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[主張]新型インフルエンザ 政府は対応に万全を期せ 公明新聞:2008年6月26日
与党提言の具体化、一刻も早く
発生は時間の問題
国家の安全保障にもかかわる“脅威”として、政府は万全の体制を期すべきである。
新型インフルエンザの発生に備えた対策が喫緊の課題だ。最近では、国内のほか、中国や韓国、英米
両国などでも新型インフルエンザに変異する恐れのある鳥インフルエンザの発生が相次いでいる。
国内では先月(5月)、北海道や青森、秋田両県で、ハクチョウから毒性の強い鳥インフルエンザウイル
スを検出。また、農林水産省は今月(6月)上旬、英米両国での鳥インフルエンザ発生を受け、両国からの
鶏や鶏肉などの輸入を一時停止すると発表した。新型出現の可能性は日を経るごとに高まるばかりだ。
新型インフルエンザウイルスは、鳥類などのインフルエンザウイルスが人に感染し、変異して人から人
へと感染するようになったもの。これまでも10―40年周期で発生しており、人間は新型のウイルスに対
する免疫を持っていないため、一度発生すると世界的な大流行を引き起こす恐れがある。その上、いつ
発生するかが分からず、発生を避けることもできない。
世界保健機関(WHO)によると、鳥インフルエンザの人への感染者数は385人で、致死率は63%と
極めて高い(6月19日現在)。政府は新型が発生した場合、最大で国民の4人に1人が感染し、死亡者は
64万人にも達すると推定。大流行に備え、インフルエンザ治療薬の備蓄など対応を強化しているが、
国民の不安は依然大きく、追加的な対策が不可欠だ。
こうした中、与党のプロジェクトチームは21日、町村信孝官房長官に医薬品の備蓄促進や水際対策の
強化などを柱とする提言を提出した。国民の安心感を高めるためにも、政府は一刻も早く提言を具体化
すべきだ。