代数的整数論 004at MATH
代数的整数論 004 - 暇つぶし2ch2:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/23 22:03:06
有難う

3:132人目の素数さん
06/11/23 22:05:47
最近来たので前スレも全部フォローできてないでつが、
期待しておりまつ(`・ω・´)

4:132人目の素数さん
06/11/23 22:12:20
>>1 king氏ね

5:KingOfUniverse ◆667la1PjK2
06/11/23 22:22:01
talk:スレリンク(math板:1000番)n 何やってんだよ?
talk:>>4 お前に何が分かるというのか?

6:132人目の素数さん
06/11/23 22:29:59
>>5 king氏ね

7:KingOfUniverse ◆667la1PjK2
06/11/23 22:37:31
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。

8:132人目の素数さん
06/11/23 22:40:50

!qni>|



9:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 12:53:10
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
簡単のために、この事実を M = [x_1, ..., x_n] と書くことにする。

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_m = a_(m,1)x_1 + ..., + a_(m,n)x_n

を M の元とし y_1, ..., y_m で生成される M の部分群を N とする。
N = <y_1, ..., y_m> と書くことにする。

M/N は有限群とは限らないが、N の自由群としての基底は
前スレ3の989の考えを利用して以下のように求めることが出来る。

10:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 13:00:32
m 個の元 a_(1,n), ..., a_(m,n) の最大公約数を d_n ≧ 0 とする。

d_n = a_(1,n)b_1 + ... + a_(m,n)b_m となる有理整数
b_1, ..., b_n がある。これ等を具体的に求めるには Euclid の
互除法を使えばよい。

z_n = b_1y_1 + ... + b_my_m とおく。

z_n は N の元で x_1, ..., x_n の一次結合であらわしたとき
x_n の係数は d_n である。

d_n = 0 なら a_(1,n) = ... = a_(m,n) = 0 だから
N = <y_1, ..., y_m> ⊂ [x_1, ..., x_(n-1)] である。

d_n ≠ 0 と仮定する。
a_(i,n) = d_n q_i とする。
y_i - q_iz_n の x_n の係数は 0 である。

一方、
N = <y_1, ..., y_m> = <y_1, ..., y_m, z_n>
= <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n, z_n>

よって
L = <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n> とおくと、
N = L + Z(z_n) である。

L は [x_1, ..., x_(n-1)] に含まれる。
この L と [x_1, ..., x_(n-1)] に上記と同様の手続きを行う。

最終的に、N = <z_1, ..., z_n> となる。
z_1, ..., z_n のなかで 0 となるものを省けば N の基底が得られる。

11:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 16:55:17
2次の代数体を略して2次体と呼ぶ。
前スレ3の759と760より任意の2次体は Q(√m) と一意に書ける。
ここで m は平方因子を持たない有理整数である。

逆に m ≠ 0, 1 が平方因子を持たない有理整数のとき
Q(√m) は2次体である。

今後、特に断らない限り2次体を Q(√m) のように書いたとき m は
平方因子を持たない有理整数とする。

前スレ3の768より2次体 Q(√m) の整数環は Z[ω] = Z + Zω の
形をしている。
ここで m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら ω = √m である。

今後、特に断らない限り Q(√m) の整数環を扱うときは ω は
この意味で使う。

12:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 16:59:03
命題
m ≠ 0 を平方因子を持たない有理整数とする。
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 に
対して、その剰余環は有限環である。

証明
I の元 α ≠ 0 をとる。α のノルム N(α) = αα' は有理整数
である(前スレ3の927)。
a = N(α) とおく。a ≠ 0 で a ∈ I である。

Z[ω]/aZ[ω] はアーベル群として Z/Za と Zω/Z(aω) の直和と
同型であるから |a|^2 個の元からなる。

Z[ω] ⊃ I ⊃ aZ[ω] だから Z[ω]/I は有限環である。
証明終

13:132人目の素数さん
06/11/24 17:05:29
>>12 久しぶりに来たんで最近何を目指してやってんのか教えて

14:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 17:31:51
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cω] と一意に書ける(この記法については >>9 参照)。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
>>12 と 前スレ3の988より I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。前スレ3の996より a と c は I により
一意に決まる。
k を任意の有理整数として I = [a, (b' + ka) + cω] となることは
明らかだろう。従って、b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。b は a により一意に決まる。

a は I に含まれる最小の正の有理整数である。
c は x + yω ∈ I で y > 0 となる最小の y である。
aω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cω - c(1 - m)/4
= (b + c)ω - c(1 - m)/4 ∈ I
よって b + c ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cm ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

15:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/24 17:41:34
>>13

2次体の整数論を構成的つまり具体的に計算可能な方法でやろうとしている。

例えばイデアル I の生成元 α_1, ..., α_n が与えられたとき、
I を素イデアルの冪積に分解するとか。

類数を計算する方法とか。

そのため2元2次形式論についても述べる予定。

16:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 02:30:40
定義
>>14 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。

17:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 02:36:13
定義
>>14 において c = 1 となるとき、I を原始イデアルと呼ぶ。

18:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 03:04:32
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
原始イデアル J と有理整数 c > 0 の積 I = cJ に一意に書ける。

証明
>>14 において a と b は c で割れるから、
a = ca'
b = cb'
とする。

I = [ca', cb' + cω] = c[a', b' + ω] となる。
J = [a', b' + ω] は (1/c)I に等しいからイデアルである。
よって、a', b' + ω は J の標準基底であり、J は原始イデアルである。

I = cJ と一意に書けることは、標準基底の一意性より明らか。
証明終

19:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 04:06:12
命題
2次体 Q(√m) と a > 0, 0 ≦ b < a となる有理整数 a, b に対して、
N(b + ω) が a で割れれば a, b + ω はあるイデアルの標準基底である。

証明(高木の初等整数論講義)
a と b + ω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + ω] がイデアルであることを示せばよい。
つまり、aω ∈ [a, b + ω] と (b + ω)ω ∈ [a, b + ω]
を示せばよい。

aω = -ab + a(b + ω) ∈ [a, b + ω] である。

N(b + ω) = ak とする。

つまり (b + ω)(b + ω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + ω)(b + s - ω) = ak
よって
(b + ω)(b + s) - (b + ω)ω = ak
よって
(b + ω)ω = -ak + (b + ω)(b + s) ∈ [a, b + ω]
証明終

20:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 04:22:07
>>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
しかし意外と書いてある本は少ない。

21:132人目の素数さん
06/11/25 04:32:57
Milne の online book Algebraic number theory
の後ろに Wyle のいい文章が載っている。

And after the first year [as an undergraduate at Gottingen] I went
home with Hilbert's Zahlbericht under my arm, and during the summer
vacation I worked my way through it—without any previous knowledge
of elementary number theory or Galois theory. These were the happiest
months of my life, whose shine, across years burdened with our common
share of doubt and failure, still comforts my soul.
Hermann Weyl, Bull. Amer. Math. Soc. 50 (1944), 612–654.

22:132人目の素数さん
06/11/25 04:35:44
Wyle じゃなくWeyl ね

23:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 05:05:16
2次体 Q(√m) の非零の整数 α_1, ..., α_n が与えられたとき
イデアル I = (α_1, ..., α_n) の標準基底は以下のようにして
求まる。

I = <α_1, ..., α_n, α_1ω, ..., α_nω> である
(この記法については >>9 参照)。

I ⊂ [1, ω] だから I の自由アーベル群としての基底は >>10
方法で求まる。

つまり I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。
b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。
a と b が c で割れることは >>14 からわかる。

24:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 05:37:15
定義
I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数環のイデアルとする。
>>12 より Z[ω]/I は有限環である。
Z[ω]/I の元の個数を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、
N(I) と書く。

25:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 05:43:48
命題
I = [a, b + cω] をイデアル I の標準基底による表示とすると、
N(I) = ac である。

証明
前スレ3の991より直ちに出る。

26:132人目の素数さん
06/11/25 09:43:46
クンマー拡大!

27:132人目の素数さん
06/11/25 14:27:36
>20
> >>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
> しかし意外と書いてある本は少ない。
Edwin Weiss, "Algebraic Number Theory" には載っている。
但し、この本は強烈に読みにくい。

28:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 15:14:03
>>27

それは読んだことはないがわりと有名な本だよね。
当時(1960年代半ば)、英語で書かれた代数的整数論の本は非常に
少なかったから。

Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。

29:132人目の素数さん
06/11/25 15:14:55
クンマー拡大!

30:132人目の素数さん
06/11/25 15:25:33
>28
> Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。
Milneは凄いと思う。
あれだけの内容のノート類を公開しているんだから。
Kummerさんも、早く纏めてね。期待してまっせ。

31:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 15:34:48
ところでこのスレと前スレの内容について私は版権を主張できる
のかな?
まず出来そうもないが。

例えば、このシリーズをまとめて本を出版するってことは出来ない
のだろうか?

32:132人目の素数さん
06/11/25 15:38:27
クンマー拡大!

33:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 16:27:27
補題
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
つまり、>>9 の記法で M = [x_1, ..., x_n] とする。

y_1 = x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n とおく。
ここで、a_2, ..., a_n は任意の有理整数。

このとき
[x_1, ..., x_n] = [y_1, x_2, ..., x_n]
である。

証明
y_1, x_2, ..., x_n で生成される M の部分群を N とおく。
つまり >>9 の記法で N = <y_1, x_2, ..., x_n> である。

x_1 = y_1 - (a_2x_2 + ... + a_nx_n) だから
x_1 ∈ N

よって M = N である。
y_1, x_2, ..., x_n が Z 上一次独立なことは明らかだろう。
証明終

34:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 16:43:13
次の補題は >>14 の前に述べたほうがよかった。

補題
a, b, c, e を有理整数とし、a > 0, c > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cω] = [a, e + cω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。
ここで両辺は Z[ω] の部分アーベル群であり、必ずしもイデアルで
なくてよい。

証明
[a, b + cω] = [a, e + cω] なら
b + cω - (e + cω) = b - e は [a, b + cω] に含まれる。

a は [a, b + cω] に含まれる最小の正数だから
b ≡ e (mod a) である。

逆は >> 33 よりでる。
証明終

35:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 17:00:47
>>19 の逆も成り立つ。

命題
2次体 Q(√m) において
I= [a, b + ω] がイデアルなら、N(b + ω) は a で割れる。
ここで a, b は有理整数で、a > 0 である。

証明
N(b + ω) = (b + ω)(b + ω') ∈ I であることから明らか。
証明終

36:132人目の素数さん
06/11/25 17:11:08
>31
> このスレと前スレの内容について私は版権を主張できるのかな?
> まず出来そうもないが。
自分の書いた部分に著作権は主張できる筈。
版権は、よく判らん。ひろゆきにあるのかな?

37:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 17:20:45
補題
p を奇素数とする。
[p, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるためには

m ≡ 1 (mod 4) なら (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら b^2 ≡ m (mod p)
となることがそれぞれ必要十分である。

証明
>>19>>35 より [p, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4

よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod p)
左辺を k とおくと、p は奇素数だから
これは 4k ≡ 0 (mod p) と同値である。
すなわち、(2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + √m) = b^2 - m
よって b^2 ≡ m (mod p)
証明終

38:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 18:57:14
補題
n を有理整数とする。
n ≡ 1 (mod 4) のとき、
n ≡ 1 (mod 8) または n ≡ 5 (mod 8) である。

証明
n = 4k + 1 とする。
k が偶数なら n ≡ 1 (mod 8)
k が奇数なら n ≡ 5 (mod 8) である。
証明終

39:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 19:19:10
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる。
m ≡ 1 (mod 8) のとき、任意の有理整数 b で [2, b + ω] はイデアル
となる。
m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)
[2, b + ω] はどんな有理整数 b に対してもイデアルにならない。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4
よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
よって (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。

b が偶数なら b = 2k とすると
(4k + 1)^2 - m = 16k^2 + 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

b が奇数なら b = 2k - 1 とすると
(4k - 1)^2 - m = 16k^2 - 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

逆に m ≡ 1 (mod 8) なら、b が偶数でも奇数でも
(2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) となる。
証明終

40:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 19:24:58
訂正

>>39
>m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

m ≡ 1 (mod 4) かつ m ≡ 1 (mod 8) でないなら、
つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

41:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 19:34:44
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる(>>39 の続き)。
m ≡ 2 (mod 4) なら b ≡ 0 (mod 2)
m ≡ 3 (mod 4) なら b ≡ 1 (mod 2)
が [2, b + ω] がイデアルとなるための必要十分条件である。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

ω = √m だから
N(b + ω) = (b + √m)(b - √m) = b^2 - m ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 2 (mod 4) なら m ≡ 0 (mod 2) だから b^2 ≡ 0 (mod 2)
よって b ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 3 (mod 4) なら m ≡ 1 (mod 2) だから b^2 ≡ 1 (mod 2)
よって b ≡ 1 (mod 2)
証明終

42:132人目の素数さん
06/11/25 19:37:18
人工無能やぶれたり!w

8 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



43:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 19:58:57
命題
2次体 Q(√m) において非零素イデアル P は pZ[ω] または
[p, b + ω] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。

証明
P = [p, b + cω] となる(>>14)。
c は p の約数だから c = 1 または c = p である。
c = p なら b は p で割れるから(>>14)、P = [p, pω] となる(>>34)。
よって P = pZ[ω] である。
証明終

44:132人目の素数さん
06/11/25 20:15:46
クンマー拡大!

45:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 20:26:15
定義
2次体 Q(√m) において ω の Q 上のモニックな最小多項式を
f(X) とする(前スレ2の927)。
f(X) の判別式を2次体 Q(√m) の判別式と呼ぶ。

46:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 20:30:41
訂正

>>45
>(前スレ2の927)。

>(前スレ3の927)。

47:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 20:37:08
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。
ここで、
m ≡ 1 (mod 4) なら P = [p, (m - 1)/2 + ω] = [p, (m + √m)/2]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, ω] = [p, √m]

2) D が p と素で mod p の平方剰余のとき
pZ[ω] = PP' となる。

ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

3) D が p と素で mod p の平方非剰余のとき
pZ[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の957と>>37による。
証明終

48:132人目の素数さん
06/11/25 20:46:52
クンマー拡大!

49:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 20:57:09
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

1) 2 が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

2) m ≡ 1 (mod 8) のとき
2Z[ω] = PP' となる。
ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

3) m ≡ 5 (mod 8) のとき
2Z[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の958と>>39, >>40, >>41による。
証明終

50:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 21:09:23
>>47>>49 あってるかな?
こういう素イデアルの標準基底まできちんと書いてある本少ないね。
高木もこのへん、ややはしょっている。

51:132人目の素数さん
06/11/25 21:13:45
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52:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 22:13:45
前スレ3の751で平方剰余の相互律を証明したが、ここで平方剰余の
第2補充法則を述べる。

λを奇素数とし、Z[η] = Z[η_0, η_1] を (λ - 1)/2 項周期から
構成される円分整数全体のなす環とする(前スレ3の744)。
Q[η] は2次体である。

前スレ3の744より
2Z[η] が Z[η] の相異なる2個の素イデアルの積となるためには
2 が λ を法として平方剰余であることが必要十分である。

2Z[η] が Z[η] の素イデアルであるためには
2 が λ を法として平方非剰余であることが必要十分である。

前スレ3の748より
Q[η] の判別式 D は
λ ≡ 1 (mod 4) のときは D = λ
λ ≡ -1 (mod 4) のときは D = -λ
となる。

>>49 より

1) λ ≡ 1 (mod 4) のとき
λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1

λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

2) -λ ≡ 1 (mod 4) のとき
-λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1
-λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

53:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 22:24:10
λ ≡ ±1 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は偶数である。
λ ≡ ±5 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は奇数である。
よって >>52 より (2/λ) = (-1)^((λ^2 - 1)/8)
これが平方剰余の第2補充法則である。

54:132人目の素数さん
06/11/25 22:33:57
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55:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/25 22:36:42
>>52 は 前スレ3の751の平方剰余の相互律の証明と本質的には同じである。
2次体はそれを含む円分体により統制されていることが分かるだろう。

これらの証明は非常に美しいし、神秘的だと思う。

56:132人目の素数さん
06/11/25 22:42:58
同値類から整数の減法の定義を導きたいのですが、考えてもわかりません。
調べても加法と乗法しか載っておらず困ってます。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、わかる方いらっしゃったら教えてください。
よろしくお願いします。


57:132人目の素数さん
06/11/25 22:54:12
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58:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 09:40:47
今後、特に断らなければ2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] のイデアルで
0 でないものを単に Q(√m) のイデアルと呼ぶことにする。
したがって、Q(√m) の素イデアルといえば Z[ω] の素イデアルで
0 でないものを意味する。

59:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 09:52:37
定義
2次体 Q(√m) の単位写像でない自己同型を σ とする。
つまり σ(√m) = -√m である。

Q(√m) のイデアル I に対して σ(I) は 明らかに Q(√m) の
イデアルである。
これを I の共役イデアルと呼ぶ。

特に断らない限り I の共役イデアルを I' と書く。

60:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 10:11:32
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 1) より p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>47 の 1) より
m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, (m + √m)/2] である。

P' = [p, (m - √m)/2] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, (-m + √m)/2] -- これは (m - √m)/2 に -1 を掛けたもの
= [p, m + (-m + √m)/2] -- m は p の倍数だから >>34 より
= [p, (m + √m)/2]
= P

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, √m] である。

P' = [p, -√m] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, √m] -- これは -√m に -1 を掛けたもの
= P

証明終

61:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 10:28:39
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 2) より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP'
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より

m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b + 1 - ω]   -- ω + ω' = 1 を使った
= [p, -b - 1 + ω]   -- b + 1 - ω に -1 を掛けたもの

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b - ω]   -- ω = √m
= [p, -b + ω]   -- b - ω に -1 を掛けたもの

証明終

62:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 10:39:53
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 1) より
2 が D の約数 のとき 2Z[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>49 の 1) より
m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

これより >>60 と同様にして確かめればよい。
証明終

63:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 10:47:03
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 2) より m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP' となるが
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

P の共役は
[2, (1 - √m)/2]
= [2, (-1 + √m)/2]
= [2, 2 + (-1 + √m)/2]
= [2, 1 + (1 + √m)/2]

証明終

64:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 10:58:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意の素イデアル P の共役イデアル P' は
素イデアルであり、PP' = N(P)Z[ω] となる。

証明
P' が素イデアルであることは共役イデアルの定義より明らか。

>>60, >>61, >>62, >>63>>47 の 3), >>49 の 3)
および >>25 よりわかる。

証明終

65:132人目の素数さん
06/11/26 11:26:18
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66:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 11:28:26
補題
B を単項イデアル整域とし、t をその素元とする。
B/tB は標数 p の有限体で |B/tB| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|B/(t^r)B| = q^r = p^(fr)

である。

ここで、有限集合 S に対して |S| は S の元の個数を表す。

証明
B のイデアルの列 B ⊃ tB ⊃ ... ⊃ (t^r)B より、
|B/(t^r)B| = |B/tB||tB/(t^2)B|...|(t^(r-1))B/(t^r)B|

一方、前スレ3の896 より、|(t^(i-1))B/(t^i)B| = |B/tB|
|B/(t^r)B| = |B/tB|^r

証明終

67:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 11:41:49
命題
A を Dedekind 整域(前スレ2の601)とし、P をその素イデアルとする。
A/P は標数 p の有限体で |A/P| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|A/P^r| = q^r = p^(fr)

である。

証明
前スレ3の895 より A/P^r は A_P/(P^r)A_P に標準的に同型である。
A_P は離散付値環(前スレ2の585)だから >>66 よりわかる。
証明終

68:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 11:51:41
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の非零イデアル I に対して A/I が
有限環のとき A は有限ノルム性を持つという。

このとき |A/I| を I の絶対ノルムまたは単にノルムと呼び
N(I) と書く。

69:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 11:55:36
補題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の非零イデアルで互いに素、
すなわち I + J = A とする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

70:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 12:03:41
命題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の任意の非零イデアルとする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
>>67 より A の非零素イデアルにたいして N(P^r) = N(P)^r である。
これと A の任意の非零イデアルが非零素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>69 よりわかる。

証明終

71:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 12:26:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意のイデアル I とその共役イデアル I'
に対して
II' = N(I)Z[ω] となる。

証明
>>64 より素イデアル P に対して PP' = N(P)Z[ω] となる。
よって任意の有理整数 r ≧ 1 に対して、
(P^r)(P')^r = N(P)^rZ[ω] = N(P^r)Z[ω] (>>67より)

これと Q(√m) の任意のイデアルが素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>70 よりわかる。

証明終

72:132人目の素数さん
06/11/26 12:56:51
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73:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 13:41:32
定義
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] の可逆元を Q(√m) の単数と呼ぶ。

74:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 13:52:47
命題
2次体 Q(√m) の整数 α が単数であるためには
N(α) = 1 または N(α) = -1 となることが必要十分である。

証明
α が単数なら αβ = 1 となる整数 β がある。
N(αβ) = N(α)N(β) = 1 であるが、N(α) と N(β) は有理整数
(前スレ3の927)だから N(α) = 1 または N(α) = -1 である。

逆に N(α) = 1 または N(α) = -1 とする。

N(α) = 1 なら αα' = 1 だから α は単数である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は単数である。

証明終

75:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 14:05:45
命題
α ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数とすると
N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

ここで右辺は N(α) の絶対値をあらわす。

証明
イデアル αZ[ω] の共役イデアルは α'Z[ω] である。
よって
(αZ[ω])(α'Z[ω]) = αα'Z[ω] = N(α)Z[ω]

一方、>>71 より (αZ[ω])(α'Z[ω]) = N(αZ[ω])Z[ω] となる。

したがって N(α)Z[ω] = N(αZ[ω])Z[ω] である。
よって
N(α) = N(αZ[ω])εとなる整数εがある。
容易にわかるようにεは単数である。

両辺のノルムをとると
N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 N(ε) となる。
>>74 より N(ε) = ±1 であるから

N(α)^2 = ±N(αZ[ω])^2 となる。

左辺は正だから N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 である。
よって N(α) = ±N(αZ[ω]) である。

N(αZ[ω]) > 0 だから N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

証明終

76:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 15:32:43
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
N を M の部分群で M/N が有限群となるものとする。

前スレ3の988より N は n 次の自由アーベル群である。
N の基底を y_1, ..., y_n とし、

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_n = a_(n,1)x_1 + ..., + a_(n,n)x_n

とする。

このとき、|M/N| = |det(a_(i,j))| である。

証明は後で行う。

77:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 15:36:59
>>76 の証明

A = (a_(i,j)) を n × n 行列 とする。
X を (x_1, ..., x_n) を縦にしたベクトルとする。
Y を (y_1, ..., y_n) を縦にしたベクトルとする。
Y = AX である。

前スレ3の988 より

N の基底 z_1, ..., z_n で、

z_1 = b_(1, 1) x_1
z_2 = b_(2, 1) x_1 + b_(2, 2) x_2
.
.
z_i = b_(i, 1) x_1 + b_(i, 2) x_2 + ... + b_(i, i) x_i
.
.
z_n = b_(n, 1) x_1 + b_(n, 2) x_2 + ................ + b_(n, n) x_n

となるものがある。
ここで 各 b_(i, i) > 0 である。

前スレ3の991 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) である。

B = (b_(i,j)) を n × n 行列 とする。
Z を (z_1, ..., z_n) を縦にしたベクトルとする。
Z = BX である。

(続く)

78:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 15:48:30
>>77 の続き

Y と Z は N の基底だから、
Y = CZ となる有理整数を成分とする行列 C で可逆、つまり
CD と DC が n 次の単位行列となる有理整数を成分とする行列 D が
存在する。det(CD) = det(C)det(D)= 1 だから det(C) = ±1 である。

Z = BX と Y = CZ より Y = CBX となる。
一方、Y = AX だから
AX = CBX となる。
よって A = CB となる。
よって det(CB) = det(A) となる。
よって ±det(B) = det(A) となる。

>>77 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) = det(B) だから
|M/N| = |det(A)| である。
証明終

79:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 16:51:31
訂正

>>69
>中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

>中国式剰余定理(前スレ1の341)より明らか。

80:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 20:01:16
>>75 の別証

αZ[ω] = [α, αω] は Z[ω] の部分アーベル群である。
1) α = a + bω
2) αω = c + dω
とする。

この2式の両辺の共役をとると
3) α' = a + bω'
4) α'ω' = c + dω'

α, αω を第1行、
α', α'ω' を第2行に持つ行列の行列式をΔ[α, αω] とする。

同様に 1, ω を第1行、1, ω' を第2行に持つ行列の行列式
をΔ[1, ω] とする。

a, b を第1行
c, d を第2行に持つ行列を A とする

1), 2) ,3) ,4) より
Δ[α, αω] = det(A)Δ[1, ω] となる。

Δ[α, αω] = αα'Δ[1, ω] = N(α)Δ[1, ω]
よって N(α)Δ[1, ω] = det(A)Δ[1, ω]

Δ[1, ω] = ω' - ω ≠ 0 であるから、
N(α) = det(A) となる。
1), 2) と >>76 より N(αZ[ω]) = |det(A)| だから
N(αZ[ω]) = |N(α)| となる。
証明終

81:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 20:45:26
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアル(>>17) とする。
ここで a > 0 で a = gh, g > 0, h > 0 とする。

このとき、J_1 = [g, r + ω], J_2 = [h, r + ω] はそれぞれ
イデアルで I = (J_1)(J_2) となる。

証明(高木の初等整数論講義)
θ = r + ω とおく。
N(θ) は a で割れる(>>35)から g と h でも割れる。
よって [g, θ] と [h, θ] はイデアルである(>>19)。

(J_1)(J_2) = (gh, gθ, hθ, θ^2) ⊂ I である。

>>25 より N(I) = a = gh = N(J_1)N(J_2) である。
>>70 より N((J_1)(J_2)) = N(J_1)N(J_2) である。
よって I = (J_1)(J_2) である。
証明終

82:132人目の素数さん
06/11/26 21:01:10
TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
つか掲示板じゃ見にくすぎる。

83:132人目の素数さん
06/11/26 21:15:32
>82
> TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
> つか掲示板じゃ見にくすぎる。
前からそう言ってるんだけどね・・・

84:132人目の素数さん
06/11/26 21:22:14
>>82

そうなの?
版権の問題はないのかな。

85:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/26 22:22:20
>>81 の命題は高木以外では見たことがない。
意外だね。基本的なことなのに。

86:132人目の素数さん
06/11/27 11:22:54
>56
此処 ⇒ h URLリンク(www1.ezbbs.net) で聞いてみたら如何かね?
Kummerさんは、整数論の構成に関する持論の展開に忙しいから解答しないよ、多分。

87:132人目の素数さん
06/11/27 11:28:13
>>56のような質問じゃ答えようもないよねw

88:132人目の素数さん
06/11/27 16:29:04
>>56

>同値類から整数の減法の定義を導きたい
この内容を具体的に表現できれば、質問すれで回答を得られるだろう。


89:132人目の素数さん
06/11/27 17:52:55
つうか代数的整数論じゃない。整数論かどうかも怪しい。

90:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/27 21:16:29
>>81 により原始イデアル [a, r + ω] は [p, r + ω] の形の
素イデアルの積に分解される。

91:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/27 21:35:14
2次体 Q(√m) のイデアル I = (α_1, ..., α_n) が
有限個の生成元で与えられたとき、以下に述べるように I を
有限回の手続きで素イデアルの積に分解することが出来る。

I の標準基底は >>23 で述べたように有限回の手続きで求まる。
I = [a, b + cω] を標準基底による表示とすれば >>18 により
I = c[a', b' + ω] となる。

c は有限個(c = 1 のときは 0 個)の素数の積となるから、
cZ[ω] を素イデアルの積に分解するのは >>47>>49 により
有限回の手続きで出来る。

[a', b' + ω] は原始イデアルだから >>90 で述べたように
[p, b' + ω] の形の素イデアルの積に分解される。
つまり、a' を有理整数の範囲で素因数分解すればよい。

92:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/27 22:10:06
問題
Q(√(-5)) において単項イデアル (3 + 5√(-5)) を素イデアルの積に
分解せよ。

答えだけじゃなくて解き方も書くこと。
誰か?

93:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/27 22:25:46
>>92

書き忘れたけど、素イデアルは標準基底で表すこと。

94:聴講生
06/11/28 07:49:16
>>92
>>11より、ω=√(-5)とするとQ(√(-5))の整数環はZ[ω]
(3 + 5√(-5)) = <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)>
>>10の手続きで標準基底を求める。
5と3は互いに素で、5・(-1) + 3・2 = 1 なので、
y_1 = 3 + 5√(-5),y_2 = -25 + 3√(-5),z_2 = -y_1 + 2y_2 とおくと
y_1 - 5z_2 = 268,y_2 - 3z_2 = 134
よって <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)> = <268,134,81+√(-5)>
                        = [134,81+√(-5)]
これは原始イデアルで、134 = 2・67 だから
[134,81+√(-5)] = [2,81+√(-5)][67,81+√(-5)]


95:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 09:24:25
>>94

ご名答。

蛇足かもしれないが検算してみよう。

N(3 + 5√(-5)) = 9 + 125 = 134 = 2・67 で67 は素数だから
(3 + 5√(-5)) はノルムが 2 と 67 の素イデアルの積となる。

[2,81+√(-5)] = [2,1+√(-5)] で
N(1+√(-5)) = 1 + 5 = 6
これは 2 で割れるから [2,81+√(-5)] はイデアルで(>>19)そのノルムは
2 である。よってこれは素イデアル。

[67,81+√(-5)] = [67,14+√(-5)]
N(14+√(-5)) = 196 + 5 = 201 = 3・67
よってこれも素イデアルでそのノルムは 67。

96:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 15:18:28
次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。

97:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 15:20:25
補題(多項式のTaylor展開)

A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ
整域とする。
f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。
a を A の任意の元とする。
このとき
f(X + a) = f(a) + f'(a)X + (f''(a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n)

ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の
X = a での値である。
各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。

証明
f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n)
とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。

X = 0 を代入すると、
f(a) = c_0 となる。

f'(X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。
X = 0 を代入すると、
f'(a) = c_1 となる。

f''(X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。
X = 0 を代入すると、
f''(a) = 2c_2 となる。
A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、
c_2 = f''(a)/2 である。

このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。
証明終

98:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 20:39:27
補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。

ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、
f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は
b ≡ a (mod p^n)
となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。

証明
f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。
よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。

>>97 より x を任意の有理整数とすると、
f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f'(a)(p^n)x (mod p^(n+1))
である。

よって
f(a + (p^n)x) = f(a) + f'(a)(p^n)x + (p^(n+1))r
となる有理整数 r がある。

よって
f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f'(a)x + pr)

仮定より f'(a) ≡ 0 (mod p) でないから
x に関する一次合同方程式
t + f'(a)x ≡ 0 (mod p)
は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。
b = a + (p^n)x とおけばよい。
証明終

99:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 20:45:39
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、

任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p)
となる根 b を持つ。
このような b は mod p^n で一意に決まる。

証明
>>98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。

100:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 21:50:10
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は
各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を
S とする。よって |S| ≦ m である。

各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i)
で合同なものを同一した集合を T_i とする。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を
対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。
よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。
ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される
写像である。

このとき φ は全単射である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

101:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 21:58:42
訂正

>>98
>補題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。


補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

102:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 22:01:19
訂正

>>99
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

103:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/28 22:05:55
訂正

>>100
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>
>m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
>を m の素因数分解とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。
f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。
この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。

104:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/29 20:48:31
任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは
>>47>>49 で与えられている。

では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?
この問題を考えよう。

まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに
注意する。
これは >>25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の
アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して
N(I)α ∈ I となることからも分かる。
さらに、>>71 からも分かる。

したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は
aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような
イデアルは有限個である。

a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。

105:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/11/30 12:33:15
>>47
>>49 より

2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

2) D が p と素の場合。
 (a) D が mod p の平方剰余、
  または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき
  pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

 (b) D が mod p の平方非剰余
  または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき
  pZ[ω] は素イデアルである。

106:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/01 17:14:17
>>105 において、
1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。
2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。
2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。

高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、
分解しない素数を第2種、
分岐する素数を第3種と呼んでいる。
我々はこの用語を使わないことにする。

分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの
分岐点から来ている。
なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が
あるから。

107:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/01 17:48:14
1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

N(P) = N(P') = p である。

p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。

2)
p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。

N((p)) = p^2 だから
p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。
ここで 2i = n である。

よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。
n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

N(P) = p だから
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
よってこのようなイデアルはただ 1 個である。

(高木の初等整数論講義)

108:132人目の素数さん
06/12/01 21:43:10
>106
> >>105 において、
> 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。
単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。
(とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…)

109:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/01 22:56:46
>>108

inert というのは Cohen の
A course in computational algebraic number thery
という長い題名の本で初めて知った。
これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。

因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。
このスレでも参考にするつもり。
ただアルゴリズムの説明がプログラム作成
を前提としているので分かりにくい。

Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を
使っている。

110:132人目の素数さん
06/12/01 23:01:17
横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、
カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる
だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。
痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。

111:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 00:48:00
今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。

1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

PP' = (p) は原始イデアルではないから、
(P^i)(P'^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは
i = 0 または j = 0 の場合のみである。

よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P'^n である。
よってこのようなイデアルは2個ある。

2)
p が分解しない素数とする。

p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、
これは原始イデアルではない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、
n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、
P^n は原始イデアルではない。

n = 1 の場合は原始イデアルである。

112:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 01:02:45
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を
Φ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。

>>107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。

>>107 より p が分解しない素数の場合、
p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。
よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。

a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

113:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 02:25:45
>>111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP' のとき
任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを
示そう。

P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。
よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。
よって P^n ⊂ (p) = PP' となり、P^n ⊂ P' である。
P' は素イデアルだから P ⊂ P' したがって P = P' となり、
P ≠ P' に矛盾する。

114:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 09:42:57
補題
2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が
原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。
N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。

証明
(P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる
素数 q がある。
N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより
P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。
これは矛盾である。
証明終

115:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 10:05:42
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を
Ψ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このとき >>111>>114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。

>>111(>>113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから
Ψ(a) も求まる。

a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

116:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 10:40:10
>>112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを
素イデアルの積という形で求めることが出来た。
このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。

任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である(>>18)。
a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で
J は原始イデアルである。
このとき a = (c^2)N(J) となる。

従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、
a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、
k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。

よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。

さらに、この問題は >>111>>114 より以下の二つの問題に帰着する。

1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。
それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

117:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 11:03:16
訂正

>>116
>2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
>n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
>P^n の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

118:132人目の素数さん
06/12/02 12:04:29
>109
> inert というのは(中略)
> 英語でもそれほど流通していないのではないかな。
そうでもない。例えば
"Algebraic Number Theory"           Frohlich、Taylor
"Algebraic Numbers and Algebraic Functions"  P. M. Cohn
"An Introductions to Rings and Modules"    Berrick, Keating
ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。

> Cohen の A course in computational algebraic number thery
> (中略)はいいね。
確か、続編もあった筈。
似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

119:132人目の素数さん
06/12/02 12:36:02
恐れ入りました

120:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 13:24:29
>>118
>確か、続編もあった筈。
>似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

続編も持ってる。
これは相対代数体を扱ってる。
類体の構成もやってるんで面白そう。
まだ読んでないが。

しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。

Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。
Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。

121:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/02 14:41:27
命題(高木の初等整数論講義)
I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での
表示とする。
a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。

ここで t は連立合同方程式
t ≡ r (mod a)
t ≡ s (mod b)
の解である。

証明
>>34 より
I = [a, t + ω]
J = [b, t + ω]

N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。
N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。

a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。

よって >>19 より [ab, t + ω] はイデアルである。
>>81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。
証明終

122:132人目の素数さん
06/12/02 14:44:01
1

123:132人目の素数さん
06/12/02 15:36:22
さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは
ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので
はっきりは分からないが。

一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では
まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。
最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。
歴史は繰り返すってやつだね。
昔の数学は構成的なのが多かった。
例えば、消去法なんてのもそうだし。
前に触れた不変式論もそう。
これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが)
見直されてきている。

124:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 10:40:03
補題
2次体 Q(√m) において
p が完全分解(>>106)する奇素数で p = PP' とする。
P = [p, b + ω] とする。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [p^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに

m ≡ 1 (mod 4) なら
(2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
r^2 ≡ m (mod p^n)

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = p^n だから
適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [p, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、
r ≡ b (mod p) である。

残りは >>37 の証明と同様である。
証明終

125:132人目の素数さん
06/12/03 13:04:04
補題
2次体 Q(√m) において
2 が完全分解(>>106)し 2 = PP' とする。
このとき m ≡ 1 (mod 8) である(>>49)。

P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [2^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに
(2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2))
である。

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = 2^n だから
適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [2, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、
r ≡ b (mod 2) である。

m ≡ 1 (mod 8) だから
N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2)
= ((2r + 1)^2 - m)/4
よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n)
よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。
証明終

126:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 13:09:00
>>124 の r は >>98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。


127:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 13:33:44
補題
a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。
n ≧ 3 とし
x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。

このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。

証明
b^2 = a + (2^n)t とする。

(b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n)
= a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1))

よって t が偶数なら
b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。

次に t が奇数の場合を考える。
n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。
さらに b は奇数である。

よって
(b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2)
≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1))
≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1))

よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。
証明終

128:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 13:36:53
>>125 の r は >>127 を順次適用すれば求まる。


129:132人目の素数さん
06/12/03 14:17:54
くんまー拡大!

130:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 14:25:51
>>104 で提出した問題、
任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?

は以上で解決したとみていいだろう。

131:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/03 18:11:51
問題
Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と
その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも
標準基底で表すこと。
答えだけでいい。
だれか?


ノルム4のイデアル
[2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2

132:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/04 13:52:03
>>131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法
>>107>>112 による。
>>107 において
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

この場合 P^i と (P')^j を標準基底で表す方法は >>124, >>126,
>>125, >>127 による。

P^i と (P')^j はともに原始イデアルである。

2) p が分解しない素数とする。
p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として
(p)^i である。

n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。

3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。
P^n = (p^k)P^r となる。

r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。
r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は
>>47>>49 で求まっている。
(続く)

133:132人目の素数さん
06/12/04 17:25:36
2

134:132人目の素数さん
06/12/04 17:26:37
1

135:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/04 20:03:40
>>132 の 1) の補足

1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P')^j の形である。
ここで i + j = n である。

i ≦ j のとき (P^i)(P')^j = (P^i)(P')^i(P')^(j-i)
= (p^i)(P')^(j-i)
である。

同様に、
j ≦ i のとき (P^i)(P')^j = (P^j)(P')^j(P)^(i-j)
= (p^j)(P)^(i-j)
である。

いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。

136:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/04 20:20:49
>>132>>135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は
(n)ΠI_p の形になる。

ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、
そのノルムは p のべきである。

>>121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。

ΠI_p = [s, r + ω] とすれば
I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。
これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。

137:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/04 20:25:07
>>136

ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。

138:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/04 20:40:52
>>132, >>135, >>136 より >>131 の問題は機械的に解けるはず。
誰か?

139:132人目の素数さん
06/12/05 12:26:44
>>131 は難しいのかな?

140:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/05 17:28:07
わかるところだけでいいけど
誰か?

141:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/05 17:32:40
このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。

142:聴講生
06/12/05 18:18:22
今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。

143:聴講生
06/12/06 01:00:11
>>131
ノルムが1→[1, √(-5)]
ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)]
ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P'_3 = [3, -1 + √(-5)]
ノルムが4は例の通り
ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)]
ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P'_3)
ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)]
ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3
ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P'_3)^2,
        [3, 3√(-5)] = (P_3)(P'_3)
ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5)

144:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/06 12:04:59
>>143

有難うございます。
正解です。

145:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/06 12:50:26
問題
Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル
ないことを証明せよ。

146:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/06 12:54:08
訂正

>>145

Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで
ないことを証明せよ。

147:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/06 17:37:59
問題
Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。
これを証明せよ。

148:聴講生
06/12/07 00:21:38
>>146
[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2
しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので
[2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。

>>147
任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。
ある素イデアルの生成元の一つを x とし、
x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元
を x の素元分解とすると、x_1~x_n の少なくとも一つは
その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。
素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

149:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/07 09:18:50
>>148

有難うございます。
正解です。

他の人のために補足します。

>[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
>これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
>単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2

これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と >>75 を使っています。

>素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
>もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので
これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。

さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの
積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。

150:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 11:18:40
>>146>>147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。

Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として
有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。
しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。

151:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 12:04:56
>>146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。
では、どのような素イデアルが単項なのか?
この問題は自然だし興味がもてるだろう。

素イデアル P のノルムは p または p^2 である。
ここで p は有理素数。

N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。
よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。
この場合、P が単項であるためには >>148 と同様にして
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが
必要十分であることがわかる。

まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。
p = 2 のときは >>148 より N(P) = 2 となる素イデアルは
存在しない。
p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき
だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。

残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。

152:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 13:50:05
問題
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で
100 以下のものを全て求めよ。

153:132人目の素数さん
06/12/09 14:11:35
>>152
(a,b) p
(0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89
ただ計算しました。

154:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 14:31:13
>>153

正解です。
計算方法を書いておきます。

a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20
よって b ≦ 4 となる。
b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。
すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9

0 ≦ a ≦ 9
1 ≦ b ≦ 4
のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。
数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。

155:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 14:32:09
(0, 1) = 5*
(0, 2) = 20
(0, 3) = 45
(0, 4) = 80
(1, 1) = 6
(1, 2) = 21
(1, 3) = 46
(1, 4) = 81
(2, 1) = 9
(2, 2) = 24
(2, 3) = 49
(2, 4) = 84
(3, 1) = 14
(3, 2) = 29*
(3, 3) = 54
(3, 4) = 89*

続く

156:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 14:33:10
(4, 1) = 21
(4, 2) = 36
(4, 3) = 61*
(4, 4) = 96
(5, 1) = 30
(5, 2) = 45
(5, 3) = 70
(5, 4) = 105
(6, 1) = 41*
(6, 2) = 56
(6, 3) = 81
(6, 4) = 116
(7, 1) = 54
(7, 2) = 69
(7, 3) = 94
(7, 4) = 129
(8, 1) = 69
(8, 2) = 84
(8, 3) = 109*
(9, 1) = 86

157:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 14:43:39
>>153

今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。

158:132人目の素数さん
06/12/09 14:59:44
p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2


159:132人目の素数さん
06/12/09 15:00:44
p=5b^2 mod a
=a^2 mod b

160:132人目の素数さん
06/12/09 15:11:24
何か高校数学で出てきそうな問題ですね。
敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。

161:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:18:02
p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 5 である。

p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。

まず
a^2 ≡ p (mod 5)
つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば
(p/5) = 1 である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)
だから

p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
である。

162:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:28:53
一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106)するから、 >>105 より
(-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p)(p/5) = 1 である。

>>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1
よって (-1/p) = 1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(p-1)/2 は偶数である。
よって p ≡ 1 (mod 4) となる。

>>161
p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
と組み合わせて

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)
である。

163:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:33:32
>>162
>(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから

これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。

前スレ3の747の
4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p)
から直ちにでる。

164:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:38:37
>>160

簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。

165:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:41:33
>>161
>p ≠ 5 である。

p ≠ 2 でもあることに注意しておく。

166:132人目の素数さん
06/12/09 15:49:04
p=a^2+b^2 mod 4
=a^2-b^2 mod 6

167:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 15:50:48
>>162 の結果

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。

100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは

21, 41, 61, 81

20k + 9 の形のものは

29, 49, 69, 89

これ等のなかで素数なのは
29, 41, 61, 89

これは >>153 と 5 を除いて一致する。

168:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 16:57:51
>>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。
しかし、この予想は正しいことを後で証明する。

予想
p を 5 以外の有理素数とする。
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

が必要十分である。

169:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:02:14
命題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、
IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される
K の A-部分加群である。
このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。

証明
L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。

IJ = A だから J ⊂ L である。
よって IJ ⊂ IL である。

L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。

IJ = A より IL = A となる。

IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J
JIL = (IJ)L = L だから L = J
証明終

170:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:09:57
証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で
ある必要はなかった。

171:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:17:11
問題
A を Dedekind 整域とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。
このとき (a) = PI となるイデアル I がある。

172:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:24:57
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。

173:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:26:53
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。

174:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:31:31
問題
>>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。

175:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:32:01
問題
A を Dedekind 整域とする。
I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。
このとき I = JL となるイデアル L がある。

176:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:35:15
命題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。

証明
>>174 より明らか。

177:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:40:01
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176)。
この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。

178:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:43:57
定義
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。
この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと
呼ぶ。

179:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:46:12
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の主分数イデアル(>>178)全体は乗法に関して群になる。
この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。

180:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:49:51
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A)
をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。

181:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 21:57:13
A を Dedekind 整域とする。
前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群
Pic(A) に同型であることを注意しておく。

182:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:27:17
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は
A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。

183:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:32:29
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

184:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:35:12
訂正

>>183
>このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

185:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:39:49
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
>>182 よりこのようなイデアルは存在する。
>>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。
N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。

明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。

186:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:48:05
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル
ともいう。
しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。

定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

187:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 22:52:57
2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の
分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。

188:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:09:53
問題
2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から
求めよ。

189:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:13:47
問題
2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。

190:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:17:13
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と
表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。
ここで r, s, t は適当な有理数である。

191:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:20:17
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、
N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。

192:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:22:02
訂正

>>186
>定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。

193:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:44:30
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル類群(>>180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の
イデアル類と呼ぶ。

A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り
A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。

194:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:51:58
問題(高木の初等整数論)

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が
同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m)
があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

195:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/09 23:58:11
問題(高木の初等整数論)
以下のように >>194 の逆が成り立つ。

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に
対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。

θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。
さらに N(ρ) = ±(a/k) である。

196:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 01:55:54
(a, b)/(c, d) は第一行が a, b で第2行が c, d である
2次の正方行列を表すことにする。

C を複素数体とし、GL_2(C) を C 上の2次の正則行列のなす群とする。
つまり C の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc ≠ 0 となるもの全体のなす群である。

GL_2(C) は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する。

g = (a, b)/(c, d) で z ∈ C ∪ {∞} のとき
g(z) = (az + b)/(cz + d) である。
ただし、c ≠ 0 のとき
g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/(cz + d) = a/c とする。
c = 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/d = ∞ とする。

SL_2(R) を実数体の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

同様に SL_2(Z) を有理整数を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

197:132人目の素数さん
06/12/10 02:00:58
モジュラー

198:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 02:07:27
問題
SL_2(R) の元 g = (a, b)/(c, d) と z ∈ C に対して
g(z) = (az + b)/(cz + d) とおく。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。
このとき Im(g(z)) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

199:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 02:40:49
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

>>198 より SL_2(R) は H に作用する。

問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が3個以上あれば、
g = ±1 である。

200:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 02:51:55
>>199 より PSL_2(R) = SL_2(R)/{±1} は H に忠実に作用する。
SL_2(Z)/{±1} をモジュラー群と呼ぶ。

201:132人目の素数さん
06/12/10 08:37:25
ガイシュツかも知れんが…

pが奇素数のとき 次の不等式を示せ.
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } = (p-1)/2,  (p≡1 (mod 4))
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } < (p-1)/2,  (p≡3 (mod 4))
 ( [x] は Gaussの記号 )

URLリンク(messages.yahoo.co.jp)
出題(不等式)

202:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:11:48
問題
SL_2(R) の任意の元の固有方程式は以下の3種類である。

1) (X - 1)^2 = X^2 -2x + 1

2) (X + 1)^2 = X^2 +2x + 1

3) (X - λ)(X - 1/λ) ここで λ ≠ ±1

203:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:24:46
問題
>>202 の 3) のタイプの行列 g は、さらに二つのタイプに分けられる。

a) λ は実数

この場合 |Tr(g)| > 2 である。

b) λ は実数でない
この場合 |λ| = 1 であり、|Tr(g)| < 2 である。

204:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:30:47
定義
SL_2(R) の元 g は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

205:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:39:49
ここで、線形代数の復習をしよう。

問題
K を代数的閉体とする。
K の元を成分とする n 次の正方行列 A は三角行列に相似である。
つまり、n 次の正則行列 P があり PAP^(-1) が三角行列になる。

206:132人目の素数さん
06/12/10 12:44:08
>>kummerさん
もしかして保形関数(保形型式)の話しをやるのですか?

207:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:47:30
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A の固有多項式を (X - λ_1)... (X - λ_n) とする。
ここで, λ_1, ... λ_n の中に同じものがあってもよい。

f(X) を K の元を係数とする次数1以上の多項式とする。
このとき f(A) の固有多項式は (X - f(λ_1))... (X - f(λ_n))
である。

208:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 12:51:44
>>206

今はしないです。後でするかもしれないですが。
ここではモジュラー群の基本事項をやるだけです。

209:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 13:12:05
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A がべき零、つまり A^m = 0 となる有理整数 m ≧ 1 があるためには
A の固有値がすべて0であることが必要十分である。
さらに、このとき A^n = 0 となる。

210:132人目の素数さん
06/12/10 14:40:15
訂正

>>204
>定義
>SL_2(R) の元 g は
>
>|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
>|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
>|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

定義
SL_2(R) の元 g, g ≠ ±1 は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

211:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 15:37:08
問題
g ≠ ±1 を SL_2(R) の元とする。
g^m = 1 となる有理整数 m > 1 があるためには
g の固有値 λ がすべて λ^m = 1 かつ λ ≠ ±1 を満たすことが
必要十分である。

212:132人目の素数さん
06/12/10 15:40:57
万一、命題の証明や問題が間違っていた場合は、それを指摘することも
演習とするw

こちらも間違えることは当然ある。

213:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:16:11
問題
>>198 より SL_2(R) は複素上半平面 H に作用するが、この作用は
推移的である。つまり、H の任意の2点 z, w に対して w = g(z)
となる g ∈ SL_2(R) がある。

214:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:25:38
問題
SL_2(R) の複素上半平面 H への作用(>>198)において、虚数単位 i の
安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(i) = i } は
特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
ここで g^t は g の転置行列である。

215:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:29:31
問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が1個以上あれば、
g = ±1 か g は楕円型(>>210)である。

216:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:35:55
問題
SL_2(R) の位数有限の元は ±1 か楕円型(>>210)である。

217:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:37:30
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の特性多項式は

X^2 + 1
X^2 + X + 1
X^2 - X + 1

のどれかである。

218:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 18:40:47
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の位数は 3, 4, 6 のどれかである。

219:132人目の素数さん
06/12/10 18:48:51
きゃは!おもしろい。

220:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 19:07:38
定義
2次体 Q(√m) において、αを任意の整数、β を 0 でない任意の整数
とする。
このとき、α = βγ + δ、 |N(δ)| < |N(β)| となる整数 γ、δ が
常に存在するとき Q(√m) は、ノルム Euclid 的であるという。

221:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 19:11:26
問題
2次体 Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。

222:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 19:28:38
>>196 以降は志村の
Introduction to the arithmetic theory of automorphic functions
を参考にしている。

223:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 19:38:09
定義
複素上半平面 H の点 z に対して g(z) = z となる楕円型(>>210)の元
g ∈ SL_2(Z) が存在するとき、z を楕円点という。

224:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:15:43
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-1)) の整数環 Z[√(-1)] に同型である。

225:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:19:09
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

226:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:26:08
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

g は (0, -1)/(1, 0) または (0, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で
共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

227:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:38:31
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] に同型である。
ここで、ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) である。

228:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:44:33
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

ヒント:
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] は前スレ3の233から
ノルム Euclid 的(>>220)である。

229:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:46:53
>>225
>>228

Z^2 の元は列ベクトルとみなす。

230:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:49:42
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

g は h = (0, -1)/(1, -1) または h^2 = (-1, 1)/(-1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

231:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 21:59:55
問題
g を SL_2(Z) の位数6の元とする。

g は -h = (0, 1)/(-1, 1) または -h^2 = (1, -1)/(1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

ここで h = (0, -1)/(1, -1) である。

232:132人目の素数さん
06/12/10 22:07:22
>>201

・p≡1 (mod 4) のとき
 x^2 ≡ -1 (mod p) を満たすxがある。(-1 は平方剰余)
 よって、{k,p-k}の対は 共に平方剰余 または共に非剰余。
 x^2 ≡k, y^2≡p-k (mod p) なる x,y をとると、
 r=x,p-x ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = k/p,
 r=y,p-y ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = (p-k)/p,
 辺々たせば =1.
 平方剰余は (p-1)/2 個, すなわち (p-1)/4 対あるから、
 これは与式左辺のp-1項を尽くしている。

233:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 22:14:02
定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

234:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 22:24:58
問題
複素上半平面 H の楕円点 z の位数(>>233) は2または3である。

位数2の楕円点は √(-1) に SL_2(Z) の元の作用で移る。

位数3の楕円点は (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) に
SL_2(Z) の元の作用で移る。

235:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 22:52:20
定義
複素上半平面 H の部分集合 D が以下の条件を満たすとき SL_2(Z) の
基本領域と呼ぶ。

1) D は H の連結開部分集合である。

2) D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

3) H の任意の点は D の閉包のある点とSL_2(Z) の作用で同値である。

236:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 23:01:33
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D が SL_2(Z) の基本領域であることを示すのが次の目標である。

237:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 23:24:23
SL_2(Z) の元 S, T を

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

で定義する。

S(z) = z + 1
T(z) = -1/z

である。

238:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 23:35:48
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は
最大値をもつ。

239:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/10 23:50:28
補題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
このとき |T(z)| > 1 である。
ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。

証明
自明である。

240:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 00:03:58
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

>>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G'
があり Im(g(z)) が最大値となる。

w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。
|Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。
このとき |Im(w)| ≧ 1 である。

つまり、w は
D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。

241:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 00:45:26
訂正

>>239 を次の問題に置き換える。

問題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
w = -1/z とおく。
このとき Im(w) > Im(z) である。

242:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 07:33:58
>>205, >>207, >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも
しれない。

他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは
必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。

もちろん、解くのはなんら問題ない。

243:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 10:25:47
訂正

>>214
>特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

244:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 10:26:43
もといw

特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

245:132人目の素数さん
06/12/11 18:51:32
クンマー、ディリクレ

246:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 19:45:09
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。

247:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 20:16:43
問題
z を |z| > 1 である任意の複素数とする。

|z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。

248:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 20:34:48
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら |z + d| > 1 である。
ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。

249:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 21:13:22
補題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。
g = (a, b)/(c, d) とする。
この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
即ち w = (az + b)/(cz + d) である。

Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。

証明

>>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。
よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。
Im(z) > 0 だから
|cz + d| ≦ 1 となる。

y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。
よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。
よって |c| ≦ 1/y となる。
一方、>>246 より y > (√3)/2 である。
よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。
よって c = 0 または ±1 である。
証明終

250:Kummer ◆g2BU0D6YN2
06/12/11 21:16:16
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。


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