08/12/26 02:40:15 hB960Mop0
「あまり一般人にご迷惑をかけないほうがいいですよ、クランク殿」
（くっ、ボルトか）
傍若無人として知られているキャラクターを利用し、パートナーの女の子から近づこうとしていた私の前に、ボルトは現れた
「クランク殿、今日のところは闘神区画へ帰りましょう」
「ナクト・ラグナードには手を出さないでいただきたい」
闘神区画の扉が見えてきたあたりでボルトが唐突に口を開いた
「彼はフィオリ様のお気に入りなのですよ。楽しみを取り上げると彼女の機嫌が悪くなる」
いつものように軽薄な声で、しかし重い警告を告げる
逆らえばアルの命は無い、か。
だが
「むううぅぅぅん！」
前を歩くボルトの後頭部に拳を振り下ろす
ドガァッ！
殺気に気づいたボルトが、反射的とも言える速度で鞘を振り上げ、ガードした
「いきなりどうしたのですか、クランク殿？」
砕けた鞘を捨て去り、月光を受けて黒く浮かぶ刀身を剥き出しにする
それでも顔には笑みをたたえたまま。
「大事な婚約者に『何か』があっても知りませんよ？ いまならまだフィオリ様には伏せて差し上げますが･･･？」