07/03/06 02:10:32 Vk7Pu4rm
この世の中には「陰謀」が存在する。
しかし、他人の口からまことしやかに語られる陰謀は、
99%以上の確率で、ただの妄想、もしくは意図的な大嘘にすぎない。
本屋に行けば良く目にする
「日本経済をダメにしたユダヤの大陰謀!」
「宇宙人との密約を隠すCIAの超陰謀!」
などという本も全てはつまらない単なる妄想である。
だが、それでも我々人類は「陰謀」が大好きだ。
陰謀、
その甘く切ない響きに、我々はどうしようもなく魅了されてしまうのである。
たとえば、「ユダヤ陰謀論」が作り出される過程を例にとって考えてみよう。
ユダヤ陰謀論を書こうとしている人間は
「どうして俺は貧乏なんだ?」
「どうして生活が楽にならないんだ?」
「どうして俺には彼女ができないんだ?」
等々の、ひどいコンプレックスとルサンチマンを抱えている。
彼の精神と肉体は絶えず外部と内部からの圧迫にさらされている。
そして鬱積する怨念、尽きることのない社会への憎悪。怒り。
しかしそれらの怒りは、そのほとんどが自分自身のふがいなさに由来している。
貧乏なのは、自分に金を稼ぐ能力がないためだし、
彼女がいないのは、自分に魅力がないからだ。
だが、その事実を認めて自らの無能さを自覚する作業には、かなりの勇気を必要とする。