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From ナショナル ジオグラフィック
エボラ出血熱や鳥インフルエンザは、どのように人と動物に感染していったのか
2008年1月30日 日経トレンディネット
いま人類を脅かしているものの一つに、「感染症」があります。感染症というのは、寄生虫、細菌、真菌など
病原性微生物や、ウイルスなどの病原体が体内に侵入して増殖し発症する病気の総称です。例えば、冬に
なると猛威をふるうインフルエンザはウイルス感染症の一つですし、結核、コレラなどは細菌性感染症になり
ます。世界では、感染症による死亡者はすべての死亡者数の2割以上を占めているほどです。
こうした感染症のなかでも、人間だけがかかるのではなく、動物から人に感染したり、逆に人から動物に感
染するものがあります。それが「人獣共通感染症」と呼ばれる病気で、今後いやでも耳に入ってくるようになる
でしょう。
人獣共通感染症というのは、なじみのない言葉かもしれませんが、この言葉の意味を知っていれば、鳥イン
フルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)のニュースの裏にある生物学的な背景や、感染症が流行する
しくみがぐっと理解しやすくなります。
例えば、エボラ出血熱は人獣共通感染症です。また、腺ペスト、黄熱、サル痘、ウシ結核、ライム病、ウエス
トナイル熱、マールブルグ病、インフルエンザの多くの株、狂犬病、ハンタウイルス肺症候群、そしてマレーシ
アでブタと養豚業者を死に至らしめた「ニパ」という新たなウイルスによる感染症も、すべて人と動物の両方が
かかる病気です。