09/12/02 21:04:10
という疑問が出てきたということは、君は ab+bc+ac と記述する方が自然な並べ方だと感じているのだと思う
しかし……本当にそうだろうか?
ab→bcまでの流れはいい。アルファベット順だ。しかしそこからいきなりac……aに戻るのはどうも不自然ではないだろうか?
それならまだ辞書式に、ab+ac+bcとでも書いた方が順序だっているようにも思える……
いっそaに着目して、aについての降べきの順とみるべきだろうか? いやいやそれなら同類項をまとめて(b+c)a+bcとなるべきだ……
うんぬんかんぬん
で、「連環の順」という、a→b→c→aというふうにぐるっと一巡させる方法が、スマートでオシャレっぽくてミスも少なくなりそうだよね、ということで記述の仕方の一つとして編み出された
これは表現の流儀の問題だから、必ずそうしなきゃいけないわけじゃない
日本語で文書を書くとき、「だ・である」調で書くか、「です・ます」調で書くかくらいの違いだ
一般には悪文とされるが、「だ・である」と「です・ます」が混在したって、文の意味が通じなくなるわけでもない
ただ、(このレスのように!)回りくどくて意味の通じにくい日本語があるように、ごちゃごちゃして読みにくい数式というのはあって、そういうものは嫌われる
連環の順とか降べきの順とかいうのは、そうした方が見た目が美しく整ってわかりやすいよね、ということで、大体みんなそのようにやっているわけだ
あと、文書を書く時に表現を変えると意味はそのままでもニュアンスが変化するように、数式の書き方には記述者の意図が反映されていることもある
例えば、ab+bc+ca ……と連環順に書いているならば、その記述者はaとbとcは全部同じくらいの重要さだと(あるいはどれも重要な値ではないと)思っているかもしれない
(b+c)a+bc……とaの降べき順に書いているならば、その記述者は今aに着目している。例えばbとcを定数として固定して、aの変化を考えている、とか
ab+ac+bc……と辞書式に書いているならば、積の組合せ方を重視しているのかもしれない
文書を読む時によく「作者の気持ちになって考えましょう」なんて言われるけど、数式を読む時にも記述者の気持ちを考えてみると面白いかもしれないよ