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>>219-221 補足
ミチロフスキーは、この発生器でさらにいろいろな脅威を見せてくれた。たとえば、煉瓦に向ける
と、煉瓦はまず白熱し、次に融解し始める。ガラスや銅を煉瓦に溶接したり、耐火煉瓦に穴
を開けることもできる。一掴みの砂を溶かしてガラス化したり、異なる金属同士を溶接する
こともできるのだ。
皮膚を火傷させる熱すらないのに、どうしてこんなことができるのか?明らかにこの気
体は、自然の法則に反しているように見える―だがミチロフスキーにも、まだ他の誰にも、その
理由は不明だった。それゆえにこそ、科学界はブラウン気体を無視しているのだという。今の
ところ、このブラウン気体発生器を生産しているのは、世界だけでも中国だけだというのだ。
この驚くべき機械を作り出したブルガリア生まれの魔術師とは何者か?ユル・ブラウン、本
名イリヤ・ヴェルボフは、年のイースター・イヴの午前0時きっかりに生まれた。生来信心深い
性格で、司祭になるために神学校に入った。17歳のとき、聖書の「コロサイの信徒への手紙2」
を読んでいて、地球はいずれ炎に焼き尽くされる、と書かれた一節が目に入った。ヴェルボフ
は思った。地球の表面は陸よりも海のほうが遥かに多いのに、それが炎に焼き尽くされる
とはどういうことだろう?水を火に変える方法があるのだろうか?
彼はまた、ジェール・ヴェルヌの小説を愛読していた。1874年に書かれたヴェルヌの「神秘の島」
に、水を燃料として用いる、という話が出てくる。水を電気分解して水素と酸素にし、燃
焼させるというのである。エンジンが電球を発明するのはヴェルヌがこれを書いた5年後、