朝起きたら、妹に その14at EROG
朝起きたら、妹に その14 - 暇つぶし2ch679:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:31:12 v+nBnVBd0
 夏休み前と同じ時間にセットした目覚まし時計のアラームで起きた少女は、夏休み
に入る前と同じように起きて夏休みに入る前と同じように着替える。何故なら少女に
は夏休みなどない、夏休みなどが与えられる身分ではないのだと少女自身が考えてい
るからだ。
 勉強が出来て、家の手伝いも進んで行い、物を欲しがらず、何でも言うことを聞き、
悲しくても辛くてもお腹が空いてても平気な顔をし続けること。誰にも迷惑を掛ける
ことなく、なおかつ役に立つ子でいること。これまで半生の殆どをタライ回しの中で
生きてきた幼い少女が得た唯一の処世術が、それである。
 「……よいしょっと。」
 だから少女は今日も頑張る。この家の待遇は、今までに暮らしてきた他の親戚の家
と比べて格段に良いからだ。綺麗なベッドがある一人部屋をくれるし本を買をお小遣
いも貰えるし、ご飯を食べるときもお代わりを勧めてくれる。毎日着替えが出来るほ
ど服も買ってくれたしビデオを見るときは誘ってくれるし一人で留守番をさせられる
事もないし一緒に遊ぶときもゲームをする時も少女が勝ったと言って怒られたりしな
いしお土産だって平等に分けてくれる。
 そんな家でお世話になる機会など、もう来ないかも知れない。いや、それよりも新
しい家に貰われる度に(表面上は笑っているが)何処か迷惑そうな目で迎えられるの
は二度と御免だ。だから頑張る。夏休みの宿題は一日でも早く終わらせて、家のお手
伝いをしながら新学期でも良い成績を守れるように勉強して、この家の人達に嫌われ
ないように一日二十四時間、一年三百六十五日を良い子でいるのだ。

680:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:31:46 v+nBnVBd0
 やがて着替えを終え、脱いだ寝間着を抱えて町内のラジオ体操に出掛けるようと部
屋を出た少女の耳に、階下での物音に……というか話し声が届いてきた。
 「……から、なんつー格好してるんだよお前は!」
 「な、なによぉ!」
 「ヘソも足も丸出しで、しかもシャツが薄すぎて下………とにかく、半分透けてる
って言ってるんだ! ちょっとは自分の姿を鏡に映して見てみろ!」
 二階の廊下にまで響く声で言い合いをしているのは、この家の長男の浩介と、三女
の真衣である。これから何処かに出掛けようとしている妹の姿を浩介が見咎め、その
まま玄関先での口論に発展したらしいが。
 「透けてるって………これは水着なんだから透けても良いの! だいたい、薄着で
こんな派手な柄のブラなんかしてる訳ないでしょ!?」
 (あ、あれ、この前お揃いで買って貰ったビキニだ!)
 少女が引き取られるまで末っ子人生を歩んできた真衣は、新しくできた妹にお姉さ
んぶれることが嬉しくて堪らないらしく、少女のことを構ってくれる。大きな量販店
に連れて行って貰って同じデザイン(とは言ってもサイズは大幅に違うが)を一緒に
買って貰ったときは、本当に姉が出来たみたいで凄く幸せな気分になれた。いま真衣
が薄手のタンクトップの下に付けているのは、そのときに購入したビキニで、少し
派手めな赤が眩しい若者向けの水着である。
 「水着って……こんな朝早くに(市営)プールなんてやってないだろ?」
 「はぁ!?」呆れた、と言わんがばかりの声「こんだけ気合い入れた水着でプール
になんて行くわけないでしょ! 海よ、海!!」
 元末っ子と言えど真衣は高校生である。当然、少女と違い活動範囲は広い。
 「海って、もしかしてお前……?」
 「そゆこと♪ お兄ちゃんだって真里亜ちゃんと泳ぎに行ってたじゃない。だから
私が男の子と行ったって構わないわよね?」
 「そ、そんなわけあるか! 真里亜は従妹だろうが! お前が勝手に想像してるの
とは全然違うんだからな!」
 「でもお兄ちゃん、従妹だって結婚も出来るし赤ちゃんだって平気で作れちゃうよ
ねぇ? それに、あんなにデレデレ鼻の下伸ばしながら出掛けてて『デートじゃない
ぞ!』なんて言ったって説得力のセの字も無いと思わない!?」

681:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:32:29 v+nBnVBd0
 妙な方向にヒートアップしてゆく二人の様子を隠れて覗いていた少女の内から、今
まで感じたことのない感情が浮き上がってきた。
 (そう言えば、浩介兄さんに叱られたこと、一度もない……)
 一緒に寝ていてオシッ……粗相をしてしまった時も、夜中にお腹が空いたので水を
飲んで誤魔化そうと黙って台所を漁っていた時も、気遣われて心配される事はあって
も叱責されるようなことは全くなかった。以前の環境下では些細なことでも折檻に近
い叱咤を受けていた少女が或る意味、肩透かしを喰らってしまうほどに優しい義兄。
 (……もしかして、どうでもいい子だって思われてるのかな? すぐに他の家に行
っちゃう子だから怒らないのかな?)
 お腹の奥かえら、冷たくて苦しい何かが沸き上がってくる。
 (ど、どうしよう? ホントに嫌われてたらどうしよう?)
 良い子でいれば安全であるという既成概念が足下から揺らぎ始め、少女の顔から血
の気が色が急激に引いてゆく。どんどん速くなる鼓動が痛いほどだ。
 (どうしようどうしようどうしよう……)
 実を言えば少女の余りに献身的な態度……というよりは店子のような他人行儀さを
払拭しようという意図で(ついでに、まだ幼い点も考慮して)他の妹よりは多少甘く
接していただけなのだが、そんな機微が少女に理解できる筈もない。ついでに言えば、
既に二人の妹(と妹以上に手間がかかる姉)のお陰で年下の女の子の扱いに慣れてい
る浩介ゆえに少々のことでは動じなかっただけだったりもする。
 (どうしようどうしようどうしようどうしよう………)
 今までの知識と経験が全く役に立たないという非常事態に陥った少女の中では同じ
単語が渦巻き模様になってグルグルと脳内を掻き回し、少女にとっての正常な思考を
どんどん飲み込んでいってしまう。
 (……そ、そうだ!)
 そして行き場を無くしてた少女の絶望感は、それまで少女が考えたことすらなかっ
た直情的かつ本能的な打開策に少女を飛びつかせてしまった。

682:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:33:05 v+nBnVBd0
ちゃんにトヤカク言われなくちゃなんないのよ!」
 「だ、だから……」
 「だいたい、お兄ちゃんはお兄ちゃんであって、私の保護者んでもなんでもないで
しょっ! もう時間だし、私行くねっ!!」
 「……って、待てって、真衣!」
 「お兄ちゃんの分からず屋っ、べぇ~~~~~~っっっだ!」
 と高校生とは思えない顔で舌を突き出してから、佐々原家の三女は真夏のデートへ
と出掛けていった。
 「………保護者でもなんでもないのに……かぁ……」
 言われてみれば尤もな意見である。真衣は妹であって娘ではないのだ。これはちょ
っと考えを改めないと駄目かも知れないなと頭を掻きつつ、浩介は家の中に……
 「お、おおお、おはようございますっ、浩介兄さんっ!」
 「………………………………………え?」
 家の中に戻ろうと振り返った先で照れ臭そうな笑み浮かべている現末っ子の姿に唖然
となっつぃまった。
 (やたっ! 浩介兄さん、びっくりしてる!)
 「り、里佳子……ちゃん?」
 「はい、なんですか?(わくわく、わくわく♪)」
 純白のワンピースに身を包んだ妹だけなら驚くことなどないのだが、その下に着て
いる真っ赤なビキニがほぼ完全に透けてしまっている。まだ小学生故に色気など皆無
で、逆に健康さというか元気さが溢れていて可愛らしいとも言えるのだろうが、普段
のギャップとの余りの大きさ目が点になってしまう。
 「……えっと、だな……それ……」
 「はいっ!(どきどき、どきどき♪)」
 これで自分も真衣同様に叱って貰えるのだと確信している里佳子の瞳は妙な期待感
でキラキラと輝いているが、その感情が何処から由来しているのかは、まだ幼い彼女
本人には理解できていない。

683:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:33:54 v+nBnVBd0
>>682冒頭訂正

 「もう、いい加減してよね! お母さんだって良いって言ってるのに、なんでお兄
ちゃんにトヤカク言われなくちゃなんないのよ!」

684:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:34:34 v+nBnVBd0
 その格好は……と真衣の時と同じように問いつめそうになった浩介だが、寸での所
で思いとどまる。色々な意味で微妙な年頃の真衣と違い、こちらはまだ小学生だし過
剰な反応は良くないかも知れない。ここは先程の教訓を生かして理解力を示しておく
べきだろうと浩介は判断した。
 「……ま、真衣とお揃いなのかな? 里佳子ちゃんは可愛いから、その、何を着て
も良く似合うよ?」
 「え? あ、あの……(あ、あれれ?)」
 いきなり想定外の事態である、が。
 (そ、そうか! 真衣さんは……!)
 素早く軌道修正を試みる里佳子。
 「あ、ありがとうございます。それでですね……?」
 「うん?」
 「りり、リカ、これからプールに行くんですっ!(わくわく、どきどき♪)」
 そう、真衣はこの格好で出掛けると言ったから怒られたのだ。里佳子は自信満々に
カードを切った。
 「……プール? これから? 一人で?」
 「はいっ!(わくわく、どきどき♪)」
 下に水着を付けてはいるものの、里佳子は手ぶらだ。小学校の夏休み講習なら学校
指定の水着だろうし、市営のプールに行くのだろうか? 浩介の頭上に幾つもの「?」
が浮かび上がる。だが頭ごなしに問いつめるだけでは余りに脳がないのではないだろ
うか。
 「えっと、それは……里佳子ちゃん、一人で行くのかな?」
 とりあえず、遠回しの質問から入る浩介。
 「っっ!!」
 どっきんっ、と里佳子の胸が一段と大きく弾む。大々々チャンス到来だ。
 「そそそ、それがですね……」期待に満ちた上目遣いで、震える声を抑えながら切
り札を放つ里佳子「リカ、男の子と約束してるんですっ♪(わくわくどきどき、わく
わくどきどきっ♪)
 これで完璧だ。間違いなく叱って貰える。そう確信した里佳子は、飼い主からご褒
美を貰おうとする子犬のような瞳で兄の顔を見上げた。

685:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:36:43 v+nBnVBd0
 だが、その笑顔が失敗だった。
 「男の子って、学校の友達?」
 「えっと……はい、そうですっ!」
 浩介の質問の意図は理解できないながらも、とりあえず相づちをうって話を合わせ
る里佳子。
 「そっか、それは……」
 「それはっ?(わくわく、どきどきっ♪)」
 「……良かったじゃないか、里佳子ちゃん。」
 「………………………………………はい?」
 里佳子の円らな瞳が点になる。
 「ほら里佳子ちゃんは普段から勉強と家の手伝いばっかりで、友達を呼んだり一緒
に遊びに行ったりってことがなかっただろ? ひょっとしたら、こっちに転校した所
為で友達とか全然出来なくって、一人で寂しい思いをしてるのかって心配してたんだ
けど、夏休みに約束できる友達がちゃんと居たんだな。安心したよ。」
 「いえ、あの、えっと……その……あれ? あれれ?」
 おかしい。なにをどう間違ったのかわからないけど、明らかに想像とは違う。真衣
と同じ事をいった筈なのに、何故自分は褒められているのだろう?
 「今日は奈月も姉貴も居るから、家の事は気にしなくて良いからね。ゆっくり遊ん
でおいで。」
 おニューの水着を着て満面の笑顔で、友達と遊びに行くと宣言する。つまり幼い末
っ子は夏休み最初のイベントに浮かれてしまい、居ても立っても居られなくなって早
朝から自慢しに来たのだろう……と浩介は判断したのだ。当然、小学生の妹が男と言
えど同世代の友達と近所のプールに行くという程度のことで心配するわけもない。そ
れどころか里佳子と家族の距離感が縮まった証を目にして嬉しい限りだ。
 「えっと、えっと……えとえとえと……」
 一方の里佳子は完全にパニック状態である。思考が全く追いつかない。
 「そっかそっか。うんうん良かった良かった。」
 そんな里佳子に追い打ちをかけるように(本人にその気はないが)優しく頭を撫で
る浩介。もうどうして良いのかわからない里佳子のお腹の中から、言葉にならない衝
動が込み上げてくる。

686:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:38:02 v+nBnVBd0
 「あう。う、うう………」
 「そうだ、特別にお小遣いをあげるから一緒に何か……里佳子ちゃん?」
 「う、う、うう……………うあああああああああああああああんっ!」
 「って、なにゆえっ!?」
 小学生の妹に突然ガン泣きされ、文字取りに飛び上がる浩介。
 「ちょ、な……」
 「うあああああん、うあぁぁぁぁぁぁぁぁ~んっ!!」
 「あの、里佳子ちゃん?」
 「ああああああああああああああああああん!」
 「ど、どうしたんですか……って、里佳子ちゃん!?」
 ただならぬ泣き声を聞きつけ、次女の奈月が台所から飛び出してくる。
 「浩介兄さんが、ごうずけにいざんがぁぁぁぁぁぁ!」
 「………に・い・さ・ん……っ!?」
 「ちょ、おま、待て、なんで俺が……」
 「はいは~い。そこまでそこまで~。」
 トントントン、と軽快な足音で階段を下りて佐々原家の長女である梢が参上。

687:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:38:46 v+nBnVBd0
 「あ、姉貴!」
 「お姉ちゃん?」
 「あ~……一部始終見てたからダイジョブだ。ここはアタシに任せて、奈月は戻
ってな。はいはいリカちゃん、そんなにワンワン泣いたら縮んじゃうぞ~?」
 「全部見てたらなわかるよな姉貴? 俺は全く……」
 「や、一から十まで、ぜぇ~~~んぶ浩介が悪い! 男と違って、女の子っての
は生まれた瞬間から女の子なんだぞ浩介?」」
 「って、なんだよそりゃっ!?」
 「ひくっ、ひくっ……」
 「……本当に、お姉ちゃんに任せて良いんですね?」
 「だから大丈夫だって言ってるっしょ? リカちゃんリカちゃん、お姉ちゃんが良
いこと教えてあげようか? 実はぁ、ゴニョゴニョゴニョ。」
 「ひくっ、ひくっ……ふぇ?」
 「ボソボソボソボソ……というのはどうかな?」
 「う、うぅ、それほんとうですか梢さん?」
 「うんうん。だからお姉ちゃんの部屋でお話しよっか?」
 「え、えっとぉ………はい。リカ、行きます。」
 「んじゃ、そゆことで~♪」
 と一方的に話を進めた梢は里佳子の手を引きながら二階に戻ってゆく。あとに残さ
れたのは、状況が全く理解できない浩介と奈月。
 「……結局、なにがどうしたんですか?」
 「それは俺の方が聞きたいくらいだ……」
 玄関の外では、蝉たちが思い出したように合唱を始めていた。

688:名無しさん ◆63./UvvAX.
08/08/05 01:40:07 v+nBnVBd0
>>678
ご指摘の箇所、訂正させて頂きました。
それでは _-)))コソコソ

689:名無しさん@初回限定
08/08/05 02:01:40 Mpdx1v5j0
里佳子ktkr +。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

690:名無しさん@初回限定
08/08/06 20:44:04 3mvKj3fr0
( ノω^)

691:名無しさん@初回限定
08/08/10 01:35:44 3WvtllsQ0
夜起きたら、保守

692:名無しさん@初回限定
08/08/11 08:15:23 En0xg94q0
おいおい491kBだと
次スレはどうするんだよ

693:名無しさん@初回限定
08/08/11 11:09:02 hFVfJdu+0
>>692
ヨロ

694:桐莉兄@業務連絡
08/08/11 13:15:05 mdGf7dDA0
あ、即死回避用の書いてるから少し待って。
俺が立てて来るぉ。

695:桐莉兄@業務連絡
08/08/11 13:57:58 mdGf7dDA0
朝起きたら、妹に その15
スレリンク(erog板)

即死回避作品は連投回避で少ししてから投下始めるぉ。

696:名無しさん@初回限定
08/08/11 14:57:51 exvsYlhC0
>>695
乙です&ありがとうございます。

697:一応、真idolm○ster ◆63./UvvAX.
08/08/14 05:20:25 I77iPw5N0
 朝起きたら、妹がゲッソリしていた。

 「………よぉ、今朝は早いな……」
 「……兄さんもね……」
 目の前の仁美の目は真っ赤に充血し、頬は痩け唇は血色を失い新鮮なゾンビ
のように脱力したまま洗面所で機械的に歯を磨いていた。そして鏡に映った俺
の顔色も仁美と(マイナスな意味で)良い勝負。朝から兄妹で顔を見合わせ、
魂が抜け落ちそうな溜息を揃って漏らす。
 「あら? 二人とも今日は早起きね、感心感心♪」
 と、そこに朝からご機嫌そうな姉貴が軽い足取りで降りてきた。制服をバッ
チリと着こなし、顔も瞳も髪も健康そうにキラキラ輝いていて……今の俺達の
目には眩しすぎて少々痛い。
 「………………」
 「………………」
 そんな姉貴に向け、二人同時に意味ありげな視線を送って遠回しに苦情を申
し立ててみるが。
 「ん? なになに?」その心底ご機嫌そうな笑顔は全く揺るがない「どうし
たの、二人ともお目々を真っ赤にしちゃって。寝不足? だめだよ、お休みで
もないのに夜遅くまでゲームとかしてちゃ?」
 『はぁ~~……』と再び大きな溜息のデュエット。
 「もぉ、しょうがないなぁ。今日はお姉ちゃんが頑張って元気が出る朝ご飯
作ってあげるから、一緒に学校に行こうね?」
 そう楽しげに宣言した姉貴は、やはり俺達の返事も聞かないまま鼻歌交じり
に踊るようなステップで台所へと向かう。気のせいか、フリフリのポニーテー
ルを結った大きなリボンすら普段より大目に揺れているような錯覚すら覚えて
しまう。

698:一応、真idolm○ster ◆63./UvvAX.
08/08/14 05:20:53 I77iPw5N0
 「ねぇ兄さん……」その後ろ姿を呆れ果てた言いたげな半目で見つめながら、
仁美が力なく呟く「……いい加減、お姉ちゃんに教えてあげた方が良いと思う
んだけどな私は……その……」
 「『声が大きすぎます』ってか? それならお前も言ってやったらどうだ、
えっと……」
 「兄さんの名前を呼びながら……するのは止めてって? そんなのが私達に
丸聞こえだって知ったら、お姉ちゃんどうなっちゃうと思うのよ?」
 「…………だよなぁ~」
 文字通り、お手上げだ。
 「まぁ唯一の救いが、月に二~三回で済んでるってとこよね。あれ以上増え
たら私ノイローゼになっちゃうかも……」
 「っていうか、自分が大声出してるのに全然気付かんもんなのか普通? お
んなじ様な遺伝子のお前はどうなんだ?」
 「その辺は大丈夫。お姉ちゃんが反面教師になってくれたお陰で、聞かれな
いようにって昔からハンカチを噛んで枕に………………ん?」
 「枕? やっぱ顔を埋めたりしてるのか………って、仁美?」
 何故か歯ブラシ片手にワナワナと震え始める仁美。というか俺、なんか拙い
こと言ったっけ?
 「ど、どさくさに紛れて妹から何聞き出そうとしてるのよ! 兄さんのドス
ケベぇぇぇぇっ!!」
 「ぺぐはぁっ!?」
 「べぇ~~~~っだ! この変態っ、ド変態っ、der変態っ!!」
 帰宅部所属かつ寝不足明けとは思えないほどにキレのあるアッパーカットを
モロにくらって脳震盪スレスレでKOの俺を尻目に、律儀に歯磨きだけはキチ
ンと済ませた仁美は肩を怒らせながら洗面所を後にした。
 「……というか、何故にドイツ語?」
 そんな素朴な疑問が真っ先に浮かんだ俺は、やはりまだ寝惚けていたらしい。

699:名無しさん@初回限定
08/08/16 17:04:48 AlRz9vGP0
GJ!


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