09/12/04 22:34:37
次元が不明確な記述を嫌う、ってところも似ている?
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5つ星のうち 4.0 SI単位系の採用に感謝, 2008/5/4
By ぺーた - レビューをすべて見る
本書は非線形光学に関する世界的な名著です。
本書の最新版(第3版)がこれまでの版と決定的に異なるのは、
単位系としてSI単位系を採用した点にあると思います。
初版と第2版では、電磁気学の単位系として
ガウス単位系(理論物理学などでよく用いられる)が
採用されていましたが、これはガウス単位系を採用することで、
磁気系の単位と電流系の単位が対称的となり、記述がエレガントになるからです。
しかし現在、非線形光学は論理物理学の一分野から飛び出して、
分光法や光通信、光機能性材料などの幅広い分野で研究手法として応用されています。
そうなると多くの工学者や技術者にとって、ガウス単位系による記述は「解りにくい」と敬遠されるでしょう。
そこで著者は、本書においてSI単位系の採用を決意しました。
これは記述を抜本的に見直し書き換える一大改革であり、
これに費やされた労力は並大抵のものでないことは容易に想像されます。
SI単位系の採用により、ガウス単位系に慣れ親しんでいない分野の研究者も
俯瞰的に分野を眺めることができるようになっています。