が『天の御使い』で、霞が『張遼』であることは変えられない!」
どうして彼女は自分を殺すでもなく、ただ殴るのか?
「でも、俺たちは生きてる! この世界で生きてる! だから俺も霞も、この世界を構成する
ただのファクターなんかじゃない!」
それは、彼女が北郷一刀を拒絶しているからだ。
「俺たちは、泣いて、笑って、誰かを愛して、そんなごく普通の人間だ! 決められた役割な
んて、一側面でしかない! だから……だから、負けるな! 霞、自分自身に負けるな! 張
遼に負けるな!」
北郷一刀が霞の姿を見たくないと思ったように、きっと霞も、北郷一刀にそう思ったのだ。
愛する者にいまの自分を見られたくないという拒絶の意志こそが、一刀に叩き付けられる拳
の正体だ。
けれども、人を愛すると言うことは、拒絶されたとしても、向き合わなくてはならないとき
があるのだ。
そして、結局だらしのない自分のツケは、自分で払わなければならない。
570:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:31:42 u94VVDJtO
一刀にあってお前逹に無いのはガッツなんだ!
支援の手を緩めるな!
571:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(22/33)
09/10/25 22:32:44 bsXt3xFD0
上がった拳が打ち下ろされ、一刀の顔が殴られる。
右の次は左で。
振り上げて、振り降ろす。
振り上げて、振り降ろす。
何度も、何度も、
一刀の叫び。
「戻って来てくれ、霞!」
くり返す動きから、徐々に力が無くなっていく。
「霞! 霞! 霞! 霞! 霞ぁぁぁぁああああ!」
壊れたラジオのように、ただ愛しい者の名を呼んだ。
何度も、何度も、何度も呼びかけ、
何度も、何度も、何度も殴られ、
ついに霞の動きが止まった。
そして、一刀の顔を、何かが濡らした。
「かずと……」
彼女の唇が小さく動く。
「一刀……苦しいよ」
その小さな声を、北郷一刀は聞き逃したりなんてしなかった。
一刀は渾身の力を込めて体を起こし、その体を抱きしめた。
本当は両手で抱きたかったけれども、左手が言うことを聞かなかったために右手だけで、半
分寄りかかるような、不格好な抱擁をした。
そうやって精一杯、しっかりと彼女を抱きしめた。
572:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:34:00 oRW+EwkJ0
支援!支援!
力の限り支援だ!出し惜しみするな!!
573:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:34:35 NTjv+hx20
漢だ
574:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:34:41 sw49BYkB0
松岡修造が沢山居るwww
575:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:34:50 BKvZooA90
おぉっ!一刀が血路を切り開いたぞ!
支援物資を搬入するのにも力が入るってもんだ!
576:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(23/33)
09/10/25 22:36:10 bsXt3xFD0
「ごめん、霞……ごめん」
いつのまにか、霞を包んでいた黄金の気配は消え去っていた。
そして、それに変わるようにして、滂沱の雨が霞の顔を流れ落ちていた。
「ウチが……ウチがみんなを、殺して、それで、それで……」
たどたどしい、子供のような霞の声。
「ひっく、……こないな、ウチを見んで……見んといて……一刀……ぐすっ」
その言葉に一刀は、
「やだ」
と、短く答えた。
「俺は霞の全部が好きだ。戦いが好きなところも、お酒が大好きなところも、大ざっぱなとこ
ろも、全部好きだ」
一刀は血と、涙で汚れた霞の顔を、やはり血で汚れた自分の手で拭い、
「だからさ……」
顔にかかった髪をどけて、
「その重みを、俺も背負うからよ」
唇にキスをした。
577:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:36:47 u94VVDJtO
いけるか?!このまま押しきるぞ!
支援砲撃てぇぇっ!
578:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:37:42 BYJr4wh60
しおん
579:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:38:37 j1nHUy3GO
支援。
一刀はやる時にやる役が合うよなあ……ホント。
書き手さん達の力も大きいが。
580:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:39:33 1MdHFzqF0
こらぁ ふにゃちんども~ さっさと動くの~っ!!
581:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(24/33)
09/10/25 22:39:45 bsXt3xFD0
エピローグ
あの戦と呼べぬ戦いから、二日のときが経過していた。
最終的に呉軍が被った被害は、死傷者合わせておよそ四万弱。
張遼旗下八百の騎兵によって受けた被害であるが、その実殆どが、張遼一人の手によるもの
であることを、軍中で知らぬ者はいない。
その鬼神の如き強さは、足重く撤退する呉軍のうちで瞬く間に恐怖と共に広がっていた。
結果としてこのとき植え付けられた恐怖心が、ひいては呉のその後の命運に大きく関わって
いくこととなるのだが、そのことを語るのはこの段階ではまだ早い。
「お二人とも、どうぞご無事で……」
そう言って跪いたまま頭を垂れたのは、墨を流したかのような美しい長い黒髪と、ともすれ
ば他者に冷酷な印象を与えかねない鋭い目つきをした美女であった。
彼女は周瑜。字を公謹、真名を冥琳という。
雪蓮が最も徴用している重臣であり、呉最高の頭脳である。
彼女が跪くこの天幕には、いま、四人の人間がいた。
一人は彼女自身。
そして、一人は冥琳に対して、やや疲れを滲ませた声で上座から声を返した雪蓮である。
「相当手ひどくやられはしたけれどね。その様子だともう既に見てきたみたいだけど、どう思
う?」
大敗という結果を前に、それでもなんでもないことのように語る主君の言葉に、冥琳はやや
躊躇いを交えながらも実直に頷いた。
「正直なところ、これほどとは思っていませんでした」
「でしょうね。……流石にあんなのが出てきたんじゃあ、どうしようもなかったわ。袁術ちゃ
んも、随分と恐ろしいものを懐に忍ばせてたもんね。……でもって、蓮華の勘は大当たり」
「……わたしも報告を受けたときには、なにかの冗談かと思いました。雪蓮の判断が間違って
いたとは思いません」
582:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:42:25 W0ATXZQm0
支援
583:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(25/33)
09/10/25 22:42:26 bsXt3xFD0
そう言って、二人は互いに目を見つめ合い、それから深いため息を吐いた。
彼女たちが暗に言っているのは『もしも』の話だ。
『もしも』雪蓮が蓮華の言葉に即座に従ったら、こんなことにはなっていなかったかも知れ
ない。
『もしも』自分がその場にいたとしても、同じ判断をしただろうという、実のないIFの話で
ある。
なんでもないふうに言ってのけた雪蓮だが、その実でなんでもないなどとは思っていなかっ
た。
しっかりと、大事として受け止めている。
そしてそれは、冥琳にしても同じであった。
「それで、結局最終的な被害の方は?」
「兵たちの被害はおよそ死者が三万。それに比べると怪我人の数はそうでもないんだけど、そ
れでも相当数。加えて、無事な兵たちの大部分も、当分の間戦闘は無理ね。あんな地獄を見て
しまったあとだもの」
「心の傷、ですか。無理もありません」
「そして、それと同じくらい痛いのが人的損害……」
その言葉に、この場にいながらまだ一言も発していなかった二人のうち一人が呟いた。
「……幼平たちのことですな」
そう言った彼女は、耐え難いことに耐えるように俯きながら震えていた。
雪蓮や冥琳よりも、年かさな女。
灰がかった長い髪を、ポニーテールにして後ろに流した彼女の名は黄蓋、字は公覆。名は祭。
先代孫堅の代から仕える宿将である。
その宿将がいま、慟哭に身を震わせていた。
584:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:42:46 BKvZooA90
良いエピローグの入り方だ…支援
585:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:43:36 W0ATXZQm0
支援
586:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:44:05 BYJr4wh60
しえんしえーん
587:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:44:12 VtxI/pKzP
しえん
588:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:44:13 oRW+EwkJ0
支援、支援、支援
589:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:44:19 u94VVDJtO
負傷者の救助を急ぐぞ!
速く支援物資を!
590:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:44:20 1MdHFzqF0
支援 支援
591:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(26/33)
09/10/25 22:46:24 bsXt3xFD0
「儂が、儂がおればこんなことには……っ! 天は、なぜ天は老いさばらえたこの儂を残し、
未来ある者たちの悲運を望んだのか!?」
雪蓮が兵をまとめて『爆心地』であるそこに、蓮華たちのもとに駆けつけたとき、既にその
場に張遼の姿はなかった。
そして残されていたのは、泣きくれる蓮華と、気を失った小蓮と、傷だらけの思春と、既に
冷たくなった明命と亞莎であった。
幸いにして、すぐに応急手当が行われた思春は一命を取り留めたが、その彼女も意識不明の
状態である。
無論、今回の人的被害はそれに留まらない。
指揮官以上の被害も陳武他多数に渡り、新時代の呉の試金石であった筈の戦いは、幕を引い
てみればその次世代を担うはずの若者たちを、少なくない数失うという悲惨なる結末となった。
祭が涙を流す横で、平静を保っているように見える冥琳が問いかけた。
「それで、明命たちを弔う準備の方は?」
「もうあらかた終わっているわ。今日、あなたたちの到着を待ってから見送りをするつもりだ
ったのよ」
「そうですか……。蓮華さま、心中、お察しいたします」
その言葉に、この場で口を開いていなかった最後の一人が、びくりと肩を振るわせた。
それは雪蓮の横で俯いて座っている蓮華であった。
「冥琳、私は……」
蓮華はそれだけ言って、言葉の途中でそれを呑み込んだ。
彼女の顔色は悪い。きっとあの戦いから一睡もしていないのだろう、一目見て憔悴しきって
るのがわかった。
そんな彼女の様子を見かねて、冥琳が口を開いた。
「蓮華さま。気にするなとは申しません。ですが、彼女たちは呉の礎となったのです。そのこ
とを、努々忘れぬよう……、もしもあなた様が倒れるようなことになれば、彼女たちも安らか
に眠れぬことでしょう」
「冥琳……」
592:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:49:14 u94VVDJtO
くっ!間に合わなかったというのか……
支援だ……
593:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:49:16 1MdHFzqF0
あうあう
594:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(27/33)
09/10/25 22:49:40 bsXt3xFD0
不器用な慰めの言葉に、蓮華が小さく笑おうとする。
だが笑えなかった。
笑いたいのに、笑えないのだ。
「冥琳……私は、私は……」
そしてそんな蓮華の肩に、優しく手が置かれた。
「では、行きましょうか」
「……はい、姉さま」
先ほどとは別の天幕。
その中心にはいま、二つの台が置かれていた。
上にはそれぞれ、顔に白い布を被せられた二人の人間が寝かされている。
「明命! 亞莎……っ!」
吐き出すように呟いたのは、祭だった。
彼女はこれでもかと手を握りしめている。握りしめすぎて、手からは血が滴っている。
けれども、誰もそんな祭に何も言うことができなかった。
他の三人も、内に秘めた悲痛を隠せずにいた。
水を打ったような静寂が、場を支配する。
祭も、先ほど発した言葉を最後に沈黙していた。
ただ四人、俯き、彼女たちの冥福を祈る。
生者が死者にしてやれることなど、弔いの他にはそう多くない。
ただ頭を垂れ、死を悼み、それを乗り越えていく。
それが悠久の彼方、人類が死と生との間に分かちがたい隔たりを見つけて以来の、倣いであ
る。
黙して語らず。
そんな中、蓮華の頬から、滴が落ちた。
595:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:50:53 WIJhcbmn0
age
596:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:51:13 BKvZooA90
黙祷を捧げつつ、支援を行おう…
597:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:52:02 1MdHFzqF0
線香・・・線香の支援はまだか・・・
598:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(28/33)
09/10/25 22:52:30 bsXt3xFD0
そして、その唇が小さく動く。
「……めいっ、しぇっ……」
そしてもう一度。
「明命、亞莎……っ!」
今度ははっきりと、その名を呼んだ。
彼女の中で、もう言葉を交わすことのできぬ友たちの思い出が蘇っていた。
明命とはつきあいが長く、母亡きあと、袁術によって雪蓮と離ればなれにされていたときも、
彼女はずっと彼女の傍にいてくれた。
亞莎とは、それほど長いつきあいではない。だが、明命と同じようにその気を許せる相手だ
った。彼女のひたむきさは、常に蓮華の体を、心を支えてくれた。
「二人とも、どうして……っ!」
―どうして逝ってしまったの。
声にならない声が、嗚咽にならぬ嗚咽が、次から次へと喉からせり上がってくる。
「ああっ! 明命っ! 亞莎ぇっ!!」
涙を流し、その名を叫んだ。
そして……
「呼びました?」
と、蓮華の声に背後からそんな声が返された。
「――は?」
蓮華の口から、なんとも間抜けな声が漏れた。
聞き覚えのある声に、全員が後ろを振り向いた。
そして今度こそ全員、開いた口が塞がらなかった。
599:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:04 LegsXD5i0
次の時代を担うはずの優秀な若手を多く失うって、致命的だろうな・・・。
600:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:05 sw49BYkB0
哀しいが、時代は戦国乱世 支援
601:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:12 jTlra/XW0
支援
602:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:21 W0ATXZQm0
何…だと
支援
603:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:41 LegsXD5i0
ほえ? 支援。
604:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:53:47 BYJr4wh60
!?
605:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:54:23 1MdHFzqF0
ちょっと待った 線香待った 支援部隊待機だwww
606:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:54:27 u94VVDJtO
総員敬礼……
まだ俺達は止まるわけにはいかん……
支援を続けるぞ……
607:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(29/33)
09/10/25 22:55:46 bsXt3xFD0
それも仕方ないこと。
何せ、彼女たちの前に立っていたのは、亡霊としか思えない存在であったのだから。
「呼びましたか? 蓮華さま」
そう、彼女たちの前にけろりとした顔で立っていたのは、死んだはずの明命、周泰幼平であ
ったのだ。
「み、みみみみ、明命!?」
「はい……なんでしょう、蓮華さま」
「おお! おお、幼平よ!? おまえ、それほどまでに未練であったか! 死してもなお主君
の呼びかけに応えるとは、見上げた忠誠心じゃ! 儂は、儂は猛烈に感動したっ!」
「お、落ち着きなさい! ゆ、幽霊などと、そんなっ!?」
蓮華、祭、冥琳、それぞれが平静を失ったリアクションを返す中、一人雪蓮だけが冷静に、
その亡霊(?)に話しかけた。
「えーと、明命? あなた本物? 生きてるの?」
「はい? ええと、本物です。生きてます、よ?」
小首を傾げて明命が言う。
その様子は心底、どうしてそんなことを聞かれるのか分からないといった風体である。
その様子に、勢い乗り出して蓮華が言った。
「じゃ、じゃあ亞莎も!?」
「はい。向こうの天幕で寝てますけど……あ、華佗さん」
と、そこで四人は、天幕が開いてそこから外の光が差し込んでいることと、外からこちらへ
顔を覗かせている者がいることに気がついた。
「こんなところのいたのか。まだ寝ていないと駄目だと言っただろう」
「すみません。蓮華さまたちがこちらの天幕に入ってくるのが見えたものですから」
「それでも、だ。それでなくとも君はしばらくの間、絶対安静なんだぞ」
「はい……」
叱られて、小さな動物を思わせる仕草で、明命がしゅんとうなだれた。
608:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:55:56 NTjv+hx20
ゴッドヴェイドォォォーーー!!
609:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:02 sw49BYkB0
木梨則武の葬儀ドッキリを思い出したwwww
610:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:13 jTlra/XW0
支援
611:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:34 u94VVDJtO
と思ってたんだがどうした?!
状況報告を!
612:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:43 1MdHFzqF0
あうあう
613:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:56:52 BYJr4wh60
華佗すげえええええええええええええええ
614:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:57:47 BKvZooA90
良くやった五斗米道!
今なら好きなだけ支援してやるぞ!
615:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:57:53 W0ATXZQm0
さすが華佗そこにしびry
支援
616:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:58:16 sw49BYkB0
俺の弔意を返せwwwwww
617:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:59:05 jTlra/XW0
支援
618:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(30/33)
09/10/25 22:59:05 bsXt3xFD0
さて、こうなっては皆の注目の目は現れた男に向けられた。
〝この男は何者か?〟
明命に『華佗』と呼ばれた成年は、その身に白衣のようなものを纏っていた。
それを見て、蓮華が問いかけた。
「もしかして、あなたが明命と亞莎を助けてくれたの?」
それは全員の疑問の代弁でもあった。
そして、華佗はこともなげに応えた。
「ああ、そうだが」
「でも、心の臓が止まって二日は経っていたのよ?」
「だが脳死には至っていなかった!」
そう言って、華佗は白い歯を見せて笑い、握りしめて親指を突き出した拳を、ぐっ、と蓮華
に見せた。
「……納死?」
「そう、脳死だ。だがあと半刻遅ければ危なかった」
言って一人で頷いている華佗に皆が困惑の眼差しを向ける中、雪蓮だけは顎に指を当てて考
え込んでいた。
「華佗……華佗、そう言えば以前聞いたことがあるわね。各地を放浪して人々を治す高名な医
者がいるって。もしかして、あなたがそれ?」
「それは多分俺のことだが。高名だというのはただの買いかぶりだ。俺なんてまだまだ……今
回だって、俺が未熟だから、師匠から譲られた金針を失って……うっ!」
と、それまで元気そうだった華佗が、突然苦しそうな顔をして膝を突いて苦しみだした。
「ぐ、ぐううっっ!!」
脂汗を浮かべたその様子に、流石に尋常ではないと思い雪蓮は声をかけた。
「だ、大丈夫?」
「……ああ、大丈夫だ。流石に『地獄と天国』を使いすぎたな……少し疲れただけだ、休めば
すぐに治るさ」
その顔は真っ青だったが、医者が大丈夫と言っている以上、雪蓮からは何も言うことがなか
った。
619:名無しさん@初回限定
09/10/25 22:59:25 u94VVDJtO
全てチャンネルを使って彼女達の無事を知らせろ!
支援!
620:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:00:09 BYJr4wh60
いやいやいやいやいやw
621:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:00:56 1MdHFzqF0
支援
622:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:31 WIJhcbmn0
ちがう!ゴッド!!ヴェイドゥだ!!
623:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:32 jTlra/XW0
支援
624:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:33 3Jvq/ucR0
あぁ、自軍が残り一国で全員が重症のときに探索で華佗を見つけた気分だ・・・
625:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:51 NSU9hJa/0
>>598
王大人、死亡確認かよ支援w
626:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:01:54 NTjv+hx20
やっぱチートだな勇者王
627:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:02:06 oRW+EwkJ0
支援・・・
支援を・・・
たのむ・・・・
628:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:01 NSU9hJa/0
死の運命よ、光に、なれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!支援
629:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:05 jTlra/XW0
支援
630:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(31/33)
09/10/25 23:04:23 bsXt3xFD0
一方、明命と亞莎の生存、華佗の登場、これらのことで、雪蓮を除く者たちはまだ目を丸く
したままであった。
だが、その衝撃が余韻として色濃く漂っているここに、更に新たな声が割り込んだ。
「あ、いたいた。皆さまこちらでしたか~」
またまた天幕が開いた。
そして、そこから明るい声と共に一人の女性が入ってくる。
「伯言!?」
「陸伯言、任務を果たして戻って参りました~。って、はれぇ? 皆さんどうしたんですか~
?」
そうしてはつらつとした笑顔と、間延びした独特のしゃべりで入ってきたのは、陸遜伯言。
穏である。
彼女は今回の呉軍の侵攻作戦に当たり、後詰めではなく、別の重要な役割が与えられて、別
行動をしていたのだ。
そのこととは、北でぶつかる袁術主力軍と、曹操軍との激突をつぶさに見届けることであっ
た。
「何なのかしらね……嫌っていうほど立て続くわね。……それで、曹操軍の様子はどうだった
?」
雪蓮が、やや目つきを鋭くして、他の者たちが呆気にとられているのを置いて、穏に聞いた。
「はい。やはり曹操さんの軍は精強を極めてますねー。一筋縄ではいきません」
「そうでしょうね。それで、戦いはどうなったの? 袁術ちゃんはどの程度被害を与えられた
の?」
「はいー。えっとですねぇ。結果から先に言えば、袁術さんが勝ちました~」
「はぁ?」
穏の言葉に、雪蓮が眉をひそめて、顔全体で『意味が分からない』という表現をした。
「う~ん。曹操軍は袁術軍と衝突することなく兵を退いたんですよ」
「なにっ!? それは本当か!?」
その言葉に、祭が聞き捨てならないと穏の肩を掴んだ。
「は~い、わたし嘘なんていいませんよ~。だから祭さま、落ち着いてください~」
「ええい、これが落ち着いてなどいられるか! 袁術はいかなる妖術を用いて曹操軍を撤退さ
せたのだ!」
631:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:26 dymG3yro0
元気に!なぁぁれぇぇぇ!!!
632:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:04:39 W0ATXZQm0
支援
633:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:18 dymG3yro0
思春
634:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:22 jTlra/XW0
支援
635:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:25 2UE+PTv80
ある意味
一刀・ちょーせん・ひみこ・かゆうまの四天王の上を行く華佗すげえ
636:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:05:39 W0ATXZQm0
支援
637:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:06:07 BYJr4wh60
あと半刻遅ければとかいうレベルじゃねぇw
638:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:06:19 dymG3yro0
医者王デスカラ!
639:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:07:09 u94VVDJtO
どうやら死ぬ人間も少なくて済みそうだ。
宴で使う支援物資を準備しておくか……
640:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:07:28 NTjv+hx20
漢女だな
641:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(32/33)
09/10/25 23:08:05 bsXt3xFD0
それは誰もが思う疑問だった。
「えっとですねぇ……」
周囲が注目する中、穏の口がこほんと咳払いをする。
そして彼女の口から出てきた言葉は……
「歌合戦です」
やはり、想像の外のものであった。
「……はぁ?」
再び全員が目を丸くした。
すると穏はゆっくりとしたマイペースな口調で説明を始めた。
「だから歌合戦ですよー。十日間睨み合った両軍は、最終的に歌合戦で決着を付けることにし
たんです。負けた方がその場から軍を撤退させるという約束で」
「まさかそれで……」
「はい。最後は袁術さんたちがその歌合戦に勝ってしまいまして、曹操さんたちは北へ撤退し
てしまいました~」
「ば、馬鹿な。そんな……」
歌合戦で、戦いを回避した?
歌合戦で、敵を退却させた?
そんな馬鹿なことと、思って当然、いや然るべき。
だがそれに、ただ一人、雪蓮だけが笑っていた。
「は、あはははっ! なるほど、不条理で滅茶苦茶ねぇ」
「策殿! 笑い事ではありません!」
「まあまあ。いかにもって感じだけど、確かに袁術ちゃんならやりそうではあるわね」
642:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:35 dymG3yro0
あと半刻ってレヴェルじゃねぇぞ!(AAry
643:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:36 EZpTI+Eo0
>>639
死者3万が少ない、だと?
644:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:08:44 jTlra/XW0
支援
645:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:28 W0ATXZQm0
支援
646:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:39 BKvZooA90
のど自慢か!?支援
647:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:42 j1nHUy3GO
支援。
やだ、なにこの展開……そういえば作者はメーテル氏であると忘れてた……
648:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:09:59 2UE+PTv80
恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけのマクロス演義~
ですねわかります
649:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:17 u94VVDJtO
なにっ?!歌合戦に支援物資を持っていかれた?!
速く新しく用意するんだ!
650:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:19 VtxI/pKzP
ちえん
651:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:10:47 NSU9hJa/0
二日間心臓が止まっても脳死に至らない、それが恋姫クオリティ……
というより、今回はどう考えても『天国と地獄』で死の運命引っこ抜くか、光にしたとしか思えんw。
652:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:11:54 3Jvq/ucR0
美羽・・・恐ろしい子!
653:美羽と七乃スピンオフ「遼来来5」(33/33)
09/10/25 23:12:07 bsXt3xFD0
よほど面白かったのか、目尻に涙を浮かべた雪蓮は、お腹を押さえて笑っている。
一方、祭は鬼の形相で『戦いを侮辱するか袁術!』と怒り狂っていた。
だがその他の者たちは、皆一様に複雑な表情を浮かべていた。
あの袁術が、曹操を退けるとは思ってもみなかったからだ。
一方で、憎くき袁術を、自分たちの手で討つ機会が残っていることに安心したのも事実だ。
「でも私の読みだと、袁術ちゃんのことだから、何にも考えないで曹操と戦って、けちょんけ
ちょんにやられると思ってたんだけどねぇ」
「しかし、そうはならなかった」
雪蓮の言葉に、鋭く冥琳が言葉を挟んだ。
「うーん。誰かが袁術ちゃんに悪いことでも吹き込んだんじゃないかしらね?」
「吹き込んだ? 一体だがそんなことを……」
「さぁて……でもそれを見つけられるかどうかが、今後の呉の未来を左右するような気がする
わ」
雪蓮はそれだけを言うと、穏の脇を通って天幕から出て行ってしまう。
〝雷神〟張遼の出現。
まるで図ったかのように現れた華佗の出現と明命、亞莎の蘇生。
歌合戦による決着。
何もかもが腑に落ちなかった。
まるで自分の知らない、得体の知れない仕組みを突きつけられたようだった。
それを知らなくてはならないと思う。
呉の未来は、その仕組みの先にしかないように思った。
雪蓮は切れ長の目を鋭くして、天幕の外に広がる空を見上げた。
その向こうにあるのはなんなのか、それを見極めるようにして、いつまでも青い空を見上げ
ていた。
終
654:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:12:16 W0ATXZQm0
支援
655:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:13:53 BYJr4wh60
乙です
前半すごい重かったのに後半笑わせてもらいました
656:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:15:19 u94VVDJtO
なんとかのりきったな。支援した同士達に余った支援物資を配るぞ!
メーテル氏乙でした!
657:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:16:16 OPOknjgf0
メーテル乙
誰か死なないとこの状況回避出来ないだろと思ってたが医者王の存在をすっかり忘れてたw
658:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:17:26 1MdHFzqF0
乙乙
659:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:18:17 hfkalrFS0
乙です
マクロスっぽいオチなのに歌ったのは明命でない不思議w
660:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:18:40 NTjv+hx20
トンデモ展開を文章力で名作に変えてしまうメーテル氏はすごいなあ
661:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:19:35 EKKhPdaOO
乙でした
心停止して2日も脳死に至らないこと、筋肉が壊死してないことも
考えてみれば、両方とも気持ち悪いぐらいに不自然なことですわな
662:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/25 23:19:39 bsXt3xFD0
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
ということで、今回のお話は幕引きよ。
美羽と七乃の裏側では、こういう真面目なお話も行われているのよ……主に一刀が苦労する形で。
支援してくださった皆さん、ありがとう……感謝を、あなたに。
この戦いの裏側、北で美羽たちが何をしていたかも、ある程度書き進めてあるから、次はそれかもしれないわね。
追伸:ここまでやっておいてあれだけれども、「美羽と七乃」全体の流れは霞純愛ルートではないのよ、鉄郎。
663:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:19:46 BKvZooA90
医者王の存在を有効活用しましたなw
まったく予想外の展開、御馳走様デシタ!
664:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:20:26 2UE+PTv80
乙
シリアスで泣き有り笑い有りといういい名作
665:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:22:10 2NgrPwdH0
乙。
つまり一刀には「本命」が別に居ると…
666:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:23:59 u94VVDJtO
ここまでやって霞純愛じゃないのか……
やっぱりメインは美羽様?
667:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:28:03 OPOknjgf0
>>665
何いってんだ
一刀からすれば全員「本命」に決まってるだろ
668:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:32:34 2NgrPwdH0
>>667
ゴメン、俺が間違ってた
669:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/25 23:34:33 bsXt3xFD0
わたしの名はメーテル……修正依頼をする女。
ごめんなさい、寝る前にまとめさんに修正依頼よ……
>>571
の1行目。
『上がった拳が打ち下ろされ、一刀の顔が殴られる。』
を
『「俺はありのままの霞が好きだから!」
振り上がった拳が打ち下ろされ、一刀の顔が殴られる。』
>>576
の18行目。
『「その重みを、俺も背負うからよ」』
を
『「その重みを、俺も背負うから」』
に修正して頂けないかしら……本当に、何度も何度も申し訳無いわ……
670:名無しさん@初回限定
09/10/25 23:38:22 R+SGo4Uu0
メーテル氏乙です
霞の人外無双モード、呉の面々の必死の抗戦、一刀の頑張り、そしてオチw
最初から最後まで満遍なく楽しませてもらいました
しかし北は詠あたりが上手くやったのかと思いきや歌合戦かw
671:名無しさん@初回限定
09/10/26 00:03:17 sw49BYkB0
メーテルさん乙でした
ここしばらく無かった大作の投下支援楽しかったです
672:名無しさん@初回限定
09/10/26 00:13:14 jJhFS7QU0
>>581
> 雪蓮が最も徴用している重臣であり、呉最高の頭脳である。
重用、だろうな。
673:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:20:38 AGZwkFUR0
メーテルお疲れ様です。
恋姫って
苦手なキャラ一人もいないんだよなぁ
何でかな?
674:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:22:39 VenHvCnR0
今まで色々な作者さんの作品にオリジナルの要素が強いとか理由付けて
別の場所に投稿しろと言ってきたのに、今回のメーテル氏の作品にはそんな意見全く無いのね
おまえらの基準が分からない・・・
675:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:24:32 0tpcS5VM0
苦手になるほど描写が多くないからじゃないかな
676:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:38:02 6B87pXWn0
>>674
古参だから
677:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:42:17 AGZwkFUR0
>>675
たしかに・・・
真で5人ずつぐらいまとめて
サイドストーリー出してほしいな
全11本セット(全キャラ抱き枕カバー付)
35万ぐらいなら買いそうだw
678:名無しさん@初回限定
09/10/26 01:46:53 61YiWeBx0
>>674
俺も同意……このスレの基準がわからなくなったよ