08/01/24 02:05:38 7rNSitXJ0
「九州の民間人の脱出状況は?」
状況を聞き今まで黙って進行を見守っていた小磯司令が参謀に問いかける
大陸で幾多の戦闘を潜り抜けてきた小柄な老将軍の関心は現地遺留民の安否に向けられていた
「はっ、現在現地海軍艦艇、民間船舶を総動員しておりますが戦線の移動が早く難航している模様です」
参謀は苦しげにそう答える
実際退避はほとんどすんでいないのだろう。前線がほぼ完全に崩壊する中脱出に成功したのは
港湾近くの沿岸部に住む一部住民のみに限られているだろう
いや、緊急事態故軍需物資の輸送が最優先される状況だ、沿岸部の避難さえろくに済んでいないかもしれない
その報告を聞くと司令は静かに首肯し、会議内容を本題である西日本の防衛計画へと移ろうした…その時
「伝令!第六師団司令部より緊急伝です!」
突如司令部に飛び込んできたまだ16,7であろう伝令が報告する
「読み上げろ」
参謀長がそれに応じる
「はっ、「ワレ、スデニタイロナクブタイハコッカツス、サレドワレラコウコクノヒッショウヲシンジ
コレヨリサイゴノトツゲキヲカンコウスルモノナリ。ワガショウヘイハミナユウモウニタタカエリ、ワガショウヘイハミナユウモウニタタカエリ
ダイニッポンテイコクバンザイ、コウテイヘイカバンザイ」 以上です!」
伝令は震えた声でそれを読み上げると踵を返し戻っていく
彼が去った後司令部にはただ静寂のみが支配していた…
ほどなくして広島市の陥落と四国へのBEATの上陸が報告された
今だ大日本帝国は反撃の体制を整えられないでいる