07/03/18 10:18:15 q6PehZgS
いつもは終わるとほっとしてすぐに後始末に入るのだが、今回ばかりは違う。
スティルと離れるのが名残惜しくてたまらない。
種牡馬は恋なんかしちゃいけないのに、だけどきっとこれは恋だ。
「春が終わったら、スティルのところに会いに行ってもいい?」
「みんなにそういうこと言うの?」
スティルは冗談だと思ったのか、笑って言った。
「ちがう……スティルにだけだよ」
「わかった。待ってるわ」
社交辞令のような軽い口調で言い残して、スティルは種付け場を去っていった。
その後ろ姿を見たら胸が痛くなって、少しだけ泣いてしまった。
おわり