10/07/04 14:55:30 NB9KvX8m
「プロも見落とした問題を素人が指摘し、それが危機を救った」などということは、
ドラマの上では成り立っても、専門家集団が議論している現場では、先ず有り得ない。
特に、明確な言葉の形になって与えられた"指摘"なるものは、ほとんどの場合、
プロが一番最初に捨てるレベルの考察である。実際に、プロが部外者の発想を採り入れるのは、
およそ言葉になっていない、意見以前の"呟き"である。それは、他分野の人が、全く異なる問題に
対して漏らした感想であるとか、家族や友人と交わす雑談の中での一寸した一言であって、
その中から解決のヒントをひねり出すのは、やはり当の本人なのである。
(はやぶさ ─ 不死身の探査機と宇宙研の物語 吉田 武著 P109)