代数的整数論 012at MATH
代数的整数論 012 - 暇つぶし2ch82:Kummer ◆g2BU0D6YN2
09/06/30 10:51:33
命題
X 局所コンパクト空間とし、μを X 上の正値Radon測度とする。
f を L^∞(X, C, μ) (過去スレ010の567)の元とする。
このとき、N_∞(f) = sup {|∫ fh dμ| ; h ∈ K(X, C), N_1(h) ≦ 1 } である。
ここで、N_∞(f) = inf {α; |f(x)| ≦ α (局所μ-a.e.)} であり、
N_1(h) = ∫ |h| dμ である。

証明
h ∈ K(X, C), N_1(h) ≦ 1 のとき、
|∫ fh dμ| ≦ ∫ |f| |h| dμ ≦ N_∞(f)N_1(h) ≦ N_∞(f) であるから、
N_∞(f) ≧ sup {|∫ fh dμ| ; h ∈ K(X, C), N_1(h) ≦ 1 } である。
N_∞(f) = 0 の場合には、命題は明らかに成り立つから、
N_∞(f) > 0 と仮定してよい、。

ε を N_∞(f) > ε > 0 を満たす任意の正数とする。
A = {x ∈ X ; |f(x)| > N_∞(f) - ε} は局所μ零集合ではない。
よって、X のコンパクト集合 K があり、B = K ∩ A はμ零集合ではない。
g = (1/μ(B)) (f~/f) χ_B とおく。
ここで、 f~(x) は f(x) の複素共役である。
∫ |g| dμ = 1 である。
∫ fg dμ = (1/μ(B)) ∫ |f|χ_B dμ ≧ N_∞(f) - ε

∫ |g - h| dμ < ε/N_∞(f) となる h ∈ K(X, C) をとる。
|∫ |h| dμ - 1| = |∫ |h| dμ - ∫ |g| dμ| ≦ ∫ |g - h| dμ < ε/N_∞(f)
∫ |h| dμ = 0 とすると 1 < ε/N_∞(f) となって矛盾であるから、
∫ |h| dμ ≠ 0 である。
ψ = h/N_1(h) とおく。N_1(ψ) = 1 である。

|N_∞(f) - ∫ fψ dμ| ≦ |N_∞(f) - ∫ fg dμ| + |∫ fg dμ - ∫ fψ dμ|
≦ ε + N_∞(f)N_1(g - ψ) ≦ ε + N_∞(f)(N_1(ψ - h) + N_1(g - h))
= ε + N_∞(f)(|N_1(h) - 1) + N_1(g - h)) < ε + ε + ε
証明終


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