恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけの外史演義~ 18at EROG
恋姫†無双~ドキッ☆乙女だらけの外史演義~ 18 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:43:48 gBk3z0pA0
支援

201:美羽と七乃スピンオフ「遼来来2」(18/22)
09/10/22 22:44:18 3R0sVMvC0
「そ、それじゃ……俺のせいで、霞の身に大変なことが起ころうとしているっていうのか!?」
 自分の考えたことのせいで、彼女が危険に晒されることは分かっていた。
 そのことで悩みもした。
 だが、霞が霞でなくなる、そんなことが起こるだなどと、一刀は思ってもみなかったのだ。
「ええ、しかも悪いことに、その兆候はもう出ているの。……丁度いいわ、あちらを覧なさい
な」

 貂蝉が突然振り返って背後を指さす。
 つられて一刀もそちらを見た。

 顔を向けたその瞬間、蒼天の空が突如として輝いた。

 なにが起こったのかがわからず、怪訝な顔をする一刀。しかし、一瞬遅れて耳に届いた轟音
で、いまのが落雷の光だったことを理解した。
 見上げた先には雲一つない、気持ち良いほどの青空が広がっているというのにだ。
「か、雷? こんな晴れた日に?」
「青天の霹靂。いまのはただの雷じゃないわよ。霞ちゃんの願いと想いに導かれた〝天の意志
〟そのものよ」
「それじゃあ、霞はいまので……」
「そう、いまの落雷で彼女はまた一歩〝天の意志〟との同化が進んだわ」
「それを……、自分の身に起こっていることを、霞は!?」
「知らないでしょうねぇ。でも、知っていたとしても、いまの霞ちゃんなら喜んで〝天の意志
〟と同化する道を選ぶでしょうね」
「そんな、どうして……」
 と、口にしてはっと気がついた。

「俺の……ため?」

 決まっているじゃないか。
 彼女は自分のため、自分と生きる未来のためと言っていた。
 ならば彼女がいま戦っているのは、北郷一刀のためなのだ。


202:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:44:22 lqMpbX4oP BE:3051424679-2BP(1830)
しえんぬ

203:美羽と七乃スピンオフ「遼来来2」(19/22)
09/10/22 22:48:01 3R0sVMvC0
 一刀の考えを肯定するように貂蝉が頷く。
「霞ちゃんはいま、すべてを投げうってご主人様を助けるために戦っているのよ。だから彼女
は決して止まらない、止められない。そして、そんな彼女の先には、自我を失ってこの世のす
べてをなぎ倒す化け物となる、そんな結末しか待っていないわ」

「主殿!」
 一刀が貂蝉の告げた言葉で愕然とする中、卑弥呼の大声が響いた。
「あら卑弥呼、もう終わったの?」
「うむ。あやつら二人して、先ほどの落雷を見た途端、血相を変えて後退していきよったぞい」
「ぬふぅん。なるほどねぇ、彼女たちの存在もまた、矯正力に組み込まれているのかもしれな
いわね。だとしたら虫の知らせの一つくらいあってもおかしくないわ。もしそうならご主人様、
残り時間はあまりないわよ」
「え?」
「左様。既に張遼は、度を超えてその力を振るいつつある」
「ええ、矯正力から力を借りてね」
「だ、駄目だそんなの! 速く霞を止めなくちゃ!」
 自分のために霞の身に重大なことが起ころうとしている、そう考えると居ても立ってもいら
れなかった。
 一刀は叫んで霞が戦っている戦場へと続く道を見る。
 そこで気がついた。先ほどまで隊伍を成していた呉軍の兵士たちが、一兵残らず消え去って
いることに。
 すぐさまその意味を悟る。周泰と甘寧が連れて戻ったに違いない。
 寿春へ抜ける最短ルートは、先ほどの落石で潰されてしまっている。これを迂回して別の道
を進むとなれば、相当の時間がかかる。
 どのみち援軍の要請は間に合わない。それを見越して自分たちは捨て置かれたのだ。
「……あ」
 と、そこまで思い至り、一刀は背後を振り返った。
 するとそこには一刀の命令を待つ、袁仲配下の兵千五百が控えていた。


204:美羽と七乃スピンオフ「遼来来2」(20/22)
09/10/22 22:51:32 3R0sVMvC0
 彼らを置いてはいけない。
 だが、彼らを戦場に連れて行くのはもっと駄目だ。仮に連れて行っても、自分の指揮能力で
は彼らをみすみす殺すだけだと一刀にはわかっていた。
(だけど……)

 霞のことも捨ててはおけない、だがいまの自分には、多くの命を預かる責任があるのだ。
 一刀が一人で逡巡していると、そんな葛藤を見透かしたかのように貂蝉が言った。
「安心してご主人様。ご主人様の兵たちは、わたしがきちんと美羽ちゃんのところまで連れて
帰ってあげる」
「ほ、本当に!?」
「うむ、我らにかかれば、兵の千や千五百、相手するなど子供の手を捻るより容易いことよ」
「ええ。だからご主人様は、思った通りに行動してちょうだい」
「卑弥呼、それに貂蝉……」
 漢女たちの漢っぷりに、思わず鼻がツンとした。

 それを見て貂蝉が言う。
「おおっと、ご主人様ったら、門出に涙は似合わないわよん」
 続けて卑弥呼が言う。
「うむ、生きて返ってきたら、儂の胸で思う存分泣くが良い!」
 それを聞いた一刀の頭が、知らず自然と下がった。
 いまの一刀にはそうやって、正体不明の二人に、誠心誠意感謝を示すことしかできなかった。
「ほんと、二人ともありがとう。何度も俺を助けてくれて……」
「いいのよん、顔を上げてちょうだい。なんと言っても愛しいご主人様のためだもん。尽くす
女、それが……」

『漢女道!』


205:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:53:36 5FoJAmkk0
支援です。

206:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:54:01 gBk3z0pA0
支援

207:美羽と七乃スピンオフ「遼来来2」(21/22)
09/10/22 22:54:22 3R0sVMvC0
 声をハモらせ、二人はタイミングを合わせて必要以上に筋肉を誇示するポージングをする。
 それを見た一刀がふらりとよろめく。
 しかしそれでも、二人の脳殺(脳細胞が死滅すること)に耐えて、一刀はあとを任せて駆け
出そうと……

「っとぉ、その前に!」
 見送りの言葉を言ったばかりの貂蝉が目に止まらぬ速さで一刀の前に回り込んでいた。

「うわぁっ! 心臓に悪いっ! っと、で、……なに?」
「ご主人様に言い忘れたことがあったわ。最悪、霞ちゃんが〝天の意志〟そのものになっちゃ
ったら気をつけてね。〝天の意志〟は真っ先にご主人様を殺そうとするかもしれないから」
「な、なんだって!?」
 その言葉に、卑弥呼も然りと頷く。
「うむ。〝天の意志〟からすれば、この世界を歪めている最大の元凶の一つは主殿であるから
な、最優先に狙われてもおかしくない」
「そんな、霞が……俺を?」
 冗談を言っている風ではない二人の様子に、一刀は呆然と呟いた。

「そうよ。だからもしかしたら、ご主人様はこれから見たくないものを見るかもしれない。そ
れでも行くのかしら?」
 その言葉で、一刀はまっすぐに問いかけるに貂蝉の瞳が、引き返すならこれが最後のチャン
スだと告げていることに気がついた。

 ならば答えはただ一つ。


208:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:54:32 6HIcgyv50
>>198
>状況やキャラクターといったファクター揃えてやれ
「を」が脱字かな?

209:名無しさん@初回限定
09/10/22 22:56:47 gBk3z0pA0
>>208
流れの中では埋もれて見逃すかもしれんから終わってからの方がいいんじゃないか?

210:美羽と七乃スピンオフ「遼来来2」(22/22)
09/10/22 22:57:57 3R0sVMvC0
「ああ!」
 一刀は力強く頷いた。
「それは〝天の意志〟であって本当の霞じゃない。俺は俺の知っている、霞を信じる!」
 迷うことはない。いま重要なのは霞を信じる、その一事だ。
 一刀の言葉に、貂蝉は満足したように頷いた。
「そう、だったらもうわたしたちには、頑張ってハッピーエンド目指すご主人様を応援するこ
としかできないわ。でも、これだけは覚えておいて、この世界で奇跡を起こすのは、いつだっ
て絆の力だってことをね」
「わかった!」
 そう言って、ぐっと親指を突き出した貂蝉に、一刀もまた、親指を突き出して返したのだっ
た。



 一度部隊に戻り、副官に事情を説明し終えた一刀が、馬に乗ってこの渓谷を去っていく。
 その姿を見送りながら、卑弥呼が唸る。
「ううむ。相変わらず主殿はイイオノコだのぅ。胸の漢女回路も思わずぎゅんぎゅん回ってし
まうわい!」
「そりゃあわたしたちのご主人様ですもの」
 腕を組んで手のひらを頬にあてて、ほうっと息をつく貂蝉。
「あとは、『揺り戻し』があるかどうかね」
「ああ」

 そうして一刀の姿が完全に見えなくなったことを確認してから、二人は落石によって塞がれ
た方の道を見た。
「さて、それじゃあわたしたちも始めましょうか」
「石ころごときの相手というのは、些か不満じゃがのぅ」
 そう言って、二人はバキボキと手をならしたのであった。

211:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:03:04 yVLEYBca0
支援

212:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/22 23:05:28 3R0sVMvC0
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
今回はやや世界観に踏み込んだお話よ。
「美羽と七乃」を含む、一連の流れの外史での世界観は、たまたまこうであるというだけのものよ。

>>208
「を」の脱字ね……わたしの名はメーテル、誤字脱字が多い女……
しっかり校正しても、取り切れていない女……

次は明日の午後9時30分からよ、鉄郎……

213:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:07:05 6HIcgyv50
おつかれー
今日のは怖くもあり、明日が楽しみでもあるな。

誤字脱字は、特に多いとは思わないけどw

214:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:08:29 A71Zw0Ya0
最近の大河バリの過剰演出ワロ

215:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:08:40 lqMpbX4oP BE:1356189247-2BP(1830)
おつかれメーテル

>「くくくっ、お主たちには、わしが直々に正しいフンドシのしめ方というものを教えてやろう!」
今回のポイントはここだな、俺はそう決めた

216:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:10:20 JB64hSdR0

ちょっとフンドシ買ってくる

217:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:13:43 gBk3z0pA0
メーテル氏乙です。
今なら恋すら圧倒しそうなくらいの霞だけど、そうなっている事への代償があるわけか。
しかし漢女2人がかっこいいな。
卑弥呼の着弾とふんどし指南には噴いたけどw

218:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:13:56 VX64GHYb0
乙です

蓮華を守る兵士達がファルコの為に身を挺する元斗の兵とダブって見えた

219:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:16:20 TI2uXH+C0
無双の力の源が分かった
そういう設定だったのね

220:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:22:51 Oi4t3I7g0
霞がついに張遼越えちまった

まぁ、外史的なねじれが発生すればそうなるわな

221:名無しさん@初回限定
09/10/22 23:51:33 YjKYnTA3O
メーテル氏乙~

もし暴走した霞が一刀を傷つけちゃったら正気に戻った時すんごい落ち込みそう

222:名無しさん@初回限定
09/10/23 00:34:04 c5sLI5O20
落ち込んだ霞を励ます?ために、七日七晩の閨無双があって欲しい

223:名無しさん@初回限定
09/10/23 00:53:31 RtJR3odhO
メーテル氏おつでした
一刀、頑張って霞を取り戻してほしい。

>>222
一刀なら余裕とみた

224:名無しさん@初回限定
09/10/23 01:25:12 Kvbw7h9W0
>223
霞のほうが持たないと思われ。

225:名無しさん@初回限定
09/10/23 01:29:55 JYMCH8Z+0
魏ルート寄りなら凪、無印寄りなら愛紗をカンフル剤に投入すれば元気になるのに……。

226:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2
09/10/23 03:15:07 9kbk1Qjr0
専用版に無じる真√N関連のファイルをUPしました。

形式:Zipファイル
内容は以下の通りです。
・以前作ったものにワカレミチ篇を追加した出来事表
・州地図
・ワカレミチ篇終了時勢力図
・ワカレミチ篇終了時徐州地図
※自作ですので造りが甘いです。

一応アドレスも貼っておきます。
URL:URLリンク(koihimemusou.x0.com)
微妙ですがよければどうぞ。

227:名無しさん@初回限定
09/10/23 07:33:51 o04nZtgr0
>>226
おお、これは便利。乙です!

228:名無しさん@初回限定
09/10/23 13:33:32 1wK3d3Gt0
メーテル乙。
やっぱり合肥の戦いの再現だったか。
最初の大一番で、いきなり来来される蓮華カワイソス……

229:名無しさん@初回限定
09/10/23 20:39:44 OGLqIc1M0
最近ようやく時間できてまとめ読みしてるけど

 呉メインって少ないのな

230:名無しさん@初回限定
09/10/23 20:44:15 JYMCH8Z+0
呉は子供も出来て幸せに終わってしまっているからなあ。
補完的な短編ならともかく、長編は難しいんじゃないの。


演義的には呉がそもそも恵まれていないのはおいといてw

231:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/23 21:22:49 B2sCQU3T0
わたしの名はメーテル……今日も9時30分から投下する女。
今回でちょうど半分よ、鉄郎。

232:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:23:26 tpxXXWH9P BE:2373330277-2BP(2000)
待ってたよメーテル

233:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(1/21)
09/10/23 21:30:44 B2sCQU3T0
 荒い息をした馬が止まる。
 蓮華と亞莎。張遼の追撃を振り切った二人が到着したのは、後方に据えられた『もう一つの
本陣』であっ。
 まばらであるがきちんとした天幕が用意されているそこは、本来のそれに比べるとこじんま
りとした印象を受けるものの、しっかりと機能を備えた司令部なのである。

「そ、孫権さま!?」
 早速蓮華の到来に気づいた見張りの兵士が、慌てて跪いて礼をする。
 そしてそれに気がついた周囲の兵士たちも、腰を落とそうとするのを見て、蓮華は手を上げ
てそれを制した。
「ご苦労様。勤めを妨げるつもりはないわ。そのまま続けてちょうだい」
「はっ!」
 跪いていた兵が勢いよく立ち上がり、その他の兵たちも揃って礼をした。

「ふぅ……」
 職務に戻る兵士たちを見ながら、蓮華がため息をついたのも束の間、
「蓮華姉さま!」
 背中から突然襲われた。
 誰かが、勢いよく彼女の背中に飛びついたのである。
 こんなことをする心当たりは一人である。
「姉さま~姉さま~」
「こら小蓮っ!? もう、やめなさい!」
 負ぶさるように蓮華の背中にぶら下がっていた娘が、言い当てられて「えへへ~」と言いな
がら手を離して足を降ろした。
 振り向いた蓮華の前に立っていたのは、蓮華や雪蓮と同じ髪の色をした、まだ幼さが色濃く
娘だった。


234:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(2/21)
09/10/23 21:33:18 B2sCQU3T0
 彼女の名は孫尚香、真名を小蓮という。
 孫策、孫権に続く孫家三姉妹、末の妹である。
「ごめんなさーい」
 小動物のように屈託なく笑う彼女こそが、この司令部の本来の主人であった。
 城を攻略したあと、そこに入って駐留する軍の指揮官を任される予定だった彼女は、雪蓮の
指示の下、その予習としてこうして小さいながらも陣を一つ構えて、後方で控えるように言い
つけられていたのである。
 下手をすれば指揮系統の混乱を招きかねない強引な実地訓練であったが、今回はそれが幸い
した。

 本陣を攻撃され、司令官である蓮華が逃走するという手痛い失態を犯しながらも、呉軍の指
揮系統が崩壊しなかったのは、『第二の脳』とも言えるこの中枢があったからに他らない。
 偶然の産物であるものの、まさに不幸中の幸いであった。

 蓮華はじゃれついてくる小蓮を困ったような顔で見ながら聞いた。
「雪蓮姉さまは?」
「姉さま? 姉さまならなら、怖い顔をしてあの天幕にいるよ」
 言って小蓮が指さしたのは、他のものより一回り大きな天幕だった。
 おそらくそこが、本来小蓮がいなければいけない場所なのだろうことは容易に想像がついた。

 亞莎に目を向けると、彼女は心配そうな顔で蓮華を見つめていたが、蓮華が頷くと自らもお
ずおずと頷きを返した。
「では亞莎は、打ち合わせ通り張遼を足止めするための策で、時間を稼いでちょうだい。その
間に私の方も話をまとめるから」
「……はい」

235:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:35:11 u9bojy5AO
メーテルさん来た!
支援するぜ!

236:⑬
09/10/23 21:36:04 /d2hmY+uO
寝る前に支援

237:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(3/21)
09/10/23 21:36:58 B2sCQU3T0
 そう目を伏せて礼をした亞莎はなにか言いたげであったが、蓮華はあえてそれに気づかない
ふりをして無視した。
 そして、雪蓮がいるという天幕の方を見る。
 自分の考えは間違っているのかもしれない。けれど直感によるひらめきを常日頃から大切に
するように言っている姉なら、わかってくれるという気持ちもどこかにあった。
 と、そんなことを思っていたために、こちらを見て心配そうにしている小蓮に気づくのが遅
れた。
「蓮華姉さま、大丈夫?」
「……ええ。ちょっと考え事をしてしただけよ」
「うーん、そうなの? なんか、蓮華姉さまも亞莎もちょっと変な気がするけど……、そんな
に敵の奇襲ってすごかったの?」
 可愛らしく小首を曲げてそう聞いてきた小蓮の言葉に、蓮華が怪訝な顔をした。
「小蓮。ここにはどの程度の情報が入ってきている?」
 そして聞いて、自身の中で不安が増大したのを感じた。
「え? うぅん……姉さまたちの本陣が敵の奇襲攻撃を受けたってことくらいかな。あとはそ
のときに少し被害が出たってことくらいで 他のことはなんか色々混乱してて……って、姉さ
まどうしたの?」
「ん、いや……」
 危機感なく、きょとんとした顔でそう言う小蓮の姿を目にして、
 〝―危うい〟
 蓮華はそう思った。

 いま小蓮が話した情報には、肝心要のことがすっぽりと抜け落ちてしまっている。
 鬼神のごとき、あの張遼の異様が彼女には伝わっていない。
 それだけではない。あれだけ想像を絶する奇襲攻撃を受けたというのに、この陣地にはどこ
か緩んだ空気すら漂っている。
 見回すと、誰しもが先ほどまでの蓮華たちのような、勝利を確信した希望に満たされた顔を
している。
 そこには、あるべき危機感がまったく足りていなかった。


238:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:38:38 O/qpRETn0
支援

239:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(4/21)
09/10/23 21:39:23 B2sCQU3T0
 あるいは、姉が兵たちに動揺を招かぬようにと情報を制限しているのかもしれないとも考え
たが、それでもいまの蓮華には、この状況が危険な兆候のように思えてならなかった。



「姉さま、ただいま到着しました」
 天幕に入りそのように挨拶をすると、現れた司令官の姿に周囲が一斉に静まりかえった。
 その中で蓮華はさっと、天幕の中の人員を確認する。
 やはり、そこには本陣で散り散りになった群臣たちの姿がなかった。
 つまり、あの場からここへ辿り着けたのは、今のところ自分たちだけということである。

「無事で良かったわ。張遼の騎馬隊に奇襲を受けて、本陣を脱出したと報告を受けたときは、
流石にひやっとしたわよ」
「お恥ずかしい限りです」
 そう言って、蓮華は神妙に頷いた。
「んー……。それで? なにか言いたいことがありそうな感じだけど?」
「………」
 その言葉に、蓮華は内心で舌を巻いた。
 こんなふうに心中を言い当てられたとき、この姉にはなにかもすべてがお見通しなのでない
かと思ってしまうことがある。
 同時に、そんな姉を相手にこれから自分が行わなくてはならない説得の難しさを、蓮華は改
めて確認した。
 それでも、最初から気圧されるわけにはいかない。
 蓮華は雪蓮の目を見てきっぱりと切り出した。


240:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:39:24 bhsCb8Fa0
久々に支援

241:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:40:08 O/qpRETn0
支援

242:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:43:27 v9Ro/W/+0
しえn

243:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(5/21)
09/10/23 21:43:28 B2sCQU3T0
「姉さま。私はこの度の戦、一度撤退して体勢を立て直すべきだと考えます」

 開口一番の撤退進言。
 その言葉に、一瞬周囲がしんと静まりかえった。そして一斉に、先ほど以上にざわめきが馬
を支配する。
 周りにいた臣下たちは、蓮華の言葉にそろって驚愕と困惑を示している。
 それはそうだろう、彼らは勝利を確信していたのだ。まさかそれを蓮華の口から水を差され
るとは思っていなかったのである。
 だが一方の雪蓮は、聞いた直後こそかすかに驚いた顔を覗かせていたが、いまはもう平素通
りの不敵な笑みを浮かべているだけであった。

「……意外ね。あなたのことだから、真っ先に報復に飛び出していきかねないと思っていたの
に」
 片目を瞑ってそう返す。
 すると蓮華は、姉の言葉が終わって一呼吸の間を置いてから、口を開いた。
「このままアレと戦うのは、危険が大きすぎます。どれだけの犠牲が出るかわかりません。我
々は一度退いて対策を練ってから出直すべきです」
「……あなたの言いたいこともわかるわ」
「と、いうと……?」
「私も、張遼を相手にするのは割に合わない犠牲を払わなくちゃいけないことを分かっている
わ。でも、撤退するというあなたの意見に頷くことはできない。これは決戦なの。ここで張遼
を討っておかなければ、呉の将来に重大な禍根を残すことになりかねない。まずはなにがあっ
ても勝利すること、それが第一よ」
「姉さま! 姉さまは何も分かっていません! アレを相手にするのはそんな次元では……」
「蓮華、いいから少し頭を冷やしなさい。敵は実質単騎なのよ。確かにそれなりの被害を出す
ことになるでしょうけど、正面から落ち着いて戦えば、なんの問題もない筈よ」
「姉さま!」

244:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(6/21)
09/10/23 21:45:45 B2sCQU3T0
「それに、既に張遼を討つべく、徐盛に部隊を率いさせて向かわせているわ。だから安心しな
さい。万事心配いらないわ」
 いまの呉軍の司令官は蓮華である。
 だが、姉が徐盛を向かわせたことを、勝手と非難することはできない。
 それはむしろ、指揮不能となっていた蓮華の代わりを務めていてくれただけなのだから、感
謝こそすれ非難できよう訳がない。
「それに何より、既に四将軍が城を包囲して攻撃を始めているいま、こちらの勝利は時間の問
題。ここで退く道理がないわ」

 聞き分けのない子供に諭すよう言われた、穏やかな姉の言葉。
 彼女の言い分はまったく正しい。
 雪蓮が口にしたことが正論なのは確かだ。だが蓮華の理性ではない部分が、姉の判断は間違
っていると叫んでいた。
 惜しむらくは蓮華の中に、そのことをうまく伝えられるだけの言葉がなかったことである。

 戦闘中止を訴える司令官、続行を命じる王。
 言葉を交える二人の間には、驚くほどの温度差があった。
 そしてそれを埋めようとやっきになるほど、齟齬が生じて二人はますますかみ合わなくなっ
ていく。
 雪蓮の瞳に迷いはない。彼女はこの戦いの勝利を確信しきっている。
 それはそうだろう。いくら強いと言っても所詮は孤人。十万からなる〝群〟である呉軍が負
けるはずがない。そう考えるのが当然だ。


245:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:46:39 O/qpRETn0
支援

246:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(7/21)
09/10/23 21:48:13 B2sCQU3T0
 だが、一方で蓮華の考えはそうではない。
 あの張遼の強さは理屈じゃない。
 なにがあっても、あれは戦うべき相手ではないと感じているのだ。
 無論、蓮華の現状把握能力は、歴戦の猛者である姉のそれに遠く及ばない。
 けれど蓮華の中のなにかが、あの張遼は危険だとずっと警告しているのだ。
 ただの直感、されど直感。
 晴天の雷鳴に龍を感じて以来の、胸騒ぎがそこにはあった。
 なにか取り取り返しがつかないことが起きてしまうと、そう感じるのだ。
 蓮華はそんな心の声に従って、己の直感を信じて、更に辛抱強く説得を続けた。
 何より姉なら分かってくれる、そう思っていた。

 しかし、それが甘い見通しであったことを蓮華は知ることになる。

 ◇◇◇

「あの……」
 小蓮の言葉に、雪蓮と蓮華は反応しない。
 二人が話し始めてから、幾分か時間が経過していた。
 議論は平行線を辿り、やがてはその間に不穏な空気が漂い始めている。
 そんな兆候を察した小蓮がおずおずと口を開いたが―。
「………」
「………」
 二人は黙したままで、末の妹の言葉など一顧だにしない。


247:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:50:06 u9bojy5AO
更に支援

248:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:50:25 bhsCb8Fa0
支援

249:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:50:58 v9Ro/W/+0
しえん

250:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(8/21)
09/10/23 21:51:12 B2sCQU3T0
「張遼を討ち、城を攻略する。ほんの少しの辛抱、そんなに難しいことじゃないわ、私たちに
はそんな子供の使いもできないと言いたいのかしら」
「そうは言っていません。私はいまは一度引くべきだと言っているのです」
「好機を逃せば、次はないかもしれないのよ」
「大業を成すなら、始めこそ慎重になるべきです」
「慎重と臆病は違うわ……そろそろ冗談では済まないわよ」
「これも呉のことを考えてのことです」
 当初穏やかだった雪蓮の目が、徐々に本気の色を帯びてきているのが小蓮にもわかった。

 雪蓮と蓮華。この普段仲が良い姉妹は、滅多にないことだがこうして一度こじれ始めると、
互いに退けなくなってしまうことがままあった。
 こうと決めたら退かない強情な姉に、同じく強情な妹。
 あるいはそうした気質は孫家の血筋なのかもしれなかったが、こうして二人が衝突した場合
に仲裁するのは母孫堅であり、宿将黄蓋であり、つきあいの長い周瑜の役目であった。
 だが、残念ながらその三人はこの場にいない。

 だがいなくとも、誰かがやらねばならぬ。
 何よりいまは戦いの最中なのだ。ならば自分がやるしかないではないか。
 意を決して、小蓮は口を開いた。

「ま、まあまあ。蓮華姉さまも無事に戻ってこられたんだから、そんなふうにピリピリしなく
たって……」

 途端、
『『子供は黙っていなさい!』』
「ぴぃ!?」
 二人の口からぴしゃりと雷が落ちた。
 そしてそれを契機に、二人の言い合いは更に加速する。


251:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:51:27 OGLqIc1M0
紫苑

252:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:51:51 O/qpRETn0
支援

253:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:53:24 tpxXXWH9P BE:3487342098-2BP(2000)
しえんぬ

254:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:53:33 v9Ro/W/+0
しえn

255:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(9/21)
09/10/23 21:54:16 B2sCQU3T0
「大体! 姉さまは現状に危惧を抱いてらっしゃらないのですか!」
「兵たちの士気は高いわ! 確かに引き締めは必要でしょうけど、そのことで必要以上に慎重
になる必要もないと思っているだけよ!」
「私は必要なだけの慎重さを持つべきだと言っているだけです!」
「……っ! ねぇ蓮華、なぜそんなに焦っているの? まさか単騎相手に怖じ気づいたわけじ
ゃないでしょうね?」
「雪蓮姉さま方こそ、ことを急ぎすぎではないですか? 姉さまの思い描く孫家の天下とは、
いまを逃せば次がないものような脆弱なものなのですか?」

 あっという間に二人の緊張感が高まっていく。
 このままでは不味い、そんなことを思ったときだった。
 この場面に、実に間の悪い人間が一人、姿を見せた。

「こ、これは一体!?」
 と、天幕の入り口に立ち尽くして声を上げたのは、蓮華と別れて時間稼ぎの策を各方面に指
示を出して戻ってきた亞莎であった。
 状況を把握できないでおろおろとしている亞莎が、小蓮にはこのときばかりは輝いて見えた。
「亞莎! 丁度良いところに!」
「小蓮さま、これは一体どうしたことですか!?」
「何って見ての通りよ! 姉さまたちが大変なの! 早く止めてあげて!」
「え、ええ!? わ、私がですか!?」
 来て早々、思いもしなかった難事を託されて、亞莎が狼狽する。
 無理、絶対に無理。
 そんなことを思いながらも、も責任感の強い亞莎は断ることができず恐る恐るといった様子で
二人の間に割り入った。

256:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:55:48 v9Ro/W/+0
しえん

257:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(10/21)
09/10/23 21:57:17 B2sCQU3T0
「あの、お取り込み中申し訳ございません……呂子明、ただいま戻りました……」
 生きた心地がしないとはこのことか。
 そんな心境で、顔を服の袖で隠す仕草をする亞莎を見た二人は……
「丁度良いところに来たわね亞莎。あなたからもこの頑固者に言ってあげてちょうだい。いま
退くことがどれだけ愚かかということを」
「丁度良いところに来てくれた亞莎。一緒に姉さまを説得して欲しい!」
 蓮華と雪蓮、二人から両肩を掴まれた。
「え、えええ!?」
 無論、そんな展開になって、亞莎はますますおろおろとするばかりであった。

 一方、周囲にいた人間たちは、そんなやりとりに呆気に取られるばかりで、こっそりと外へ
抜け出す小蓮を見咎める者など居はしなかった。

 ◇◇◇

「まったく! 姉さまたちったら失礼しちゃうわ!」
 のしのしと歩く虎の背に跨った小蓮は、そのスジの人が見れば一発でメロメロになるような
仕草で頬を膨らませていた。
「なんでシャオのときは『うるさい小蓮』で、亞莎のときは『丁度良かった亞莎』なのよ。失
礼しちゃうわ、まったく、まったく、もうっ!」
 彼女が可愛らしく怒っているのは、一大決心をして止めに入った結果が、散々であったこと
が原因である。

「そりゃあ、シャオはまだ子供かもしれないけど……。中身は立派な大人なんだから!」
 そうやって小蓮がぷりぷりと頬を膨らませている間も周々はのしのしとその歩を進めていく。
「もういいもんっ! 周々!」
 その合図で、待ってましたとばかりにだっと虎が駆け出した。
 顔に当たる風が気持ち良い。
 そうしていると、ささくれだった気持ちが安らぐのを感じた。


258:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:57:37 O/qpRETn0
支援

259:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:59:44 v9Ro/W/+0
しえん

260:名無しさん@初回限定
09/10/23 21:59:52 tpxXXWH9P BE:726530235-2BP(2000)
支援

261:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(11/21)
09/10/23 22:00:27 B2sCQU3T0
 しばらく走って辿り着いたのは、陣中の一角にある小高い丘だった。
 丘の上からは、遠く果てまで続くのではないかという呉軍の陣容が目に入った。
 そこから見える光景は、改めて圧倒されるほどの迫力があった。
 これこそが、呉の力なのだと再確認させられて、見ているだけで沈んだ気持ちが充実するの
を感じた。

 だが、そんな光景を眺めていた小蓮は、ふと違和感に気がついた。
 普段より孫の字が書かれた旗が多い気がする。
 いや、意識して見ると、明らかに多い。本来立てる必要のない場所にまで孫旗が翻っている。
 これはどういうことだろうか、そんなことを思って丘からの景色を眺めていた小蓮の耳に、
不意に風に乗って人の声が届いた。
 聞こえてきた方へ意識を向けた小蓮は、突然視界の端が、朱に染まったのを目撃した。
 目にゴミが入ったのかと思い、手でごそごしと擦り、それからもう一度よく目を凝らしてみ
た。
 すると、目の良い小蓮はそこにいるものの正体がわかった。

 それは人だ。
 下は足元までの長い袴、上は露出の大きな服を着た女だ。それが手にした槍を操って、呉軍
の中で単身暴れ回っていた。
 女が進む先に血の花が咲く。女が進んだあとには何も残っていない。
 思わず自分の目を疑ってしまう、そのくらい、女は出鱈目に強かった。
 小蓮も、思春や祭の強さを間近で見たことがあるが、目にした女の強さは、更にその上をい
っていた。

262:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:03:24 s+kY3wkR0
F-2

263:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(12/21)
09/10/23 22:03:43 B2sCQU3T0
 少なくとも、槍の一振りでまとめて敵を数十人なぎ倒すような人間を、小蓮は知らなかった。
 と同時に、叫びの意味に思い当たる。
 それはつまり、『張遼が来た』ということだ。
 ついで、暴れ回る張遼を見ていて、無数に立っている旗の意味にも気がついた。
「なるほど。あれだけ旗が立っていたら、どこに姉さまたちがいるか分からないっていう訳ね」
 よく見てみれば、孫旗以外の旗は降ろされているか、控え目に掲げられている。
 これならば、旗を目印にして居場所を探すというのは難しいだろう。

「そして、あれが蓮華姉さまが言っていた張遼ってことね」
 呟き、改めてまじまじとその姿を注視して、小蓮はぶるりと身震いをした。
 返る血も構わず、獣のように突き進むその姿。
 確かにこんな壮絶苛烈な戦いぶりを見せられれば、蓮華の言うことにも頷けないでもない。
「でも、だったらっ!」
 そう言って彼女は、日頃から使っている戦輪ではない、腰の後ろに穿いていた弓を取り出し
た。
 弓腰姫、彼女がそう呼ばれる所以である弓を構え、小蓮は狙いを定めた。
 見える範囲に敵は一人しかいない。
 標的は視線の先で暴れ回っている、あの猛将だ。
「小蓮がやっつけちゃうんだからっ!」
 口だけは勇ましく、指先は楽器を爪弾くように繊細に。
 キリキリと、力を込めて弓を限界まで引き絞り、ただひたすら射る的だけに意識を集中させ
る。

264:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:04:13 O/qpRETn0
支援

265:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:05:00 v9Ro/W/+0
まずいな

266:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:06:28 bhsCb8Fa0
支援

267:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(13/21)
09/10/23 22:07:11 B2sCQU3T0
 赤い嵐のような猛威と、小蓮との距離が縮まっていく。
(まだ……)
 堪える小蓮。
 やがて、そうときを置かずに、張遼は小蓮の射程ぎりぎりに到達した。
(……まだよ)
 まだ指を離さない。
 視界の先で、おぞましくも美しい武の化身が近づいてくるのが見える。
 けれどもまだ矢は放たない。
(狙うなら)
 更に距離が縮まり、ついに張遼が必中の境を踏み越えた。
 その瞬間、
(いまっ!)
 彼我の距離が零になったような錯覚を覚え、小蓮はついに矢の束縛を解き放った。
 だが、
「っ!?」
 細い指が矢の束縛を解くのと同時、それまで余所を見ていた張遼の顔がぐるりと動き、その
視線が小蓮を捉えた。
(まず……っ!)
 振動を抑え込み、反射的に矢をつがえて第二射を放つ。
 一撃必中、息も尽かせぬ連射。それが的を射貫かんと風を切る。
(よしっ!)
 手応えはあった。
 間違いなく最高の射だった。
 絶対に命中する。
 しかしそんな確信は、次に目にした光景で霧散した。


268:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:08:16 tpxXXWH9P BE:1017141473-2BP(2000)
しえn

269:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:08:43 u9bojy5AO
シャオやべえ
支援

270:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(14/21)
09/10/23 22:09:23 B2sCQU3T0
「うそっ!?」
 呆気に取られて声を上げる。
 小蓮の動体視力すら及ばぬ速さで張遼の左手が掻き消えたかと思うと、次の瞬間その手が前
方でなにかを掴んだのだ。
 なにを掴んだのか、それを他でもない小蓮がわからないはずない。
 自分が射た矢を、張遼は空中で素手掴みにしたのだ。
 常識的に考えて、狙ってできる芸当ではない。
 
(でもっ!)
 と、小蓮は心中で続けた。

 飛来する、もう一つの矢。
 一の矢を止めた張遼は、続く二の目の矢を同じようにして槍を握った右手で掴み取った。
 左右の手が矢を掴んでいる。
 それを見た小蓮は、

「最後っ!」
 つがえて狙いを定めていた、三本目の矢を放った。

 一本目が掴まれた段階で用意していた三本目の矢が風を切って飛翔。
 そしてそれは、刹那ののち、ついに張遼の脳天を射貫いた。
 命中の拍子に張遼の首が跳ね上がり顔が上を向く。
(やった!?)
 小蓮が期待を込めて見つめる中、張遼の四肢がだらんと伸びたような形になった。
 この戦場において、決して止まることのなかった体が、ついにその動きが止めたのである。


271:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:10:23 u9bojy5AO
まだまだ支援

272:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:10:39 bhsCb8Fa0
歯、か…?

273:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:10:49 qBMre1oE0
こええええええええええええ

274:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:11:53 v9Ro/W/+0


275:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(15/21)
09/10/23 22:12:17 B2sCQU3T0
「やったああ!」
 丘の上では、射手が歓声を上げてその場で飛び跳ねていた。
「これがシャオの実力だもん! 思い知ったか!」
 いくら化け物じみていても、頭を射貫いて倒れぬはずがない。
 張遼を倒した。
 蓮華が恐れた敵を、自分が討ち取ったのだという喜びを、小蓮は飛び跳ねて表現する。
「ふーんだ、これで姉さまたちもシャオのことを無視できなくなるんだから!」
 そんな風にして、得意げになって笑う。
 そう、笑っていると……

 不意に、風が、唸った。

「え?」
 近くで、『ガオンッ』としか表現できない、耳にしたことのない音がした。
 そして遅れて頬に、強い風が吹き付ける。
 その次は、「がっ!?」「ぐっ!?」「ぎっ!?」という、悲鳴のような音。
 なにが起こったのか。
 それを確認するため、小蓮は慌てて声がした背後を振り返った。
 すると、少し離れたところに重なり合うようにして倒れている兵士たちがいた。
 いや、それは倒れているのではない。誰が見ても一目瞭然に、彼らは全員まとめて事切れて
いた。
 そして、それだけの惨状を生み出した兵器とは……。
「どうして、シャオの矢、が?」
 それだけ理解した小蓮は、そんな馬鹿なという気持ちを抑えて、恐る恐る向き直った。
 そこにあったのは先ほど動きを止めた張遼の体。
 だだ、先ほどまでと違う点を一つ挙げるとするならば……

 その左手が、前へと突き出されていた。


276:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:15:04 bhsCb8Fa0
し、しえん

277:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:15:49 v9Ro/W/+0
しえn

278:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(16/21)
09/10/23 22:16:26 B2sCQU3T0
「ひっ……!?」
 ぞわりとしたものが小蓮の背中を這い上がり、本能が彼女に小さな悲鳴を漏らさせた。
 そして小蓮が見ている先で、脳天を打ち抜かれたはずの張遼の首が、ゆっくりと動く。
 動いて、空を仰いでいた顔が、元の位置へと戻っていく。
 そうして地に対して水平に目線を戻した張遼の歯には、三本目の矢が挟まれていた。
 だが、そんなことより小蓮に恐怖を喚起させたのは、己をまっすぐに凝視するその目が、不
気味な金色に輝いていたことだった。

「見つけたァ!」
 喜声が上がる。
 小蓮の姿を確認した張遼は、音を立てて鏃をかみ砕き、それを口から吐き捨て、地面を蹴り
抉りながら天高く跳躍した。
「今度こそきっちりバラしたる!」
 白刃煌めく大槍を手にした張遼が、人間離れしたバネで空を舞う。
「うおおおおおおおおおおおお!!」
 叫び上がる獣の咆吼。
 逃げなくてはと思う。
 けれども耳にした小蓮の体が、彼女の意思とは裏腹にすくみ上がって硬直してい
た。
 〝―逃げられない〟
 そう感じた。

 けれども、天意はこのとき少女の味方をした。

「総員、てぇっー!」
 飛び上がった張遼に対して、待っていたとばかりの号令が響いた。
 弓兵隊長の合図の直後、無数の弓なりの音、そして飛来を示す風切りの音がした。
 一斉、空中という遮蔽物の一切ない場所に躍り出た獲物に、射かけられる矢の嵐。

279:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:17:39 tpxXXWH9P BE:1307754239-2BP(2000)
霞が…

280:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:17:47 v9Ro/W/+0
支援

281:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(17/21)
09/10/23 22:20:12 B2sCQU3T0
 跳躍した張遼を待ち構えていたのは、視界を真っ黒に埋め尽くすほどの飛翔物。
 実際に矢が到達するより先に、音でそのことにいち早く気がついた張遼は、小さく舌打ちを
してから、器用に手の中で飛龍偃月刀を風車のように回転させた。
「しゃらくさいわァっ!」
 すると張遼の槍の回転が、大車輪と化して矢を阻む盾となる。
 のみならず、槍の高速回転が大気を攪拌して気流を生み出し、強烈な竜巻を作って巻き込ん
だ矢の軌道までをも変えてしまう。
 標的を射貫くことなく矢が次々落ちていく。あるいは明後日の方向に飛んでいく。
 そうやって飛んでくる矢の濁流を防ぐ張遼の並外れた行動に、当の射かけた弓兵たちの方が
動揺を示した。
 当然だ。彼らはこんな人間がいるなどとは、露ほども思っていなかったのだ。
「怯むな! どんどん撃て!」
 兵たちの中に走った衝撃に気づいた別の弓隊長が叫ぶが、もう遅い。
 いまの霞には、矢勢が弱まったその一瞬は、十分すぎる猶予であった。
「ふ―っ」
 張遼は息を吸い込んで飛龍偃月刀の回転を止め、それから体を反らし、背負うようにして大
きく振りかぶった。
 そしてそれを、体の捻りを加えて、上から下へ、勢いよく地面に向かって振り降ろす。
「せぇえいっ!」
 かけ声と共に振り降ろされた得物から、不可視の衝撃が走った。
 瞬時に落着。衝撃が周囲の兵士を巻き込みながら、それは轟音と共に大地に大穴を穿つ。
 密集地帯に叩き付けられた攻撃は、無数の人間の血を顔料にして、戦場に大輪の花が咲かせ
る。
 だが、それで終わりではない。
「るぅらぁああああああああああ!」
 張遼は振り降ろした刃を、気合いの一声と共に、そのまま横へ滑らせた。
 すると刃の軌跡に合わせて、筆を走らせるようにクレーターから一直線に朱が伸びた。
 進む先に血柱が上がっていた。


282:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:21:32 tUx7pClB0
支援

283:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:22:07 v9Ro/W/+0
しえn

284:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:22:29 Z96HxN540
スゲエ・・・、支援


285:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:22:29 qBMre1oE0
支援

286:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:22:50 u9bojy5AO
一騎当"万"だなこの霞…
支援

287:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:24:00 +x6DimwV0
矢の雨さえ無効化するか・・・・・・
無双の武将どころじゃねえ支援

288:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(18/21)
09/10/23 22:24:29 B2sCQU3T0
 瞬間遅れて、数え切れない断末魔の叫びが上がる。
 大地に残された傷痕、吹き上がった血柱、呆然とした兵たちの頭上に遅れて降り注が
れる鮮やかすぎる赤い雨、そして耳を塞ぎたくなるような悲鳴。
 現実感すら喪失しかける、まさに悪夢としか思えない尋常ならざる壮絶な光景。
 それは兵たちの心に、かつてないほどの恐怖を呼び起こさせるに十分であった。

「う、うわああああああああああああああああああああああ!!」「逃げろ! 逃げろ逃げろ
逃げろぉ」「鬼だ、鬼が来る!」「張遼は鬼じゃ!」「助けてくれ! なんで俺が!」「嫌だ
ぁ! こんなところで死にたくない!」「遼来! 遼来!」「助けて、誰か助けて!」「俺は、
俺にはまだやりたいことが!」「あああああああああああ!!」「わあああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 一つの叫びが二つの叫びを呼び、二つが四つ、四つが八つ。恐怖は伝染し拡散する。
 唐突、残っていた兵たちが、一斉に恐慌状態に陥った。
 誰しもが我先にと、前のにいる人間を押しのけてその場から逃げ出そうとする。
 統率も、連携もなく、ただ本能をむき出しにして逃げようとする兵たち。
 こうなってしまうと、人の群れとは存外脆い。いかな訓練された軍隊であろうとも、一度瓦
解してしまえば、あとに残されるのはただの烏合の衆に過ぎない。
 結果としてこのとき、周囲の呉軍は雪崩をうって総崩れとなった。

「ひ、ぃ……や、」
 目の前には滅多矢鱈と逃げ惑う大人たち。
 半潰走状態に陥った軍勢、その混迷のただ中に、腰を抜かして尻餅をついた小蓮がいた。
「グルルルル……」
 唸りを上げる一頭の獣がその前に出る。
 彼女に危害を加えようとするものから守護せんと、白虎は牙を剥いて威嚇するが、歩いて近
づいてくる張遼はそれを気にした様子を見せない。
 それどころか、
「その背格好、さしずめ孫家の末妹ってとこか……まあええわ、あんたをバラして晒して血祭
りにして、孫策の奴を退くに退けんようにしたる」
 そんなことを言いながら、彼女は近づいてくる。


289:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:26:38 O/qpRETn0
支援

290:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(19/21)
09/10/23 22:27:23 B2sCQU3T0
 手首のスナップを効かせてビュンビュンと飛龍偃月刀を試し振りして、黄金の目をした張遼
が近づいてくる。

 距離が狭まり緊張が高まる中、ガタガタと奮える小蓮の前で、ついに猛虎が吠えて獲物に襲
いかかった。
 それを見て小蓮が泣きながら叫ぶ。
「周々駄目ェェっ!!」
 けれどもその制止を聞かず、周々備わった鋭い牙と爪で、敵を引き裂かんと飛びかかる。
 そうして襲いかかってきた肉食獣を、張遼は、
「うるさい」
 轟音を伴った片手の一撃で、なんでもないように打ち払った。
 子猫でも振り払うように軽さで動かされた左手の裏拳。それが周々の大きな体を軽々吹き飛
ばしたのだ。
 そうしてはね飛ばされた周々が、一度二度と地面をバウンドして転がり停止した。
 吹っ飛ばされ、倒れて横たわった純白の毛皮は、土と血で無残に汚れていた。
 それでも主人を守ろうと、周々は懸命に体を起こそうとする。
 そうしてゆっくり起き上がり、よろよろと動こうとして……再びその体が崩れるようにして
横向きにどっと倒れ込んだ。
「周々、周々ぅ!!」
 小蓮の呼びかけにも反応しない。
 ただぐったりと倒れ込んだ周々を見て、小蓮はただただ恐怖で打ち震えた。
「さ、これで守ってくれるもんは、もうおらんようになった」
「ひっ……!」
 後ずさる小蓮を、追い打つ張遼の氷の言葉。
「いまの虎は手加減しといたから、もしかしたら息はあるかもしれへん。でもあんたの場合は
確実に殺す。絶対に死なす。酷たらしく殺す」
「ひっく、やだ、周々、誰か……」
「ははっ」
 笑った言葉とは裏腹に、目を黄金色に染めた張遼の顔は、仮面でも被っているように表情が
ない。
 人とは思えぬ暴力的なまでに濃密な存在感。それが死を引き連れて近づいてくる。


291:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:28:44 bhsCb8Fa0
ばけものと化してるな・・・

292:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:29:08 u9bojy5AO
怖ぇ…
支援

293:美羽と七乃スピンオフ「遼来来3」(20/20)
09/10/23 22:30:59 B2sCQU3T0
「誰か、助けて……っ!」

 目をきつく閉ざし、服の胸元を強く握り、恐怖に震える少女はそう、『誰か』に呼びかけた。
 けれども、ここでそれを聞き届ける者はいない。
 二人の姉はいない、仲間たちもいない。兵たちは皆、小蓮のことなど気にかけていない。
 この場で助けてくれる者など、いようはずもない。
 それでも、いまの小蓮にはそんな願いを口にすることしかできなかった。
 無為の願い、絶望の祈り。

 だが、この物語にはそれを聞き届ける者がたった一人だけいた。

「わかった」
 と、そう力強い声が聞こえた。

 期待などしていなかった。
 されど、返るはずのない声が返ってきた。
 小蓮が涙に濡れた顔を上げる。
 そこには、見たことのない青年が、こちらに背を向けて両手を広げ立っていた。

「俺が君を、必ず守ってみせる。そして絶対に、彼女に君を殺させたりなんかしない」

 そう宣言した男のことをを、小蓮は知らない。
 彼こそが天から袁術の下に舞い降りたと噂される男、『天の御遣い』北郷一刀であることを、
彼女はまだ知らない。
 けれど、その背中はこれまで見てきたどんな男のものよりも、強く、たくましく、大きかった。

294:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:31:10 v9Ro/W/+0
間に合ってくれ

295:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/23 22:35:05 B2sCQU3T0
わたしの名はメーテル……またまたまたまたうかつな女。
21分割ではなく20分割だったのよ鉄郎……

今回の投下分で半分を経過よ。
一刀登場というところで、続きは明日の午後9時30分からよ、鉄郎……

296:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:35:17 u9bojy5AO
一刀キタ━(゚∀゚)━!!
20/20って事は今回はここまでかな?
続きが楽しみすぎる
投下乙でした!

297:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:35:40 qBMre1oE0
乙です
一刀さんおいしいなぁ

298:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:37:08 tpxXXWH9P BE:1549929784-2BP(2000)
メーテルおつつ

一刀間に合ったよかったああああ

299:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:38:14 bhsCb8Fa0
アレの前に立てるとは・・・
さすがちんこだ!俺(ry

300:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:40:03 o04nZtgr0
>>295
いいところで、お預けとはあああ

301:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:40:17 ntAJvKdcO
乙ですよ~

今回の霞こえー!

というか霞が一刀に怪我させちゃわないとしても、こんな化物状態を見られたらそれだけで女の子としてかなり致命的なショックを受ける事確定

302:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:43:01 O/qpRETn0
メーテル氏乙です
恐るべしシチュエーションブースト効果
さて、こっからが一刀の見せ場だな
どうやって霞を止めてここから離脱するのか…

303:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:46:17 MqRPNgeN0
どうしよう。男前過ぎるちんこさんの登場にときめいた。
おのれメーテル、どう乙してくれよう。

304:名無しさん@初回限定
09/10/23 22:51:31 JYMCH8Z+0
メーテルおつかれー。
もう人外と化しているな。

ところで、>>233 (1/21)

>蓮華と亞莎。張遼の追撃を振り切った二人が到着したのは、後方に据えられた『もう一つの
>本陣』であっ。

たぬきになってる。

305:名無しさん@初回限定
09/10/23 23:14:48 gTkPJWd90
むかしPS2で戦神というソフトがあってだな
霞の戦い見てるとそんな感じがする…

亞莎の策が足止めにもなってないしorz
肉の壁と偽の旗で時間稼ぎしてるだけじゃないか…
シャオは無謀だったかも知れないが呉の姫としては正しかったと思う
もし矢を放たなければ霞は眼下の兵を一兵残らず殺していたはずだしね


306:名無しさん@初回限定
09/10/23 23:43:31 UvMuGGpa0
更新お疲れ様です。万夫不当とはこの事か・・・。

307:名無しさん@初回限定
09/10/23 23:45:17 WnJk+t4V0
>>262
おぬし、F-2支援戦闘機のことを言っておったな?

メーテルさん乙
張遼本人もここまで誇大に強さを評価されるとは思ってなかったろうなぁ
いくら特別な力が働こうとも

308:名無しさん@初回限定
09/10/23 23:47:11 JYMCH8Z+0
演義で史実より過小な描写しかしてもらえなかったことの反動だよw

309:名無しさん@初回限定
09/10/24 00:06:40 dwX4DEmQ0
メーテルさん乙

ところで、黒捷と張遼騎馬隊はどうなったんだろうか?
霞だけ残して、他は全滅しちゃったのか?

310:名無しさん@初回限定
09/10/24 00:51:44 l4gQ18460
乙でございます

多分、置いて行かれて付いてこれてないんじゃなかろうか……

311:名無しさん@初回限定
09/10/24 05:09:52 2Mz1T9vcO
シャオが殺される寸前とか、いくら何でもタイミング良すぎる
一刀がタイミング図ってたとしか思えない
それと先行した明命が到着してないって意味はまさか‥‥

312:名無しさん@初回限定
09/10/24 07:21:56 KvXRRDVl0
ご都合主義という言葉をしらんのかw
それにチョウセンがいるんだから細かいことはどうにでもなるさ

313:名無しさん@初回限定
09/10/24 15:43:28 K0x4e4aj0
また鬼引きかいっ

314:名無しさん@初回限定
09/10/24 16:03:42 UdW3+KB70
まだ半分って、一体何日連続でやる気なんだ……長ぇ

315:名無しさん@初回限定
09/10/24 16:27:18 Kexva4/y0
もういっそ北郷帝みたいにまとめてロダに上げた方が良いような気がする。
それぐらい長いよね。
それに何かぶつ切りでお預け食らってる感じだ。
これなら遅くなっても良いから、書き上げ一度に全部投下して欲しいよ。

きっと皆、我侭言うなとか嫌なら見るなとか言うんだろうなw


316:名無しさん@初回限定
09/10/24 16:44:38 pG1NzQw50
>>315
安心しろ。少なくとも俺は同意だ。
二日連続はまだしも何日も連続だと他の作品の投下がどうなるか心配なんだ。
結構みんな夜投下のほうが多い気がするし……。

317:名無しさん@初回限定
09/10/24 17:17:15 X2kGLSBSO
最盛期と違って被る心配する程投下ないし、問題ないと思うけどね。

被ったらどっちかが後にずらせばいいし、それで今まで問題起きなかったんだから大丈夫だ。

318:名無しさん@初回限定
09/10/24 17:34:31 4rNWfSy8O
今日初めてTINAMIの話を見てみたんだけど

あっちの一刀さんは最強無敵なのが多いん?

319:名無しさん@初回限定
09/10/24 17:42:09 pG1NzQw50
>>317
まぁ、ここでSS書いてる人はいい人多いから問題は起こらないだろうとは思う。
だけど、やっぱり多くの人がスレを覗く時間帯を独占はさすがに……って思うんだよね。

しかも、一つ一つが長文だから投下終了まで割と時間掛かるわけだし、それに次の人が投下するまで
空けなきゃならない間隔を足すとそれなりの時間をとっちゃう。
だからその長時間のスレ使用に関しては二日くらいはいいけど、それを何日も続けるのはさすがにやりすぎかなって思ったんだわ。

とはいえ求める人がいるんだからそれも致し方ないんだろうとも思うんだけどね。

320:名無しさん@初回限定
09/10/24 17:49:58 QtY7hviH0
独占は前日以前に予告しておけば無問題
過去スレですでに話し合い済みだし、ちゃんとテンプレ化してるでしょ

321:名無しさん@初回限定
09/10/24 18:38:01 qh8trHQ0O
今回ほどの規模のはなかった気はするけどな

322:名無しさん@初回限定
09/10/24 19:08:17 +O3wFRQmO
一月とか独占しなきゃ問題無いんじゃない?
時間帯だって人が少ない時でも最終的にここの素晴らしいまとめサイトの神様がまとめてくれるから後からでも余裕で見れる。
さて、明日は休みだ、張来来をリアルタイムで見れるぞー!(;_;)

323:名無しさん@初回限定
09/10/24 19:45:11 WGOFpYuW0
ここに来て日の浅い連中は文句ばっかだな
もしかして生まれてからも日が浅いのか?

324:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:05:27 +O3wFRQmO
>323
これ最低6570日は生きないと出来ないはずだが(笑)

325:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:10:03 bHeXtRP80
長すぎて支援砲撃でスレが埋まったこともあったよな。

326:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:10:44 WGOFpYuW0
“奴ら”は騒ぎ出すと手がつけられんから、多少ぼかして言ってる

例.生まれて日が浅い(なんだ赤ちゃんか) 最近の世代(小学生くらい?)

“奴ら”は××だからこうすれば気づかない

327:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:13:23 bHeXtRP80
分りやすく言ってやれよ。
半年ROMれと。

328:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:26:15 71Sn5aHk0
みんな優しいな。
おれだったらこう言うわ。
「永遠ROMってろ」と。

329:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:31:38 WGOFpYuW0
では分かりやすく
君達は我々と違って気が異なるから、しばらくは板の様子を見たり規約や過去ログを見たりしてきちんとルールを理解しよう

330:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:32:02 8+W1mxbMO
>>319
ルールがちゃんとに決まってるからんだからもういいじゃん。

メーテル氏到着まで今まで通り待とうよ

331:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:40:42 +6vtZ8MD0
まずは>>12のメーテルの告知を見なおして、期間くらいは把握しておくと幸せになれるかと。

332:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:43:50 8+W1mxbMO
ごめん、思いっきり文章噛んでた
凪に蹴られてくるわ

333:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:46:30 GAN4tvreO
≫馬鹿野郎!閏年分が足りないぞwww

334:名無しさん@初回限定
09/10/24 20:48:50 GAN4tvreO
ぐあ!ミスった。すまぬ
≫333は≫324宛だ

335:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:07:28 +O3wFRQmO
>333
≫馬鹿野郎!閏年分が足りないぞwww
そんなの面倒だから省いたんだよ。
めんどくさい、息をするものめんどくさい。

336:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/24 21:23:04 joG4JVAA0
わたしの名はメーテル……投下する女。
なにやら物議を醸してしまったようね、お詫びするわ。
思うところがあってアップローダーを使うのは意図的に避けているのよ。
かといって100レス以上を一度に投下もどうかと思って、こういう形になったのよ。

今日の分は午後9時30分からよ、鉄郎……

>>304の鉄郎
たぬきね……しっかり「た」が抜けているわね……
まとめさん、>>233の3行目
「 本陣』であっ。」
の部分を
「 本陣』であった。」
に修正してくださると嬉しいわ……


337:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:27:35 bWbORHF+0
お待ちしております

338:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(1/21)
09/10/24 21:31:15 joG4JVAA0
「―かず、と?」
 立ちはだかった者の姿を認めた霞の瞳、その片方から黄金の輝きが失せる。
 それを見た一刀は、まだ手遅れになっていないことを確信した。
 ならばとるべき行動は一つ。
「霞! 話を――!」
 今すぐ彼女を止めなくてはならない。

 だがその言葉の途中で、霞の視線が引き寄せられるように、一刀の頭の少し上へ向けられた。
 そしてまた、両の眼が金色に燃え上がる。
 一刀がなぜと凍り付いた直後、その答えは舞い降りた。
 頭上をよぎった黒い影。そしてギィン、という耳をつんざく金属同士がぶつかり合った音。
 振り降ろされた剣を受け止めた飛龍偃月刀から、派手に火花が舞って散る。
「小蓮さまには指一本触れさせん!」
 何者かが一刀と小蓮、二人の頭上を飛び越えて躍りかかり、張遼に打ち下ろしの一撃を叩き
付けたのである。
 金属をぶつけ合った音に続いて、今度はドンッという音が響く。
 以前にも猪々子と関羽との戦いで聞いたことのある音である。激突に伴う強烈な衝撃波が、
周囲をなぎ倒す波紋と化して広がろうとしているのだ。
「危ないっ!」
 一刀は咄嗟に振り返り、小蓮の華奢な体が吹き飛ばされないように、彼女をしっかりと抱き
しめた。
 だがそうされる直前、小蓮は現れた者の名を叫んだ。
「思春!」


339:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:31:46 ENyldGqS0
支援

340:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(2/21)
09/10/24 21:33:48 joG4JVAA0
 そう、張遼と干戈を交えて、火花を散らしているのは他でもない、勇猛でならす呉の将甘興
覇であった。

「はっ、たああああっ! てぇいっ! せやあああ!」
「ちぃっ! こいつ、一々鋭いっ!」
 思春と霞、二人は互いに電光石火の剣速で、容易に相手を絶命させうる一撃をぶつけ合う。
 斬撃の速さ、重さ、技巧の深み、これらすべてにおいて張遼が勝っている。だというのに、
後先を考えていない思春の激しい攻勢によって、二人の戦いは一時的な膠着状態に陥っていた。
「せやけど……っ!」
 そんな猛攻は長く続けられない。
 消耗によって少しでも斬撃の手を緩めれば、流れは即座に張遼のものとなるのは明らかだっ
た。
 だからこそ、この膠着も時間限定のものに過ぎない。
「そらそらそらそら! 息が上がってきたで!」
「く、そっ……!」
 二人ともそのことはわかっている。
 そして、あと少しで流れが一方的なものになる、そんなときにこの膠着を崩す新たな声が割
り込んだ。

「はああああああ!」

 人海を切り裂いて風が吹く。
 いや、それは風ではなく、駆ける人だ。
 その風体は一見して理知的な服装や片眼鏡といった文官の装い。
 普段着ている長袖の上着はいまは無い、纏っているのは露出の多いインナーだけである。
 そして、いまその手を長袖の代わりに覆っているのは、無骨すぎる鉄甲『人解』。
 呉軍軍師、呂子明。彼女は知謀の士にあるまじき猪突猛進を発揮して、張遼に単独突貫を敢
行する。


341:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:33:51 ivTeMPAv0
これより待機を終了し、支援を開始する。


342:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(3/21)
09/10/24 21:36:27 joG4JVAA0
「これ以上―っ!」
 亞莎は〝気〟を足裏で収束・爆発させて即席のブースターにし、横合いから流星の速さで、
切り結ぶ二人の暴風圏深くに飛び込んだ。
 そしてすくい上げる豪烈な一撃を繰り出しながら叫ぶ。

「好きには―っ!」 
 それに合わせて思春も叫ぶ。
 目立ちすぎる亞莎の突撃に、嫌が応にも張遼の意識が裂かれたその隙を逃さず、逆に『鈴音
』の剣速を上げて斬りかかる。
「ちぃっ」
 けれども、いまの霞ならこの程度の同時攻撃、捌けぬ程でもない。
 足を動かし半身をずらし、左手を飛龍偃月刀から離して握り固める。
 拳による迎撃を試みようというのだ。
 が、そうやって張遼が二人同時に対応しようとしたところで、更にまた影。 

「させませんっ!」
 最後の人影は、突如として張遼の背後から音もなく現れた。
 長すぎる抜き身の長尺刀を手に、背後から鋭く袈裟に斬りかかったのは周幼平。
 手にしているのは魂すらも切り裂くといわれる名刀『魂切』。

「「「はああああああああーっ!!!」」」


343:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:39:12 ENyldGqS0
支援

344:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(4/21)
09/10/24 21:39:22 joG4JVAA0
 全身全霊、それぞれ渾身の力を込めた徒手、曲刀、長尺刀が走る、奔る、趨る。
 事前に打ち合わせたわけでもないだろうに、それでも三人の攻撃は、完璧にタイミングを合
わせた三種三様三方の連係攻撃となった。
 並の将なら、そもそも同時に走る剣筋を知覚できない。
 一騎当千の将であっても、まずもってすべては避けられない。

 しかし、
「くっ……」
 張遼は、それらの攻撃のことごとくを、歯を食いしばるだけで凌いでみせた。

 逆に、攻撃を仕掛けた呉将三者が、
「あぐっ」
「きゃっ」
「ぐうっ」
 短な苦悶をそれぞれ漏らした。

 背後から襲いかかった明命は、勢いよく引かれ突き出された石突きで鳩尾を突かれて撃墜さ
れた。
 右方からアッパーカットを見舞おうと踏み込んだ亞莎は、タイミングを見計らった張遼の左
拳によるカウンターをまともに食らって派手に吹っ飛んだ。
 左方から斬りかかった思春は、斬撃の隙間を縫って放たれた神速ので突きを受け流すので精
一杯だった。

 そうして三人それぞれ、強制的に距離を離される。
 結果として、彼女たちの攻撃は失敗した。
 のみならず、ダメージを受けた亞莎と明命に至っては、攻撃を受けた場所を押さえて呻いて
いる。


345:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:40:10 ENyldGqS0
支援

346:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:40:48 Y2hC8pPi0
支援

347:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(5/21)
09/10/24 21:42:15 joG4JVAA0
 だが、負けてはいない。

 彼女たちはこの難敵を前に、誰一人欠けることなく最初の衝突を生き残った。
 ここまでの道、立ちはだかるものすべてをなぎ倒して殺戮で切り開いてきた張遼を相手に、
後退するだけで済ませたのである。

 それは思春たちからすれば、馬鹿げた強さである張遼の『底』を見たと言うことだった。
「確かに聞いたとおり尋常ならざる強さだ……。だが、足止めに専念すれば止められぬほどで
はない!」
 思春が再びその目に闘志を燃やし、敵に向かって走った。
 彼女だけではない、あとの二人もそれに続く。



「霞!」
 嵐の勢いで猛然と戦い始めた霞と呉の三人。
 まばたきの間に、彼女たちの戦いは一刀の知覚できない領域に突入してしまう。
 もう一刀の目では、どんな戦いをしているのかさえわからなかった。

 歯痒い。
 自分の無力さを痛感する。
 戦場で何もできないことが、これほどまでに恨めしく思えたことはこれまでなかったかもし
れない。
 一方で思いのままに今すぐ彼女たちの間に飛び込んで、止めろと叫びたい衝動に駆られる。
 だが、そんな一刀を思い止まらせたのは、小賢しい理性と、一刀の制服を強く掴んで離さな
い少女の存在であった。

348:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(6/21)
09/10/24 21:45:27 joG4JVAA0
 彼女もまた、一刀の腕の中、泣きそうな顔をしながら戦いを見つめていた。
 北郷一刀という人間の中には、そんな少女を見捨てる選択肢はない。
 それでもしばし逡巡して、
「……くそっ、まずはここから離れないと」
 そう口にした。

 四人が戦っている場所から、一刀たちがいる場所までの距離は、目算で二十メートル程度。
 こんな距離、英傑たちの戦いを考えれば決して安全とは言い難い。
 一刀はとりあえず、少女の手を引いて、安全な場所へ移動することにした。
 『助ける』と言ったこの少女を守るためにも、ひとまず安全場所に連れて行くのが最善と思
われたのだ。
 何より霞にこの少女を殺させてはならない、そう思ったのだ。

 そうして今後の方針を決めて、一刀の行動を起こそうとしたときだった。
 彼は首筋に突然、ひやりとした金属の冷たさを感じた。
「小蓮から離れろ……」
 そこでようやく、一刀は自分の首に鈍く光る剣が押し当てられていることに気がついた。
 そして、その怒気を孕んだ声に小蓮が反応した。
「蓮華姉さま!」
 声をした方をゆっくりと振り返ると、そこには剣を手にした赤髪の少女が立っていた。
 鋭い目つきに、厳しい口調。
 決して友好的な雰囲気ではない。
 しかし一刀には、目の前の娘に、腕に抱えた少女や、以前出会った孫策に共通する雰囲気を
感じ取ったことの方が重要だった。
「まさか、君……」

349:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:46:26 WGOFpYuW0
支援砲撃、弾着、今!

350:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:46:33 skZ7j9oa0
紫煙

351:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(7/21)
09/10/24 21:48:19 joG4JVAA0
 口を開こうとした一刀だったが、蓮華はそれを途中で遮った。
「貴様、その妖しい出で立ち……一体何者だ。小蓮になにをするつもりだった!?」
 放たれた激しい言葉に、一刀は自分の腕の中にいる小蓮を見る。
 小さな彼女は自分の腕の中にすっぽりと収まっている。
 なるほど、これは確かに―
「ち、違うの姉さま!」
 と、蓮華に慌てて抗弁しようとした小蓮の言葉。その末尾を一刀は聞きとがめた。
「姉さま? っていうことはやっぱり……」
「姉さま聞いて、この人はシャオを救ってくれたの!」
「君は、君はもしかして孫権? 孫権仲謀?」
「シャオのことを助けてくれた命の恩人なの!」
「だったら孫権さん! お願いだから話を聞いてくれ。俺は『天の御使い』北郷一刀。なんだ
ったら孫策さんには会ったことがあるから、あとで確認したって良い!」
「かずと……一刀って名前なのねっ! じゃあじゃあ、これからは一刀って呼ぶから、シャオ
のことはシャオって呼んで!」
「このままじゃ取り返しのつかない、大変なことが起こるかもしれない! だから俺の言うこ
とに従って欲しいんだ!」
「姉さまお願い! 一刀は何も悪くないの! 一刀はシャオを一生守ってくれるって言ってく
れたのっ!」
「一刻も早くこの戦場から兵を引きあげて欲しい!」
「運命の人なのっ!」


352:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:49:07 ENyldGqS0
支援

353:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:50:17 WGOFpYuW0
なんというカオスww

354:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:50:40 ENyldGqS0
妙な誤解が発生しているw

355:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:50:47 +O3wFRQmO
追いついた!支援砲撃開始!

356:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(8/21)
09/10/24 21:51:50 joG4JVAA0
 途切れることなく矢継ぎ早に言葉をたたみ掛ける二人。蓮華は逆に両者に詰め寄られる形と
なって後ずさった。
 しかし、すぐなぜ自分が押されているのだと思い至り、顔を真っ赤にして怒鳴り返した。
「ええいっ! 二人とも、黙りなさい!」
 その思わぬ大声に思わず二人は、
『は、はい』
 声を揃えて頷くことしかできなかった。
 
「そう……なるほど。ではあなたには礼を言わないといけなかったようね」
「いや、別にお礼なんて……」
 小蓮と蓮華は、お互い簡潔に状況を説明し合い、その結果として蓮華は剣を引いてくれた。
 それを見て、一刀は心底ほっとする。
 何度経験しても、真剣を向けられるというのに慣れない一刀である。
「小蓮がいないことに亞莎が気づいて、それで胸騒ぎがして戻ってきた明命たちにも手伝って
もらったんだけど……間に合って良かったわ」
「……ごめんなさい」
「で、あなたがあの噂の、管輅の占いに出てきた、『天の御遣い』というのは?」
「え? あ、ああ。どんな噂だか知らないけど、多分俺がその『天の御遣い』だよ」
 蓮華はそれを聞いて一度目を閉じた。
「……だったら、最初に剣を突きつけたのは正解だったようね」
 そして彼女は、再度その剣を、一刀の首に突きつけたのである。
「な、なんで!?」
 一刀が驚きの声を上げる。


357:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:52:43 rE7DBafa0
私怨開始

358:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:53:37 8+W1mxbMO
支援

359:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(9/21)
09/10/24 21:54:59 joG4JVAA0
「袁術に拾われ、そして袁家の血族に迎えられたという『天の御使い』。姉からは、あなたこ
そが最も危険な男だと聞かされている。だから、妹を助けてもらったことは感謝しているが、
その上で……おまえを拘束させてもらう」
「そ、そんな! 俺は霞を、張遼を止めなくちゃいけないんだ!」
「……わかって欲しいなんて言わない。でも、こちらもなりふり構っていられないのだ。おま
えを……盾にさせてもらう」
 勝手な言い分に、一刀は言い返そうとした。
 だが、蓮華の綺麗な目に苦悩が滲んでいるのを見て、思わずそれを呑み込んだ。
 それほどまでに、彼女は思いつめた目をしていたのだ。

 そんな風に押し黙った一刀を見て、蓮華は一瞬だけすまなそうな表情を浮かべて言った。
「こんなことを話す必要はないけれど、煩わしさにかまける一時が惜しいから教えてあげるわ

「え?」
「我が軍は既に撤退することを決定している。あとはこの場から素早く退くだけだ」
「て、え、えぇ!? あの雪蓮姉さまを説得できたの!?」
「説得したんじゃないわ。形の上だけで納得してもらったのよ」
「でもそれなら、別に俺を拘束する必要なんて……」
「その撤退を、あの張遼が大人しく見ていてくれると思う?」
「う……」
 『思う』とは言い切れなかった。

360:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:56:21 +O3wFRQmO
リアルタイム支援は久しぶりだな~

361:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:56:53 yPcROIUg0
とはいえ目の前で一刀引っ張っていこうとした時点で撤退とか無理になる気もするがなw 支援

362:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(10/21)
09/10/24 21:57:28 joG4JVAA0
 一刀はいまも戦っている霞たちの方へと目を向けた。
 侵攻してきた呉軍を撤退させることができれば、一刀たち本来の目的は達せられる。
 だがいまの霞を見る限り、彼女が逃げる呉軍を追いかけて孫策たちの命を狙わないとは断言
できなかった。
「私だって本当はこんな真似は本意ではない……だが、軍が撤退を完了するまで、おまえを人
質にさせてもらう。幸い、おまえと張遼は知らぬ仲でもないようだしな」
「なんでそのことを……って、そっか真名か。でも霞が、俺の安全よりも、使命の方を優先す
る可能性は?」
「それはそれで仕方がない。おまえはただの保険だ」
「……それは、参ったなぁ」
 そう言って、一刀は両手を頭の上に上げて恭順を示した。
 霞を救わねばならない、そのためにはこの戦いを終わらせなくてはならない。
 だが、目の前の蓮華は本気だ。
 一刀は自分の腕前では、到底目の前の孫権に敵わないであろうことを承知していた。
 それに、彼女もまた仲間を救うために最善を尽くそうとしているのだとわかってしまう一刀
には、これ以上どうすることもできなかった。
「君たちの目的は、あくまで無事に退くことであって、張遼を討ち取ることじゃない。これは
間違ってない?」
「ええそうよ。いまの張遼を討ち取ることで出る被害は見過ごせない」
「それを聞いて安心したよ……。わかった、君の言うとおりにするよ」
 あるいはその言葉には、自分が人質に取られたことで、あわよくば霞が戦いをやめるかもし
れないという、期待が含まれていたのかもしれない。 
 けれど、あとで思い返せば、一刀はこのとき何が何でも逃げ出せば良かったと思うのだ。


363:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:57:36 ENyldGqS0
支援

364:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:58:12 skZ7j9oa0
紫煙を燻らせながらの支援、とくらぁッ!

365:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:58:54 ENyldGqS0
まあ火に油注ぐようなもんだよなあw

366:名無しさん@初回限定
09/10/24 21:59:02 gqC1fWqb0
逆に追っかける名分ができてしまうでござる

367:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:00:23 t8xhMNu+0
支援砲撃だ!耕してしまえ!

368:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(11/21)
09/10/24 22:00:44 joG4JVAA0
 張遼の動きが、突如として鈍った。
 その目が驚愕に大きく見開かれている。
 それがこちらの隙を誘い込もうとする罠であることも考え、思春は張遼から目を離さなかっ
た。
 しかし、動きが鈍り、剣筋に迷いが生じたのも確か。
 巻き返すには、これ以上ない絶好の機会であった。
「亞莎! 明命! 少しの間相手を頼む! 死ぬなよ!」
 合図となる思春の声に、二人は黙して応えない。
 ただ、手数を増やすという行動でのみ意思を示すだけだ。
 それを見て思春は二人の理解に感謝し、大きく後ろに跳躍した。

 思春が降り立ったのは、混乱する兵たちが固まる一角であった。
「聞けぇ! そして見よ! 孫呉の兵たちよ!」
 そして思春は高らかにそう宣言しながら、その身を翻す。
 同時、手にした刃が、水平に流れる。
 合わせて、鮮やかな赤が飛び散った。
 喉を切り裂かれて仰け反ったのは、逃げ出そうとしていた兵士の一人であった。
「甘寧将軍!?」
 血迷ったかのような彼女の行動に、周囲の兵たちから困惑の声が上げる。
 だが思春は、それをかき消す大声で叫んだ。

「貴様らそれでも栄えある孫呉の兵か! 恥を知れ! 怯える兵は孫呉の兵に非ず! 敵に背
を向けた臆病者は即刻、この私が冥土に送ってやろう!」
 リィンと鈴の音が響く。その鈴の音と怒号に、誰もが息を飲んだ。
 するとそれでそれまでの騒ぎが嘘のように、潮が退くようにして周囲が静まりかえる。
 そしてそのことを確認して、この機を逃さず思春は言葉を続ける。

369:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(12/21)
09/10/24 22:03:35 joG4JVAA0
「なにをやってる楽隊! さっさと楽をならせ!」
 従わなければ斬り捨てる。そう言外に言ってのける甘寧に、近くに控えていた楽隊が震え上
がった。
 がなり立てるように奏でられ始める勇ましい楽の調べ。それに乗せて思春は更に叫ぶ。
「隊列を整えろ! 武器を構えろ! 訓練を思い出せ! 奮い立て孫呉の勇士たちよ!」

 恐怖を制するには恐怖。
 思春の行動によって、崩壊状態だった兵士たちの動きに歯止めがかかった。
 本来のまとまりからすると目も当てられない惨状だが、いまはそれでいい。
 戦いは流れだ、その流れを引き戻す一助になれば……最悪でも、蓮華たちが逃げのびる邪魔
にならなければ、それでいいのだ。

 強引に統率を回復させた思春が再び張遼との死闘の場に戻ると、丁度三者が睨み合う形で動
きを止めているところであった。
 亞莎と明命は二人とも肩で息をして、小さな手傷が増えているいるものの、きちんと健在で
ある。
「大丈夫か二人ともっ!」
 その声に、

「私はまだやれます!」
「問題ありません!」

 亞莎と明命は即座に応えて、戦闘継続の意志を構えで示した。
 三人とも、既に数え切れないほどの刃を交えて、いやと言うほどにわかっている。
 この敵は、これまで相手にしてきたどんな敵よりも強い。
 その強さはどんな尺度で測っても桁外れだ。犠牲抜きに倒すことはまず不可能だろう。


370:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:05:38 +O3wFRQmO
支援砲撃!山の形を変えてやれ!

371:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:06:16 ENyldGqS0
支援

372:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(13/21)
09/10/24 22:06:33 joG4JVAA0
 だが、
「ならばよしっ! 蓮華さまは小蓮さまと合流なされた、あとは我々が時間を稼ぐだけだ! 
覚悟を決めろ! 例えここで命果てようとも、絶対に蓮華さまたちをお守りするぞ!」
『はいっ!』
 三者とも、難敵を前にかつてないほど気力が漲っていた。
 自分たちが最後の守りだという事実が、実力以上の力を引き出しているのだ。
 負けられない、譲れない。
 守りたい人がいる。
 そんな想いや願いが彼女たちの原動力になっていた。

 だがしかし、
 想いの強さが力になるというのなら、

「邪魔や……」

 願う心が力になるというなら、

「邪魔や邪魔や邪魔やああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 いまこの戦場で、彼女に勝るものなど誰一人としていなかった。
 視界の先で喉元に刃を突きつけられ、連れ去られようとしている愛しい人を、守りたいと思
う気持ちは誰よりも強かった。



373:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:05 ENyldGqS0
ですよね~支援

374:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:31 skZ7j9oa0
生唾を呑みながら支援

375:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:07:52 t8xhMNu+0
あっちゃー、こりゃ火に油注いだな
まぁいい、支援砲撃は続行だ!

376:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:08:06 uOtNCXIh0
支援させて頂きます。


377:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:09:04 yPcROIUg0
だよなあ…… 支援

378:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(14/21)
09/10/24 22:09:20 joG4JVAA0
 絶叫と同時、電光が走った。

 叫びに呼応するようにして、空から稲妻が彼女の体に吸い込まれるように流れ落ちたのであ
る。
 閃光、そして轟音。
 たがうことなく霞の体に落撃する、晴天の雷。
 だが、異常はそれだけで留まらない。
「なんだと!?」
 驚く思春の声をかき消して、更に雷鳴。強烈な音と衝撃が、なおも周囲を襲った。
 先ほどの雷と同じものが。立て続けて五つ六つと連続して落ちる。
 しかもそれらすべてが、仁王立ちする張遼を直撃する。

 幾度もまばたく電光の、あまりの強烈すぎる輝き。
 瞼を閉じていてなお、網膜に像が焼き付けられるほどの光。
 それはまさに、天が地に降り人の身に宿った瞬間であった。



 しばらく続いた光と音の狂騒が静まり、視力が回復した人々が目にしたのは、一つの怪異で
あった。
 体に稲妻を纏い、ほどけた髪を生き物のようにくねらせて、全身から黄金の光を放つ張遼。
 あれだけの落雷を身に受けたというのに、当然とばかりにその身には火傷の跡一つない。
 もうそれはいっそ、神と呼んで差し支えない、人間本来の枠組みを超えた存在であった。


379:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:10:31 +O3wFRQmO
火に油?
重油に爆弾でわ?

380:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:11:04 yPcROIUg0
孫呉オワタ 支援

381:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:11:20 t8xhMNu+0
あ、これ三国無双MULTI RAIDだわ

382:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(15/21)
09/10/24 22:12:53 joG4JVAA0
『………』
 呆然とする思春たちを前、張遼は足を広げ、だらりと下げいた飛龍偃月刀を、掲げるように
頭上に構えた。
 すると飛龍偃月刀がバチバチという音を立てて、一層強烈な光を放った。
 異変はそれだけではない、周囲の空気が恐ろしい勢いで張遼の持つ槍へと引き込まれていく。
 それはまるで、巨大な龍が大きく息を吸い込んでいるかのようであった。

 不意に、蓮華は強烈な悪寒に襲われた。
 最悪の光景、血の海の既視感。
 彼女は即座に一刀と小蓮の頭を抑えた。
 そして彼女は叫んだ、わけもわからず、ただ力の限りに。

「みんな、伏せ―――」
 しかし、

 直後、ためを解放して、人智を越えた神速で飛龍偃月刀が水平に振るわれた。
 薙ぐようにして刃が走り、光が、奔る。

 結局、蓮華はこの世に地獄が生まれ落ちるのを止められなかった。



 霞を中心として、太刀筋が光の輪となって広がる。
 衝撃と共に広がる光の輪。
 斬光の同心円。
 それがどこまでも広がっていく。


383:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:13:49 +O3wFRQmO
孫呉終了のお知らせをいたしま~す
支援

384:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:09 ENyldGqS0
支援

385:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:23 skZ7j9oa0
巨神兵を幻視したのは自分だけでいい…支援

386:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:14:36 t8xhMNu+0
今の霞ってこんな感じ?大分違うと思うけど
URLリンク(www.gamecity.ne.jp)

387:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:05 yPcROIUg0
空き巣狙いに全兵力突っ込んで人質まで取ってこれとか泣くに泣けんな。支援

388:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:24 uOtNCXIh0
一刀君、漢をみせろ。

支援。

389:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:15:25 ENyldGqS0
支援

390:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(16/21)
09/10/24 22:15:37 joG4JVAA0
 そして、斬撃が風を切って過ぎ去ったあと、追いかけるように無数のなにかが空を舞った。

 それも、一つではない。

 無数の
 それはもう無数の
 首が、

 首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、首が、
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が
 首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が首が

 血の尾を引いて、空に舞う。
 理不尽すぎる力の前に、無慈悲にも万単位の命がに失われた瞬間であった。


391:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:16:44 yPcROIUg0
って一撃で万単位かい。何という無理ゲー
支援

392:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:06 GAN4tvreO
トラウマじゃすまないなこれ……
支援

393:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:32 ENyldGqS0
本当に理不尽だw

394:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:17:41 a7ESfplu0
こ、怖過ぎる・・・

395:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:18:40 a7ESfplu0
一気に400近くの首が飛んだのか・・・

396:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:18:42 +O3wFRQmO
あれ?俺いつの間に型月のフェイトを読んでるんだ?
支援

397:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(17/21)
09/10/24 22:18:49 joG4JVAA0
「そ、んな……」
 二人を地面に引き倒して自らも難を逃れた蓮華が、顔を上げて呆然と呟きを漏らした。
 視界に入る範囲、いたるところで頭部を失って案山子が立っていた。
 立ち尽くした無数の亡骸が首から勢いよく血を噴出させている。
 それが、一つ、また一つと倒れていく。
 その光景はあまりにシュールすぎて、まるで悪い冗談のようで、蓮華にはそれらがつい先ほ
どまで皆生きていた人間たちの、なれの果てだとは信じられなかった。


 そうして蓮華が絶句する中、張遼の方でも変化が起こっていた。
 彼女が握っていた飛龍偃月刀。それが突然、硝子の割れるような澄んだ音を立てて、木っ端
微塵に砕け散ったのである。
 柄も、刃も、すべてが破砕して、輝く粒子となって崩壊して風に流れて消えていく。
 人為を尽くした最高の業物であったそれも、いまの彼女が振るうにはあまりに脆弱であった
のだ。

 得物を失った張遼であったが、彼女が右腕を天に掲げると、たちまち天から新たな稲妻が走
った。

 だが、今回のそれは張遼の身に落ちたわけではない。
 雷光の中、張遼は信じ難いことに、その手に落雷を掴んでみせたのだ。
 掴まれた稲妻が、まるで苦しみに身をよじるようにして暴れ回る。
「―――っ!!」
 暴れる雷に、張遼が声にならない叫びを上げた。
 するとどうだろう、それまでのことが嘘のように雷が静まっていく。
 そうして雷が収まったとき、張遼の手の中には黄金色に輝く飛龍偃月刀が握られていた。
 稲妻を統べ、龍を使役する。
 それはまるで神仙の御業のようであった。


398:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:19:47 +O3wFRQmO
>395

>一気に400近くの首が飛んだのか・・・
万だよ万

399:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:20:03 t8xhMNu+0
ゼウスかよwwww
しかし、ここまでくると種族:霞だな

400:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:20:08 skZ7j9oa0
ゲシュタルト崩壊モノだな、コレ…支援

401:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:21:00 gQCBMlgu0
まさに三国無双状態だな

402:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:21:04 yPcROIUg0
事情知らないと、天の使いに手を出したから天が怒ってるんだ、とか思ってもおかしくねぇ展開だなあ
支援

403:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(18/21)
09/10/24 22:21:22 joG4JVAA0
 しかし、そんな光景を目にしても、なおも奮い立つ者たちがいた。
「くそっ……化け物めっ! 行くぞ二人とも! 我らの血のたぎりにかけて、なんとしても絶
対にこれ以上好きにさせるな!」
「は、はいっ!」
「仕留めますっ!
 蓮華の叫びで咄嗟に伏せることができたため、災禍を逃れた三人である。

 呼吸を合わせ、一斉飛びかかる思春、亞莎、明命。
 先ほどと同じ、三対一の戦いが始まった。
 まとめて幾十、打ち鳴らす剣撃の音が、血の海の地獄に響く。
 けれども、そうして対峙する黄金色の張遼は、これまでとはまったくと言って良いほどに、
力も、速さも何もかも違っていた。
 明らかに、強さが増している。
 それでも三人は、完璧な連携で攻撃をし続ける。
 取り囲んだ三方からの、間断ない超速の連続攻撃。
 突き、絶ち、斬り、穿ち、弾き、裂き、砕き、刺し、薙ぎ、崩し、殴り、蹴り、返し、衝す。
 持てる技のすべてをぶつける、出し惜しみなどしない。
 ただ一人の敵を倒すために、全力で挑む。

 そうする彼女たちは確かに強かった。
 けれども、それは人という枠組みの中の話である。


404:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:22:03 a7ESfplu0
>>398
首が で判断したんだ。オイオイ・・・どこの神話の世界だよ・・・。

405:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:22:40 +O3wFRQmO
>399
種族:霞
「今後ともよろしく」

406:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:23:54 8U/w3ig20
>>405
ちょっとメガテンやってくる!

407:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:24:01 skZ7j9oa0
む、『絶ち』は『断ち』の間違いか…?
俺の勘違いだったら謝るぞ…支援

408:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(19/21)
09/10/24 22:24:16 joG4JVAA0
 最初に崩れたのは、亞莎の担う一角であった。
 彼女の武器は他の二人と違い、圧倒的にリーチが短い。
 鉄甲という武装は、究極的にはインファイト以外の選択肢が存在しない武装なのである。
 しかしそれでも、本来なら長柄武器を持つ相手に対して、鉄甲による打撃域に踏み込めたの
なら、そこが最も安全な距離となるはずだった。
 だが、こと今回の戦い、この相手に限って言えばその原則が当てはまらない。
 張遼が振るうあまりの暴力、あまりの破壊力、それは余波と呼ぶにはあまりに大きな力のう
ねりを発生させていた。
 荒れ狂う嵐のようなその動きに、少しでも巻き込まれたのなら、人間の体などあっさりと圧
壊されかねない。それだけの恐怖を張遼の動き一つ一つが秘めていた。
 そして、常に敵の眼前に居続けることで、最もそのプレッシャーに晒されるのも亞莎であっ
た。
 そんな彼女の消耗の速さは、他の二人の比ではない。
 加えて、亞莎は純粋武官である他の二人に比べてスタミナが足りていない。
 あるいは昔のまま、武将として蓮華に仕えていたなら違ったかもしれないが、軍師に転向し
た彼女が、最初に耐えられなくなるのは自明の理であった。

「くううぅっ!!」

 摺り足、踏み込み、体捌き、足捌き。
 亞莎は踊るようにして、最前線で果敢に接近戦を挑み続ける。
 だが、衰えを知らずに攻め立てる二人に対して、徐々にだが彼女の動きだけが遅れだしてい
た。

「大丈夫か!」
「まだ、やれま……きゃっ」
「亞莎!?」


409:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:24:57 ENyldGqS0
支援

410:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:26:13 +O3wFRQmO
>406
せめて今日の分、見てからにしる。
その後なら、でもアクシデントでも霞は出てこないぞ(笑)

411:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:27:18 Wx7yBNga0
終わりがけだが支援開始

412:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(20/21)
09/10/24 22:27:25 joG4JVAA0
 明命を攻撃した飛龍偃月刀の余波で発生した、のたうつ蛇のような放電現象を受けて、生理
現象として亞莎の足の筋肉が痙攣を起こす。
 そしてそのわずかな隙を見逃さず、すかさず張遼の鞭のようにしなる強烈な蹴りが入った。
「うああっ!?」
 咄嗟の防御、左腕をたたんで張遼の足との間に人解を滑り込ませた亞莎だったが、それでも
その衝撃は彼女の腕と内蔵の一部に、看過できないダメージを残すに十分な一撃だった。
 防御した姿勢のまま、その軽い体が威力を吸収しきれずに吹き飛ばされそうになるのを、彼
女はすんでのところで踏ん張って堪えた。
 そして、

「ぅ」

 亞莎は踏ん張った姿勢のまま腰を沈ませ、そしてこれまで行った中で、最大最圧の震脚を踏
んだ。

「ああああああああああああああああああああああ!!!」

 音を立てて地面が抉れる。
 そこから生まれる圧倒的な速さと破壊力を持った、彼女そのもののような愚直なまでの拳撃。
 亞莎はそれをまっすぐに、放つ。
 避けられても、まっすぐに。
 受けられても、まっすぐに。
 放つ、放つ、放つ、

 放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ放つ!!


413:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:07 Wx7yBNga0
もういっちょう

414:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:28 ENyldGqS0
支援

415:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:28:54 ZYuvIaXS0
支援


416:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:29:25 yPcROIUg0
最後の支援っ

417:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:30:23 +O3wFRQmO
恐らくこれが今日最後の支援と成るだろう、私から言えるのは皆死ぬな!まだ明日も有る!以上だ。

418:美羽と七乃スピンオフ「遼来来4」(21/21)
09/10/24 22:31:32 joG4JVAA0
 防御に使った左腕は、折れてこそいないが動かすだけで尋常ではない痛みが走る。
 一方肋骨の方は、数本まとめて駄目になっているだろう。
 体を動かす度に、これら負傷箇所から気絶するほどの激痛が走る。
 痛めた内臓からの出血が逆流し、口の端から血が溢れて地面を点々と汚すけれども、そんな
ことには構っていられない。
 亞莎は命を燃やして怒濤の連打を繰り出し続ける。

「亞莎!!」
「亞莎っ!?」
 フォローに入ろうとしていた思春と明命から悲鳴のような声が飛ぶが、それでも亞莎の動き
は止まらない。
「あああああああああああああああああああああ!!」
 幾十幾百、唸りを上げて間断なく打ち付けられる拳打の嵐。
 鬼気迫る表情で、亞莎は渾身の一撃を放ち続けた。
(持って十秒! どうかっ!)

 そのとき、衝撃と音で気を失っていた一刀が目を覚ました。
 彼が頭を起こし、そして真っ先に目に飛び込んできたのは、激しく拳を振るう亞莎の姿であ
った。
 それを見て一刀は、

 〝ああ、まるで、燃え尽きる寸前の線香花火のようだ〟

 と、思い。
 そしてそんな彼女のことを、心の底から綺麗だと思った。


419:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:32:25 ENyldGqS0
支援

420:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:34:37 t8xhMNu+0
一刀さん!ボーっとしてないで亞莎と霞を止めて!

421:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:35:46 +O3wFRQmO
一刀…見とれてないで動けよ

422:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:35:57 yPcROIUg0
亞莎逃げて! さりげなく一刀に君の死亡フラグ立てられてるから!

423:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:36:11 uOtNCXIh0
お疲れ様でした。

霞~、帰って来~い。

424:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:37:15 +O3wFRQmO
>420
  `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
      | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
      |  !      `ヽ   ヽ ヽ
      r /      ヽ  ヽ  _Lj
 、    /´ \     \ \_j/ヽ
  ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
           ̄ー┴'^´

425:メーテル ◆999HUU8SEE
09/10/24 22:38:36 joG4JVAA0
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
思いの外派手になっているけど、多分これから先、ここまで派手なものは多分もう書かないと思うわ。

それでは、最後は明日の午後9時30分からよ、鉄郎……

426:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:40:08 sqcrIv6X0
メーテル乙

亞莎ガンガレ

427:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:41:12 skZ7j9oa0
お疲れ様でした!
さてコレからどうなるか…楽しみですな

428:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:41:22 GAN4tvreO
乙です

そりゃこんなの見たら袁仲に喧嘩売れないわ

429:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:42:00 MLa84M8X0
一般兵からしてみりゃ、こんなのの居る国に喧嘩売って勝てるとは思わないよなあw

430:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:42:22 ENyldGqS0
メーテル氏乙です
もはやここまでくると天災みたいなもんだなw
せっかく転がり込んできた貢物(一刀)を捧げて静まるのを待つしか
しかしシャオの勘違いはその後混乱を呼びそうだなw

431:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:43:46 Wx7yBNga0
乙カレー 毛の長い女 くれぐれも便所には気をつけるんだぜ

432:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:45:04 XWM9YCam0
霞さんいつのまに宝具エクスカリバーを手に入れたんですかw

433:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:48:04 +O3wFRQmO
三国バサラ?
メーテル氏乙
独り言だとブ○ッ○ラ○ー○9

434:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:56:01 GAN4tvreO
≫432
設定的にも『約束された勝利の偃月刀』状態だしw

435:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:56:17 +6vtZ8MD0
いやあ、ここまでくると、もう霞は自然現象みたいなもので、それにひたすら立ち向かう三人が、
美しくてかなわんね。

436:名無しさん@初回限定
09/10/24 22:58:24 a7ESfplu0
霞「我は天の災い。この場所に居たお前達は、運が無かっただけだ。」

437:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:05:35 skZ7j9oa0
>>369の15行目、『小さな手傷が増えているいるものの』ってなっている事を報告
正しくは『小さな手傷が増えているものの』と思われる

438:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:10:28 +6vtZ8MD0
>>344
>神速ので突きを受け流す
神速での か 神速の どっちかの間違いかな?

439:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:21:18 bWbORHF+0
思春が来なければ収まってたのに…
蓮華も人質とかするより、皆で土下座でもして謝った方が
多分ここまでの惨劇は起きなかっただろうな…
命がけの3人には悪いが、万単位で人殺せるの相手だと
誇りや信念がいくらあっても勝てそうにない

440:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:25:37 +6vtZ8MD0
普通は相手がそんな存在だと思わないw
少なくとも当日までは、それなりに普通の武将だったんだぞw そりゃ、強いのは強かったが人間だったのが
いきなり人外になってるって普通想像しないよw

441:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:29:50 cS3k0fm/O
思春も蓮華も極めて常識的な判断だよ
今の霞が非常識ってレベルじゃねーだけだ

442:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:30:37 ENyldGqS0
敵対勢力としては排除を試みるか撤退するかしか無いからな
んで今は撤退開始するとこだから時間稼ぐしか蓮華達に選択肢は無いよな
止めるのに一刀を使うとすればまあ人質ってのは妥当な判断ではある
今回の場合全くの逆効果だけどw

443:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:32:54 D/YKU7dP0
一刀が死んでないだけましか。
2話前に殺されてたらその場で孫一派が滅んでもおかしくは無いと思う。

444:名無しさん@初回限定
09/10/24 23:46:17 K0x4e4aj0
しかしながら、主要キャラの死人なしで収拾つけるのは無理だな

445:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:00:29 sqcrIv6X0
メーテルおそろしい子
魏√アフターで、
華琳がもう限界(キレタ)

そうだ一刀をさらいに行こう

管輅に頼み込んで(シバキ倒して)天の国へ行く方法を知る

誰が行くか揉めに揉めて華琳、桂花、凪、季衣に決定
って所までをシリアス無しで
2200字ぐらい書いたけど
自分の稚拙な表現に愕然とした・・・
スッパリとやめる決心がつきました
メーテルありがとう

全裸待機で続きを楽しみに待ってます

446:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:04:31 UdEg5xQ/0
天に行く方法なら管輅に聞くより
真桜えもんがタイムマシンを作る方が何故か納得できるな

447:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:20:43 ZyU/svR20
メーテル氏乙です
あわわわ、霞さんメタモルフォーゼしてしまった・・・どうする一刀。
続きが気になる

448:名無しさん@初回限定
09/10/25 00:29:58 q71zEkwp0
首が・・・のところで夢枕獏を思い出した自分・・・

449:名無しさん@初回限定
09/10/25 03:09:10 COUJVlSc0
>445
投下してみてはどうか?
自分も皆には及ばないが、こつこつと魏ルートアフターで霞のはなしを書いているぞ。
プロットは出来上がってるのだが、仕事が忙しくて肉付けがなかなか完了しないorz

450:名無しさん@初回限定
09/10/25 05:43:45 nC4MenvU0
うむ、比較してしまう気持ちはわかるが
投下して反応を貰うことで成長できる部分もあるだろうし
気軽にやってみてもいいんでないかな?

451:名無しさん@初回限定
09/10/25 08:20:44 WIJhcbmn0
ほーけい『反応みてるってことは見せてっていってほしいんだろにーちゃん、はやくだしなよ』

452:名無しさん@初回限定
09/10/25 09:56:20 uO3aIikk0
結局古参は、職人に好意的じゃない奴には噛み付くのなw
優しく言うとか関係ないし。
これじゃ直に投下する職人も減るわ。
自分のせいで荒れたらたまったものじゃないしな?

453:名無しさん@初回限定
09/10/25 10:53:30 mqCjf/Eu0
新参乙

454:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:02:42 lFQqOA2i0
今回のはどう見ても職人に好意的じゃないから噛み付かれたんじゃなくて
昔話し合って出来たテンプレをちゃんと守ってるのに自分ルールを押し付けようとしたから噛み付かれたんだろ
状況をちゃんと理解してから書き込め

455:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:19:54 SvuAapxoO
>>452の脳内で「俺ルール>>>>>>テンプレ」なのはよく分かった

456:名無しさん@初回限定
09/10/25 12:29:00 8LQC8aWf0
構うなよ……。

それはともかく、
>>445
背中おしてほしいんだろ、ほら、やってみるんだ。
まあ、実際、同じテーマででも短いものを書いてみて、それを投下して様子を見るってのもありだぞ。

457:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:02:09 Vh7mq85F0
背中押しておいて一歩踏み出すと袋叩きにして追い返す
それがここのクオリティ

458:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:07:35 3Jvq/ucR0
>>457
袋叩きというがこちとらアドバイスのつもりで言ってるんだぞ?

459:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:17:40 E5T1F5s00
>>テンプレうんぬんやらルールやら
まぁ>>452はテンプレ嫁とも思うが……
四日連続というのもどうだろうとは思ったな

一般的な生活してたら投下できるのなんて夜くらいだろうし。
いくら事前予告って言ってもそういった投下できる時間を一週間の半分
奪いますよっていうのはいいのか?

俺はそれで自分の好きな作者が投下お預け食らったりしたら最悪だけどな
なんつーか、ルール内のことでも限度があると思う

というか、その辺を考えてるから昔、直投下してた人たちはやめたんだと思う。
そうでなきゃ、タイミングしだいでレスのつき具合が変わるtxt投下なんてしないだろ。
直投下の方がリアルタイムで支援やら途中経過での期待の言葉やら貰えて気分良いし。
投下してる間に人が増えてレスもつきやすくなることだって少なくないし。
手間だって、何レス分かにわけて投下すりゃいいだけだからそんなめんどくさくない。せいぜい時間くらい。
それでもtxt投下をしてくれるようになったから同じ日にいろんな作品の投下が可能になったわけだし。
そうやってちょっと考えれば作者たちがそれぞれ気を遣ってるのがわかる。

とは言っても、txt投下しろとは全く思わん。直投下はやっぱり良いもんだからな。
ただ他の作者の投下タイミングを"四日も潰す"ことはしないで欲しかったな。

それと、取りあえず流れを見て思ったのは、お前らは他の作者への被害はどうでもいいってことなんだな。
SSさえ読めて問題の作者がルールを一応でも守っていれば……。ようくわかったよ。

460:名無しさん@初回限定
09/10/25 14:19:30 8LQC8aWf0
こうして、善意(のつもり)の愚か者のせいで、さらにスレが廃れるのであった。

461:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:05:58 dymG3yro0
こまけぇこたぁ(ry AAry

462:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:16:37 nC4MenvU0
えーと、一応ここで以前書いてた者の一人として言わせてもらえば
投下のタイミングが数日遅れることで困ることはとくにありませんので
お気になさらず

463:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:30:31 YMuOVHVz0
俺もここでたまーに短めの短編上げてるが、『絶対今週に上げたい!』なんて思うこと無いぞ。
予告無しで4日間連続で上げられたらまたかーぐらい思うだろうけど、予告もあるわけだし。

464:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:41:14 zY11o0XJ0
>>459
以前は投下が被ることなんかよくあったし、その辺は作者同士で
「この時間に投下予告されてますが、投下しても大丈夫ですか?」
的なことを聞いて「どうぞどうぞ」的な感じで折り合いつけて
うまくやってたっつーの
ここに投下してくれてる作者方もその状況を知ってる人が多いし、
オマエみたいにそれをすぐ「被害」とかいってしまいうような
謎な被害妄想を持ってる程度の低い人間じゃないから

465:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:45:46 BKvZooA90
さて、質問があるんだが良いかね?
今、『恋の日記』みたいな感じで短いの書いてんだが…

字数は少なくても、最大32行は守った方が良いよな?

466:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:46:51 8LQC8aWf0
守った方がいいもなにも、三十二行より多く入れて投稿できないよ。この板じゃ。

467:名無しさん@初回限定
09/10/25 15:54:03 BKvZooA90
>>466
スマン、どうにも書くのが初めてな分、不慣れでな
答えてくれてアリガト、感謝する!

468:名無しさん@初回限定
09/10/25 16:15:37 d0kamCQD0
ガイドラインの1.はルールじゃなくてこの板の仕様だよ

469:名無しさん@初回限定
09/10/25 16:59:06 o1KZZthG0
貂蝉と卑弥呼を同時に相手して互角の華雄が実は恋姫最強なんじゃ

470:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:03:54 2NgrPwdH0
恋する乙女は皆最強です

471:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:15:44 a3vSLBwb0
じゃあ紫苑と祭と桔梗が弱いってことになるじゃないか!

472:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:18:23 gXDxx0pS0
華雄は負けたあと修行して超パワーアップしてるから二人相手に互角

473:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:37:10 jTlra/XW0
でも修行してパワーアップしても愛紗に負けてたり……
まあ、恋姫†夢想の話だが

474:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:52:34 sw49BYkB0
>>467
赤壁での孔明の策を船ではなく生身でやってのけるとは、すごいな

475:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:53:57 Vh7mq85F0
>>459
消えろカス

476:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:54:42 cRXTq/+gO
>>471
年齢の関係もありますね、わかります

477:名無しさん@初回限定
09/10/25 17:54:49 sw49BYkB0
おっと、>>474>>471へのものだ。失礼した。

478:名無しさん@初回限定
09/10/25 19:01:55 Nn3j0avl0
そういや真恋姫夢想はでないのか?

479:名無しさん@初回限定
09/10/25 19:54:47 BKvZooA90
な、なぁ…恋の日記、桃香しても大丈夫か?
gdgdで、初めてで、オチなしなんだが…妄想力が尽きたorz
しかもたったの3レス分だ…

480:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:01:17 8LQC8aWf0
どーんといけ。
最初は短いのでちょうどいいじゃないか。
そうして、だんだんと慣れてくほうがいいぞw

481:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:07:17 BKvZooA90
そ、それじゃ次のレスから桃香開始!
さぁ、オラに力を分けてくれ!(感想的な意味で

482:とある恋の日記
09/10/25 20:08:57 BKvZooA90
―とある恋の日記―
 
 
 
あったかい日のお昼

 ご主人様が庭に来た
 セキトやみんなの話をした

 恋にあんなに話して来た人、初めて
 
 
寝ると気持良いと思った日のお昼

 ご主人様と“けいら”をしに市に行く
 美味しそうな香りがしたからお腹が減った
 そしたらご主人様、いっぱいご飯買ってくれた
 やっぱりお腹いっぱい食べれるのは良い、幸せ
 
 “けいら”が少し、好きになった
 
 
雲が美味しそうな日のお昼

 寝ていたらご主人様がいつのまにか傍に居た
 夢かと思って手を伸ばしてみた、けど掴めたから引っぱった
 
 隣に寝るご主人様はあったかい
 それに、いい香りがしてなんだかほわほわする
 
 気がついたら夜になってて、愛紗にご主人様が怒られてた
 ご主人様、大変そうだった

483:名無しさん@初回限定
09/10/25 20:11:18 xS+gnDtR0
恋の日記


かゆ
うま

484:とある恋の日記
09/10/25 20:11:33 BKvZooA90
セキトとお散歩の日のお昼

 ご主人様も一緒にお散歩
 セキトも何だかいつもより嬉しそうだった
 恋もご主人様と一緒で胸がきゅっとなった
 
 …こんな感情、初めて
 
 その後の水浴びもなんだか落ち着かない
 ご主人様が気になって、気になって、気になって…
 
 …また、胸がきゅっとした
 
 
チョウチョが可愛く飛んでた日の夕方

 愛紗とご主人様が一緒に居た
 笑って、怒られて、苦笑して、また笑ってた
 
 愛紗も怒ってはいたけど口元が笑ってた
 
 ………胸の奥が、チクッってした
 
 
少し暑い日の朝

 ご主人様に会いに行こうとしたらお仕事中だった
 邪魔しちゃ悪いと思った、けどまた愛紗が一緒に居た
 
 …愛紗ばっかり、ずるい
 愛紗はいつもご主人様を独り占めする
 ………胸の奥がまた、チクッってした


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