08/10/15 19:51:38
>>120のつづき
所:何故、鳥インフルエンザの常在国の中国でのヒトへの発生がないのですか?
河岡:報告がされていないだけだと考えられます。CDCのサーベランス・プログラムが他の国では徹底して
いますが、中国では鳥インフルエンザよりも他に対処しなければいけない問題があり、その分鳥インフルエ
ンザに対する認識が低くなっているのかもしれません。
所:例えば、アメリカでも83年に鳥インフルエンザの発生がありましたが、ヒトへの伝搬がなかったのは何故ですか?
河岡:実は、ニューヨークにもlive poultry marketがあります。ここで生きた鳥を売っています。何故ヒトに
伝搬しなかったかは、むづかしい問題ですが、おそらくウィルス自体の性質の違いだと思われます。
所:良くわかりました。ところで、日本への影響ということを考えると、中国からのタマゴとか鶏肉の輸入により
鳥インフルエンザが日本で発生することは考えられますか?
河岡:その可能性は、ほとんどないと云えます。糞便のついたタマゴとか鶏肉なら別ですが。通常のタマゴと
か鶏肉であれば問題ありません。ウィルス汚染の可能性のある腸管とか呼吸器系の部位の輸入はヤメた方
がいいと思います。
所:すると、日本への鳥インフルエンザの侵入ルートとして考えられるのは、中国の野性水禽が日本で飼育
している鳥群の中に糞便をおとす可能性があるところということになりますか?
河岡:そうです。
所:例えば、今すこしずつ増えてきたダチョウの放牧などはどうですか。
河岡:それは、絶対にアブナイですヨ。既に実験的にも水禽に常在するインフルエンザウィルスがダチョウに
感染を引きおこすことが証明されていますから。