08/04/13 18:16:30
[以下の説明は、「証明」ではなく、あくまでも説明である。]
実数列a(n)はlim[n→∞]a(n)=aを満たすとする。これは
lim[n→∞]|a(n)-a|=0 と同値である。さて、不等式
|a(n)-a|≧1/2
について考える。実は、この不等式を満たすnは有限個しか存在しない。なぜなら、
もしそのようなnが無限に存在したとすると、そのようなnを小さい方から順番に
m1,m2,m3,…とおけば、|a(mk)-a|≧1/2 がk=1,2,3,…に対して成り立つことになる。
するとlim[k→∞]|a(mk)-a|≧1/2となるが、lim[k→∞]mk=+∞だから
lim[k→∞]|a(mk)-a|=0であり、これはlim[k→∞]|a(mk)-a|≧1/2に矛盾する。
以上より、|a(mk)-a|≧1/2を満たすnは有限個しかない。そこで、そのようなnの
最大値をMとおけば、n>Mならば|a(n)-a|<1/2が成り立つ。
この議論は、1/2という数に限ったことではなく、どんなε>0に対しても、
あるMが存在して、n>Mならば|a(n)-a|<ε が成り立つ。