09/02/16 17:34:41 YV5KB+iq
13.
浣腸を使う性行為。
俺にも、そういった知識がないわけではない。
倒錯的な男女の愛の形には、そういうものを道具として使う場合があると知っている。
だが、まさか…。
今朝はごみの収集日に当たるから、朝の時点では屑篭は空っぽだったはず。
だから、母さんが薬を使ったとすれば、それから俺が帰宅するまでの間だ。
本当に母さんは便秘なのかも知れない。
自分を抱く男が家にやって来るまでの間に、薬を使ったのかも知れない。
むろん、すでにそれが俺には受け容れがたい事実だけれど。
けれど…男がいる時間に使っていないという保証も、ないのだった。
俺の脳裏に、忌まわしい映像が、妄想が浮かび上がる。
母さんがこの洗面所にしゃがみこんでいる。全裸のまま、排泄をする時の格好で。
男がニヤニヤ笑いながら、ピンク色の容器の先端を母の尻の間に挿入していく。
母さんがビクリと震える。羞恥に顔を染め、イヤイヤと首を振る。
だが、男は容赦なく、ギュッと容器を指先で押し潰す。
透明で冷たい溶液が、母さんの直腸を勢い良く逆流する。
その瞬間、母さんは背中をのけぞらせ、ひぃ、と声をあげる……。
いや。俺の知っている母さんは、そんな破廉恥な女ではない。
俺をこの17年間、暖かく、厳しく、大きな愛情で育ててくれた母だ。
(…そんなことをするはずがないじゃないか。)
あんな場面を見せ付けられた今でも、俺はそう信じたかった。
胸の中を掻き毟られるようで、俺は脱いだ下着を乱暴に脱衣籠に叩きつけた。