量子力学 Part2at SCI
量子力学 Part2 - 暇つぶし2ch82:ご冗談でしょう?名無しさん
09/07/22 11:11:31
>>81
調和振動子で交換関係だけからハミルトニアンの固有値だす議論やったでしょ?

本質的に同じ議論でオブザーバブルの交換関係を決めればそこから固有値も決まる。
固有値が決まれば対応する固有ベクトルのセットの存在することになるので、それらの
一次結合全体としてヒルベルト空間が決まる。

普通の線形代数ではベクトル空間が先にあって、その中の行列(演算子)の固有値、固有ベクトルは?
って計算するけど、量子力学は逆なんだよね。
先に演算子(オブザーバブル)ありき。その性質は交換関係で決まり、
そのなかから交換するオブザーバブルを選んで完全集合Sをつくり、
その共通固有ベクトルの一次結合全体としてベクトル空間が構成される。

S以外のオブザーバブルやそれらの関数(ハミルトニアンとか)は
そのベクトル空間上の演算子となり、スペクトルは普通の線形代数の計算になる。

一次元の量子系を例にとると、オブザーバブルは位置xと運動量p
[x,p]=i hbar
交換するオブザーバブルの完全系の要素はxだけなので、ヒルベルト空間は
xの固有ベクトル|x>の一次結合すべて。
xのスペクトルは、exp(ip a)のおかげで実数全体になるので固有ベクトルは
{ |a>| aは実数全体}
その一次結合すべてがヒルベルト空間。
pの固有値qの状態はexp(i q a)|a>のaでの重ね合わせ。
ハミルトニアンはp,xの関数。

スピンも加わると、オブザーバブルはx,p,sx,sy,sz
交換するオブザーバブルの完全系は {x, sz} に選ぶのが普通。
固有ベクトルは{ |a,+1/2> , |a, -1/2> | aは実数全体} でHilbert
交換はこれらの一次結合全体。


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