01/12/13 10:56
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<EMボカシ、投入の効果はっきり~千厩町内側溝の水質>
千厩町の女性団体「ミセスの会」(昆野洋子代表)が投入したEM(有用微生物群)
ボカシによって、同町内の側溝の水質改善が図られたことが分かった。同会ではこの
実績を基に今後、上流の家庭や事業所などに水質保全に向けた取り組みへの協力を働
き掛けたい意向だ。
EMは納豆菌や乳酸菌など、人間に有用な微生物の総称。米ぬかを材料に優良たい
肥を作るほか、米のとぎ汁発酵液は殺菌、消臭作用があるとされている。
同町では今年、女性団体「やよい会」(金野美代子会長)が七月から三カ月間、毎
月一回町内の商店街で米のとぎ汁発酵液を試験的に放流。周辺住民から「悪臭が消え
た」と好評だった。
一方、臭いは感覚的であることから、ミセスの会は十月九日、千厩川の久伝橋の上
流に当たる千厩字新町地内の側溝に米ぬかともみ殻で作ったEMボカシを入れた土の
う五袋を、「かんきょうネット千厩」(千葉正子代表)の指導を受けながら投入。採
取した投入前のサンプルを宮城県公衆衛生協会で測定した結果、BOD(生物化学的
酸素要求量)は、一リットル当たり七・七ミリグラム、SS(懸濁物質)は同六ミリ
グラム、百ミリリットル当たりの大腸菌群の数は二万四千個だった。
投入から一カ月余り後のデータ(同協会測定)では、大腸菌群が約千分の一の二十
三個と激減し大幅に改善した。国の環境基準によると、久伝橋上流の大腸菌群は千個
以下。一概に比較はできないものの、一定の成果を挙げることができた。
一方、BODは十四ミリグラム、SSは九ミリグラムといずれも投入前より悪化。
昆野会長は「サンプル採取時に、上流から大量の米のとぎ汁が流れたためではないか」
と話している。
微生物の活動が鈍くなる季節を迎えたため、河川へのEMボカシの投入は休止。十
四年春から活動を再開する。
昆野代表は「数値で成果が確認できて良かった。雑排水を大量に流す事業所や飲食
店、一般家庭などに水質浄化後の放流を呼び掛けたい」と話している。