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口腔粘膜の自然免疫系、特に細菌細胞壁ペプチドグリカン認識システム
東北大学大学院歯学研究科 口腔微生物学分野
上原亜希子、高田春比古
生体は常に微生物に晒されており、これを認識し排除または制御することが生命の
維持に不可欠である。特に自然免疫系はヒトを含む高等動物から昆虫や植物に至る
まで保存されている重要なシステムである。哺乳類ではToll-like receptor (TLR)
ファミリーなどのレセプターが、微生物に特有の構造pathogen-associated molecular
patterns (PAMPs)を認識することで、生体防御を担っている。マイコプラズマを除く
全ての細菌種に普遍的に存在する細菌細胞壁ペプチドグリカン(PGN)に関しても
TLR2をレセプターとするとの知見が報告された。しかし、PGNの免疫強化作用を
担う最小有効構造であるムラミルジペプチド(MDP)の活性はTLR2非依存的
に発現する。2003年、米・仏二つのグループによりMDPは細胞内レセプターで
あるNOD2により、さらに、ジアミノピメリン酸(DAP)を含むPGNフラグ
メントg-D-glutamyl-meso-DAP (iE-DAP)はNOD1により認識されることが明らか
にされた。ヒトではNOD1、NOD2のほか、Cryopyrin, Ipafなど、約20種類の
NOD系蛋白質が細胞内に存在することが知られている。従って、TLRが主として
生体膜上での病原認識にかかわるように、細胞質内にも病原認識にかかわる
蛋白質ファミリーが存在することが明らかになった。我々はこれまでに様々な
組織由来のヒト上皮系細胞を供試してTLR系ならびにNOD系分子発現を網羅的
に検討したところ、これら上皮細胞はほとんど全ての分子を恒常的に発現して
いるとの知見を得た。そこで、対応するリガンドで刺激すると上皮細胞は...
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これは どうなのか?