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新型インフル感染被害が現実味 進むワクチン対策 鼻噴霧の「万能型」将来主流に(05/28 08:38)
二千五百万人が感染、最悪で死者は六十四万人-。網走管内佐呂間町、根室管内別海町、秋田県、
青森県で相次いでオオハクチョウから強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出され、
厚生労働省が新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)を想定した国内感染被害が現実味を
帯びてきた。同省は冷静な対応を呼び掛けながらも、長期的には国内での大流行は不可避として、
備蓄ワクチンを医療従事者らに事前接種することを決めるなど、ワクチン対策に本格的に乗り出した。
新型インフルエンザへのワクチンは、早ければ数年後には、どんなウイルスの型にも対応できる
「万能型」へと進化する。現在の注射型から鼻の穴に吹きかける方式となる。
現在の注射型は、血液中にウイルスへの抗体をつくり、侵入してきたウイルスを次々と消滅させ、
発症を防ぐ仕組み。ただ感染自体を防げないほか、ワクチンがウイルスの型と異なると十分な効果は
期待できない。新型インフルエンザウイルスと同型のワクチンを事前に準備することは困難だ。
一方、鼻への投与では、鼻やのどなど感染を介する全身の粘膜に抗体をつくり、感染自体を防ぐ。
粘膜にできた抗体は、ウイルスの型を厳密に区別せずに攻撃する特性がある。このため、流行の型と
ワクチンが違っても効果を期待でき、次世代ワクチンとして注目されている。
鼻噴霧型ワクチンは現在、投与により体内の免疫活動を開始させるための研究が世界各国で進め
られている。国内では国立感染症研究所が、体内に病原体が侵入した際に現れるリボ核酸(RNA)を
利用することで、強力な免疫機能を引き出す製造技術を開発、二〇一〇年にも臨床試験を始める。
新型インフルエンザは、人から人へは感染しない鳥インフルエンザのウイルス構造が変異し出現する
とみられるが、現在は確認されていない。
世界保健機関によると、〇三年以降、H5N1型の感染者(四月三十日現在)は十四カ国三百八十二人、
死者は二百四十一人。
感染原因はニワトリの解体などで大量のウイルスを吸い込んだケースが大半とされている。
URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)