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米ラスカー財団は米東部時間13日(日本時間14日)、優れた医学研究者に贈る「ラスカー賞」の今年の臨床医学部門の受賞者に、遠藤章・東京農工大名誉教授(74)を選んだ。
受賞業績は、血液中のコレステロール値を下げる物質「スタチン」の発見。治療薬として製品化され、心臓病の治療や予防に大きな進歩をもたらしたことが評価された。
日本人の受賞は、利根川進・米マサチューセッツ工科大教授(87年基礎医学部門)らに次ぎ5人目。臨床医学部門では初めて。授賞式は26日にニューヨークである。
遠藤氏は製薬会社三共(現第一三共)の研究者だった73年、コメの青カビがつくるスタチンを発見。これが血液中のコレステロール値を下げることを動物実験で確認した。
その後、87年に米製薬会社メルクがスタチンを治療薬として製品化することに成功し、三共なども続いた。現在では高コレステロール血症や心筋梗塞(こうそく)などの治療・予防薬として、100カ国以上で販売され、3000万人が服用しているとされる。
ラスカー賞は米国で最も権威のある医学賞とされ、利根川教授ら受賞者の多くが後にノーベル賞を受けている。
遠藤氏は1933年、秋田県生まれ。東北大農学部卒。(竹石涼子)
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