01/06/11 00:59
URLリンク(www.kahoku.co.jp)
盛岡市の高松の池で汚れた水質の浄化する作戦を展開している市民団体「高松公園と親し
む会」(雪ノ浦重松会長)は9日、ヘドロを分解する効力のある有用微生物群「EM菌」を
池に投入した。盛岡市の民間非営利団体(NPO)「地球環境共生ネットワーク岩手」(U
-ネット岩手、横田綾二リーダー)の協力を得た。親しむ会による高松の池浄化作戦は、マ
コモの植栽、木炭投入に続いて第三弾。
この日は、EM菌液5トンを用意。親しむ会とU-ネットのメンバー合わせて25人ほど
で手分けし、池北側の釣り堀に3トン、池に流れ込む川の上流に当たる上田堤、鉢ノ皮両地
区に2トンを投入した。
釣り堀では大量のEM菌液が投入されると、池の底にたまった汚泥がかくはんされ、メタ
ンガスの腐敗臭が辺り一面に広がった。
作戦では、池にたまったヘドロをEM菌で分解。ヘドロの元となる家庭排水の汚れも、流
入口の上流にEM菌を投入することで根こそぎ分解していく計画だ。
U-ネットによると、EM菌は光合成細菌や乳酸菌、酵母菌など5群80種から成る微生
物群で、中でも光合成細菌がヘドロの分解に威力を発揮する。すでに池に投入されているニ
セアカシアの炭とも相性が良く、炭の表面に開いた穴に菌がすみ着くことで、菌の定着が期
待できる。
分解されたヘドロはアミノ酸などに変わり、植物プランクトンや水草の栄養分となる。こ
れらを、生態系上の食物連鎖で上部に位置する魚や水生昆虫などが食べることで、水がきれ
いになっていくという。
浄化作戦の技術支援を行ったEM研究機構(沖縄県宜野湾市)の辻一郎研究員は「水がき
れいになるには長い時間が必要だが、まず今年の夏、悪臭が感じられないという変化が期待
できるだろう」と話している。