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URLリンク(www.merck-chemicals.jp)
テロメア、テロメラーゼと細胞老化と細胞死
がん細胞の約90%が、短いテロメアを持ちながら高い
テロメラーゼ活性を示します。たとえば、口腔癌の75%、肺癌の80%、
乳癌の93%、大腸癌の 95%が検出可能なテロメラーゼ活性を示します。
がん細胞は正常細胞と比較してより頻繁に分裂するため、
平均するとテロメア長がより短くなっています。従って、
活性型テロメラーゼが存在してテロメア長を維持していなければ、
癌細胞は正常細胞よりも速い速度でテロメア長の限界最小値に達する
可能性があると考えられます。
URLリンク(www.jniosh.go.jp)
さて、喫煙によって健康を損なう背景には、
身体を守る免疫系の働きが低下することが知られています。
これまでの研究成果から喫煙は、1)末梢血中の白血球数及びリンパ球数
の増加、2)腫瘍やウィルスに感染した細胞を破壊するナチュラルキラー
(NK)細胞の機能(NK細胞活性)の低下、3)免疫グロブリン G、A及びM
などの抗体価の減少、4)インターロイキン(IL)-2、IL-4、IL-6、
腫瘍壊死因子αやβなど炎症性サイトカイン量の増加等を引き起こすことが
分かっています。
喫煙における末梢血中のCD4+CD45RO+T細胞数の増加は動脈硬化巣に
よる炎症反応の亢進に寄与している可能性があります。
このように喫煙は炎症反応を亢進し、動脈硬化の促進や心臓血管系疾患
の発症・進展を起こすと考えられます。
URLリンク(www.kyoto-su.ac.jp)
肺の免疫系の中で中心となって働いているのは、「肺胞マクロファージ」と呼ばれる
細胞です。マクロファージは大型食細胞とも呼ばれる白血球の一種です。
このように喫煙は肺胞マクロファージに損傷を与え、
肺の免疫システムの機能を低下させ、肺ガンの原因にもなります。