08/07/11 18:28:04
国補助の研究でもうそ 報告書、患者同意得ず 虚偽論文
東京大学医科学研究所の分子療法分野研究室(東條有伸教授)がかかわった医学論文に研究倫理に関する虚偽記載が
相次いだ問題で、東條教授が文部科学省から科学研究費補助金を受けて作成した研究報告書にも「患者同意」について
虚偽の内容が書かれていたことが分かった。一連の問題で医科研は11日、外部の有識者を交えた調査委を発足させ、
実態解明や再発防止策の検討に乗り出した。
文科省への報告で虚偽記載が見つかったのは、増殖能力の高い白血病細胞を調べて病気の悪性度の測り方にどう役立
てるかをテーマにした研究。03~04年度に同省の科研費350万円を受けて行われた。研究の代表者だった東條教
授は当時、分子療法分野の助教授。同じ研究室の教授や助手と共同研究の結果を記した報告書は、虚偽記載が判明して
撤回された論文のもとになる内容だった。
報告書は05年3月の提出。医学誌に投稿するために準備していた原稿を「研究成果の報告書」として掲載したが、
その中に「白血病細胞の検体は患者から文書で同意を得て採取した」との記載がある。しかし、東條教授によると、研
究には19人分の検体を使ったが、すでに判明している論文の虚偽記載と同じように、おおむね半数の患者から文書に
よる同意を得ていなかったうえ、倫理審査の申請もしていなかった。
03年7月に厚生労働省が定めた「臨床研究に関する倫理指針」は、研究機関の倫理審査委が事前に研究計画書を審
査し、患者から文書で同意を得るよう求めている。
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