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【新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ|パンデミック・フルー 新型インフルエンザ Xデーガイドブック】
■1章-13 全身感染~あらゆる臓器が破壊され出血する~
URLリンク(blog.moura.jp)
では、強毒型のH5N1型鳥インフルエンザウイルスに人が感染すると、どうなるのでしょうか。強毒型なので、
局所感染ではなく鳥と同じように全身感染を引き起こす例が報告されています。ウイルスは呼吸器だけにとど
まらず、血液の中に入っていって、脳や腸管、肝臓、腎臓という、さまざまな臓器に感染して、その細胞を破壊
し、出血させる可能性があります。その症状はSARSに近いかもしれません。ただし、SARSは呼吸器系のみ
の局所感染です。H5N1型は全身感染を引き起こすので、その症状はSARSよりも重いものになります。
さらに怖いのが、サイトカインストームと呼ばれる病態を引き起こすことです。本来、インフルエンザにかかる
と、体の中でサイトカインと呼ばれる多くの活性物質が作り出されます。この働きによって、体が熱を出してウイ
ルスの増殖を抑えるなどして、早く治そうとする生体反応が起こるのです。しかし、H5N1型鳥インフルエンザに
感染すると、身体が過剰反応を起こしてしまい、逆にこれらの活性物質が身体を痛めつけてしまうことになるの
です。
肝臓や腎臓、腸、肺などのあらゆる臓器がさらにダメージを受けてしまうため(これを多臓器不全といいます)、
重症化してしまい、致死率が非常に高くなるというのが特徴です。しかも、このサイトカインストームというのは、
高齢者や妊婦、乳幼児などのハイリスク群の人よりも、逆に免疫機能がよく働いている健康で若い人のほうが
引き起こしやすい現象だということも忘れてはいけません。若くて健康だから安全だとはいえないのです。スペ
インかぜが大流行したときは、このサイトカインストームによって、特に20~30代で多くの犠牲者が出ました。
たとえ命が助かったとしても何らかの後遺症が残ることも考えられます。