10/08/21 22:35:05 U2cS1PVF0
《痛い痛いイタイイタイ!!》
《トーコちんよ、こいつ、這ってますよ?》
「ん」
泣き叫んでも聞く耳持たぬ、追手の魔の手は、容赦ない。
移動。一突き。紳一の叫び。カオスの助言。透子の理解。
《イヤだイヤだイヤだイヤだ!》
《もーちょい下、もーちょい下!》
「ん」
もはや転がるのみの紳一に、追手の魔の手は、容赦ない。
移動。一突き。紳一の叫び。カオスの助言。透子の理解。
《ヤメてヤメてヤメてヤメて!》
《ぬぬぬ、転がって躱わすとは!》
「ん」
紳一に状況を分析する余裕などなかった。
周囲を見回す状況などなかった。
ただ転がり、のた打ち回り、痛みと恐怖を発散するほかなかった。
《……神さまあっっ!!》
「ぁう!」
《トーコちん!?》
その弱者ぶりが透子とカオスの油断を産んだのか。
救いを求める魂の叫びが何者かに届いたのか。