07/01/13 15:52:34 bN941UoH
>>535からつづきます
「ん…」
キッスは首を傾け、俺を受け入れた。
それをずっと欲していたかのように、
何度も何度も、角度を変え唇を重ねる。
彼女の息づかいが俺をさらにそそり立てた。
首元に腕を回す。くるりと身体を回転させる。
「…あ」
体勢があっというまに入れ替わった。
眼下のキッスを見下ろす。キッスも虚ろな目で見つめ返す。
鬣が乱れた彼女は、色っぽくて美しい。
「ずっと…」
彼女がぽつりと呟いた。
「ずっと、こうして欲しかった…」
何かがこみ上げるのを感じた。
「ごめん。」
ただ、そうとしか言えなかった。
何か繕う代わりに、再び彼女に口づけた。
舌で歯列を割り、口内に侵入する。
彼女は驚いて首を引いたが、強引に舌を蠢かす。
自分の中の彼女の存在に、気付いていないわけではなかった。
いや、気付かないふりをしていた。
傷つけるのが怖かった。