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「ビックバンで宇宙ができた」と考えているひとは多いが、でもこれ、微妙に違っている。
ビックバン宇宙論の成立は、2.725Kの宇宙背景放射の発見と観測により裏付けられている。
しかし宇宙の開闢はこのビックバンから始まったわけではない。
ビックバンだけでは、ドメインに付随するモノポール問題・平坦性問題・地平線問題が解決できない。
そこで登場したのが佐藤勝彦教授によるインフレーション宇宙論でありこれらの問題が解消する。
宇宙の始まりは大爆発のような劇的なものではない。
もっと静かにフッと出現した。量子学でいうトンネル効果。或いは虚数時間の中で生まれた。
宇宙は無が揺らぎプランクスケールの極めて小さな宇宙がポッと現れた。
この生まれたての小さな空間と動き始めた実数時間は、次の瞬間インフレーションによる空間の大膨張を起こす。
インフレーションによる膨張に伴い真空は相転移を起こし、真空はその性質を変える。
相転移によって統一された力から重力・強い力・電弱力が枝分かれする。
水が氷・水・水蒸気とその性質を変えるように真空も真空の相転移によってその性質を変えこのとき真空から莫大な熱が開放される。
この開放された熱がビックバン。
ビックバン後、対称性の破れに従って所謂一億分の一のズレにより爆発的に物質が出現し、次の真空の相転移では電弱力が更に電磁力と弱い力に枝分かれし物質は質量を持ち、やがて宇宙は晴れ上がった。
宇宙が晴れ上がったこのときのエネルギーが、宇宙背景放射として現在観測されているというわけ。